9月の季語を一覧で紹介!美しい花の季語から俳句、挨拶文まで解説

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9月は日本の多くの地域で厳しい残暑が収まり、徐々に秋の気配が感じられるようになる時期です。俳句の世界では「仲秋」に区分され、この時期ならではの月や花に関する季語が多数存在します。

本記事では、そんな9月の美しい季語を一覧で紹介するとともに、有名な俳句や手紙に使える時候の挨拶を、例文形式でいくつかピックアップしました。趣味はもちろん、日常生活でも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。


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1. 9月の季語とは

俳句や手紙で使う9月の季語には、どのようなものがあるのでしょうか。ここではまず、俳句の世界における9月の区分と恒例行事、季語の傾向などを解説します。

1.1. 9月はどんな季節?

俳句の世界においては、8月8日頃(立秋)から11月6日頃(立冬の前日)までの3ヶ月間を「三秋」と呼び、「秋」と区分しています。9月は三秋の中で、中盤にあたる「仲秋」と呼ばれる季節です。日中はまだ暑さが残る日があるものの、朝夕は気温が下がり、徐々に涼しさを感じられるようになります。

また、「秋の夜長」という言葉があるように、秋分を過ぎると昼よりも夜の方が長くなるため、より一層秋の到来を実感するでしょう。湿気が減り、空気が澄んで月がきれいに見えるのも、9月の特徴です。一方、偏西風などの影響で台風が発生しやすい時期でもあります。

1.2. 9月の恒例行事

9月には二十四節気の「白露」「秋分」のほか、「重陽の節句」や「十五夜」といった行事があります。9月の主な恒例行事には以下のようなものがあります。

日にち行事
9月8日頃 白露
9月9日 重陽の節句(菊の節句)
9月第3月曜日 敬老の日
9月22日頃 秋分
9月7日~10月8日の間の1日 十五夜(中秋の名月)

1.3. 9月の季語の傾向

9月の季語の傾向は、「初月」「名月」「三日月」など、「月」という語句が付く言葉が多いことです。当然ながら、これらの季語を使用した月に関する有名俳句も多く存在します。

また、秋真っ只中の「仲秋」であることから、「コスモス」「葡萄」など秋らしい言葉も揃っています。ただし、「暑い」「寒い」といった極端な気候ではないことから、気温に関する言葉は少なめです。

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2. 9月の季語一覧

ここからは9月に使える季語を、7つの分類ごとに一覧で紹介します。

2.1. 【時候】9月の季語一覧

季節・時期・暦上の区分など、時候に関する9月の季語には以下のようなものがあります。

秋彼岸、秋社、秋分、仲秋、九月、玄鳥帰る、鴻雁来る、二百十日、白露、八朔、葉月、冷やか、水始めて涸る、雷声を収む、龍淵に潜む

2.2. 【天文】9月の季語一覧

星・月・風・雷など、天文に関する9月の季語には以下のようなものがあります。

三日月、二日月、立待月、居待月、雨月、無月、名月、初月、更待月、臥待月、夕月夜、弓張月、真夜中の月、朔日ごろの月、やまじ、宵闇、良夜、青北風、碇星、十六夜、おしあな、雁渡し、菊日和、黍嵐、鮭颪、台風、高西風、野分、待宵、富士の初雪

2.3. 【地理】9月の季語一覧

田畑・山・海・川など、地理に関する9月の季語には以下のようなものがあります。

落し水、不知火、高潮、初潮

2.4. 【生活】9月の季語一覧

衣食住・仕事・健康など、生活に関する9月の季語には以下のようなものがあります。

茜掘る、秋袷、秋蚕、秋簾、秋の鵜飼、秋のセル、秋の虫送り、秋場所、粟刈る、稲扱、稲干す、馬市、鎌祝ひ、蚊帳に雁を描く、凶作、行水名残、草泊、草花秋蒔く、薬掘る、下り簗、胡麻刈る、鴫の羽盛、鹿狩、渋取、障子貼る、新渋、すがれおひ、俵網、月見、木賊刈る、とんぶり、名残狂言、濁り酒、根釣、後の出代、稲架、はららご、ひしこづけ、菱取る、氷頭膾、袋洗ひ、豊年、牡丹の根分、松茸飯、豆引く、籾、籾摺、夜蛤、夜庭

