就職、転職活動において、必ずと言っていいほど受ける質問。それが「あなたの長所を教えてください」というものです。しかし、「自分の長所がわからない」と悩んでいる方も多いと思います。
そこで今回は、人材採用における選考過程で長所を聞かれる理由や、自分の長所・強みの見つけ方、長所・強みをアピールするコツ、長所・強みをアピールする際の例文などをご紹介します。
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1.面接で長所について聞かれる主な3つの理由
多くの企業では、面接時に応募者の長所について質問します。企業が長所を質問する意図としては、主に以下の3つの理由があります。
1.1.自己分析ができているか
採用担当者は、面接で長所について質問することで、応募者が自己分析をどの程度できているかを確認しようとしています。正しく認識できていなかった場合、自分の能力と実際の能力との間にギャップがある可能性があるからです。
そのギャップが大きいほど、適応度が低い企業や職種に対してアプローチしてしまっている可能性があります。
企業としてはすぐに退職する可能性があるような応募者を採用するのはリスクとなってしまうため、自分で自分の資質をしっかりと理解している応募者であるかを確認したいと考え、長所を質問するのです。
1.2.企業が求める人物像とあっているか
応募者の長所を確認することで、自社が求める人物像とマッチしているかを見極めるという目的もあります。
例えば、チームワークやコミュニケーションを重視する企業に対して、一人で黙々と作業に打ち込める点が長所だと答える応募者は適材とは言い難い、といった場合です。
1.3.入社後の成長に期待できるかどうか
入社後の成長が見込めるか確認したいという意図で長所を質問する場合もあります。応募者の長所が、既存社員の傾向と類似している場合、同じように活躍してくれるのではと想像できるためです。
長所は性格や人間性を反映するものでもあることから、長所の内容によっては良好な人間関係の構築も期待できます。
【関連記事】「【例文アドバイス】面接日程メールの書き方や返信方法は?調整する際のマナー」
【関連記事】「【例文あり】面接結果の合否連絡が遅い・来ない場合の対処法を解説」
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2.自分の長所の見つけ方4選
長所についての質問には上記のような重要な意図が含まれています。ですがそれが分かってはいても、自分の長所がなかなかわからないという方も多いと思います。
そこで、自分の長所を見つけるための4つの方法をご紹介します。
【関連記事】「【マイペースの人に向いてる仕事10選】共通の特徴やおすすめする理由を解説」
2.1.自己分析&他己分析が重要
長所を見つける第一歩として、自己分析や他己分析が挙げられます。
就職活動・転職活動において、自己分析や他己分析は有効な手段として広く知られています。あらためて自分自身と向き合う時間を設けることで、今まで認識していなかった長所を認識できたり、曖昧なイメージを言語化できたりします。
加えて、家族や友人らに協力を仰ぎ他己分析を実施することで、客観的な長所を知ることも可能です。
以下の記事では、自己分析の方法やメリットについて詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
【関連記事】「自己分析の徹底ガイド!転職活動に役立つ「自己分析」のやり方やポイント」
2.2.今までの経験を洗い出してみる
過去の経験を洗い出してみることも長所を見つける有効な手段です。「長所を見つけよう」という気持ちは一旦脇に置いて、幼少期や学生時代の体験を思いつくまま書き出してみましょう。
その中で、「友達に頼られる経験が多かった」「行事では率先して準備をしていた」などのエピソードがあれば、そこから長所を見出すヒントが見えてくるはずです。
2.3.診断ツールを利用してみる
質問に回答することで長所を診断してくれるツールを活用するのもおすすめです。インターネットで検索してみると、無料で気軽に試せるものから有料のものまで、多彩な診断ツールが存在します。
自分ではまったく気づけなかった長所を知ることができる可能性もあるので、他己分析の代わりとしても使えるでしょう。
2.4.転職エージェントを利用してみる
転職エージェントを利用してみるのも、自分の長所を見つけられる有効な方法です。転職エージェントには、日々多くの求職者と向き合うキャリアアドバイザーが在籍しています。
多種多様な求職者を見てきたプロだからこそ気づけるあなたの長所が見つかるかもしれません。
【関連記事】「【人間関係で仕事辞めたい】苦手な人と距離を置く方法--相手を知れば楽しくなる場合も」
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3.長所・強みをアピールするためのコツ5選
自分の長所を見つけられても、企業に適切にアピールできなければ、あなたの良さは伝わりません。確実に長所・強みを伝えるため、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。
