大切な方に手紙を送る際は、季節に合わせた時候の挨拶を添えることで、ていねいさと心遣いを伝えることができます。
本記事では、日本の多くの地域で本格的な暑さを感じ始める7月に使える時候の挨拶をご紹介します。時候の挨拶がどのようなものなのかを含め、上旬・下旬など使う時期に応じた具体的な使用例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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1. 時候の挨拶とは?
時候の挨拶とは手紙の書き出しに添える挨拶で、四季のある日本ならではの古くから続く慣習です。時候の挨拶には、具体的にどんな役割があるのでしょうか。
1.1. 相手に気遣いを伝えられる
時候の挨拶を添えることで相手への気遣いが伝わり、丁寧な印象と季節感を文章に与えることができます。また、「拝啓」などの頭語に続いて書くことで、本文への導入がスムーズになるという効果もあります(※)。
7月の時候の挨拶には、梅雨があけていよいよ本格的な暑さがやってくることを表した言葉が多くそろっています。
ビジネスシーンで出す挨拶状やお礼状はもちろん、プライベートな手紙での使用もおすすめです。
(※なお、仕事の取引先や目上の方ではなく親しい人などに向けて頭語として「拝啓」ではなく「前略」を使う場合は、時候の挨拶や安否の挨拶を省略します)
1.2. メールやLINEでは必要?
メールやLINEにおいて、基本的に時候の挨拶は必要ありません。社内の近しい人や何往復もやりとりが続いている人に対するメッセージの場合、あらたまって時候の挨拶を入れ込むと、逆に不自然な印象を与えてしまう可能性があります。
また、LINEのようなチャットツールでは要件のみの簡潔なやりとりを求める人も多いため、状況に応じて要否を判断することが大切です。
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2. 挨拶状の構成と送るタイミング
挨拶状には、基本の構成が存在します。
また、時候の挨拶以外にも頭語や結語などあまり馴染みのない言葉やルールもあるため、ここでは挨拶状の基本知識を解説します。
2.1. 挨拶状の基本構成
挨拶状の構成は、前文、主文、末文、後付が基本です。
前文 | 「拝啓」「謹啓」などの頭語、季語を取り入れた時候の挨拶、それに続く相手の健康や繁栄を祝う言葉を書きます。 |
---|---|
主文 | 「さて」「このたびは」などのおこし言葉から、挨拶状で伝えたい主題を書きます。 |
末文 | 相手の健康や繁栄を祈る結びの言葉と「敬具」「謹白」などの結語を書きます。 |
後付 | 日付、差出人名、宛名を書きます。(メールの宛名は文書の最初に入れます) |
頭語と結語には「拝啓・敬具」など正しい組み合わせがあり、組み合わせを誤ると不見識な人と見なされてしまうため注意しましょう。
また、カジュアルな挨拶文では時候の挨拶が省略可能で、その場合は文頭に「前略」や「前文お許しください」などと入れます。
なお、「かしこ」は女性だけが使えるカジュアルな結語なので、ビジネスシーンでは避けるのが無難です。
2.2. 挨拶状を出すタイミング
年賀状を1月1日に相手方が受け取れるようにするのと同様に、挨拶状には届けるのに適したタイミングがあります。
例えば、暑中見舞いなら梅雨明けから8月初旬までに、残暑見舞いなら立秋頃から8月末までに届くようにします。
ビジネスにおいては、お祝い・お礼・お詫びに関する挨拶状は当日のうちに送るのが基本です。
また、事務所の移転や開業・起業については1ヶ月前までに、転勤・転任通知については異動の1週間前までに、イベントへの招待(返信なし)は開催日の1週間前までに、それぞれ送るようにしましょう。
ビジネスシーンでは、挨拶状が早すぎては相手方の頭に残りづらく、遅すぎては失礼にあたるため、文章の内容とともに送るタイミングにも気をつけましょう。
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3. 時候の挨拶は漢語調と和語調を使い分けよう
時候の挨拶では、「漢語調」と「和語調」の2種類を使い分けなければなりません。漢語調は丁寧でかしこまった印象を与えるため、ビジネスでの取引先への手紙などに適しています。
例えば「○○の候」「○○のみぎり」といった形式のものが漢語調です。
一方、和語調は漢語調よりもやわらかい印象で、ある程度親しい間柄で使用する挨拶です。親しみを込めたプライベートの手紙などで使われます。
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4. 【漢語調】ビジネスで使える7月の時候の挨拶
ここからは、7月に使用できる漢語調の時候の挨拶をご紹介します。あらたまった印象を与えることができるため、上司や取引先などビジネスシーンで使うのに適しています。
4.1. 7月全般の時候の挨拶
以下の2つは、7月全般に使用できる漢語調の主な時候の挨拶です。例文も併せて紹介します。
●盛夏(せいか)の候