2.5. 【行事】9月の季語一覧

イベント・お祭り・俳人や有名人の忌日など、行事に関する9月の季語には以下のようなものがあります。

赤い羽根、秋の駒牽、宇佐祭、大鳥祭、かな女、気比祭、毛見、芝神明祭、秋季皇霊祭、秋思祭、十字架祭、定考、静塔、聖母生誕祭、聖ミカエル祭、素十、素堂、大宰府祭、迢空、司召、鶴岡祭、豊国神社祭、南洲、二十六夜待、野口念仏、筥崎祭、八幡放生会、八朔の祝、穂懸、松尾神事相撲、吉野太夫、吉野祭、鬼貫忌、かな女忌、鬼城忌、許六忌、西鶴忌、子規忌、蛇笏忌、迢空忌、南洲忌、乃木忌、守武忌、遊行忌、露月忌

2.6. 【動物】9月の季語一覧

鳥・魚・虫など、動物に関する9月の季語には以下のようなものがあります。

秋の蛙、穴惑ひ、溢蚊、江鮭、海猫帰る、尾越の鴨、懸巣鳥、小鳥、太刀魚、燕帰る、初鴨、ひしこ、蛇穴に入る、鰡

2.7. 【植物】9月の季語一覧

花・草・木など、植物に関する9月の季語には以下のようなものがあります。

藍の花、藜の実、秋茄子、秋薔薇、通草、朝顔の実、蘆の花、粟、思草、籬豆、南瓜、刈安、刈萱、菊芋、黍、梔子の実、苦参、粟奴、コスモス、胡麻、桜紅葉、石榴、甘藷、甘蔗、三七の花、紫苑、芋茎、蘇枋の実、千振、高黍、竹の春、玉蜀黍、木賊、鳥兜、苦瓜、野菊、野葡萄、蓮の実、初紅葉、浜菊、稗、風船葛、茯苓、藤豆、葡萄、芙蓉の実、緑豆、紅茸、木瓜の実、杜鵑草、舞茸、水引の花、溝蕎麦、めなもみ、桃吹く、柳散る、山薊、山葡萄、敗荷、蘭、龍胆、早稲

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3. 9月の代表的な季語

上記の一覧で紹介した9月の季語の中から、代表的な季語の意味を掘り下げて解説します。

季語意味
玄鳥帰る(げんちょうかえる) 七十二候の一つで、白露の次候(9月13日〜17日頃)を指します。玄鳥はツバメの古名で、春に訪れたツバメが子育てを終え、南へ帰っていく様子を表しています。
十六夜(いざよい) 旧暦16日の夜に昇る、満月の翌日の欠けた月です。十五夜より30〜40分遅れて昇る様子が「ためらう」ように見えることから名付けられ、秋の風情を感じさせます。
落し水(おとしみず) 稲刈り前に田んぼの水を抜き、稲を乾かして収穫しやすくする作業です。秋の季語として農村の秋の風物詩を表します。
尾越の鴨(おごしのかも) 秋に鴨が山を越えて飛んでくる様子を表した言葉です。渡り鳥が遠くから飛来する情景に、季節の移ろいを感じさせます。
竹の春(たけのはる) 竹の葉が青々と茂り、生気を取り戻す晩秋の頃の様子を春にたとえた言葉です。

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4. 9月の季語を使った有名な俳句

9月の季語が使用されている有名な俳句をいくつか紹介します。

俳句作者季語
八朔や 旅は寝がちの 物忘れ 久村暁台 八朔
仲秋や 土間に掛けたる 山刀 原石鼎 仲秋
名月や 池をめぐりて 夜もすがら  松尾芭蕉 名月
鹿ずれの 松の光りや 夕月夜 内藤丈草 夕月夜
つゝましや 秋の袷の 膝頭 前田普羅 秋袷
身の闇の 頭巾も通る 月見かな 与謝蕪村 月見
豊年や ぞろり寝くらふ 六十貌 小林一茶 豊年
蛇穴に 入るや彼岸の 鐘が鳴る 正岡子規 蛇穴に入る
湯壷から 首丈出せば 野菊かな 夏目漱石 野菊
葡萄食ふ 一語一語の 如くにて 中村草田男 葡萄


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5. 美しい9月の季語といえば?