【関連記事】「【仕事の目標が立てられない】定性・定量目標の立て方と"SMARTの法則"活用法」
3.1.結論から話す
長所をアピールする際には結論から話し始めるようにしましょう。まずは結論を伝えた後、結論に至った理由、具体的な根拠と続けることで、聞き手の理解度が向上します。
「起承転結」形式だと結論や重要な部分がどこにあるのか理解に時間を要するため、「結局何が言いたいのかわからなかった」と思われてしまう可能性があります。
「私の長所は、何事も慎重に物事を見極められる点です。その理由は......」といった順番で伝えましょう。
3.2.エピソードと交えて長所を伝える
具体的なエピソードを交えることで、長所の説得力が増します。単に「物事を継続できる点が長所です」とだけ伝えるよりも、「私の長所は、物事を継続できる点です。
小学校の宿題をきっかけにはじめた日記は20代の今でも1日も欠かすことなく続けています」と伝えたほうが魅力的に感じられるはずです。
3.3.入社後に活かせる長所を伝える
長所をより効果的にアピールするためには、応募先企業に入社した後に活かせそうなものを選ぶのもおすすめです。
将来の管理職候補としての募集であればリーダーシップやコミュニケーション能力がある点を、事務職であれば細かい点に気がつく点や人のサポートが好きといった点を長所としてアピールすることで、企業側も働くイメージがしやすい好印象をもってくれる可能性があります。
【関連記事】「【リーダーシップとマネジメントとの違いとは】リーダーに求められる能力5選」
3.4.短所も長所に変換する
現時点でアピールになる長所が見つけられない場合は、短所を長所に変換してみましょう。
短所と長所は表裏一体です。
例えば、「心配性」は短所とも認識できますが、「慎重」と言い換えることで長所として受け取れます。
他にも、短所の表現の仕方を少し言い換えることで長所は意外と見つかります。短所ばかりに目が行ってしまう人はぜひ試してみてください。
【関連記事】「【短所一覧・言い換え例】面接の印象がアップする短所・弱みの伝え方」
3.5.企業ごとに伝え方を変える
長所の伝え方を応募先企業ごとに変えてみるのもおすすめです。同時期に複数の企業に応募していると、ついつい同じ内容を使い回して伝えてしまいがちですが、採用担当者に響くアピールは企業ごとに異なります。
企業が求める人物像を理解し、それにマッチする長所の伝え方を意識しましょう。
長所のアピール方法については、下記の記事も併せてご覧ください。
【関連記事】「自己PRで長所をアピールする際のポイントと例文」
4.【例文付き】長所一覧とそれぞれの伝え方
ここからは、面接の回答として想定される16種類の長所を、例文とともにご紹介します。
4.1.コミュニケーション能力が高い・協調性がある
私の長所は、コミュニケーション能力が高く、協調性がある点です。
前職では、社員として年配のアルバイト、パートの方の管理を担当していました。立場上必要な指示や指導はしていましたが、相手は人生経験も社会人経験においても先輩にあたるため、自分に足りない点に気づいた時は遠慮なく指摘してほしいとお願いをしました。
その結果、お互いが必要以上に気をつかうことなく、信頼関係を構築することができました。
4.2.リーダーシップがある
私の長所は、大人数を引っ張ることのできるリーダーシップがあるところです。
高校時代に所属していたサッカー部は部員も多かったのですが、そこで部長に抜擢され、100人超の部員をまとめていました。日頃からこまめなコミュニケーションを心がけ、立場や学年に関係なく、個々が意見を言いやすい雰囲気作りに励みました。
その結果、チームの一体感が増し、県大会3連勝という目標を達成できました。
4.3.責任感が強い
私の長所は、困難にも負けない強い責任感です。
前職では、社歴が10年上の先輩が突然入院することになり、その方が担当していた業務の大半を私が引き継ぐことになりました。入社3年目の私にはとても荷が重く、何度も逃げ出したくなることがありましたが、先輩が大切にされてきたお客様のため、そして戻ってきた先輩に最善の状態で業務をお返したいという思いで仕事に取り組み、何とか乗り切ることができました。
お客様からも先輩からも、よく頑張ってくれたねとお褒めの言葉をいただき、とてもうれしかったです。
4.4.論理的に物事を考えられる
私の長所は、家庭で受けた教育の影響もあり、子供の頃から論理的なものの見方が身についている点です。
以前、友人間で揉め事が起こった際、当事者同士が感情的になり、話し合いもままならず収拾がつかない状況になりました。そこで私が一つひとつの事柄に対して客観的な情報を提示して説明をしたところ、双方の誤解が解け問題が解決しました。
4.5. 情報収集や勉強が好き
私の長所は、幼い頃から好奇心旺盛な性格で、情報を調べたり勉強したりするのが好きなところです。
