リーダーシップとは?マネジメントとの違いや求められる能力を紹介

ビジネススキル・マナー

社会人になってからも、「リーダーシップ」を持つ人は組織の中で一目置かれ、周囲の注目や期待を集める存在です。しかし、とりわけ社会に出てからのそれは、リーダーだけが持っていればいいというわけではありません。特に近年は、立場にかかわらず一人ひとりにリーダーシップが求められる傾向にあります。

そこで今回は、リーダーシップとマネジメントの違いから、リーダーシップの役割や目的、必要な能力などについて解説していきます。

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1.リーダーシップとは何か?

リーダーシップとは、「目標達成のためにチームを率いる能力、資質」のことです。チームを進むべき方向へ導き、プラスの影響力を与える役割を発揮することを指します。

リーダーシップについてはこれまでさまざまな解釈がなされてきましたが、心理学者の三隅 二不二が唱えた「PM理論」では、リーダーシップを「目標達成機能」と「チーム維持機能」の2種類の要素で紐解いています。

目標達成機能で重きを置かれているのは、いかに成果を上げるかという点です。中長期的に具体的なアクションプランを設定、行動の取捨選択を徹底した上で、達成に向けてメンバーを指導し望ましい方向性へ導く能力を指します。

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一方、チーム維持機能とは、チームのあり方に重きが置かれたものです。目標達成には個人のやる気と円滑なコミュニケーションによる良好なチームワークが大切であるとし、一人ひとりの抱える問題点を放置せずチーム全体で共有し解決していく能力を指します。

理想のリーダーシップとは、この2つのどちらか一方に偏ることなく、両者をバランスよく進めていくことで発揮されます。

1.1.マネジメントとの違いは?

リーダーシップと混同されがちなのが「マネジメント」です。リーダーシップはメンバーに目指すべき姿を示し、目標達成に向けてチーム全体を先導する役割を担います。リーダーシップの発揮には、チームの中で模範的存在となりメンバーから信頼を集めることが重要です。どちらかといえば現場目線、メンバー目線で組織のあり方を考え、メンバーを背中で引っ張っていくような役割です。

一方マネジメントは、目標達成のために最適な計画や手段を確立し、チーム全体を管理する役割を担います。そのため、常にチームやメンバーの進捗に注目し、論理的かつ柔軟な対応を行わなければなりません。リーダーシップと異なる点は、メンバー目線というよりも、メンバーを管理する立場であるとの自覚を持ち、一歩引いた視点から、組織を管理していく役割といえます。全体を見渡す鳥瞰図を見ているような感覚で、組織のあり方を考えていくといえば分かりやすいかもしれません。

1.2.良いリーダーとは?

企業など組織に勤めている場合、チームで協力して仕事をする機会が多いです。

そのため、仕事を円滑に進める上で良好な人間関係を築くことが重要な要素の一つと言えます。

リーダーには様々な役割がありますが、メンバー全体をよくみてサポートできるリーダーがいると、お互いが信頼関係を築きやすくプロジェクトも成功しやすくなります。

また、プロジェクトを成功に導くためには、最後までやり遂げる意志と責任感を持ったリーダーが重要となります。

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2.なぜ一人ひとりにリーダーシップが求められるのか?

冒頭でも触れたように、近年ではリーダーシップがすべてのビジネスパーソンに求められる傾向にあります。一人ひとりのリーダーシップが掛け合わさることでチームのパフォーマンスが最大化され、大きな成果が期待できるためです。

しかしそれは、決して全員が組織のトップ層を狙うべきという意味合いではありません。自分自身の思考や言動の舵取りをし、チームへと活かしていくことが、組織全体の成長につながるのです。

