ビジネスメールの件名は、メール内容を端的に伝える重要な要素です。しかし、長すぎたり曖昧だったりすると、相手に負担をかけるだけでなく、誤解を招く原因にもなります。そこで、本記事ではメール件名の基本マナーや押さえておきたいポイント、実際に使える具体例を紹介します。相手に配慮した効果的な件名で、より信頼されるビジネスメールを作成しましょう。
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1 メールにおける「件名」の重要性とは?
ビジネスメールにおいて、「件名」は受け取った相手が最初に目にする部分です。まずは、件名の意味や目的、空欄にしてはいけない理由などを詳しく見ていきましょう
1.1 「件名」の意味と目的
メールの件名は、メールの内容を簡潔に伝えるためのものです。件名が正しく記載されていれば、メールを開かなくても一目でメールの内容を理解できるため、受信者の負担軽減や業務の効率化につながります。
また、件名はメールを整理・管理する際にも役立ちます。特に、ビジネスシーンでは毎日多くのメールが行き交っており、曖昧な件名では重要なメールが後回しにされてしまう可能性もあります。迅速な対応を促すためにも、要件が分かりやすい明確な件名にすることが大切です。
1.2 「件名」を空欄にするのがNGな理由
件名がないと、受信者はメールの内容を一目で把握できないため、見落としや対応遅れの原因となります。また、件名が空欄のメールはスパムメールと判断され、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまう恐れもあります。
このことから特にビジネスメールにおいて、件名を空欄にするのは相手への配慮に欠けた行為であり、重大なマナー違反とされるため注意しましょう。
1.3 「件名」はメールの開封率にも影響する
メールの件名は、受信者がメールを開封するかどうかを判断する重要な要素であることから、開封率にも大きく影響します。明確で読みやすい件名は、内容を的確に伝えるだけでなく、相手の関心を引きつける効果があります。
一方、曖昧で冗長な件名は、受信者の開封意欲を低下させ、後回しにされてしまうリスクを高めてしまいます。メールの開封率を上げたい場合は、受信者の興味を引く分かりやすい件名にすることが大切です。
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2 ビジネスメールの件名の基本マナー
ビジネスメールの件名における基本的なマナーを3つ紹介します。受信者に失礼な印象を与えないように、基本マナーをチェックしておきましょう。
2.1 初めての挨拶メールには会社名や名前を入れる
ビジネスメールで初めての挨拶をする際は、件名に「【ご挨拶】株式会社〇〇」など会社名や名前を入れることで、内容と差出人を瞬時に伝えられるため、スムーズなやりとりが可能になります。
また、誰からの連絡かを一目で把握できるよう工夫すれば、相手に誠意が伝わり、返信率を上げる効果も期待できます。
2.2 メールを開く前に内容が理解できるようにする
毎日、多くのメールを受信する企業では、1件1件のメールを順番に開いて全ての内容をチェックするのは難しく、受信者は件名だけでメールの緊急性を判断し、対応の優先順位を決める場合があります。
そのため、曖昧な件名のメールは見落とされ、中身をチェックしてもらえない恐れもあります。したがって、件名は簡潔で分かりやすく、相手が直感的に内容を理解できるように工夫することが重要です。
2.3 返信メールの件名は「Re:」をつけたままにする
返信メールの件名は、「Re:」をつけたままにするのが基本です。「Re:」は「返信」の意味であり、「Re:」がついていることでメールの返信であることをすぐに把握できます。
特に、ビジネスメールではやり取りが複数回にわたることも多いため、会話の流れを明確にするためにも件名はそのままにしておく必要があります。ただし、件名が長くなりすぎて視認性が低くなる場合や、新しいテーマに切り替わる場合には、適宜変更して簡潔にすることも考慮しましょう。
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3 ビジネスメールの件名を作成するポイント
