「暑中見舞い」とは、暑さが厳しい時期に相手の体調を気遣ったり、自分の近況を報告したりするハガキや手紙のことです。社外の取引先や担当者宛てに出すこともあれば、親戚や友人といった身近な相手に出すこともあります。
本記事では暑中見舞いを出す時期やお中元との違い、正しい書き方を例文を挙げながら紹介していきます。また、相手に喜ばれるコツなど気になる情報もあわせてお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
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1. 暑中見舞いとは
暑中見舞いは暑い時期に相手を気遣って出す挨拶状です。まずは、暑中見舞いの本来の意味、出す時期や相手などの基本を解説します。
1.1. 暑中見舞いの意味
暑中見舞いは、もともとお盆の贈り物や挨拶が起源とされ、やがて郵便文化の発展とともに、離れた相手にも季節の挨拶を届ける習慣として広まったという説があります。
現在では、日頃お世話になっている方や親しい人へ感謝の気持ちを伝えるとともに、近況報告を兼ねる便りとしても利用されています。
1.2. 暑中見舞いを送る期間はいつからいつまで?
暑中見舞いを送る期間は、二十四節気の小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)の前日までとされています。小暑や立秋は年ごとに日にちが異なり、2025年の小暑は7月7日、立秋は8月7日です。
暦の上では暑さが本番を迎える時期ですが、7月上旬はまだ梅雨明けしていない年も多いうえ、肌寒い日が続くこともあります。暑中見舞いは暑さを気遣う挨拶状なので、実際の天候や気温を見ながら送るようにしましょう。
1.3. 暑中見舞いは誰に送る?
暑中見舞いは誰に送っても問題ありませんが、日頃お世話になっている取引先や上司、しばらく会えていない友人や親戚などに送るのが一般的です。
また、すっかり疎遠になってしまった方や、いきなり電話をするのは躊躇するといった方にも、暑中見舞いのハガキであれば送りやすいでしょう。
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2. お中元・残暑見舞いとの違い
夏に送るものとして、暑中見舞いのほかに「お中元」や「残暑見舞い」があります。これらの違いについて解説します。
2.1. お中元との違い
一般的に、暑中見舞いは暑さを気遣うハガキや手紙を指します。一方、お中元は感謝の気持ちを伝える夏のご挨拶として、お世話になっている方に贈る贈り物です。
ただし、通常7月15日頃までに贈るお中元を贈り忘れてしまった場合、「暑中御見舞」「暑中御伺」と熨斗(のし)に記載して品物を贈ることもあります。それぞれの期間は以下の通りです。
・お中元を贈る期間:7月初旬~7月15日頃(地域によっては6月中旬~8月15日頃)
・暑中御見舞(品物)を贈る期間:7月16日頃~立秋(8月7日頃)
2.2. 残暑見舞いとの違い
残暑見舞いも暑中見舞い同様に暑さを気遣う挨拶状です。暑中見舞いとの大きな違いは、送る時期です。残暑は「夏本番を過ぎてもなお残る暑さ」という意味があるため、立秋(8月7日頃)から処暑(8月23日頃)までに送るのがいいとされています。
しかし、近年は秋の訪れが遅い年もあるので、8月末までに出せば問題ないでしょう。暑中見舞いへの返信を送る際、7月6日頃の小暑を過ぎていれば残暑見舞いとして出すのがマナーです。
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3. 暑中見舞いの基本構成
ここからは、一般的な暑中見舞いの基本構成を紹介します。「何から書き始めたらいいのかわからない」という方は、基本構成の文面を参考にして書いてみましょう。
3.1. 「暑中お見舞い申し上げます」という一文
まずは、「暑中お見舞い申し上げます」という一文を書きます。一目で暑中見舞いだということがわかるように、太字で大きく書くのがポイントです。
なお、暑中お見舞いには通常の手紙で使う「拝啓」「敬具」は不要です。また、句読点も使用しません。
3.2. 書き出しの挨拶
続いて、日頃お世話になっていることへの感謝の気持ちや、暑さによる気遣いの言葉を記入します。本文を書く前の前置きとなる部分です。
3.3. 近況報告やお知らせなどの本文
友人や親族へ送る場合は、自分の近況報告やお知らせしたいことなどの本文を記入します。取引先やビジネス関係者への儀礼的な暑中見舞いであれば、本文は書かずに結びのあいさつへ繋げてもかまいません。
3.4. 結びの挨拶
「お身体を大切にしてください」「お会いできるのを楽しみにしております」といった結びの挨拶を入れます。ここで、もう一度暑さについて触れるのもいいでしょう。
