「取り急ぎ」の意味とは?メールで使う際の3つの注意点・言い換えを例文で解説

ビジネススキル・マナー

ビジネスメールで「取り急ぎ?まで」という言い方をよく使っていませんか?実は、「取り急ぎ」は、目上の人に対しては失礼になる場合があるのでます。この記事では、普段何気なく使っている「取り急ぎ」の正しい使い方の注意点を解説します。最後に言い換え表現の例文も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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そもそも...「取り急ぎ」の意味とは?

「取り急ぎ」はもともと、届くのに時間を要する手紙でのやりとりで、「何はさておき、急いで」連絡する場合に使われてきました。「詳しい説明は追ってしますが、ひとまずご報告・ご連絡します」という意味です。

ただし、メールはすぐに届くので、「取り急ぎ」を使う場合には注意が必要です。少し時間があれば詳細な内容にできるはずなのに、説明不足のまま相手に連絡することが、「失礼に当たる・雑である」という見方もあるからです。

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失礼にならないための、3つのチェックポイント

「取り急ぎ」は、大前提として、急を要する要件のときだけ使います。たしかにレスポンスが速いことは相手に喜ばれるかもしれませんが、本当に一言で返すほど急ぎの内容なのか、よく見極めましょう。

それでは、「取り急ぎ」という言い方が失礼にならないためのチェックポイントについて、次に解説していきます。

省略した内容を後で連絡する

一刻も早く「内容を承知しました(確認)」「トラブルが起こりました(報告)」「日程を押さえてください(依頼)」といったことを伝えたい場合、「取り急ぎ、ご一報まで」などと連絡する事自体は問題ありません。

ただし、そこでやりとりを終わらせず、追伸のメールで詳しい内容を補足することを前提にして、「取り急ぎ」を使うようにしましょう。

時間が空いた返信には使わない

また、2、3日たってからの返信に「取り急ぎ」と書かれていると、受け取った相手は、この調子では本題に入るのはいつの事かと思われてしまいます。

もし、連絡すべき内容が発生してからすでに2、3日経過している場合は「取り急ぎ」は使わず、連絡すべき内容を全て説明するメールにしましょう。

ほかの表現に言い換えられるか考える

説明不足のまま一言返す、というのは、上司や目上の方に対して「あなたへの説明より優先すべきことが他にあります」と受け取られてしまう場合もあります。

ほかの表現として、「まずは...のみのご連絡になります」のように言い換え、続きを速やかに送ると印象が良くなります。

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「取り急ぎ」の言い換えフレーズ

「取り急ぎ」の意味を持たせつつ、丁寧な表現にしたいときに使える言い換えフレーズをご紹介します。

「取り急ぎ」の類義語

先述の通り、「取り急ぎ」は「詳しい説明は追ってしますが、ひとまずご報告・ご連絡します」という意味なので、「まずは」「一旦」「略儀ながら」などの言葉が類義語に挙げられます。

「まずは」「一旦」は「取り急ぎ」に比べて口語的な表現になりますが、そこに続けて意図を伝えることで丁寧な印象になるでしょう。

また、「略儀ながら」は「省略したやり方ですが」という意味で、本来は直接会って伝えたい内容などを伝えるときなどに使えます。

例えば、お礼を伝えたいときなどに「略儀ながらメールにて御礼のみを申し上げます。」といった使い方をします。

「取り急ぎ」の含意を説明するフレーズ

むやみに「取り急ぎ」を使って端的にせず、意図する意味を類義語を使いつつ文章で伝えることで、丁寧な表現に変わります。

例えば、「一旦ご報告申し上げます。」「要件のみで恐縮ですが、ご検討をよろしくお願いいたします。」「確認のみで失礼いたしますが、再度ご連絡差し上げます。」などです。

いずれの表現も「まずは要件を早く伝えたい」「詳細については改めて伝える予定である」という旨が伝わる上、丁寧な印象を与えられるでしょう。

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「取り急ぎ」を言い換えるときに!シーン別メール例文集

ビジネスメールでの「取り急ぎ~まで」という言い方は、つい何気なく使ってしまいがちですが、「取り急ぎメール」を多用したり、使い方を間違ったりすると、下のような印象を相手に与えてしまう可能性があります。

  • 始めから詳細な内容が送られてくれば、すぐ次のアクションに取りかかれるのに、「取り急ぎ」メールばかりで対応しづらい。
  • お礼の「取り急ぎ」メールが1回来たが、あとは何も連絡が来ない。

