6月の季語一覧を紹介!花や風に関する人気の季語、有名な俳句も解説

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画像:奈良 長谷寺 写真提供:オフィスK / PIXTA(ピクスタ)

6月は俳句の世界において、夏本番を意味する「仲夏」と呼ばれています。実際の季節としては初夏のイメージが強い6月ですが、暦の上では夏の中盤にあたります。また、6月は梅雨の季節でもあるため、雨に関する季語も多くなっています。

本記事ではそんな6月の季語を、分類ごと一覧で分かりやすく紹介します。また、6月の季語を使った有名な俳句や、手紙に添える時候の挨拶も詳しく解説するので、6月の季語に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

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1 6月の季語とは

俳句や手紙で使う6月の季語には、どのようなものがあるのでしょうか。ここではまず、俳句の世界における6月の区分と恒例行事、季語の傾向などを解説します。

1.1 6月はどんな季節?

俳句の世界においては、5月6日頃(立夏)から8月7日頃(立秋の前日)までの3ヶ月間を「三夏」と呼び、「夏」と区分しています。6月は三夏の中で、中盤にあたる「仲夏」と呼ばれる季節です。暦の上では夏真っ盛りを意味する仲夏ですが、実際の6月は夏の始まりといった気候です。

また、6月は梅雨の季節でもあり、一般的には7月中旬から下旬の梅雨明けまでは、雨が降りやすい天気が続きます。なお、6月下旬になると気温はさらに上昇し、蒸し暑さを感じるようになります。


1.2 6月の恒例行事

6月には二十四節気の「芒種」「夏至」のほか、「父の日」などの行事があります。6月の主な恒例行事には以下のようなものがあります。

日にち行事
6月1日 衣替え
6月6日頃 芒種
6月11日頃 入梅
6月21日頃 夏至
6月第3日曜日 父の日
6月30日 夏越の祓

1.3 6月の季語の傾向

6月の季語の特徴は、雨に関する言葉が多いことです。「梅雨の山」「梅雨の月」「梅雨寒」など、誰もが雨の季節である6月の季語とわかる言葉が揃っています。

また、「田植え」や「菖蒲」がつく季語が多いのも特徴的です。大きな行事は少ないものの、「紫陽花」「ラベンダー」をはじめ、6月に見頃を迎える植物も季語としてたくさん使用されています。

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2 6月の季語一覧

ここからは6月に使える季語を、7つの分類ごとに一覧で紹介します。

2.1 【時候】6月の季語一覧

季節・時期・暦上の区分など、時候に関する6月の季語には以下のようなものがあります。

六月、仲夏、芒種、夏至、皐月、田植時、梅雨寒、入梅、白夜、半夏生(はんげしょう)

2.2 【天文】6月の季語一覧

星・月・風・雷など、天文に関する6月の季語には以下のようなものがあります。

梅雨、梅雨雷、梅雨曇、梅雨空、梅雨の月、梅雨の星、梅雨晴、空梅雨、五月闇、五月雨、五月晴、いなさ、ながしはえ、薬降る、黒南風、黄雀風、虎が雨、夏ぐれ

2.3 【地理】6月の季語一覧

田畑・山・海・川など、地理に関する6月の季語には以下のようなものがあります。

梅雨穴、梅雨の山、五月川、五月富士、五月山、皐月波、植田、出水、富士の雪、解井水増す

2.4 【生活】6月の季語一覧

衣食住・仕事・健康など、生活に関する6月の季語には以下のようなものがあります。

雨乞、雨休み、集め汁、粟蒔、糸取、印地打、漆掻く、艾虎(がいこ)、菊挿す、黍蒔(きびまき)、漁夫帰る、薬玉、薬狩、胡麻蒔、早乙女、五月狂言、五月の鏡、早苗饗(さなぶり)、蛇籠編む、菖蒲打、菖蒲刀、菖蒲酒、菖蒲人形、菖蒲の根合、菖蒲の鉢巻、菖蒲引く、菖蒲葺く 菖蒲湯、新茄子和、神水、新真綿、水論 蒼朮を焚く(そうじゅつをたく)、田植、田植唄、田植布子、竹植う、田下駄、田舟、父の日、椿挿す、手花火、天師を画く、桃引符、苗取、ながし、夏引の糸、煮梅、薄荷刈る、百草を闘わす、梟の羹(ふくろうのあつもの)、蛍売、蛍籠、蛍狩、水番、水見舞、六日の菖蒲、麦藁籠、蘭湯

2.5 【行事】6月の季語一覧

イベント・お祭り・俳人や有名人の忌日など、行事に関する4月の季語には以下のようなものがあります。

愛染祭、県祭、朝顔市、熱田祭、菖蒲の鬘(あやめのかずら)、菖蒲の帷子(あやめのからびら)、菖蒲の枕、菖蒲を献ず、有無日、騎射、樗を佩ぶ(おうちをおぶ)、儀方を書く、鞍馬の竹伐、競渡、削掛の甲、三枝祭、札幌祭、三位祭、聖心祭、聖体祭、聖ペテロ・パウロ祭、聖霊降臨祭、賑給(しんごう)、曾我の笠焼、ちゃくだの政、伝教会、時の記念日、花の日、富士垢離、富士詣、早瓜を供ず、桜桃忌、沖縄忌、鑑真忌、楸邨忌、紅緑忌、蝉丸忌、独歩忌、業平忌、北枝忌、頼政忌

