仕事をしていると、ミスやトラブルが原因で取引先やお客様、上司などに謝罪やお詫びのメールを送る場面も出てくると思います。そうした場合には、迷惑をかけてしまった相手にできる限り素早くお詫びをすることが重要です。
今回は、お詫びメールを送る際に注意すべきポイントや、実際の書き方について解説していきます。
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目次
1.お詫びは直接するのが最善
2.お詫びメールを送る際に気をつけること
3.謝罪の程度・場面に合わせた謝罪のフレーズ
4.お詫びメールを書く際の件名と文章構成
5.お詫びメールが必要な場面と謝罪のポイント
6.【社外向け】お詫びメールの例文
7.【社内向け】お詫びメールの例文
8.お詫びメールを受け取った際の返信文
9.就職時・転職時に必要な内定辞退メール
10.まとめ
1.お詫びは直接するのが最善
ビジネスシーンで問題やミスが発生した時は、対面、もしくは電話で相手に直接謝罪をするのが望ましいです。直接謝罪することが誠意だという価値観を持っている方もいますし、表情や声色などからお詫びの気持ちが伝わりやすくなるためです。
しかし、その時の状況や相手との距離などの問題から、直接お詫びするのが難しいケースもあります。そうした場合には、メールでお詫びをすることも一つの選択肢となります。
メールでお詫びを伝える際には、その誠意が相手に伝わる言葉選びが重要です。表情や声を直接届けられないぶん、いつも以上に伝え方に気を配らなければなりません。
また、問題やミスの内容、程度によっては、メールのみのお詫びで終わらせては不十分なケースもあります。その場合は、メールの文面に「後ほどあらためて電話をさせていただきます。」といった一文を添えて、後ほど電話で謝罪を行うようにしましょう。もし自分だけで判断することが難しい場合は上司に相談をしましょう。
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2.お詫びメールを送る際に気をつけること
お詫びメールは相手に謝罪の気持ちを伝えられる大切な機会です。
しかし、タイミングや書き方を間違えると、謝罪の気持ちが伝わらないどころか、さらに失礼な印象を与えてしまうこともあります。
そうならないためにも、お詫びメールを送る際は以下の点に注意しましょう。
2.1.迅速に対応をする
問題やミスが発生した際には、相手へ迅速にお詫びメールを送りましょう。時間が経過すればするほど相手側は不信感を抱き、その後の関係性にも悪影響を及ぼしまいます。
お詫びメールを送るのが怖いという気持ちもあるかもしれませんが、問題やミスは誰にでもあります。最も重要なのは、その後の対応です。反省すべき自分の落ち度は認め、今後の対応策と共にお詫びメールを迅速に送りましょう。
2.2.簡潔に分かりやすく伝える
できる限り簡潔に、わかりやすい文章を心がけましょう。通常のビジネスメールと同様に、結論にあたる謝罪の気持ちを最初に伝えます。冒頭から経緯や言い訳などを長々と書いてしまい、最も重要な謝罪の気持ちが伝わらない、というようなことがないようにしましょう。
2.3.内容や名称、日付などは具体的に述べる
問題やミスの経緯を説明する際には、具体的な内容や、商品やサービス、社名などの名称、日付などを正確に表記しましょう。曖昧な記載をすると相手に誤解を与え、また新たな問題を引き起こす可能性もあります。
2.4.誤字脱字は厳禁
誤字脱字によって相手の心証がより損なわれてしまう可能性があります。間違いがないよう、メールの送信前に必ずチェックをしましょう。特に相手の名前や社名、役職名は絶対に間違えないように注意しましょう。
もしも、確認不足による誤字が心配な場合は、同僚に二重チェックをお願いするのも一つの方法です。
2.5.メールを送って終わりではない
謝罪メールを送り相手に納得してもらえたからといって、それで終わりではありません。
メールで事情や対応方法を連絡した後は、問題となった案件の対応に関する進捗状況を必ず報告しましょう。
丁寧かつ誠意のこもったフォローアップをすれば、失った信頼を回復できるだけでなく、ミスをする前よりも良好な関係を築けるかもしれません。
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3.謝罪の程度・場面に合わせた謝罪のフレーズ
謝罪をする際に同じフレーズばかりを使用すると、稚拙な文章となってしまいます。
そのため、同じニュアンスでも違う言葉を使用するようにしましょう。
謝罪の程度・場面に合わせたフレーズを紹介していきます。
3.1.それほど重くない謝罪に使われるフレーズ
それほど重くない謝罪に使われるフレーズとしては、
申し訳ありません
失礼しました
反省しております
お詫び申し上げます
お許しください
などが挙げられます。
誤解を生んでしまった場合など、お詫びの気持ちを表現したい場合に使用するフレーズです。
注意したいのは「すみません」を「すいません」にしてしまう間違いです。
また、「すみません」や「ごめんなさい」は口語表現になるため、ビジネスシーンに不向きなフレーズになります。
3.2.中程度の謝罪に使われるフレーズ
上記よりもかしこまった謝罪に使われるフレーズとしては、
大変失礼いたしました
ご迷惑をおかけいたしました
申し訳ございませんでした
お詫びの言葉もございません
などが挙げられます。
これらのフレーズは軽い謝罪では失礼にあたると判断した場合に使われるフレーズで、上司への謝罪メールにも使用することができます。
