喪中の新年挨拶はNG?喪中における挨拶言葉や年賀状について解説

ビジネススキル・マナー

親族が亡くなって初めてのお正月には、一般的なお祝いの挨拶を控えるのがマナーとされています。しかし、新年の挨拶を完全にしないわけではなく、適切な言葉や形式で心遣いを示すことが重要です。本記事では、喪中における新年挨拶の基本マナーや避けるべき表現、年賀状の代わりに送る挨拶状の書き方を解説します。良好な関係を保ち続けられるよう、正しい新年の挨拶を実践しましょう。


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1 喪中の新年挨拶は控えるべき?

新年の挨拶は、相手との関係を円滑に保つ大切な習慣です。しかし、喪中の場合は通常の挨拶と異なる配慮が求められる場面もあります。

「新年の喜びを共有する」という趣旨から、祝いの言葉を避けるべきかどうか、迷う方も多いのではないでしょうか。喪中における新年挨拶の基本や対応について、詳しく見ていきましょう。

1.1 そもそも喪中とは

喪中とは、近親者が亡くなった後その死を悼み、派手な行事や祝い事を控える期間のことです。喪中に対する考え方は宗派や地域によって異なるため、一律のルールはなく、故人を悼む気持ちを大切にする文化的な習わしとして受け止められています。

ただし、一般的には一周忌までの一年間が喪中とされ、年賀状や祝いの席などを避ける慣習があります。

1.2 喪中の期間と忌中との違い

先述したように、一般的な喪中は一周忌法要までの約一年間です。一方、忌中とは、故人が亡くなってから四十九日までの期間を指します。

忌中は、家族が故人と向き合い心を整理する重要な時間であるため、一般的には慎み深い生活を送るべきとされます。また、神道の「死の穢れを他者に移さない」という考え方から、忌中に神社へ参拝するのはタブーと言われています。

1.3 喪中は「おめでとう」を避けるのがマナー

喪中は、近親者を失った家族が哀悼の意を示し、故人を偲ぶ期間です。そのため、祝いの気持ちを表す言葉は避けるのがマナーとされます。

通常の新年挨拶では、「明けましておめでとうございます」「新年おめでとうございます」といった表現が一般的ですが、喪中は「謹んで新年のご挨拶を申し上げます」など、「おめでとう」を使用しない挨拶が適切です。

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2 【対面】喪中における新年の挨拶

ここからは、喪中における具体的な新年の挨拶について見ていきましょう。まずは、対面で新年の挨拶をする際の挨拶言葉を、ビジネスシーンとプライベートに分けて紹介します。

2.1 【ビジネスシーン】喪中における新年の挨拶言葉

ビジネスシーンでは、社内と社外で異なる対応をする必要があります。具体的に、社内では「個人」として、社外では「会社の代表」として接するのが基本です。

・社内の人への挨拶言葉

身内が亡くなったことは、その時点で会社に報告するのが基本であり、社内の人はあなたが喪中であることを把握しているはずです。そのため、「おめでとうございます」という言葉を避けて、「昨年はお世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶しましょう。

もし、喪中であることを相手が知らない場合は、「喪中のため新年のご挨拶を控えさせていただきますが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。」など、わかりやすく伝えるのも1つの方法です。

・社外の人への挨拶言葉

取引先や顧客など社外の人に対しては、「会社の代表」として接するのが基本であり、喪中という個人的な事情は考慮しなくても問題ありません

そのため、「明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。」といったように、「おめでとうございます」を使用した通常通りの新年挨拶を行いましょう。

2.2 【プライベート】喪中における新年の挨拶言葉

プライベートでは、喪中であることを通知した人と、通知していない人で挨拶言葉が異なります。

・喪中であることを通知した人への挨拶言葉

何らかの形で喪中であることを通知してある場合は、「おめでとう」という言葉がなくても違和感はないため、「昨年はありがとうございました。今年もよろしくお願いします。」といった挨拶で問題ありません。

・喪中であることを通知していない人への挨拶言葉

喪中であることを通知していない人に対しては、まずその旨をお知らせする必要があります。「〇月に父が亡くなりました。ご連絡できずに申し訳ありません」などの前置きをした上で、「本年もどうぞよろしくお願いいたします」といった挨拶につなげましょう。

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3 【年賀状】喪中における新年の挨拶

新年を祝う年賀状は、喪中において控えるべきものの1つとされています。ここでは、喪中であることを知らせる「喪中はがき」や、年賀状の返信として出す「寒中見舞い」について解説します。

3.1 11月~12月上旬までに「喪中はがき」を出す

喪中はがきとは、身内に不幸があった際に、新年の挨拶を控える旨を知らせるために送るはがきです。毎年、年賀状のやり取りをしている全ての人に対して、11月~12月中旬までに出すのがマナーとされます。

どこまでの故人を喪中はがきの対象とするかは、明確な基準がないものの、一般的には二親等以内(父母、子、兄弟姉妹、祖父母、孫)と言われています。

3.2 喪中はがきの例文

一般的な喪中はがきの例文は以下の通りです。なお、ここでは横書きで紹介していますが、喪中はがきは縦書きで書くのが基本です。

喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます

本年中に賜りました御厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます

令和〇年〇月

3.3 喪中に年賀状が届いたら「寒中見舞い」を出す

喪中に年賀状が届いた場合は、年賀状ではなく寒中見舞いで返信します。寒中見舞いでは、「いただいた年賀状に対するお礼」「喪中のために新年の挨拶を控えたこと」「連絡が遅れたことへの謝罪」などを記載するのが一般的です。