実際に前職では、未経験者として入社したにもかかわらず積極的に情報を集め知識を蓄積したことで、1年でリーダーに抜擢されました。新しい世界や知らないことに触れることに喜びを感じるので、これからもさまざまなチャレンジをしていきたいです。
4.6.集中力・忍耐力がある
私の長所は、どんなに騒がしい場所でもすぐに自分の世界に入れる集中力がある点です。
先月から始めた資格試験の勉強では、集中するあまり、気づいたら4時間連続で机に向かっていました。
また、他の人なら避けるであろう地道で細やかな作業も日々根気強く続ける忍耐力があるので、長期的な計画に基づいてコツコツ物事を進めるような作業では力を発揮できると思います。
4.7.物事を前向きに捉えられる
私の長所は、逆境に負けず物事を前向きに捉えられる点です。
前職のコールセンター業務ではお客様からのお叱りの言葉を受ける機会が多々ありました。一時的に落ち込むこともありましたが、すぐに気持ちを切り替え、どうしたらお客様に寄り添える対応ができるかを同僚たちと共有して仕事に活かしていました。
4.8.粘り強い
私の長所は、物事に粘り強く取り組める点です。
新卒で就いた仕事は成果主義だったため、高いノルマが課されていました。多くの新人が脱落し、退職する仲間もいる中で、私は入社1年目で全国第3位の成績を納めることができました。
4.9.適応能力が高い
私の長所は、環境や状況の変化があっても、周囲の動きを観察しながらスムーズに適応できるところです。
前職では何度も異動を経験しましたが、どの部署でも良好な人間関係を構築することができ、いずれの部署でも、先輩から「何年も前からいるみたい」と言われたほどです。業務に関しても、とにかくやってみることをモットーにしているので、学びのスピード感が早いのだと思います。
4.10.冷静に物事に対処できる・臨機応変に対応できる
私の長所は、想定外の出来事に対する対応力が高い点です。
前職のホテル業では、こちらが想定していないリクエストをいただいたり、トラブルが発生したりする機会も多くありました。その際、状況を一歩引いて捉え、どうしたらお客様にご満足いただけるか、今真っ先に対応すべきことは何かを的確に判断し、マニュアルにとらわれない柔軟な対応をとっていました。
4.11.自己管理能力が高い
私の長所は、自己管理能力が高いところです。
高校生から始めたボクシングは体重管理がシビアで、計量日までに規定体重まで減量しなくてはなりませんでした。トレーニングと平行した食事制限は辛いものでしたが、事前に立てた計画を遂行し、すべての計量をクリアしてきました。
4.12.共感力が高い
私の長所は、人に寄り添う共感力が高いところです。
前職のコールセンター業務では、相手の状況を自分事として捉えられることで、始めはお怒りだったお客様が最後には「あなたに聞いてもらえてよかった」と感謝の言葉をかけてくれるようなこともありました。プライベートでも、「○○ならわかってくれると思って」と言い頼ってくれる友人や知人が多くいます。
4.13.主体性がある
私の長所は、失敗を恐れず行動できる主体性があることです。
前職で異動となった管理部の仕事では、かねてから不便さを感じていた制度の見直しを提案し、より自社の従業員に寄り添った運用に改善しました。
その結果、社内には活気が生まれ、「今までよりも働きやすくなった」という声も多く聞かれました。
4.14.能動的に動ける
私の長所は、集団の中で能動的な動きができるところです。
前職は忙しい職場だったため上司や先輩も常に動いており、指示待ちの姿勢では務まらない環境でした。そのため、常に周囲を観察し、サポートが必要なところに声がけをしながら、自分の仕事を自分で見つけるよう積極的に行動していました。
4.15.継続力がある
私の長所は、自分でやると決めたことをコツコツ継続できる点です。
毎朝4時起きで出勤前に勉強を続けた結果、無事ファイナンシャルプランナーの資格を取得できました。資格取得から2年が経過した今も、自己啓発のため朝活を続けています。
4.16.謙虚で素直
私の長所は、誰に対しても謙虚さを持ち、素直に接することができる点です。
前職では経営者の方と関わる機会が多くありましたが、自分を大きく見せようとはせず、謙虚で素直なコミュニケーションを心がけていました。
その結果、特に年上の経営者の方たちからはかわいがっていただき、たくさんの学びをいただきました。
5.短所を長所に変換するには
なかなか自分の長所が見つからない、どうしてもマイナスの視点で考えてしまうという方は、思いついた短所を長所へ変換する方法を試してみましょう。
言葉の使い方を変えることによって、短所は長所としても捉えることができるようになります。
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6.まとめ
どんな方にも必ず長所は存在します。あらためて自分の長所を認識することで、「私にはこんな良いところがあったんだ」と自信が持てるきっかけにもなるかもしれません。
この記事でご紹介した方法を活用し、ぜひ自らと向き合う時間を設けてみましょう。
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