3.3.重大な事案の謝罪に使われるフレーズ
重大な事案の謝罪に使われるフレーズは、
謹んでお詫び申し上げます
猛省しております
弁解のしようもございません
心より謝罪致します
などです。
重大な事案の謝罪に使われるフレーズは全ての非が自分にある場合に使われます。
相手に一切の責任がない場合に使用しましょう。
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4.お詫びメールを書く際の件名と文章構成
通常のビジネスメールと同様に、お詫びメールにもそれに適した件名や文章構成があります。より誠意が伝わるお詫びメールを作成するためにも、その構成を把握しておきましょう。
4.1.メールの内容・重要性が伝わる件名にする
お詫びメールの件名は、内容が一目で把握できる、かつ重要性が伝わる文言で記載します。「【重要】●●についてのお詫び」といったような件名が良いでしょう。これなら何に関するメールかすぐにわかるため、数多く届くメールの中から発見してもらいやすくなります。
4.2.挨拶・お詫びの言葉を述べる
お詫びメールの冒頭では、通常のビジネスメールと同じく「平素よりお世話になっております。株式会社●●の●●でございます。」などの挨拶を述べます。それに続きメールの目的でもあるお詫びを伝えますが、文脈を意識し「今回は●●のお詫びでご連絡させていただきました。」などの一文を添えても良いでしょう。その後、「この度は●●の件で多大なるご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません。」といったお詫びの言葉を述べます。
4.3.問題の原因・経緯について分かりやすく説明する
お詫びの言葉はもちろん大切ですが、相手が知りたい情報は「なぜこのような問題やミスが発生してしまったのか」ということです。お詫びを伝えた後には、今回の問題を招いてしまった原因や経緯について順を追って説明しましょう。
原因や経緯を説明できないと、相手は「この人は理解や反省をしていないのではないか」と不信感を抱くリスクがあります。自分の感情や言い訳などは挟まず、起こった事実のみを記載するようにしましょう。
4.4.今後の対応について報告する
続いて、問題解決のために行う対応を報告します。
問題やミスは誰にでもあり得ることであり、相手もそれは認識しているはずです。しかし、それをどのようにリカバーするかによって相手との信頼関係は大きく変わってきます。お詫びの際には対応策も併せて伝える必要があることを理解しておきましょう。
4.5.締めの言葉を述べる
メールの最後では、再度お詫びの言葉を伝え、メールを締めます。
通常のビジネスメールでは、「何卒よろしくお願いいたします。」などの一文で締めますが、お詫びメールの際にはあまり好ましくありません。「繰り返しとなりますが、この度多大なるご迷惑をおかけしたことを、謹んでお詫び申し上げます。」などと、もう一度お詫びの気持ちを伝えるようにしましょう。
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5.お詫びメールが必要な場面と謝罪のポイント
お詫びメールの基本的な書き方は以上の通りですが、ここからは具体的にどのような時にお詫びメールが必要となるのか、また、場面別の文面における謝罪のポイントを解説していきます。
5.1.社外向けの謝罪の場合
社外への謝罪が必要になるシーンには次のようなものが考えられます。
確認ミスや対応ミスがあった
納品や発送などに遅れがあった
商品に不具合があった
クレームが入った
確認ミスや対応ミスの場合、そのようなミスが起こってしまった原因と今後の対応を報告するとともに、同じようなミスが起こらないためにどのような予防策を取っていくかが文面で示されていると、相手にも誠意が伝わります。
納品の遅れなどは、遅れが発生しそうだとわかった時点で早急に相手に連絡するべきでしょう。前もって伝えることで対応や調整がしやすくなります。
また、確実に納品・発送できる期日を明記すれば、相手の不安も解消されます。
商品の不具合やクレームに対するお詫びメールでは、相手にこれ以上不快な思いをさせないよう注意しましょう。
もし自社で対応しきれないことがある場合は、クッション言葉を挟むなどやわらかい表現を意識しながらそのことを伝えます。
5.2.社内向けの謝罪の場合
社内の人物に向けて謝罪が必要となるケースには、以下のようなものがあります。
不注意や確認不足でミスが起こった
提出や報告が遅れた
急用などで業務スケジュールに変更が生じた
社内向けのお詫びメールは、社外向けに比べて手短で簡潔になることが多いです。長々と丁寧すぎる文章だと相手の業務を邪魔する恐れもありますので、問題が起こった理由と対応について簡潔にまとめましょう。
問題に影響される他の関係者がいる場合は、その方たちも送信先に含めておくと対応がスムーズにいきます。
なお、緊急で連絡が必要な時は、メールではなく電話で一報を入れる方が望ましいこともありますので、その時々に合わせて連絡手段を考えましょう。
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6.【社外向け】お詫びメールの例文
ここからは、お詫びメールの具体例を紹介していきます。実際にお詫びメールを作成する際には、これらをそのままコピーして使用するのではなく、ご自身の状況にあった形や言葉にアレンジするようにしましょう。
6.1.取引先企業宛
まずは、常日頃からやり取りをしている取引先企業へのお詫びメール文例です。