ここからは、正しいビジネスメールの件名を作成するポイントを紹介します。受信者が読みやすく、要件を瞬時に理解できるような工夫を施しましょう。
3.1 15~20字程度で簡潔にまとめる
受信メール一覧で表示される件名の文字数は、媒体や環境によって異なりますが、パソコンでは約25~30文字、スマートフォンでは約15~20文字と言われています。
それ以上長くなると一覧では全文字が表示されず、一目で確認することが難しくなってしまいます。受信者の負担を考慮し、視認性を良くするためにも、件名は15~20文字程度にまとめるのがおすすめです。
3.2 重要な要件は前半に記載する
上述したように、特にスマートフォンなどのモバイル端末では一覧で表示される件名の文字数は限られるため、後半に重要な情報を記載すると見落とされてしまう恐れがあります。
そのため、「会議日程の変更について」「〇〇の納期確認」など重要なキーワードを先頭に置き、受信者の目に留まりやすくしましょう。
3.3 【】を有効活用する
【】で文字を囲むことで重要な情報やキーワードが強調され、受信者が一目で要点を把握しやすくなります。例えば、「【重要】契約書の確認依頼」「【至急】会議日程の変更」と記載すると、緊急性や重要性がより明確になります。
ただし、【】を乱用すると逆に目立たなくなるため、本当に重要なメールや特に注意を引きたい内容に限定して使用することが大切です。
3.4 複数の要件がある場合はその旨を示す
1通のメールで複数の要件を伝えたい場合は、その旨を件名に記載します。「〇〇と▲▲について」「【〇〇について】以下〇件のお知らせがございます」など、できるだけ完結に内容をまとめます。
もしも、要件が多すぎる場合は、混乱を防ぐため優先順位を明確に示したり、別のメールに分けたりして対応しましょう。
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4 【シーン別】ビジネスメールの件名例
実際のビジネスメールで使える件名の例を紹介します。初めての挨拶、お願い、お礼などケース別に例を挙げるので、件名を作成する際の参考にしてください。
4.1 初めての挨拶メールの件名例
初めての挨拶でメールを送る場合は、「挨拶メールであること」「誰からのメールなのか」という2点がわかる件名が適切です。
- 【ご挨拶】〇〇株式会社 〇〇です
- 初めてのご連絡:〇〇株式会社
- 【新規取引のご相談】〇〇株式会社 〇〇
- 初めてご挨拶申し上げます|〇〇株式会社
- 【ご挨拶申し上げます】〇〇株式会社 〇〇
4.2 お願い・依頼メールの件名例
お願いや依頼をするメールでは、求めていることを相手に分かりやすく伝えることが重要です。また、あくまでもこちらは依頼する立場であるため、高圧的にならないよう柔らかい表現を心掛けましょう。
- 【ご確認のお願い】〇〇について
- 【お力添えのお願い】〇〇に関して
- 〇〇のご対応に関するお願い
- 【依頼】〇〇の資料送付をお願いいたします
- 【至急】〇〇についてのご対応依頼
4.3 複数の要件がある場合の件名例
複数の要件がある場合は件名に併記し、要点を簡潔かつ明確に示すことが重要です。ただし、すべての要件を盛り込もうとすると件名が長くなり、内容が分かりにくくなるため、主要な要件を優先的に記載します。
- 〇〇の納期と打ち合わせ日程について
- 〇〇と〇〇に関する対応の件
- 〇〇プロジェクト:資料確認とスケジュール調整のお願い
- 【〇〇について】〇件の質問がございます
- 〇〇の確認と〇〇のご対応をお願いいたします
4.4 お礼メールの件名例
お礼メールでは、「〇〇のお礼」「〇〇についてありがとうございました」などの表現を使用し、件名からも感謝の気持ちが伝わるようにしましょう。
- 会食のお礼
- 〇〇お招きのお礼
- 【御礼】〇〇について
- 〇〇へのご協力ありがとうございました
- 〇〇へのご配慮に感謝申し上げます
4.5 お詫びメールの件名例
お詫びメールでは、要件を省略せず、何についてのお詫びなのかを具体的に記載します。謝罪の気持ちが伝わるよう、丁寧な表現を心掛けましょう。なお、お詫びの場合は、メールだけでなく電話や対面で改めて謝罪するのが基本です。
- 〇月〇日の会議に関するお詫び
- 〇〇遅延のお詫び
- 【お詫び】〇〇に関する不手際について
- 〇〇の件でご迷惑をおかけしました
- 【重要】〇〇に関するお詫び