虫の音や爽やかな風に秋の訪れを感じる9月には、涼しさや実りの気配など、秋の情景を表す季語が多くそろっています。俳句や手紙で使用できる美しい9月の季語としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 藍の花
  • 十六夜
  • 葉月
  • 竹の春
  • 夕月夜
  • 碇星
  • 菊日和
  • 富士の初雪

秋の深まりを感じるとともに、朝晩の気温が低くなってくる時期でもあるため、月や星、季節の移ろいを感じさせる自然現象を表す言葉が多いのも9月の季語の特徴です。

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6. 要注意!間違えやすい9月の季語

9月の季語の中には、他の季節の季語と混同しやすいものがあります。二十四節気が季節の移ろいを1〜2ヶ月ほど先取りしているため、特に9月の季語は10月の季語と混同されがちです。

例えば「秋深し」は、一見すると秋の始まりを思わせるため9月にも使えそうですが、実際には晩秋の季語であり、10月以降に使われるのが一般的です。その他にも、「秋の霜」や「秋時雨」など、「秋」の名前がつくものでも、10月〜11月頃の晩秋を表す季語があります。

このように、季節のずれに注意しながら、9月の季語を適切に使い分けましょう。

7. 9月上旬に使える時候の挨拶

季語は手紙に季節感を添える際にも使用されます。そこで、ここからは手紙に使える時候の挨拶を紹介します。まずは、9月上旬~9月中旬頃に適した時候の挨拶を、書き出しと結びに分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。

7.1. 9月上旬の書き出しに使える時候の挨拶

改まった手紙の書き出しでは、「拝啓」など頭語の後に季節感を添える時候の挨拶を続けるのが一般的です。9月上旬に適した書き出しの時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

  • 白露の候、貴殿におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
  • 仲秋のみぎり、貴社におかれましてはいよいよご繁栄の由、心からお喜び申し上げます。
  • 清々しい秋晴れが広がる時期となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。

7.2. 9月上旬の結びに使える時候の挨拶

手紙の最後に挿入する「敬具」など結語の前には、一般的に内容を締めくくる結びの挨拶を添えます。9月上旬に適した結びの時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

  • 長陽の候、一層のご隆盛を衷心よりお祈り申し上げます。
  • 涼しさを感じる季節となりました。皆様方の息災を心よりお祈り申し上げます。
  • 気温差が激しくなる季節ゆえ、お風邪など召されませぬようご自愛ください。

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8. 9月下旬に使える時候の挨拶

次に、9月中旬から9月下旬にかけて使用できる時候の挨拶を紹介します。

8.1. 9月下旬の書き出しに使える時候の挨拶

9月下旬に適した手紙の書き出しに使える時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

  • 秋分の候、〇〇様におかれましては、ますますご隆昌のこととお喜び申し上げます。
  • 実りの秋を迎え、黄金の稲穂がこうべを垂れる季節となりました。
  • 涼やかな秋風が心地よい季節となりました。その後いかがお過ごしでしょうか。

8.2. 9月下旬の結びに使える時候の挨拶

9月下旬に適した手紙の結びに使える時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

  • 良夜の候、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
  • 実り多き秋、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
  • 秋たけなわの好季節、豊かな実りをお祈り申し上げます。

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9. 他の月の季語

他の月の季語は、下記の記事でご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

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10. まとめ

厳しい暑さが収まり、朝夕の風に涼しさを感じる9月は、俳句の世界において秋の中盤にあたる「初秋」と呼ばれます。9月の季語には秋を表す言葉や、美しい月に関する言葉が揃っており、名句も数多く存在します。

秋の爽やかな空気感や、落ち着いた情景を俳句で表したいときに、9月の季語はぴったりです。また、時候の挨拶で9月の季語を使用すれば、手紙に季節感を添えることができます。ぜひ、本記事を参考に、9月の季語を俳句や手紙で活用してみてください。

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