■件名
【重要】●●納品遅れに関するお詫び
■本文
株式会社●●
●●部●●課
●● ●●様
平素より大変お世話になっております。
●●株式会社の●●でございます。
昨日ご連絡させていただきました●●の件で
進捗を報告させていただきます。
この度は●●の納品に遅れが生じ
誠に申し訳ございません。
来週●日には手配が完了いたしますので
●日までには●●様のお手元に到着する見込みとなっております。
また今回の原因は
●●のシステムにあることが判明しております。
早急にシステムの見直しを行い
今後同じようなことが起こらないよう対応して参ります。
あらためまして、弊社の不手際により
多大なるご迷惑をおかけしてしまい
誠に申し訳ございませんでした。
6.2.お客様宛
次に、商品やサービスを利用いただいているお客様へのお詫びメールの文例を紹介します。
■件名
ご購入商品についてのお詫び
■本文
●● ●●様
日頃より弊社製品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
株式会社●● カスタマーサポートの●●と申します。
お買い上げいただきました「●●」に関しまして
お詫びと対応をお伝えしたくご連絡いたしました。
この度お買い上げいただきました「●●」の動作不良に関しまして
ご不快な思いをさせてしまい深くお詫び申し上げます。
現在、原因の特定を進めておりますが
今後このようなことがないよう
早急に対策強化を進める所存でございます。
また、代替品となる動作確認済みの商品を本日発送させていただきます。
明後日の午前中には●●様のお手元に到着するかと存じますので
大変お手数ではございますがお受け取りの程
よろしくお願い申し上げます。
メールでのお詫びとなってしまい大変恐縮ではございますが
取り急ぎお詫びと新品商品の発送についてご報告申し上げます。
繰り返しとなりますが
この度は多大なるご迷惑をおかけしたことを
謹んでお詫び申し上げます。
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7.【社内向け】お詫びメールの例文
ここでは、社内の上司や役職者へ向けたお詫びメールの具体例を紹介します。
社内向けであっても、あまりフランクな表現にならないように注意して、謝罪や今後の予防策を丁寧に記載しましょう。
■件名
【重要】●●についてのお詫び
■本文
経理部
●●部長
お疲れ様です。
●●部の●●です。
取り急ぎ、メールにてご報告いたします。
先週までに●●株式会社●●様宛に送付しなければならなかった
請求書の発送を失念しておりました。
原因は私が1週間、日程を誤って認識していたためです。
先ほど先方に直接請求書を持参いたしまして
●日までには振込対応いただける見込みです。
この度は、私の不注意により
多大なるご迷惑をおかけしてしまい
誠に申し訳ございませんでした。
以後同じミスを繰り返さないよう
スケジュール管理を徹底して参ります。
メールにて恐縮ではございますが
取り急ぎお詫びを申し上げます。
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8.お詫びメールを受け取った際の返信文
取引先が何らかのミスをした場合は、逆にお詫びメールを受け取ることもあります。
返信する際は高圧的な文章にならないように注意して、「今後も共に頑張りましょう」といった前向きな文面にするのがおすすめです。
ここでは、お詫びメールを受け取った際の返信文の一例を紹介します。
■件名
Re:【重要】●●に関するお詫び
■本文
●●部●●課
●● ●●様
平素より大変お世話になっております。
●●株式会社の●●でございます。
この度はお忙しい中ご丁寧にメールをいただきまして、誠にありがとうございました。
誠実なお詫びのお言葉と対応策のご提案に対し、深く感謝申し上げます。
当社といたしましても、今後は問題の再発防止のため、より円滑なコミュニケーションと効果的な協力を推進してまいります。
何かご質問やご要望がございましたら、どうぞお気軽にお知らせください。
改めて、今後ともよろしくお願い申し上げます。
9.就職時・転職時に必要な内定辞退メール
ひと口に「お詫びメール」といっても、その内容は多岐に渡ります。正解というものはありません。トラブルの状況や相手との関係性によっても記載すべき内容は異なってきます。
例えば、就職活動で内定企業を辞退する際に送る「内定辞退メール」は、同じお詫びメールですが通常のビジネスシーンとは違った対応が必要です。内定辞退メールを書く際のマナーやポイントについては以下でくわしく紹介しています。
【関連記事】「【例文付き】内定辞退はメールで大丈夫?ポイントを紹介!」
また、お詫びメールの作成はビジネスメールの基本的なルールを理解していることが大前提となります。ビジネスメールの基礎知識については、以下の内容を参考にしてください。
【関連記事】「ビジネスメールはどう書けばいい?書き方や文例、返信の仕方を解説」
10.まとめ
お詫びメールの基本やポイント、例文についてご紹介してきました。
もし問題やミスが生じてしまっても責任を逃れようと言い訳したりごまかしたりせず、誠心誠意のお詫びと対応策の提示を迅速に行いましょう。それによって相手側に与える損失を抑えることができます。
ぜひ今回の内容を、万が一の時により良い解決へと導くための知識としてお役立てください。
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