「盛夏」は本格的な暑さが到来する夏の盛りを意味し、長い梅雨が明け力強い太陽が照り付ける時期を指します。梅雨が明ける7月上旬頃~8月上旬頃まで、およそ1ヵ月間使えます。
●猛暑(もうしょ)の候
気温が35度以上の日を猛暑日と表現することから、「猛暑」は暑さが厳しい季節と連想できます。使用時期は厳密に定められておらず、7月上旬から立秋前日の8月6日頃までの間に使われるのが一般的です。
<例文>
拝啓 盛夏の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて・・・・・・【本文】
まずは、取り急ぎ書中にてお知らせいたします。
酷暑が続きますが、くれぐれも体調を崩されませぬよう、ご自愛ください。
敬具
4.2. 7月上旬~中旬の時候の挨拶
7月上旬〜中旬に使用できる主な時候の挨拶は、以下の2つです。
●向暑(こうしょ)の候
初夏の訪れを感じさせる季節が「向暑」です。
春の終わりが間近となり、じわじわと気温が上昇し始める5月上旬~6月下旬頃まで使えます。ただし、梅雨入り後に使用することに違和感を覚える人もいるため、場合によっては「梅雨の候」とした方が無難です。
●小暑(しょうしょ)の候
「小暑」は季節を表す「二十四節気」のうちの一つで、7月7日の七夕頃の徐々に暑さが本格化してくる時期を指します。一般的には7月7日~22日頃に使われる挨拶です。
<例文>
拝啓 向暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
さて・・・・・・【本文】
夏風邪など召されませぬようご留意ください。
敬具
4.3. 7月下旬の時候の挨拶
7月下旬に使用できる主な時候の挨拶は、以下の3つです。
●酷暑(こくしょ)の候
「酷暑」は太陽の光が焼き付けるような真夏の暑さを意味します。夏の最も暑い時期を想像する方もいるかもしれません。使用時期は7月下旬から8月上旬の立秋までが一般的です。
●大暑(たいしょ)の候
1年で最も暑い、夏本番の時期を意味するのが「大暑」です。7月23日~8月の立秋の前日頃まで使用します。
●炎暑(えんしょ)の候
「炎暑」は文字通り燃えるような暑さを感じる時期を指します。上記の2つと同様、7月下旬~8月上旬の使用が適しています。
<例文>
拝啓 大暑の候、貴殿におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて・・・・・・【本文】
酷暑の折、夏バテなどされませんようご自愛くださいませ。
敬具
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5. 【漢語調】ビジネスで使える7月の結びの挨拶
ここでは、7月に使用できる漢語調の結びの挨拶をご紹介します。ビジネスシーンの手紙など、あらたまった文章をを締めくくる際に使用します。
5.1. 7月上旬の結びの挨拶
7月上旬に使用できる漢語調の結びの挨拶には以下のようなものがあります。
- 向暑の折、ご自愛専一にご精励ください。
- 梅雨明けのみぎり、何卒お身体おいといください。
- 七夕の候、皆様方のご無事息災を心よりお祈り申し上げます。
5.2. 7月下旬の結びの挨拶
7月下旬に使用できる漢語調の結びの挨拶には以下のようなものがあります。
- 酷暑の折、夏風邪など召されませぬようご自愛ください。
- 炎暑のみぎり、何卒お身体おいといください。
- 大暑の候、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
6. 【和語調】プライベートで使える7月の時候の挨拶
漢語調と比べてやわらかく、親しみのある印象を与えることができるのが和語調です。相手との関係性によっては和語調を使用したほうが良い場合もあるため、適宜使い分けましょう。
6.1. 7月全般の時候の挨拶
和語調における7月全般の時候の挨拶には、以下のようなものがあります。
- 7月になり長雨で気持ちも滅入りがちな日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
- 梅雨入りし毎日蒸し暑い日々が続きますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
- いよいよ梅雨明けも近づき夏本番も迫っていますが、皆さまお身体の調子はいかがでしょうか。
- 梅雨明けが待ち遠しく、すでに海水浴や花火大会の予定を立てている今日この頃です。
<例文>
拝啓 蒸し暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
さて・・・・・・【本文】
夏バテしないように、美味しいものを食べて元気に過ごしてください。
敬具
6.2. 7月上旬~中旬の時候の挨拶
和語調における7月上旬~中旬の時候の挨拶には、以下のようなものがあります。
- 長雨で気持ちも滅入りがちな日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
- ようやく梅雨が明け、夏本番を感じさせる陽気が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
- 蝉の鳴き声に夏の到来を感じさせられるこのごろですが、皆さまお変わりありませんでしょうか。
