【例文付き】4月の時候の挨拶を月内全般・上旬・中旬・下旬の別に紹介

【例文付き】4月の時候の挨拶を月内全般・上旬・中旬・下旬の別に紹介

取引先などの関係者に手紙などを送る際には、季節に合わせた時候の挨拶を添えるのが一般的です。そこで今回は、春めいてきた4月に使える時候の挨拶をご紹介します。時候の挨拶がどのようなものなのか、今回の内容を覚えておくことで他の季節にも対応できるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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1.時候の挨拶とは?

時候の挨拶とは、手紙や便りに書き記す季節を表現した挨拶のことです。手紙は「拝啓」から始まりますが、時候の挨拶を書く際はその後に「春暖の候」などと続けます。季節に合わせた時候の挨拶には様々な言葉があり、贈る相手や場面によって使い分けます。

1.1.気遣いが伝わる

時候の挨拶は季節を表現したものだけでなく、季節の移り変わりによって手紙を送る相手に体調の変化が起こっていないかなど、相手を気遣う側面もあります。コミュニケーションの1つであり、姿が見えない手紙だからこそ相手を思う気持ちを表す言葉です。

1.2.メールやLINEでは必要?

時候の挨拶は目上の人やビジネスシーンで使用されることが多いですが、親しい友人間で交わされるメールやLINEにおいては必要ありません。レスポンスの速さや簡素な文章のやりとりが好まれるような場面では、時候の挨拶はむしろ煩わしさを与えてしまうでしょう。

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2.挨拶状の構成と送るタイミング

会社の取引先や目上の人、フォーマルなシーンの挨拶状には、ある程度決められた構成があります。挨拶状を送るタイミングと合わせて紹介します。

2.1.挨拶状の基本構成

挨拶状は、「前文」における頭語の後に続け、その後に「主文」となる本題を書き、「末文」では文章の最後に結びの言葉と「敬具」などを入れて締めます。「後付」では、日付や差出人、宛名を記入します。

①前文

  • 頭語:「拝啓」「謹啓」「こんにちは」などの挨拶
  • 時候の挨拶:季節に合わせた挨拶言葉

②主文

  • 本文:内容の本題

③末文

  • 結び:締めの文章、自愛を祈ったり乱筆乱文を詫びたりする
  • 結語:「敬具」「謹白」「さようなら」などの挨拶

④後付

  • 日付:年月日、祝い事は「〇年〇月吉日」など
  • 差出人:手紙を書いた人物の氏名
  • 宛名:手紙を送る相手の氏名

2.2.挨拶状を出すタイミング

挨拶状を出す上で重要なのは、「出すタイミング」です。転居や転勤においては挨拶状を出すタイミングが異なり、転居は引越し後1ヶ月以内を目安にし、転勤の場合は転勤が決まった段階ですぐにでも知らせを出します。

どういった状況で挨拶状を出すのかを考え、早すぎる・遅すぎることで相手に迷惑をかけないように配慮しましょう。

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3.時候の挨拶は漢語調と和語調を使い分けよう

時候の挨拶には「漢語調」と「和語調」の2種類があります。漢語調は、ビジネス相手や目上の人に向けたかしこまった場面で使用します。例えば「春暖の候」「麗春の折」などの文言を入れます。

和語調は、親しい友人やカジュアルなシーンにおいて使用する、漢語調よりもやわらかい表現です。例えば「春陽春爛漫の時期を迎えました。」「若草の萌え出す季節になりました。」などがあります。

4.4月の漢語調の書き出し

ここでは、目上の方やビジネスシーンなどで使用する漢語調の時候の挨拶を、4月の全般・上旬・下旬に分けて以下にまとめました。

4.1.4月全般に使える時候の挨拶

以下の3つは、4月全般に使える主な時候の挨拶です。例文も併せて紹介します。

●春爛漫(はるらんまん)の候
 「桜の花が咲き乱れる季節になりましたね」という意味を持ちます。

●春陽(しゅんよう)の候
 「春の日差しが暖かい季節になりましたね」など、暖かい春がやってきたという意味を持ちます。

●春暖(しゅんだん)の候
 「春の花が芽吹き始め、暖かさを感じられる季節になりましたね」という、春陽の候と同じような意味を持ちます。

<例文>

拝啓 春暖の候、貴社におかれましては益々ご盛栄の御事慶賀の至りに存じます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて・・・・・・【本文】

 年度末でお忙しいかと存じますが、どうぞご自愛くださいませ。

                                                 敬具

4.2.4月上旬の書き出し

以下の3つは、4月上旬に使える主な時候の挨拶です。例文も併せて紹介します。

●春光(しゅんこう)の候
 「春の日差しが煌めく季節になりましたね」という意味を持ち、3月下旬〜4月上旬に使用します。

●清明(せいめい)の候
 二十四節気の1つです。清明の時期にしか使用できません。

●桜端(おうたん)の候
 「桜が散りはじめた時期になりましたね」という意味を持ちます。

<例文>

拝啓 春光の候、〇〇様におかれましてはますますご壮健のことと拝察いたしお慶び申し上げます。

 さて・・・・・・【本文】

 お彼岸とはいえまだ寒い日がございます。どうかお体を大切になさってください。

                                           敬具

4.3.4月下旬の書き出し

以下の3つは、4月下旬に使える主な時候の挨拶です。例文も併せて紹介します。

●穀雨(こくう)の候
 4月20日〜5月5日頃の畑の準備が整う時期にふる雨のことで、これ以降に降水量が増えるため、種まきの目安として捉えられていました。

●若草(わかくさ)の候
 春の草花が芽吹き、山が新緑に包まれる時期に使用します。5月のイメージもありますが、4月の時候の挨拶です。

●麗春(れいしゅん)の候
 ひなげしという春の花が咲く時期になったという意味を持ちます。ひなげしは漢字で「麗春」と書き、「ひめけし」と読みます。

<例文>

拝啓 麗春の折、御一同様にはますますご壮健のことと拝察いたしております。

 さて・・・・・・【本文】

 新年度を迎えられ、何かとお忙しいことと存じますが、今後共ご支援ご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

                                               敬具

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5.4月の和語調の書き出し

親しい友人やカジュアルなシーンなどで使用する和語調の時候の挨拶を、4月の全般・上旬・下旬に分けて以下にまとめました。

5.1.4月上旬の書き出し

和語調における4月上旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

春爛漫の時期を迎えました
春の暖かさが感じられる頃となりました
相変わらず花より団子に心が動きます
やわらかな春風に心華やぐ季節となりました

<例文>

拝啓 相変わらず花より団子に心が動きます。皆様、お元気でいらっしゃいますか。

 さて・・・・・・【本文】

 実り多き一年になりますようにお祈りしております。

                                    敬具

5.2.4月中旬の書き出し

和語調における4月中旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

おぼろ月夜の美しいこの頃
陽気に満ちた春となりました
咲き誇っていた桜も早いもので葉桜の時期となりました
春もたけなわで行楽の好季節となりました

<例文>

拝啓 咲き誇っていた桜も早いもので葉桜の時期となりました。皆様、お健やかにお過ごしでしょうか。

 さて・・・・・・【本文】

 天候定まらぬ季節でございます。どうかご自愛くださいませ。

                                    敬具

5.3.4月下旬の書き出し

和語調における4月下旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

春らしいうららかな日和が続いております
ひなげしの花咲く頃となりました
若草の萌え出す季節になりました
つくしが顔を出す頃となりました

<例文>

拝啓 春らしいうららかな日和が続いております。皆様にはその後、お変わりなくお過ごしのことと存じます。

 さて・・・・・・【本文】

 春陽麗和の好季節、〇〇様の更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。

                                       敬具

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6.4月の結びの挨拶

メールや手紙の最後には、結びの言葉を添えます。こちらにも季節折々に合う挨拶を入れ、文章の締めとします。4月はすっかり春の姿を見せ、花や草木が芽吹く頃であるため、春を感じられる言葉を選びましょう。ここではその一例を紹介します。

6.1.4月上旬の結び

4月上旬に使われる結びの挨拶は、以下のような文言が考えられます。

花冷えに風邪など召されませぬようご自愛ください。
春爛漫のみぎり、健康には十分にご留意なされ、さらにご活躍されますことを祈念申し上げます。
新年度を迎えられ、何かとお忙しいことと存じますが、今後共ご支援ご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
春爛漫を満喫なさってご活躍のほどお祈り申し上げます。

6.2.4月下旬の結び

4月下旬に使われる結びの挨拶は、以下のような文言が考えられます。

時節柄、くれぐれもご自愛くださいませ。
花どきは気候も不安定ですので お体を大切になさってください。
花々の咲き競う躍動の春に、皆様ますますのご活躍を心よりお祈りいたします。
麗春のみぎり、お健やかな日々を過ごされますようお祈りいたしております。

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7.4月の挨拶文でよく用いられるキーワード

時候の挨拶を使用する際には、よく用いられるキーワードについても知っておきましょう。ここでは、4月の時候の挨拶に使えるキーワードの一例を紹介します。

7.1.行事や暦関連のキーワード

4月の主な行事と暦関連のキーワードは以下の通りです。

4月の主な行事

入学・入社式:4月上旬に新しく通う学校や会社で、入学・入社を祝う式典が行われます。
お花見:桜の花が満開になる時期に、桜の木の下で花を見ながら宴をします。
エイプリルフール:4月1日は「嘘をついてもいい日」という風習があります。

4月の暦関連のキーワード

清明:4月5日頃であり、花や草が芽吹き、生き物たちも生き生きとしてくる時期のことです。
穀雨:4月20日頃であり、春の雨が農作物を豊かにすると言われている時期です。

7.2.天候や風物関連のキーワード

4月の天候や風物に関連したキーワードは以下の通りです。

:春に咲く桃色の花で、日本を象徴する花の1つです。
花粉症:スギやヒノキ、イネ科などの花粉の分泌が活発になる時期で、花粉症に苦労する人が多い時期です。
春一番:3月下旬から4月初旬にかけて、本格的な春に移行するにあたり、この年で1番の強風のことです。
寒の戻り:3〜4月頃に春の暖かさを感じられる中、一時的に冬の寒さが戻る日のことです。

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8.まとめ

時候の挨拶は誰に送るのか、どういった場面で使用するのかを考えて漢語調と和語調を使い分けます。時候の挨拶1つで自分の気遣いが相手へ伝わります。本記事で紹介したような例文などを参考にし、大切な相手に手紙やメールを送りましょう。

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9.他の月の時候の挨拶

4月以外の時候の挨拶は、下記の記事でご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

各月の時候の挨拶
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