3.5. 日付
最後に日付を記入します。一般的には、詳細な日付は入れずに「令和〇年 盛夏」と記載します。「盛夏」は一番暑い時期を指す言葉です。なお、残暑見舞いの場合は「晩夏」「立秋」といった言葉を記入します。
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4. 【シーン別】暑中見舞いの例文
暑中見舞いは、ビジネスでもプライベートでも出す機会のある挨拶状です。ここでは、それぞれのシーンで使える暑中見舞いの例文を紹介します。
4.1. ビジネスで使える暑中見舞いの例文
取引先の企業や担当者に出す場合は、失礼のないシンプルな内容を心がけましょう。
暑中お見舞い申し上げます
平素は格別のご高配を賜り心より御礼申し上げます
暑さ厳しき折、貴社の益々のご繁栄を祈念いたしております
令和〇年 盛夏
暑中お見舞い申し上げます
ことのほか暑い日が続いておりますが、〇〇様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご厚情を賜り心から御礼申し上げます
今後とも一層のご愛顧のほど謹んでお願い申し上げます
令和〇年 盛夏
4.2. プライベートで使える暑中見舞いの例文
友人や親戚などプライベートで出す暑中見舞いでは、自分や相手の近況に触れたり、暑さに対する気遣いを表したりするのがおすすめです。
暑中お見舞い申し上げます
厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか
(近況報告)
秋の到来はもうしばらく先になりそうです
どうぞ体調を崩されませんようにご自愛ください
令和〇年 盛夏
暑中お見舞い申し上げます
長い梅雨が明け、眩しい太陽とともに夏がやってきました
皆様お変わりなくお過ごしですか
(近況報告)
いよいよ本格的な暑さがやってきます
どうぞ体調を崩されませんよう健康には十分ご留意ください
また近いうちにお会いできるのを楽しみにしております
令和〇年 盛夏
4.3. 贈答品の送り状として出す暑中見舞いの例文
7月中旬~8月上旬に贈答品を贈る場合は、熨斗(のし)に「暑中御見舞」と記すのが一般的です。その際は、送り状として以下のような暑中見舞いを別送すると良いでしょう。
暑中お見舞い申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
日頃の感謝を込め、本日、心ばかりの品を別送いたしましたので
どうぞご笑納ください。
暑さ厳しき折、皆様どうぞご自愛のほどお祈り申し上げます。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和〇年 盛夏
4.4. 贈り物へのお礼状として出す暑中見舞いの例文
7月中旬~8月上旬に贈り物を受け取った場合は、お礼を兼ねて暑中見舞いを出すのがおすすめです。例として、以下のような文面が考えられます。
暑中お見舞い申し上げます。
このたびは結構なお品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。
お心遣いに深く感謝申し上げます。
猛暑が続きますが、皆様どうぞご自愛ください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
令和〇年 盛夏
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5. 暑中見舞いの書き出しに使える挨拶
暑中見舞いの書き出しでは、「暑中見舞い申し上げます」などの一文に続いて、相手の近況を伺ったり健康を気遣ったりする挨拶を入れるとスムーズです。
ここでは、暑中見舞いの書き出しに使える挨拶を、ビジネス用とプライベート用に分けていくつか紹介します。
【ビジネス用】
- 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
- 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます
- 酷暑の折、貴社の皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます
【プライベート用】
- 暑い日が続いていますが、お元気にお過ごしでしょうか
- 盛夏の折、ご家族の皆さまもお変わりなくお過ごしのことと思います
- 暑さ本番の時期となりましたが、皆さまお元気でいらっしゃいますか
6. 相手に喜ばれる暑中見舞いを書くコツ
暑中見舞いは年賀状のように、多くの人が毎年何枚も出すというものではありません。だからこそ、暑中見舞いが送られてきたら「嬉しい」と感じるはずです。さらに、相手が喜ぶ暑中見舞いを書きたい方は、以下3つの点を意識しましょう。