- 昨年に比べると暑さは控えめで、今のところ過ごしやすいですね。
<例文>
拝啓 いよいよ梅雨明けも近づき夏本番も迫っていますが、皆さまお身体の調子はいかがでしょうか。
さて・・・・・・【本文】
まだまだ夏の暑い日々は続きますが、お互い無事に乗り切りましょう。
敬具
6.3. 7月下旬の時候の挨拶
和語調における7月下旬の時候の挨拶には、以下のようなものがあります。
- うだるような暑さが続いていますが、夏バテなどされていませんでしょうか。
- 本格的な猛暑の到来ですが、毎日どのようにお過ごしでしょうか。
- 暑い日々がやってきましたね。仕事終わりのビールが毎日楽しみでなりません。
- 青空と白い入道雲のコントラストが美しい季節がやってきました。
<例文>
拝啓 うだるような暑さが続いていますが、夏バテなどされていませんでしょうか。
さて・・・・・・【本文】
厳しい暑さが続くと食欲もなくなりがちですが、体調を崩されないようしっかり
栄養を取って元気にお過ごしください。
敬具
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7. 【和語調】プライベートで使える7月の結びの挨拶
プライベートで使える和語調の結びの挨拶を紹介します。
7.1. 7月上旬の結びの挨拶
7月上旬に使用できる和語調の結びの挨拶には、以下のようなものがあります。
- ジメジメとした梅雨もまだ序盤ですが、気持ちだけはカラっと元気にいきましょう。
- これから本格的な猛暑がやってきますが、今のうちから鋭気を養って乗り切りましょう。
- 不安定な天候が続きますが、来月また笑顔でお会いできたら光栄です。
- 夏の自然が恋しい時期ですが、これからもお身体を大切にお元気でお過ごしください。○○様とご家族のご健康を心よりお祈り申し上げます。
7.2. 7月下旬の結びの挨拶
7月下旬に使用できる和語調の結びの挨拶には、以下のようなものがあります。
- 厳しい暑さが続きますので、水分補給をしっかりしてお互い体調には気をつけましょう。
- 寝苦しい日々ですが、冷房でお身体を冷やしすぎないよう十分ご注意くださいませ。
- ご家族で楽しい夏休みをお過ごしください。またお話を聞かせていただくのを楽しみにしております。
- 毎日うだるような暑さですが、体調を崩されないようどうかご自愛ください。夏休みまであと少し、またお会いできることを楽しみにしています。
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8. 7月の時候の挨拶でよく用いられるキーワード
時候の挨拶を作成するためには、季節のキーワードを把握しておくことが大切です。7月の時候の挨拶に使えるキーワードの一例を紹介します。
8.1. 行事や暦に関するキーワード
7月の主な行事
- 七夕:日本の節句の一つで、7月7日の夜に短冊をつるして星にお願いごとをする習慣。
- 海の日:7月の第3月曜日に制定された祝日。海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う日とされる。
- 土用:「夏土用」とも呼ばれ、8月上旬の立秋直前までの約18日間。鰻を食べると夏バテしないと言われている。
- 海開き:海水浴場がオープンする日。例年、7月に入ると多くの地域で海開きが始まり、海水浴を楽しむ人が増える。
- 夏休み
- 花火大会
7月の節気
- 小暑:7月7日の七夕ごろで、本格的な暑さが到来する直前。
- 大暑:7月23日ごろの年間で最も暑い時期。
8.2. 天候や風物詩に関するキーワード
7月の天候や風物詩に関するキーワードの一例は、以下のとおりです。
- 天の川:夜空に帯状に光り輝く無数の星。
- 梅雨:春の終わりから夏にかけて梅雨前線によって発生する長雨や気象状況。
- 戻り梅雨:梅雨が明けたにも関わらず、梅雨のような天候が訪れること。
- 夕立:夏の昼間や夕方に降る一時的な雨。
- 花火大会:主に7月中旬~8月にかけて花火を打ち上げるイベント。
- 蝉時雨:梅雨が明けて一斉に鳴き出す蝉の声を、時雨の降る音に例えた言葉。
- ひまわり:太陽に向かって咲く黄色い大輪が特徴の夏を代表する花。
9. まとめ
「何月にはこの言葉を使う」といったある程度の決まりはあるものの、時候の挨拶には絶対的な正解があるわけではありません。そのため、時候の挨拶を考える時にはその季節の情景や相手の状況、自分の感情を改めて見つめてみることが大切です。
手紙を受け取る相手の立場を考え、思いやりのある時候の挨拶を添えましょう。
なお、転職を考えている方で、履歴書や職務経歴書などの書類作成に困っている方がいれば、それらの書類作成だけでなく、転職全般に関しても相談をしてくれる「マイナビエージェント」などの転職エージェントに相談するのをおすすめします。
10. 他の月の時候の挨拶
7月以外の時候の挨拶は、下記の記事でご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。
各月の時候の挨拶 | ||
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