お歳暮のお礼状は、贈り物をくださった方へ感謝を伝える大切な手紙です。正しい書き方やマナーを守ることで、相手に喜びの気持ちをしっかり伝えられるとともに、好印象を与えることもできます。この記事では、お歳暮のお礼状の基本的な書き方や、注意すべきポイントについて、文例を交えながらわかりやすく紹介します。ぜひ参考にして、心のこもったお礼状を送りましょう。
【関連記事】「手紙の書き方を例文で解説!マナー違反をしないための注意点も」
「もしかしたら仕事頑張りすぎ!? 」... そんな方へ
\無料・登録不要/
『仕事どうする!? 診断』を受ける >
1 お歳暮のお礼状は必ず送るべき?
お歳暮やお中元を受け取った際は、お礼状を送るのがマナーです。お礼状を送ることで、相手の心遣いに喜びと感謝の気持ちを伝えることができます。お礼状には、「ちゃんと届いているか」「喜んでもらえているか」と心配している相手を安心させるという意味もあります。
相手に誠実な印象を与え、強い信頼関係を築くためにもお礼状は大切です。親しい間柄であれば電話やメールでも構いませんが、目上の人やビジネスシーンで送る場合は、ハガキや封書で送るようにしましょう。
【関連記事】「【例文つき】ビジネスシーンで使えるお礼状の書き方や注意点を解説」
2 お歳暮のお礼状に関するマナー
お歳暮のお礼状はいつ送るのか、また形式や構成はどうしたらいいのかといった基本マナーについて解説します。
2.1 当日か翌日、遅くても3日以内には送る
お歳暮のお礼状は、できるだけ早く送るのがマナーとされています。送るのが遅れると、感謝の気持ちが伝わりづらくなり、相手に不信感を与えてしまうかもしれません。
そのため、お歳暮を受け取った当日か翌日、遅くても3日以内に送ることが大切です。もしも、それ以上経過してしまった場合は、必ずお詫びの一言を添えるようにしましょう。
2.2 縦書き封書が最も丁寧、ハガキやメールも可
お歳暮のお礼状の形式としては、縦書きの便箋に手書きし封書で送るのが最も丁寧です。そのため、取引先や上司、年上の親戚など目上の方に送る場合は縦書き封書が適しています。
ただし、普段からフランクな付き合いをしている相手であれば、横書きやハガキで送っても問題ありません。また、これまで全てのやり取りをメールで行っている取引先であれば、メールで迅速に感謝の気持ちを伝える方が良いでしょう。
2.3 封書やハガキは基本構成に沿って書く
封書やハガキでお歳暮のお礼状を送る場合は、基本構成に沿って書くことで、マナーを守った漏れのないお礼状に仕上げることができます。お歳暮のお礼状の基本構成は以下のとおりです。
①頭語
「拝啓、拝呈」など、手紙の冒頭に書く「こんにちは」を意味する言葉
②時候の挨拶
「師走の候、貴社におかれましては、ますますご繁益のこととお慶び申し上げます」など、季節の言葉を用いた挨拶文
③お歳暮に対するお礼の文章
「このたびはお心のこもったお歳暮を賜り、誠にありがとうございました」「いただきました○○は早速皆で美味しく頂戴いたしました」など、お歳暮を受け取ったお礼や頂き物の感想を伝える文章
④相手を気遣う言葉
「歳末ご多端の折、貴社のますますのご発展を衷心より祈念しております」など、相手の発展や健康を気遣う言葉
⑤結びの言葉
「敬具、敬白」など、頭語と対になった手紙を締めくくる言葉
【関連記事】「寒中見舞いの書き方は?喪中はがきの代わりにする際の文例も紹介!」
【関連記事】「ビジネス年賀状の書き方は?取引先・上司・お客様向けの例文を紹介!」
3 【ビジネスシーンで送る場合】お歳暮のお礼状例文
ここからは、お歳暮のお礼状のテンプレートとしても使える例文を、それぞれのシーン別に紹介します。まずは、ビジネスシーンで送るお礼状を「封書・ハガキ」と「メール」に分けて見ていきましょう。
3.1 封書・ハガキのお礼状例文
ビジネスシーンで受け取ったお歳暮に対し、封書やハガキでお礼状を送る場合の例文です。
拝啓
