寒さが厳しさを増す1月過ぎに出すのが寒中見舞いです。寒中見舞いには相手の健康を気遣うお見舞い状だけでなく、年賀状や喪中はがきの代わりなどさまざまな役割があります。本記事では、それぞれの用途に合わせて今すぐ使える文例を紹介しているので、ぜひ寒中見舞いを送る際の参考にしてください。
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1 寒中見舞いの役割とは
そもそも、寒中見舞いとはどのようなものなのでしょうか。実は、寒中見舞いにはさまざまな役割があります。ここではそれぞれの役割について解説します。
1.1 寒い時期に相手を気遣う挨拶状
「寒中見舞い」という文字の通り、寒い時期に相手を気遣いながら、自分の近況を知らせる挨拶状の役割があります。「寒い時期ですがお変わりなくお過ごしですか?」「寒さで体調を崩されていませんか?」という言葉とともに、自分の近況報告をするのが基本的な寒中見舞いです。
1.2 年賀状を出し忘れた際の代わり
寒中見舞いは、年賀状を出し忘れた際の代わりとしても使用できます。通常、年賀状として出せるのは1月1日から1月7日まで(関西では1月15日まで)の松の内とされており、それ以降に出すのはマナー違反になります。
そのため、「年賀状を出し忘れていた」「出していない人から年賀状が来てしまった」などの理由で、1月7日過ぎに年賀状を出したい場合は、年賀状ではなく寒中見舞いとして出すようにしましょう。
1.3 喪中はがきの代わり
喪中はがきは、本来年賀状の引き受けが始まる12月15日までに投函しなければなりません。しかし、場合によっては喪中はがきの準備が間に合わないこともあります。
その場合は年明け後に寒中見舞いを出して、喪中であったことをお知らせするようにしましょう。頂いた年賀状へのお礼や、「本年もよろしくお願いいたします」といった内容を添えるのが基本です。
1.4 喪中の方への挨拶状
寒中見舞いは喪中の方へ、年賀状の代わりに出す挨拶状としても活用できます。年賀状の代わりとはいえ喪中の方への挨拶状なので、新年を祝ったり喜んだりする文面はNGです。
故人を偲びながら、相手を気遣う内容を心がけましょう。
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2 寒中見舞いを出せるのはいつからいつまで?
さまざまな役割がある寒中見舞いですが、実際に送ることができる期間はそれほど長くありません。マナー違反にならないよう、適切な期間に出すようにしましょう。
2.1 松の内明けから立春までの間
一般的に、寒中見舞いは1月1日から1月7日まで(関西では1月15日まで)の松の内が明けてから、2月上旬の立春までに出すものとされています。立春は年ごとに日にちが異なり、2024年は2月4日です。
このことから、2024年に寒中見舞いを出せる期間は、「1月8日もしくは16日から2月3日まで」ということになります。
2.2 立春が過ぎたら「余寒見舞い」として出す
もしも、立春を過ぎてから寒中見舞いを出したいという場合は、「余寒見舞い」として出します。「余寒」には「春を迎えてもなお残る寒さ」という意味があります。
「余寒見舞い」にはいつまでに出さなければならないという明確な基準はありませんが、あくまでも寒さを気遣う挨拶状であるため、2月いっぱいを目安にするのがいいでしょう。
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3 【シーン別】寒中見舞いの文例
ここからはシーン別に、具体的な寒中見舞いの文例を紹介します。
3.1 季節の挨拶状として出す場合
寒い時期に相手を気遣ったり、自分の近況を報告したりする挨拶状としての文例です。
寒中お見舞い申し上げます
寒さが身にしみる季節となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか
(近況報告)
もうしばらく寒い日が続きますが、体調など崩されませぬようご自愛ください
またお会いできる日を楽しみにしております
3.2 年賀状の代わりとして出す場合
出し忘れや不在で年賀状を出せなかったときは、松の内明けに年賀状の代わりとして寒中見舞いを出すようにします。
寒中お見舞い申し上げます
新春を迎え、お健やかな日々をお過ごしのこととお喜び申し上げます
このたびはご丁寧な年賀状を頂きまして誠にありがとうございました
年末の慌ただしさにまぎれ新年のご挨拶が遅れましたことを深くお詫びいたします
本年も変わらぬご交誼をお願いいたしますとともに
皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます
3.3 喪中はがきの代わりとして出す場合
喪中はがきが間に合わなかったとき、年明けに喪中はがきの代わりとして出す寒中見舞いの文例です。
寒中お見舞い申し上げます
年頭にはご丁寧なお年始状を頂き深く感謝申し上げます
昨年〇月〇日に祖母〇〇が〇〇歳にて永眠いたしましたため
年始のご挨拶を控えさせていただきました
ご通知が遅れましたことを深謝いたしますとともに
〇〇様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます
3.4 故人に届いた年賀状への返信として出す場合