2.6 【動物】6月の季語一覧

鳥・魚・虫など、動物に関する5月の季語には以下のようなものがあります。

蛍、鯰、夏蚕、牛蛙、蚕蛾、蝉生る、津走、濁り鮒、麦藁鯛、麦藁章魚、麦藁鯊(むぎわらはぜ)、蟷螂生る、蜻蛉生る、蛇衣を脱ぐ

2.7 【植物】6月の季語一覧

花・草・木など、植物に関する6月の季語には以下のようなものがあります。

アイリス、青梅、葵、紫陽花、敦盛草、甘野老の花、アマリリス、泡盛草、杏子、藺、いちいがしの花、鳶尾草、藺の花、岩桐草、茴香の花、鶯の付子、靱草、梅笠草、漆の花、えごの花、楝の花、桜桃の実、沢瀉、オリーブの花、杜若、柿の花、額の花、要の花、黴、ガーベラ、南瓜の花、烏柄杓、刈葱、岩高蘭、木耳、羊蹄の花、麒麟草、金柑の花、金魚草、梔子の花、栗の花、桑の実、楮、河骨、小梅、苔茂る、苔の花、小判草、さいかちの花、桜の実、石榴の花、杜鵑花、早苗、早桃、百日紅、椎の花、胡蝶花、菖蒲、除虫菊、西瓜の花、すぐりの実、ストケシア、李、石竹、竹の花、梅雨茸、唐辛子の花、鴇草、どくだみ、虎尾草、夏萩、蓮の浮葉、花菖蒲、花橘、未央柳、菱の花、鵯上戸の花、枇杷、昼顔、紅の花、芸香、檀の花、虫取撫子、木斛の花、藻の花、矢車菊、楊桃、水芭蕉、虎耳草、山桜桃の実、百合の花、ラベンダー、若竹

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3 6月の季語を使った有名な俳句

6月の季語が使用されている有名な俳句をいくつか紹介します。

俳句作者季語
心澄めば 怒濤ぞ聞こゆ 夏至の雨 臼田亜浪 夏至
樹も草も しづかにて梅雨 はじまりぬ 日野草城 梅雨
六月の 日に晒したる 手足かな 長谷川春草 六月
抱く吾子も 梅雨の重みと いふべしや 飯田龍太 梅雨
潮急に 植田は鏡 より静か 川端茅舍 植田
木曽川の 出水告げ去る 小作かな 松本たかし 出水
早乙女や 泥手にはさむ 額髪 村上鬼城 早乙女
菖蒲湯も 小さ盥で すましけり 小林一茶 菖蒲湯
紫陽花や 藪を小庭の 別座敷 松尾芭蕉 紫陽花
花をやれ とかく浮世は 車百合 西山宗因 百合の花

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4 6月上旬に使える時候の挨拶

季語は手紙に季節感を添える際にも使用されます。そこで、ここからは手紙に使える時候の挨拶を紹介します。まずは、6月上旬~6月中旬頃に適した時候の挨拶を、書き出しと結びに分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。

4.1 6月上旬の書き出しに使える時候の挨拶

改まった手紙の書き出しでは、「拝啓」など頭語の後に季節感を添える時候の挨拶を続けるのが一般的です。6月上旬に適した書き出しの時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

  • 芒種の候、〇〇様におかれましては、ますますご壮健のことと拝察いたしお慶び申し上げます。
  • 入梅の折、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
  • 水田には青々とした若苗が並ぶ季節となりました。その後いかがお過ごしでしょうか。

4.2 6月上旬の結びに使える時候の挨拶

手紙の最後に挿入する「敬具」など結語の前には、一般的に内容を締めくくる結びの挨拶を添えます。6月上旬に適した結びの時候の時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

  • 向暑の候、一層のご隆盛を衷心よりお祈り申し上げます。
  • 梅雨寒の時節柄、どうぞご自愛くださいませ。
  • 不安定な天候が続いております。体調を崩されませぬよう、くれぐれもご自愛ください。

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5 6月下旬に使える時候の挨拶

次に、6月中旬から6月下旬にかけて使用できる時候の挨拶を紹介します。

5.1 6月下旬の書き出しに使える時候の挨拶

6月下旬に適した手紙の書き出しに使える時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

  • 夏至の候、〇〇様におかれましては、ますますご隆昌のこととお喜び申し上げます。
  • 長雨の折、皆様におかれましては、一段とご壮健のこととお慶び申し上げます。
  • 梅雨明けを待ち遠しく感じるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

5.2 6月下旬の結びに使える時候の挨拶

6月下旬に適した手紙の結びに使える時候の挨拶には、以下のようなものがあります。

  • 向夏の候、御一同様にはいよいよご清祥のことと存じます。
  • 長雨の時節柄、お身体に気をつけてお過ごしください。
  • 梅雨晴れの青空を待ちつつ、〇〇様のご多幸を心よりお祈りいたしております。

【関連記事】「お中元のお礼状の書き方は?相手・季節別ですぐに使える例文を紹介」

6 他の月の季語

他の月の季語は、下記の記事でご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

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7 まとめ

夏の中盤「仲夏」にあたる6月は、入梅の季節であることから雨に関する季語が揃っています。また、紫陽花や百合など6月を象徴する花も多く、有名歌人たちの俳句にも美しい6月の季語が度々登場します。

大きなイベントは少ない時期ですが、長雨によって一層深くなる山々の緑、本格的な暑さを前に勢いよく成長する植物など、俳句や手紙に使える情景はたくさんあります。ぜひ、本記事で紹介した6月の季語を、趣味や日常生活で活用してみてください。

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