寒中見舞いは1月7日(松の内)過ぎから2月4日頃(立春)まで送ることができますが、年賀状の返信として出す場合はできるだけ早く出すのが良いでしょう。

3.4 寒中見舞いの例文

年賀状の返信として出す寒中見舞いの例文は以下の通りです。こちらもビジネスシーンで出す場合は縦書きが基本です。

寒中お見舞い申し上げます

年頭にはご丁寧なお年始状を頂き深く感謝申し上げます

服喪中につき年始のご挨拶を控えさせていただきました

ご通知が遅れましたことを深謝いたしますとともに
〇〇様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます

令和〇年〇月

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4 【メール】喪中における新年の挨拶

普段からメールでやり取りを行っている場合は、喪中の新年挨拶もメールで行って良いのでしょうか。ここでは、メールでの新年挨拶について紹介します。

4.1 メールで喪中を知らせるケースも増えている

近年は、業務効率化や環境配慮の観点から、新年の挨拶や喪中の連絡をメールで行うケースも増えています。親しい友人同士であれば、LINE(ライン)などのSNSで送り合うこともあります。

メールやSNSは、届くまでの時間がかからないうえに相手の住所を聞く必要もないため、ハガキよりも手軽に送れる点が大きなメリットです。

4.2 相手からの新年挨拶メールに返信しても問題ない

喪中に新年の挨拶メールを受け取った場合は、メールで返信するのが基本です。返信する時期は、ハガキのように松の内明けではなく、メールを受け取ったらすぐに返して問題ありません。

ただし、対面やハガキと同じように、「おめでとう」など新年を祝う言葉は避けるようにしましょう。また、メールの最後には「返信不要」の旨を書き添えます。

4.3 喪中を知らせるメール例文

メールで喪中を知らせる場合の例文は以下の通りです。

件名:年賀欠礼のご通知


□□様

〇〇です

喪中につき年始のご挨拶を遠慮させていただきます

来年も変わらぬご厚意を賜りますようお願い申し上げます

□□様におかれましては お健やかに新年を迎えられますようお祈りいたしております

なお 返信はご無用です

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5 喪中の新年挨拶に関するQ&A

喪中の新年挨拶に関して、よくある質問と答えを紹介します。マナー違反にならないよう、それぞれの対処法を確認しておきましょう。

5.1 喪中に取引先から年賀状やメールが届いた場合は?

先述したように、社外の人と接する場合に個人的な事情は関係がなく、喪中であることを意識したり知らせたりする必要はありません

取引先からの年賀状やメールには、「明けましておめでとうございます」「新年おめでとうございます」という表現を使用し、通常のビジネスマナーを守って返信しましょう。

5.2 喪中はがきを出し忘れた場合の対処法は?

うっかり喪中はがきを出し忘れてしまった場合は、1月7日(松の内)を過ぎてから寒中見舞いを送ります。本来11月~12月中旬に出すべき喪中はがきを、年末ぎりぎり、もしくは年が明けてから出すのはマナー違反となるため、適切なタイミングで寒中見舞いを送りましょう。

5.3 喪中の相手に年賀状を送ってしまったらどうする?

相手が喪中だったとは知らずに年賀状を送ってしまうこともあるでしょう。その場合は、まず電話で無礼をお詫びし、1月7日(松の内)過ぎに改めて寒中見舞いを送ります。寒中見舞いでは、以下例文のように再度お詫びしたうえで丁寧にお悔みの言葉を記載します。

寒中お見舞い申し上げます

〇〇様ご逝去とのこと
存じ上げなかったとはいえ年始のご挨拶をお送りしてしまい大変申し訳ございませんでした
遅ればせながらご逝去を悼み心よりご冥福をお祈り申し上げます

寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛のほどお祈りいたします

令和〇年〇月

6 新年の挨拶以外で喪中に控えるべきこと

喪中には、新年の挨拶以外にも控えるべきとされることがいくつかあります。ここでは、主に3つの事柄について解説します。

6.1 結婚式

喪中は亡くなった故人を悼む期間であり、一般的にお祝いごとを控える慣習があります。そのため、結婚式を行うことは「不適切」と受け取られる可能性が高くなります。

また、結婚式に招待された場合も、喪中の間は参加を辞退するべきという意見もあります。その際の断り方としては、不幸を感じさせる喪中という言葉は伏せて、「やむを得ない事情」などとするのが適切です。

ただし、近年は忌中が明ければ慶事に参加しても問題ないという声もあります。故人との関係性や新郎新婦との距離感を踏まえ、周囲と相談しながら柔軟に判断しましょう。

6.2 家の新築

家の新築は祝い事と捉えられることが多いため、新たに家を購入したり、新築の計画を立てたりするのは喪中明けを待つのが賢明です。

一方で、既に契約が完了し着工のスケジュールが決まっている場合は、喪中明けまで延期する必要はないとされています。ただし、「地鎮祭は簡略化する」「新築祝いや引っ越し祝いは喪中明けに行う」といった配慮は必要でしょう。

6.3 正月飾り

新年を祝う門松や鏡餅、しめ縄といった正月飾りについて、喪中の間は控えるべきとされています。また、お正月のお祝い料理であるおせちも、喪中に避けるものの一つです。

喪中のお正月は新年を祝うのではなく、故人を偲びながら家族で集まり、お供え餅以外で作ったお雑煮や、精進料理をベースにした「ふせち料理」を食べるのが良いでしょう。


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7 まとめ

喪中における新年の挨拶は、故人を偲び、慎ましい気持ちで行うことが大切です。具体的には、祝いの言葉を避けた慎み深い表現にし、年賀状の代わりに喪中はがきや寒中見舞いを送るのが一般的です。

ただし、相手との関係性によって適切な対応は異なるため、状況に応じた配慮を心がけましょう。喪中の期間は、いつも以上に感謝を伝える姿勢を大切にし、マナーと思いやりをもって対処する必要があります。


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