面接のお礼状とは、面接をしてもらったことに対する感謝を伝えるために書くものです。一部では「いらない、意味がない」という声もありますが、実際はどうなのでしょうか。この記事では、面接のお礼状の必要性から具体的な例文まで詳しく解説します。面接のお礼状に悩む方は、ぜひ参考にしてください。
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1 面接のお礼状は必ず送るべき?
企業の面接を受けた後、お礼状を送るべきかどうか迷う方は多くいます。「マナーとして送るべき」「合否に関係ないから送る必要はない」など、さまざまな声が聞かれます。実際、面接のお礼状は必要なのでしょうか。
1.1 必ずしも必要ではない
結論から言うと、面接のお礼状は必ずしも出さなければいけないものではありません。お礼状を出さなかったからといって、不採用になったりマナー違反と思われたりすることはありません。
しかし、お礼状を出すことに大きなデメリットはないので、迷っているのであれば出すのがいいでしょう。
1.2 好印象を与えられる可能性はある
お礼状を受け取って嫌な気分になる人はいません。そのため、面接の合否には直接関係ないとしても、採用担当者に好印象を与えられる可能性はあります。
ただし、自己アピールが強すぎたり採用を強く迫る内容だったりすると、せっかくのお礼状が逆効果になってしまいます。お礼状はあくまでも「感謝を伝えるためのもの」という意識が大切です。
1.3 メールで送るのもあり
面接のお礼状は手書きで書くのが一般的ですが、メールで送った方がいい場合もあります。例えば、合否が短期間で発表される企業や、面接の連絡などをメールでやりとりしている企業は、すぐに届いて確認してもらいやすいメールの方が適しています。
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2 面接のお礼状を送る3つのメリット
ここでは、面接のお礼状を送ることで考えられる3つのメリットを紹介します。
2.1 面接への感謝と志望の熱意を伝えられる
面接をしてもらったことに対する感謝と、志望の熱意を伝えられます。また、面接中に感じたことや、終わった後に思ったことを改めて整理するのは、自分自身にとっても有意義なことです。
しかし、自分をアピールできるのは面接の時間のみです。面接で伝えきれなかった自己PRや志望動機を、長々とお礼状に記載するといった行為はNGです。
2.2 ビジネスマナーや主体性をアピールできる
日常生活において、お礼状を出す機会はそれほど多くありません。そんな中、自分の言葉で感謝の気持ちを綴ったお礼状を送れば、ビジネスマナーを備えた礼儀正しい人であるとアピールできます。
また、必ずしも必要ではないお礼状を送ることは、自分で考えて行動できる主体性のある人として見てもらえる可能性もあります。
2.3 候補者が多い場合は印象に残りやすくなる
何十人もの候補者がいる面接では、担当者の印象に残るのも容易ではありません。そんなとき、他の候補者が出さないお礼状を出すことで、担当者に思い出してもらえる可能性があります。
合否への影響はないにしても、大勢の中で担当者の印象に残ることは大きなメリットになり得ます。
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3 面接のお礼状の基本構成
ここからは、面接のお礼状の基本構成を紹介します。「どのような内容を書いたらいいのかわからない」という方は、この基本構成を参考にしてください。
3.1 頭語
お礼状はまず「頭語」から始めます。頭語とは「こんにちは」という挨拶にあたる言葉です。頭語にはさまざまな種類がありますが、面接のお礼状では「拝啓」を使用するのが一般的です。
「拝啓」には「謹んで申し上げます」という意味があり、ビジネスシーンや目上の方への手紙でよく使用されます。
3.2 時候の挨拶
時候の挨拶とは季節の挨拶とともに、相手の体調を伺ったり繁栄を喜んだりする一文です。通常は「新緑の候」「猛暑の候」など、その季節に応じた言葉を使用しますが、面接のお礼文では「貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」「貴社におかれましては、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます」といった文言を使用しましょう。
3.3 面接に時間を割いてもらったことへの感謝
「本日はご多忙のところ、面接の機会をいただき誠にありがとうございました」といった感謝の言葉を書きます。忙しい中、面接に時間を割いてもらったことへの感謝の気持ちを、素直に記載しましょう。
3.4 面接を通じて感じたことや志望度の強さ
実際に面接を通じて感じたことを記載します。例えば、面接官からの質問で印象に残ったことや、仕事の説明を受けて思ったことなど、具体的な内容を書くのがおすすめです。
また、「面接を通じてさらに仕事への理解が深まり、志望する気持ちが強まった」という内容を書くと好印象をあたえられます。ただし、面接で伝えられなかったことを補足していると捉えられると逆効果になる可能性があるため、自己PRをするのは避けましょう。
3.5 結びの挨拶
本文を締めくくる一文を書きます。通常の手紙では、相手の健康を願ったり成功を祈ったりします。
面接のお礼状では、「末筆ながら、貴社の益々のご発展を心から祈願いたします」「末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」といった文が適しています。
3.6 結語