師走の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、このたびはお心のこもったお歳暮をご恵贈賜り誠にありがとうございました。
御芳志に深く感謝申し上げます。
歳末ご多端の折、貴社のますますのご発展を衷心より祈念しております。
略儀ながら、書中をもちましてお礼申し上げます。
敬具
令和○年○月○日
株式会社○○
○○○○(個人の名前)
○○株式会社 御中
3.2 メールのお礼状例文
ビジネスシーンで受け取ったお歳暮に対し、メールでお礼状を送る場合の例文です。
件名:御歳暮の御礼
○○株式会社
○○○○様
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度は結構なお品を頂戴しまして誠にありがとうございました。
温かいお心遣いに、社員一同深く感謝しております。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
年末に向けご多忙とは存じますが、貴社ますますのご発展を衷心より祈念しております。
取り急ぎ メールにて御礼申し上げます。
株式会社○○
○○○○(個人の名前)
【関連記事】「面接のお礼状は必要?メリットや書き方を解説!【例文あり】」
【関連記事】「お中元のお礼状の書き方は?相手・季節別ですぐに使える例文を紹介」
4 【友人・親戚宛てに送る場合】お歳暮のお礼状例文
次に、友人や親戚など個人に宛てたお歳暮のお礼状を紹介します。親しい間柄の場合は、あまり堅苦しくない文面を心がけましょう。
4.1 封書・ハガキのお礼状例文
個人で受け取ったお歳暮に対し、封書やハガキでお礼状を送る場合の例文です。
拝啓
師走に入り寒さもますます強まってまいりましたが、お変わりなくお過ごしのこととお喜び申し上げます。
この度は結構なお品を頂戴し、誠にありがとうございました。
早速家族みんなで美味しくいただきました。
心せわしい年の暮れではございますが、体調を崩されませんようご留意ください。
取り急ぎ、書面にてお礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月○○日
○○○○
4.2 メールのお礼状例文
個人で受け取ったお歳暮に対し、メールでお礼状を送る場合の例文です。
件名:お歳暮のお品をありがとうございました
○○○○様
12月に入りめっきり寒くなりましたがお元気でお過ごしですか?
さきほど、○○産フレッシュジュースの詰め合わせが届きました。
早速子どもたちと一緒にいただきましたが、新鮮で爽やかな甘さが格別の美味しさでした。
いつも気にかけていただき誠にありがとうございます。
何かと慌ただしい時期ですが、お体に気をつけて健やかな新年をお迎えください。
また来月お会いできるのを楽しみにしています。
○○○○(自分の名前)
【関連記事】「宛名の正しい書き方とは?敬称の使い分けや上手く書くためのコツも」
5 【妻が夫の代筆をする場合】お歳暮のお礼状例文
本来は、お歳暮を受け取った本人がお礼状を書くのがマナーですが、やむを得ない事情ですぐに書けない場合もあります。そんなときは他の人に代筆を依頼して、なるべく早く送るようにしましょう。
妻が代筆する際は、最後の署名部分で夫の名前の下に「内」と書きます。ただし、妻も関わりがある相手であれば、連名や妻の名前だけでも問題ありません。なお、妻以外が代筆する場合は「内」ではなく「代」と書きます。
拝啓
師走の候、○○様には益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、この度は結構なお品物をお贈りくださいまして、誠にありがとうございました。
いつも気にかけていただき、主人共々深く感謝しております。
心せわしい年の暮れではございますが、どうぞ体調など崩されませんようご留意ください。
略儀ながら書中をもちましてお礼申し上げます。
敬具
令和○○年○○月 ○○日 ○○○○(夫の名前) 内
【関連記事】「【例文付き】「拝啓」の意味とは?手紙での使用方法を解説」