3.リーダーシップの役割や目的

では、リーダーシップには具体的にどのような役割や目的があるのでしょうか。3つのポイントにわけて紹介していきます。

3.1.目標とタスクを管理

リーダーシップを取るうえで大前提となるのは、適切な目標の設定とタスクの管理です。目指すべき方向性が定まらなければ、向かう先どころか何をすれば良いのかさえわかりません。多種多様な思考や価値観を持つ人々をまとめ上げ、一つの共通目標達成まで導く先導力を発揮するためにも、目標設定、タスクの洗い出し、優先順位の明確化、進捗管理などを行うことは必須です。

3.2.チームや組織の環境整備

メンバー同士の円滑なコミュニケーションやモチベーション向上、ゆるぎないチームワークを育むことも、リーダーシップにおける大切な役割であり目的となります。強引にチームや組織を支配するのではなく、メンバーの可能性を疑わず静かに見守る強さが求められます。

そして、必要があれば脇道からすくい上げたり軌道修正を図ったりしてメンバーをサポートします。ただし、あくまでも一人ひとりのメンバーの自主性を阻害しない配慮が必要です。

3.3.個人の能力を最大限に引き出す

成果を出すチームのほとんどは、個々の能力が最大限に発揮されている状態にあります。しかし、みんながみんな自分の能力を理解している訳でもなく、理解していたとしても発揮するすべを見出せていないケースもあります。そのためリーダーは、一人ひとりの個性を把握し自分自身の能力への気づきを促す役割も担います。

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4.リーダーシップの種類とは?

心理学者たちの中では、リーダーシップには複数の種類があると解釈されています。例えば、ドイツ出身の心理学者クルト・レヴィンは意思決定や行動に着目し、「専制型リーダーシップ」「民主型リーダーシップ」「放任型リーダーシップ」の3つのスタイルがあることを提唱しています。

また、同じく心理学者であるダニエル・ゴールマンはリーダーシップを以下の6つに分類しています。

4.1.ビジョン型リーダーシップ

チームとしての共通目標に向かい一人ひとりのメンバーに明るく望ましいビジョンを描かせて行動を促すリーダーシップです。目標に到達するまでの道のりはメンバーたちにまかせ、その価値観を尊重し委ねます。リーダーはあくまでも裏方に徹し、メンバーに常に前向きなビジョンを語って思考をサポートするのが役目です。

ポジティブなリーダーのもと、自由な発想や言動を守られているメンバーたちは、チームへの帰属意識が根付き、団結力も増していきます。

4.2.コーチ型リーダーシップ

その名の通り、リーダーがメンバーを指導しながら目標達成へ導くスタイルで、未来志向のビジョン型とは異なり現実志向です。一人ひとりのメンバーと向き合い、その能力や魅力に気づかせ、引き出していくことで、チームとしての目標だけではなく個人の目標達成をも支援します。個々が自らの長所や短所、特性を認識することで、モチベーションやパフォーマンスの向上を実現します。

4.3.関係重視型リーダーシップ

未来のビジョンや目標よりも今この瞬間にあるメンバーの思考を軸に進めていくリーダーシップです。一つひとつの感情や考えと向き合っていく中でメンバー間に共感が生まれ、チームの一体感が育まれます。ただし、目標達成へのコミットが不足するリスクもあるため、ほかのリーダーシップ型と併用するのが望ましいでしょう。

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4.4.民主型リーダーシップ

メンバーの意見を幅広く取り入れ組織を動かすリーダーシップです。立場や経験などに関係なくフラットなコミュニケーションが取れることで、メンバー同士の良好な関係性構築やアイディアの創出が期待できます。ただし、メンバー間で意見や方向性に相違が生まれた場合はそこで立ち往生し、先に進めなくなることも考えられるため、使いどころやバランスには注意が必要です。

4.5.ペースセッター型リーダーシップ

リーダーが自ら高い成果を出し、その背中をメンバーに見せることで、チーム全体の士気向上を狙うスタイルです。メンバーの個人能力が高いチームほど効果が期待できます。

反対に、メンバーの実力やモチベーションが充分に備わっていないチームでは、うまくリーダーシップが発揮しきれずチーム運営に影響が及ぶ可能性もあります。その場合は別のリーダーシップ型との併用を検討すべきでしょう。