6.1. 印刷の場合も手書きで一言を添える
最近は手書きではなく、定型の文面を印刷した暑中見舞いを出す方も増えています。出す人数が多い場合など、手書きで一枚一枚書くのは大変なので、印刷した暑中見舞いでもマナー違反ではありません。
とはいえ、やはり暑中見舞いは相手に気遣いと思いやりの気持ちを伝えるのが目的のため、印刷であっても手書きの一言を添えるのがいいでしょう。「〇〇ではお世話になりました」「またお会いしたいです」など、簡単な一言でも構いません。
6.2. 相手の趣味や興味の話題に触れる
個人宛に出す暑中見舞いでは、相手の趣味や興味があることに触れると、「私のことを思い浮かべて書いてくれたんだな」という気持ちが伝わります。
例えば、「また〇〇をご一緒したいです」「~さんの〇〇には感動いたしました」など、相手の気持ちが明るくなるような前向きな内容がおすすめです。
6.3. プライベートではイラストや写真を載せるのもあり
ビジネス関係で暑中見舞いを送る場合は、あまり華美になり過ぎないシンプルなデザインのハガキを選ぶようにします。
一方、プライベートの暑中見舞いであれば、花火、金魚、風鈴、ひまわりなど鮮やかな夏らしいイラストデザインが喜ばれます。両親や親族など近しい人へ出す場合は、写真入りの暑中見舞いを送るのもいいでしょう。
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7. 暑中見舞いで気になる疑問
暑中見舞いに関して気になる疑問を紹介します。いざという時に困らないよう、事前に確認しておきましょう。
7.1. 暑中見舞いに返信は必要?
暑中見舞いを受け取った場合は、返信するのが基本的なマナーです。特に、目上の方から届いた暑中見舞いには、礼儀として必ず返信しなければなりません。その際冒頭で、暑中見舞いを頂いたことへのお礼を述べるようにしましょう。
また、先述した通り、8月7日頃の立秋までに出せるのであれば「暑中見舞い」として、立秋を過ぎるのであれば「残暑見舞い」として返信します。
7.2. 喪中でも暑中見舞いは出していい?
暑中見舞いは年賀状とは異なり相手を気遣う挨拶状であるため、喪中の方にも出すことができます。ただし、故人が亡くなってから四十九日の法要までは、慌ただしい時期でもあるため送らないようにします。
また、ハガキは華美なイラストや写真のないシンプルなデザインを選び、何かをお祝いしたり喜んだりする表現は避けましょう。
7.3. 暑中見舞いで転勤や転職の挨拶をしてもいい?
暑中見舞いの目的は、あくまでも相手を気遣うことです。そのため、日頃からお世話になっている身近な方に、転勤などの重要なお知らせをする場合は、暑中見舞いの中で触れるのではなく、改めて連絡する必要があります。
ただし、やり取りの少ない関係性の薄い方への連絡は、暑中見舞いの中に盛り込んでも問題ありません。
7.4. 暑中見舞いはメールで送ってもいい?
ハガキの代わりに、メールで暑中見舞いを送ってもかまいません。メールで送る場合は、タイトルを「暑中見舞い申し上げます<差出人氏名>」とするなど、一目で暑中見舞いであることがわかるようにします。
送る時期や基本的な構成もハガキと同様です。ただし、日付は不要のため、代わりに住所や氏名を記入しましょう。
ただし、ハガキで頂いた暑中見舞いにはハガキで返信するのがマナーです。また、これまでハガキでやり取りしていた暑中見舞いをメールへ切り替えたい場合は、その旨を伝えた上で翌年からメールに切り替えるといった気遣いが必要です。
8. その他手紙の書き方
手紙の書き方については、以下の記事でもご紹介しています。併せてご覧ください。
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【関連記事】「お中元のお礼状の書き方は?相手・季節別ですぐに使える例文を紹介」
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【関連記事】「残暑見舞いの書き方とは? 暑中見舞いとの違いも解説【ビジネス・カジュアルでの例文付き】」
【関連記事】「【例文付き】寒中見舞いの書き方は?喪中はがきの代わりにする際の文例も」
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9. まとめ
暑中見舞いは暑い時期に相手を気遣う挨拶状であり、ビジネスだけでなくプライベートにおいても大切なコミュニケーションツールです。電話と違い、準備するのにやや手間はかかりますが、温かみと思いやりの気持ちを伝えられます。
出す時期や書き方には基本的なルールがあるので、しっかり確認したうえで受け取った相手が嬉しくなる暑中見舞いを出しましょう。
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