こうした印象を抱かれないようにするためにも、できるだけ「取り急ぎ」を使わずに使える言い換え方をシーン別にご紹介します。

お礼

会食の翌日などに、お礼のメールを送ることがあります。ごく短い文章であってもお礼を述べることはとても大切です。

次のような使い方をした場合、改めてお礼を追伸することはなかなかないでしょう。また、「お礼まで。」で締めるのは口語的な表現です。

「昨日は参考になるお話をたくさん伺え、今後の在り方が見えて参りました。ありがとうございました。(...)取り急ぎお礼まで。」

こうした場合は、下のような書き方に変えることで、「お伺いしてのご挨拶ではなく、失礼します」という気持ちを示しつつも、日を置かず感謝を伝えることができます。

(...)略儀ではございますが、メールにてお礼申し上げます。

【関連記事】「打ち合わせの後などビジネスで使えるお礼メールのマナーや書き方【例文付き】」

報告①:進捗を伝える

仕事の進捗状況をメールだけでなく、SNSやチャットで報告することが増えています。

簡潔な表現はビジネスの場で大切ですが、次の場合はどうでしょうか。

〇〇の件、先方部長に△△日にプレゼンを実施。現在社内検討中。感触確認のため来週再訪問予定です。取り急ぎご報告まで。

さらに細かい報告をする場合はこの表現でも良いですが、報告としてすでに必要な項目が盛り込まれていれば「取り急ぎ」をあえてつけなくてもOKです。逆に、「このあと何か補足があるのかな」と思わせてしまう可能性もあります。もし、締めに一言入れたい場合は、以下のよう言い換えてみましょう。

  • 以上、ご報告申し上げます。
  • 以上ご報告です。

報告②:お世話になった知人・上司などに近況を伝える

例えば転職活動などでは、書類選考や面接のステップを経る中で、お世話になった方へお礼かたがた報告するというケースがあります。

まだ内定ではないけれどもひとまずお伝えしたい、といった場合、まだ最終結果ではないので次のように短く切り上げたくなるところです。

〇〇さんのおかげで書類選考を通り、面接を受けさせていただく運びとなりました。取り急ぎご報告まで。

こうした場合も、「取急ぎ」を言い換えることでより好感を持ってもらえるメールになります。

〇〇さんのおかげで書類選考を通り、面接を受けさせていただく運びとなりました。良いご縁がいただけるよう、面接の場でしっかり想いを伝えて参りたいと思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。

【関連記事】「"転職活動に役立つメールの書き方"おすすめ記事6選! 活動フェーズごとに紹介」

日程などの連絡

例えば、次回の打合せ日程を決める連絡をする場合、下のような書き方も、チャットのようなシンプルなやりとりで済む相手であれば有効です。

次回お打合せの日程ですが、候補日として〇月〇日、△日を考えております。ご検討・ご調整よろしくお願い致します。取り急ぎ日程調整のご連絡まで。

しかし、取引先や目上の人の都合を伺う場合は、次のように、「このメールはスケジュール調整です」という旨に言い換えることができます。

(...)◯日◯時を考えております。ご都合いかがでしょうか。まずは日程のみのご連絡になりますが、ご検討よろしくお願いいたします。

加えて、このように予告すると、先方も今回の連絡に対してどこまでアクションを取るべきか分かりやすくなり、よりスマートです。

打合せの内容につきましては、改めてこちらから明日(来週空け、◯日、など)にご連絡差し上げます。

また、連絡を受けたことに対する返事をする場合は、「候補日の件承知いたしました。取り急ぎお返事まで」と、開封通知代わりのメッセージを送ることがあります。

こうした状況では、下のようにするとより丁寧な表現になります。

承知いたしました。調整のうえ、明日中にお返事いたします。

お詫び

ミスやトラブルが発生した場合、迅速な謝罪が必要となります。必ずしも相手に多大な影響を及ぼさない軽微なものもありますが、その場合であっても、間に合わせのニュアンスがある「取り急ぎ」は使わないようにしましょう。

【関連記事】「【例文付き】お詫び・謝罪メールの基本や文章構成のポイントを幅広く紹介」

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まとめ

失礼のないようにと使っている「取り急ぎ」が、メールの場合はかえって失礼な場合がある、ということについてお話ししました。

「ビジネスメールは簡潔に」というビジネスマナーを意識する人や、チャットでのシンプルなやりとりに慣れた人が増えている昨今ですが、特に目上の人や社外の方へは丁寧な対応が求められます。「取り急ぎ」を使いたくなったときに、別の言い方をすることで印象が変わってきます。相手からの信頼を高め、ビジネスをスムーズに進めるためにも、表現を工夫してみてください。

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