4.6.強制型リーダーシップ

リーダーがすべての意思決定を行いメンバーに実行を指示するスタイルです。絶対に達成しなければならない短期目標においては大きな成果をもたらしますが、メンバーの意思や自ら考えチャレンジする機会が失われるため、人材育成のチャンスが奪われてしまう可能性があります。長期視点でみるとチームや組織、本人のためとは言い切れないため、あくまでも短期目標の達成にのみ適用すべきでしょう。

5.リーダーシップに必要な能力5選

ここまでさまざまなリーダーシップの形を紹介しましたが、これらを実行するにあたり必要な能力とはどのようなものなのでしょうか。

リーダーには「聞く力」「示す力」「気づく力」の3つの能力が特に重要と言われています。

これを、「リーダーに必要な3つの要素」と言います。

ここからは、リーダシップにはどのような能力が必要なのか、さらに具体的に5つピックアップして説明します。

(1)実現可能な目標設定

まずは、メンバーの進むべき方向性を示す明確な目標設定が必要となります。その際に重要なのは、短期的で非現実的な目標を設定するのではなく、実現可能なものとして目標を明確化することです。目指すものが漠然としていたり大きすぎたりするとリアリティさが損なわれてしまい、メンバーのモチベーションアップにつながりません。

(2)全体を見渡せる視野の広さ

思い込みにとらわれずチーム全体を見渡せる視野の広さが必要です。メンバーの状況に気を配り、課題にぶつかっている場合は助言をしたり、脇道にそれてしまいそうな場合は、再度目標やビジョンを示したりと、都度軌道修正を図ることが、チームの一体感の向上と目標達成に効果を発揮します。

(3)的確な判断能力

問題に直面した時、あらゆる選択肢や可能性から的確に判断を下す能力が求められます。チームがより望ましい状態に進めるように最適な方向性をしっかりと見定めて、メンバーをけん引します。

(4)決断力や実行力

物事を決断する力、決断を実行する力も重要な要素です。チームのビジョンに基づいた形で自ら決断、実行し、見本となることで、メンバーの思考や言動に好影響を与えます。

(5)コミュニケーション能力

多種多様な人々を一つのチームにまとめ上げ、同じ方向を向かせて目標を達成するために、高いコミュニケーション能力は欠かせません。コミュニケーションによってメンバー間の良好な関係性構築を支援したり、一人ひとりと対話し特性を理解したりすることは、チームの団結力向上や目標達成の大きな後押しとなります。

また、メンバーの話を聞くばかりではなく自らのビジョンや考えを語ることも求められます。

6.リーダシップを活かせる職業を探すなら

ここまでリーダーシップに必要な能力について紹介してきました。

「実際にリーダーシップを活かせる、または身につけられる職業に就きたいけど、どんな仕事があるのかわからない」と悩んでいる方は、転職エージェントを活用してみましょう。

株式会社マイナビが運営する転職エージェントサービス「マイナビエージェント」なら、転職サポートのプロであるキャリアアドバイザーが、幅広い業界・職種の中からリーダーシップを活かせる、もしくは身につけられる業界・職種や企業を見つけて紹介してくれます。

自分だけで探すよりも、より希望に合う企業に出会えるかもしれません。

7.まとめ

ここでは、リーダーシップとは何か、またリーダーに求められる資質や能力について解説してきました。

リーダーとなる特定の一人だけがリーダーシップを持つのではなく、一人ひとりがリーダーシップを持つことができれば、チームは自ずと成長します。また、すべてのメンバーが当事者意識を持つことができれば、周囲の仲間を引き上げられるようになり、チーム全体のモチベーションアップや高い成果につながっていきます。

ぜひあなたもリーダーシップを身につけ、上の立場からも、そして仲間や後輩からも信頼される存在を目指してください。

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