【関連記事】「【例文付き】「敬具」の使い方とは?正しい位置や言い換え方法も」
6 【次回からお歳暮をお断りする場合】お歳暮のお礼状例文
会社の方針や健康上の理由などによって、次回からのお歳暮を断りたいときもあるでしょう。そんなときは、頂いたお礼をしっかり伝えた上で、相手に不快感を与えないような文面を心がけましょう。
拝啓
師走の候、貴社益々ご清栄の段お慶び申し上げます。
さて、この度はお心のこもったお歳暮を頂戴し、誠にありがとうございます。
しかしながら、恐縮ではございますが、今後このようなお気遣いは無用にしてくださるようお願い申し上げます。
これまでのご厚情に深く感謝申し上げるとともに、今後はお気持ちだけ頂戴させていただきたく存じます。
どうぞ、今後とも変わらぬご厚誼のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社益々のご発展と皆様のご健康をお祈り申し上げます。
敬具
令和○年○月○日
株式会社○○
○○○○(個人の名前)
○○株式会社 御中
7 お歳暮のお礼状に関してよくある質問
ここからは、お歳暮のお礼状に関してよくある質問を取り上げます。「品物はつけなくてもいい?」「お歳暮を発送済の相手にも必要?」など、実際のシーンでありがちな疑問について解説するので、ぜひチェックしてください。
7.1 お礼状にお返しの品物はつけなくてもいい?
お歳暮は日頃の感謝を表すためのものであるため、品物を返す必要はありません。「自分は贈っていないのに受け取るのは気が引ける」という方がいるかもしれませんが、基本的にお礼状を送れば十分です。
しかし、「お世話になっている人なので何か返したい」「かなり高価なものを頂いてしまった」という場合は、お礼状とは別に、改めて品物を贈るのもいいでしょう。
その際、12月25日位までであれば「お歳暮」として、過ぎている場合は年始に「御年賀」または「寒中御見舞」として贈ります。
7.2 既にお歳暮を贈っている相手にもお礼状は必要?
お礼状は品物を受け取ったことを相手に知らせる意味もあるので、お歳暮を贈った贈らないにかかわらず受け取った時点で必ず出すようにしましょう。
なお、こちらが贈ったお歳暮に対して相手からお礼状が送られてきた場合、さらにお礼をするといった行為は不要です。これはメールも同様で、丁寧に対応しようとしたつもりが逆にマナー違反となってしまう恐れがあります。
ただし、目上の方からかなり丁寧な内容のお礼メールが来た際は、相手に気を遣わせないよう「ご丁寧にありがとうございます。こちらこそ今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」といった簡単な内容を返信しておくのも良いでしょう。
7.3 どうしても送れない・大幅に遅れたときはどうする?
体調不良などでどうしても送れない場合は、先述したとおり家族や部下に代筆を頼むという方法があります。また、とりあえず電話やメールで受け取ったこととお礼状が遅れることを伝え、落ち着いた時点で改めてお礼状を出すのも良い方法です。
その際は、お礼状が遅れてしまったことを詫びる文面を加えます。なお、年賀状にお歳暮のお礼を書き添えるのは失礼にあたるため、お礼状はお礼状として必ず別で送るようにしましょう。
スキルアップを目指すなら
まずはプロにご相談ください
マイナビエージェントについて詳しく知る >
8 まとめ
お歳暮のお礼状は、感謝の気持ちを伝える基本マナーです。相手との信頼関係を深めるための重要なコミュニケーション手段でもあるため、お歳暮を受け取ったらできるだけ早く出すことが大切です。
取引先や上司など目上の方には、手書きの封書で送るのが一般的ですが、関係性によってはメールでも問題ない場合があります。文面に迷った場合は、本記事で紹介した基本構成や例文を参考にしつつ、心のこもったお礼状を送るようにしましょう。
\転職するか迷っていてもOK/
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける