【例文付き】9月の時候の挨拶を月内全般・上旬・中旬・下旬の別に紹介

【例文付き】9月の時候の挨拶を月内全般・上旬・中旬・下旬の別に紹介

取引先などの関係者に手紙などを送る際には、季節に合わせた時候の挨拶を添えるのが一般的です。そこで今回は、まだ夏を感じる9月に使える時候の挨拶をご紹介します。時候の挨拶がどのようなものなのか、今回の内容を覚えておくことで他の季節にも対応できるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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1.時候の挨拶とは?

手紙や挨拶状を書く際は、本文の前に時候の挨拶を添えるのがマナーとされています。時候の挨拶とは、「拝啓」「謹啓」など頭語の後に繋げる、季節や気候に関する言葉を指します。

いきなり本文に入るのではなく、それぞれの季節に合った時候の挨拶を添えることで、手紙を送る相手に丁寧な印象を与えられます。9月は夏の余韻を感じつつも徐々に秋の気配を感じる季節です。そのため、時候の挨拶でも「秋」という言葉がよく使用されます。

1.1.気遣いが伝わる

時候の挨拶では季節や気温と関連して、相手の体調を気遣ったり健康を祈ったりする文章を添えるのが基本です。季節や天候に合った時候の挨拶があることで、「相手のことを思いながらしたためた手紙」という気遣いが伝わります。

9月は残暑による体調への影響を案じたり、収穫の時期と関連付けて実りある生活を祈ったりする一文を添えるといいでしょう。

1.2.メールやLINEでは必要?

メールやLINEといった画面上でやり取りする際は、基本的に時候の挨拶は必要ありません。なぜなら、そのようなツールでは、できるだけ簡潔に情報のみをやり取りしたい方が多いからです。

メールやLINEの場合は、「お世話になっております。」「突然のご連絡失礼いたします。」など、簡単な挨拶に留めましょう。

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2.挨拶状の構成と送るタイミング

挨拶状は基本の構成に沿って作成します。また、最適なタイミングもあるので、「うっかり出し忘れてしまった」ということのないよう注意しましょう。

2.1.挨拶状の基本構成

基本の挨拶状は、大きく分けて8つの項目で構成されています。まずは、「拝啓」「謹啓」などの頭語から始まり、季節に応じた時候の挨拶を繋げます。

その後、本文を記載して、結びの挨拶を添えます。このとき、頭語と対になっている結語を忘れず使用してください。最後に、日付、差出人、宛名と続きます。

  1. 頭語
  2. 時候の挨拶
  3. 本文
  4. 結びの挨拶
  5. 結語
  6. 日付
  7. 差出人
  8. 宛名

2.2.挨拶状を出すタイミング

転職、事務所開き、社長の交代などの挨拶状は、できるだけ早く出すのが基本です。転居の挨拶状であれば、転居後1ヶ月以内を目途にしてください。また、転勤や転任の場合、可能であれば異動になる1ヶ月前に出すようにしましょう。

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3.時候の挨拶は漢語調と和語調を使い分けよう

時候の挨拶には、かしこまった言い回しの「漢語調」と、やわらかい言い回しの「和語調」があります。漢語調はビジネスシーンや目上の方に、和語調は親しい友人や同僚にといった形で使い分けるのがマナーです。

4.9月の漢語調の書き出し

9月は夏から秋に移り変わる季節のため、気温の差も激しくなりがちです。そのため、時候の挨拶も慎重に選ぶ必要があります。まずは、9月に使える漢語調の書き出し例を紹介します。

4.1.9月全般に使える時候の挨拶

以下の2つは、9月全般に使える主な時候の挨拶です。

●爽秋(そうしゅう)の候
「爽秋」は、爽やかで心地のいい秋という意味です。涼しさを感じられるようになった9月から、11月10日頃の初冬まで使用できます。

●秋涼(しゅうりょう)の候
「秋涼」も秋の涼しさを感じるようになったという意味です。暑さの残る月初を避ければ、10月中旬頃まで長く使用できる時候の挨拶です。

<例文>

拝啓 爽秋の候、貴殿におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 
 さて・・・・・・【本文】
 
 季節の変わり目ゆえ、どうぞ体調を崩されませんようご自愛くださいませ。
                                      敬具

4.2.9月上旬の書き出し

以下の3つは、9月上旬に使える主な時候の挨拶です。

●処暑(しょしょ)の候
「処暑」は「暑さが去る」という意味で、暦上は8月23日頃です。そのため、8月下旬から9月上旬にかけて使用できます。

●新秋(しんしゅう)の候
「秋らしくなってきたこと」を意味する「新秋」は、暦上の立秋である8月上旬から9月上旬まで使用可能です。ただし、昨今の気候状況を考えると、少し暑さが和らぐ頃に使用するのが無難です。

●重陽(ちょうよう)の候
9月9日に設定されているのが、五節句の1つである「重陽の節句」です。別名「菊の節句」とも呼ばれ、菊酒や栗ご飯で長寿を願う日とされています。「重陽の候」はちょうどその辺りに使用する時候の挨拶です。

<例文>

拝啓 新秋の候、貴社におかれましては、いよいよご繁栄の由、心からお喜び申し上げます。
 
 さて・・・・・・【本文】
 
 残暑厳しき折、ご自愛専一にてお願い申し上げます。
                                      敬具

4.3.9月下旬の書き出し

以下の3つは、9月下旬に使える主な時候の挨拶です。

●秋冷(しゅうれい)の候
季節が秋に変わり、冷たい風を肌に感じられるようになったことを表すのが「秋冷」です。残暑が過ぎ去った9月の下旬から、10月下旬頃まで使用できます。

●良夜(りょうや)の候
「良夜」は澄んだ空気に、美しい月が見えるという意味です。9月下旬の中秋の名月から、10月上旬に適した時候の挨拶です。

●秋分(しゅうぶん)の候
9月23日頃の秋分の日前後から、10月8日頃の寒露の日まで使用できます。秋分の日を境に夜の長さの方が長くなり、季節も夏から秋へと変わっていきます。

<例文>

拝啓 秋冷の候、貴社いっそうご清祥のことと慶賀の至りに存じます。
 
 さて・・・・・・【本文】
 
 実り多き秋、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
                                      敬具

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5.9月の和語調の書き出し

ここからは、プライベートや親しい間柄の方への挨拶状で使用できる、和語調の書き出しを紹介します。漢語調とは異なり、やわらかくカジュアルな印象を与えられます。

5.1.9月上旬の書き出し

9月上旬に使用できる和語調の時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

9月に入ったとはいえ、依然厳しい暑さが続いております
ようやく朝夕には秋の訪れを感じられる季節となりました
清々しい秋晴れが広がる時期となりました
残暑厳しい中にも、少しずつ秋の訪れを感じられる季節となりました

<例文>

拝啓 9月に入ったとはいえ、依然厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

 さて・・・・・・【本文】

 夏の疲れが出る頃ゆえ、体調には十分お気をつけてお過ごしください。
                                      敬具

5.2.9月中旬の書き出し

9月中旬に使用できる和語調の時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

朝夕の風に秋の深まりを感じる季節となりました
涼やかな秋風が心地よい季節となりました
ようやく暑さが収まり、涼気が感じられるこの頃
残暑が収まり、鈴虫の音が耳にとまる頃となりました

<例文>

拝啓 朝夕の風に秋の深まりを感じる季節となりました。お健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。

 さて・・・・・・【本文】

 気温差が激しくなる季節ゆえ、お風邪など召されませぬようご自愛ください。                                        

                                      敬具

5.3.9月下旬の書き出し

9月下旬に使用できる和語調の時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

秋分を迎え、朝夕はめっきり涼しくなりました
風にゆれるコスモスに、秋の深まりを感じる頃
実りの秋、黄金の稲穂がこうべを垂れる季節となりました
夏の暑さが過ぎ去り、涼風を感じる季節となりました

<例文>

拝啓 秋分を迎え、朝夕はめっきり涼しくなりました。皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。

 さて・・・・・・【本文】

 皆様の秋が実り多きものとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。 

                                    敬具

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6.9月の結びの挨拶

頭語と対で使用する結語の前には、結びの挨拶でもう一度季節の事柄に触れるのが一般的です。ここでは、9月上旬と下旬で使える結びの挨拶を、それぞれ紹介します。

6.1.9月上旬の結び

9月上旬に使われる結びの挨拶は、以下のような文言が考えられます。

未だ残暑厳しき折、皆様おかれましてはくれぐれもご自愛くださいませ。
涼しさを感じる季節となりました。爽やかな秋を満喫されますことをお祈り申し上げます。
秋冷のみぎり、皆様方の息災を心よりお祈り申し上げます。
夏の疲れが出やすい時期かと存じます。健康には一段とご留意ください。
好季節を迎え、より一層のご活躍を期待しております。

6.2.9月下旬の結び

9月下旬に使われる結びの挨拶は、以下のような文言が考えられます。

朝夕は冷え込みが厳しくなってまいります。どうぞお風邪など召されませぬようご自愛ください。
寒暖差の激しい季節となりました。お体には十分お気をつけてお過ごしください。
しのぎやすい気温ではございますが、油断なさらずお身体にはご留意ください。
季節の変わり目ゆえ、お風邪など召されぬよう御身おいといくださいませ。
秋たけなわの好季節、豊かな実りをお祈り申し上げます。

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7.9月の挨拶文でよく用いられるキーワード

ここからは、9月の挨拶文で用いられるキーワードを紹介します。9月の行事や風物詩を把握しておくと、時候の挨拶にも活かせるため大変便利です。

7.1.行事や暦関連のキーワード

9月の主な行事と、暦関連のキーワードは以下の通りです。

9月の主な行事

●中秋の名月:旧暦の8月15日(十五夜)に見える月のことです。ススキやお団子に加えて、収穫時期を迎える里芋をお供えする風習があります。
●敬老の日:お年を召された方をねぎらい長寿を祝うため、9月の第3月曜日に制定されている祝日です。

9月の暦関連のキーワード

●重陽の節句:9月9日に制定されており、菊を飾ったり、菊酒を飲んだりして不老長寿を願います。
●白露:9月8日〜9月22日頃を指し、空気がひんやりとして朝露がつき始める時期という意味です。
●秋分:9月23日頃であり、昼の長さと夜の長さが同じになる日です。

7.2.天候や風物関連のキーワード

9月の天候や、風物関連のキーワードは以下の通りです。

長雨:夏の終わりから秋にかけて続く雨のことです。秋雨とも呼ばれます。
秋の夜長:秋が深まるにつれて、徐々に夜が長くなることを表した言葉です。
台風:夏から秋にかけて多く発生します。秋台風は夏に比べて、速度が速いことが特徴です。
秋桜(コスモス):主に秋に開花する、秋を代表する白やピンクの花です。
彼岸花:夏の終わりから秋にかけて、彼岸の頃に開花する赤色が美しい花です。
鈴虫:秋にかけて、「リーンリーン」と鈴のような声で鳴く虫です。

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8.まとめ

9月は夏から秋へ季節が移り変わる時期です。上旬は厳しい暑さが残る日もありますが、下旬は気温がグッと下がることも多くなります。そのため、時候の挨拶もそれぞれの時期に応じたものを使い分ける必要があります。

ビジネスシーンやプライベートシーンで、漢語調と和語調を使い分けることも大切です。ただし、定型の文章にとらわれ過ぎると、冷たい印象になってしまいます。相手の状況を考えた時候の挨拶を添えて、気持ちのこもった挨拶文を書くよう意識しましょう。

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9.他の月の時候の挨拶

9月以外の時候の挨拶は、下記の記事でご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

各月の時候の挨拶
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