「結語」とは「さようなら」にあたる言葉であり、必ず「頭語」とセットで使用します。面接のお礼状で使用する「拝啓」と対になる結語は「敬具」です。
「敬具」にも「謹んで申し上げます」という意味があります。
3.7 日付・署名・宛名
最後はお礼状を書いた日付と署名、宛名を記載します。新卒の場合は大学名を記載するとより丁寧です。転職や中途採用の面接の場合は、氏名だけ記載します。
宛名は担当者の氏名がわかれば、会社名、肩書とともにフルネームで記載します。もしも、氏名がわからないのであれば、「ご担当者様」と記載しましょう。
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4 【手紙・メール】面接のお礼状の例文
ここからは、便箋やハガキで出す手紙と、オンライン上でやり取りするメールに分けて、それぞれの例文を紹介します。
4.1 【手紙】面接のお礼状の例文
手紙で面接のお礼状を出す場合は、前述した基本構成に沿って書きます。こちらの例文は横書きですが、実際の手紙は縦書きで書くのが一般的です。
拝啓 貴社におかれましては、益々ご盛栄のこととお喜び申し上げます。
本日はご多忙のところ、面接の機会をいただき誠にありがとうございました。
面接にて〇〇という質問をいただき、改めて〇〇の重要性を認識いたしました。
また、〇〇に関する貴重なお話を聞かせて頂いたことで、〇〇への意欲が増し、貴社で働きたいという気持ちが一層高まりました。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心から祈願いたします。
敬具
令和〇年〇月〇日
〇〇大学 〇〇学部 〇〇(自分の名前)
株式会社〇〇
採用担当 〇〇様
4.2 【メール】面接のお礼状の例文
メールではどのような内容のメールなのかが一目でわかるように、件名を必ず記入します。また、手紙で記載する「頭語」や「結語」は不要です。
件名
〇月〇日 面接お礼の件<自分の名前>
本文
株式会社〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。
本日〇時より面接をしていただきました〇〇と申します。
本日はご多忙のところ、面接の機会をいただき誠にありがとうございました。
面接にて〇〇という質問をいただき、改めて〇〇の重要性を認識いたしました。
また、〇〇に関する貴重なお話を聞かせて頂いたことで、〇〇への意欲が増し、貴社で働きたいという気持ちが一層高まりました。
まずは、面接のお礼を申し上げたく、恐縮ではございますがメールを送らせていただきました。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心から祈願いたします。
自分の名前
住所
電話番号
メールアドレス
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5 面接のお礼状を送る際の注意点
面接のお礼状を送る際は注意すべき点がいくつかあります。印象アップのために出したお礼状で、逆に評価を下げてしまったということのないように、注意点を確認しておきましょう。
5.1 できるだけ面接当日に送るようにする
感謝を伝えるお礼状は、できるだけ早く出すのがマナーです。できれば、面接を受けた日に書いて、その日のうちにポストへ投函するのが理想です。もしも、時間的に難しいようであれば、翌日中には出すようにしましょう。
メールで送る場合も同様です。ただし、メールは企業の営業時間内に送るのがビジネスマナーとされているため、夜中や早朝といった時間帯に送るのはやめましょう。
5.2 便箋やハガキはシンプルなデザインを選ぶ
お礼状に使う便箋やハガキは、色付きや柄入りのものは避けて、白無地のシンプルなデザインを選びます。白にもさまざまな種類がありますが、クリームがかった白よりも真っ白な方が、よりフォーマルな印象を与えられます。
5.3 敬称を間違えない
宛名に付ける敬称の代表的なものとして、「御中」と「様」が挙げられます。「御中」は企業名や組織などの団体に、「様」は個人に使用する敬称です。
面接のお礼状は、企業宛てではなく面接担当者や採用担当者宛てで送るため、敬称は「人事部 〇〇様」「採用ご担当者様」など、「様」を使用します。
5.4 誤字脱字がないか慎重にチェックする
お礼状を書き終えたら、誤字脱字がないかを慎重にチェックしましょう。誤字脱字はお礼状を送る相手に失礼であるうえに、「軽率な人」「注意力が欠けている人」という印象を与えかねません。
本文はもちろん、相手の企業名や日付もミスが許されない箇所です。必ず細かい部分までしっかり確認してから出すようにしましょう。
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6 その他手紙の書き方
手紙の書き方については、以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。
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7 まとめ
面接のお礼状は、全員が必ず出さなければならないというものではありません。しかし、時間を割いてもらったことへの感謝に加え、面接での気づきや意欲の高まりを伝えることで、良い印象を持ってもらえる可能性はあります。
ただし、面接を補足するかのような自己アピールや、採用を強くお願いするような内容は、かえって逆効果になってしまいます。あくまでも感謝を伝える目的であることを忘れずに、好印象を残せるようなお礼状を送りましょう。
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