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5 ビジネスメールの件名NG例
ここでは、ビジネスメールの件名を作成する際、マナーや効率的にNGとされることについて解説します。
5.1 【重要】【緊急】を多用する
【重要】【緊急】という記載は、特に見落として欲しくないメールや、迅速な対応を求めたいメールの件名において非常に効果的です。しかし、頻繁に使うと信頼性が薄れ、本当に重要な内容が埋もれてしまいます。
また、使い方を間違えると、相手に不要なプレッシャーを与える可能性もあるため注意が必要です。メールの重要性を見極めて、本当に必要な場合のみ使用するようにしましょう。
5.2 曖昧・簡素過ぎて内容がわからない
例えば、「よろしくお願いします」「質問です」「ありがとうございます」など、曖昧かつ簡素過ぎる件名では、受信者がメールを開く前に重要性や具体的な内容を把握できません。その結果、対応が後回しにされたり、見落とされたりする恐れがあります。
受信者に余計な負担を強いることなく、円滑なコミュニケーションを行うためにも、内容が判別できない件名は避けるべきです。
5.3 機種依存文字を使用している
機種依存文字とは、特定の記号やローマ数字など、場合によって正しく表示されない可能性がある文字のことです。受信者の機種や環境によってはメールが文字化けしてしまい、内容が正確に伝わらなくなってしまいます。
そのため、記号や数字は標準的なものだけを使用しましょう。相手の環境に配慮することも、信頼を得るためのビジネスコミュニケーションの一つと言えます。
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6 メルマガや営業メールの件名を作成するポイント
メルマガや営業メールでは、まず受信者にメールを開封してもらわなければなりません。そのために、件名は大変重要な要素であり、件名を工夫することで開封率が大きく変わります。受信者の興味を引きつけ、思わず開封したくなる件名をつけるにはどうしたら良いのでしょうか。
6.1 4Uの原則を意識する
メルマガや営業メールの件名を作成する際は、アメリカの起業家マイケル・マスターソンが提唱した「4Uの原則」を意識してみましょう。「4Uの原則」は以下4つの「U」で構成されており、魅力のある件名をつけるための基本原則とも言われています。
・Urgency(緊急性):すぐに読むべき理由を示し、行動を促す。
例:「本日限定!特別セール」
・Uniqueness(独自性):他にはない価値や情報を伝える。
例:「初公開!〇〇の秘密」
・Ultra-specificity(超具体性):何を得られるか具体的に示す。
例:「5分で完了!〇〇の方法」
・Usefulness(有益性):読者にとって役立つ内容であることを強調する。
例:「〇〇で売上が2倍に!」
これらの要素をうまく組み合わせることで、受信者の興味を引く魅力的な件名が作成できます。
6.2 開封率を高めるメール件名の具体例
「4Uの原則」を意識した、開封率を高めるメール件名の具体例を紹介します。簡潔ながらも、メールの内容を効果的に伝える件名を意識しましょう。
- 【本日限定】〇〇割引セールは23:59まで!
- 3ステップで簡単に始められる〇〇の方法を公開!
- 知らないと損!〇〇を最大限活用するコツ5選
- 〇〇業界初!革命的なツールを体験しよう
- 成功率80%アップ!〇〇を活用した新戦略とは
- 【必見】〇〇の効果を3倍にする秘密を公開!
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7 まとめ
ビジネスメールの件名は、内容を的確に伝えることが大切です。適切な件名をつけることで受信者の負担を減らし、スムーズな対応を促せます。ポイントは、「簡潔さと具体性を意識すること」そして「緊急性や重要性を示す工夫」です。
曖昧な表現や長すぎる件名は避け、内容に即した分かりやすいキーワードを用いる必要があります。特に、「お礼」や「お詫び」など明確な表現が効果的です。本記事で紹介した具体例を参考にしながら、メールの内容に合った件名を作成しましょう。
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