もしも、故人宛に年賀状が届いた場合は、寒中見舞いで返信するようにします。その際は頂いた年賀状へのお礼と、他界を知らせる内容を記載し、誰が書いたのかがわかるように差出人の名前を記すのがポイントです。
寒中お見舞い申し上げます
早々にご丁寧なお年始状を頂戴し深く感謝申し上げます
〇〇は昨年〇月に他界いたしました
ご通知が遅れましたことをお詫び申し上げます
故人が生前に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
〇〇様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます
令和〇年一月 長男〇〇
3.5 喪中の方への挨拶状として出す場合
年賀状が出せない喪中の方へ挨拶がしたい場合は、相手の状況を気遣う文章を入れた寒中見舞いを出しましょう。
寒中お見舞い申し上げます
御服喪中と伺い年始の御挨拶は差し控えさせていただきました
遅ればせながら 〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
悲しみの癒えぬ毎日をお過ごしのことと存じますが
どうぞ体調を崩されませんようご自愛ください
3.6 喪中の方へ誤って年賀状を送った際に出す場合
喪中と気付かずに誤って年賀状を送ってしまった場合は、寒中見舞いで謝罪するようにしましょう。
寒中お見舞い申し上げます
〇〇様ご逝去とのこと
存じ上げなかったとはいえ年始のご挨拶をお送りしてしまい大変申し訳ございませんでした
遅ればせながらご逝去を悼み心よりご冥福をお祈り申し上げます
寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛のほどお祈りいたします
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4 寒中見舞いで気を付けるポイント
ここからは、寒中見舞いを送る際に気を付けるべきポイントを3つ解説します。
4.1 寒中見舞いに年賀はがきを使うのはNG
年賀状の代わりとして活用できる寒中見舞いですが、余った年賀はがきを使用するのはNGです。寒中見舞いには官製はがきを使用しましょう。
もしも、年賀はがきが余ってしまった場合、郵便局に持ち込めば1枚5円の手数料で官製はがき、切手、レターパック封筒などに交換してもらえます。
4.2 干支のイラストや新年を祝う言葉は使わない
寒中見舞いには年賀状のような干支や賀詞は使用しません。寒中見舞いは新年を祝う年賀状ではなく、あくまでも寒中に出す挨拶状という位置づけのため、お正月を感じさせる縁起物のイラストや「新年おめでとうございます」といった文章はNGです。
4.3 「拝啓」「敬具」は不要
寒中見舞いでは「こんにちは」「さようなら」にあたる「拝啓」「敬語」は不要です。
「寒中お見舞い申し上げます」という一文を書いたら、続けて相手を気遣う言葉や年賀状を頂いたことに対するお礼を書くようにします。
5 寒中見舞いのQ&A
「寒中見舞いを便箋で出すのはOKか」「品物を贈ってもいいのか」など、寒中見舞いでよくある疑問を紹介します。
5.1 寒中見舞いは便箋出してもいい?
年賀状の返信や喪中はがきの代わりに寒中見舞いを出す場合は、はがきを使用するのが一般的です。とはいえ、近況報告のための寒中見舞いで伝えたいことが多くある場合などは、便箋で寒中見舞いを出しても問題ありません。
便箋に書く場合はシンプルなデザインを選び、賀詞や新年を祝う文章を使わない、「拝啓」「敬具」は不要といった基本的なルールを守って書きましょう。
5.2 寒中見舞いに品物を贈ってもいい?
本来は年末年始に贈るべきお歳暮やお年賀を、何らかの理由で贈れなかった場合は「寒中御見舞」として贈るようにします。「寒中御見舞」として贈れる時期は、はがきと同じく松の内明けから立春までの間です。
5.3 寒中見舞いに返信は必要?
上述したように、寒中見舞いにはさまざまな役割があり、その役割によって返信が必要かどうかは変わります。
例えば、近況報告を兼ねた季節の挨拶状であれば、同じく「寒中見舞い」で近況報告をしましょう。また、相手やこちらが喪中の場合、届いた寒中見舞いは年賀状の代わりであると思われるため、やはり「寒中見舞い」として返信が必要です。
ただし、双方喪中ではなく、こちらが既に年賀状を出している場合に届いた寒中見舞いは、相手が年賀状を出し忘れたために出したものと思われるので、改めての返信は必要ありません。
6 その他手紙の書き方
手紙の書き方については、以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。
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7 まとめ
寒中見舞いは寒い時期に相手を気遣う季節の挨拶としてだけではなく、年賀状や喪中はがきの代わりとしても活用できます。年賀状を出し忘れたり、喪中はがきが間に合わなかったりした場合は、寒中見舞いを利用して気持ちを伝えるのがベストです。
ただし、寒中見舞いには出せる期間や使用NGな文章など、守るべきマナーがあります。事前に注意ポイントを確認して、失礼のない寒中見舞いを送りましょう。
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