冬の季語を一覧で紹介!美しい季語を使った有名俳句も解説

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一年で最も寒い季節である冬には、澄んだ空気感を表す美しい季語が揃っています。寒さや冷たさ、雪に関する季語も多く、静かで荘厳な雰囲気を感じられるのが特徴です。そんな冬の季語は、有名な歌人が詠んだ俳句にも多く使用されています。

本記事では、簡単で使いやすい冬の季語を一覧で紹介するとともに、冬の季語を使った有名俳句や時候の挨拶についても解説します。冬の季語について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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1 厳しい寒さを表す冬の季語

一気に気温が下がり、氷が張ったり雪が降ったりする季節です。ピンと張り詰めた冷ややかな空気に包まれる冬には、モノクロの世界を美しく表現する季語が揃っています。また、暮と新年に関わる季語や、春を待ちわびる季語もあります。

そんな冬の季語を紹介する前に、まずは冬の季語が使える時期や季語の分類について紹介します。

1.1 冬の季語が使える時期

俳句の世界では二十四節気に基づいて四季を区分しており、俳句における冬は「11月7日頃の立冬から2月3日頃の立春の前日まで」です。つまり、冬の季語が使えるのは11月・12月・1月頃であり、この3ヶ月のことを「三冬(さんとう)」と呼びます。

さらに細かく言うと、11月7日頃~12月6日頃を「初冬」、12月7日頃~1月4日頃を「仲冬」、1月5日頃~2月3日頃を「晩冬」と表します。俳句では、それぞれの時期に合った季語を使用することが大切です。

1.2 季語の分類

冬特有の自然や行事、冬ならではの生活習慣や食べ物、冬に動きが活発になる動物や植物など、季語はいくつかのジャンルに分けることができます。ここでは、よく使用される7つの分類と内容を紹介します。

時候 季節や時期、暦上の区分を表した季語
天文 星、月、風、雷など空に関わる自然を表した季語
地理 田畑、山、海、川など大地に関わる自然を表した季語
生活 衣食住、仕事、健康など身の回りに関わるものを表した季語
行事 その季節に行われるイベントやお祭りを表した季語
俳人や有名人の忌日を〇〇忌として季語にすることもある
動物 その季節に活動が活発になる動物を表した季語
植物 その季節に生育が活発になる植物を表した季語

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2 冬全般で使える冬の季語

ここからは具体的な冬の季語を、上記のジャンルごとに分けて詳しく解説していきます。まずは、冬全般で使える季語を紹介します。

2.1 冬全般で使える季語一覧

冬全般で使える季語には以下のようなものがあります。

時候 冱つ、鐘氷る、凍る、寒し、冴ゆ、霜夜、短日、冷たし、冬、冬暖、冬ざれ、冬の朝、冬の暮、冬の夜
天文 【星、月、空に関わる季語】
オリオン、寒昴、霜、隙間風、天狼、冬銀河、冬の雲、冬の空、冬の月、冬の虹、冬の星、冬の雷、冬北斗、冬夕焼

【雨、風、雷に関わる季語】
乾風、霰、鎌鼬、空風、北颪、北風、ならひ、たま風、鰤起、べつとう、虎落笛、雪起し

【その他の季語】
うつ田姫、しづり、露凝る、冬霞、冬の雨、冬の風、冬の霧、冬の靄、冬日、冬旱、霙、雪催
地理 【田畑、山に関わる季語】
凍土、枯園、枯野、狐火、くだら野、霜柱、冬景色、冬野、冬田、冬の山、山眠る

【海、川、湖に関わる季語】
寒潮、冬の泉、冬の海、冬の川、冬の波、冬の浜、冬の水、水涸る
生活 【衣に関わる季語】
厚司、アノラック、襟巻、負真綿、外套、重ね着、紙衣、紙漉、紙衾、皮羽織、かんじき、着ぶくれ、毛糸編む、毛皮、毛衣、コート、ジャケット、ショール、頭巾、セーター、足袋、ちゃんちゃんこ、手袋、胴着、ねんねこ、冬服、冬帽

【食に関わる季語】
熱燗、霰酒、鮟鱇鍋、石狩鍋、今川焼、芋粥、おでん、貝焼、牡蠣飯、粕汁、風邪、蕪汁、釜揚うどん、切干、茎漬、葛湯、桜鍋、薩摩汁、三平汁、塩鰹、塩鮭、塩鱈、塩鰤、生姜酒、生姜味噌、生姜湯、塩汁、雑炊、千枚漬、鯛焼、玉子酒、納豆、納豆汁、鍋焼、のつぺい汁、焼鳥、湯豆腐、寄鍋

【住に関わる季語】
アノラック、温石、温突、消炭、絨緞、炭竈、ストーブ、炭、炭火、焚火、暖房、屏風、火桶、膝掛、火鉢、襖、冬座敷

【遊びや仕事に関わる季語】
アイスホッケー、青写真、兎狩、狩、猟人、狐罠、猪狩、スキー、炭売、スケート、鷹狩、鷹匠、竹馬、狸罠、出稼ぎ、冬耕、菜洗ふ、縄飛、火の番、捕鯨、ラグビー、藁仕事

【その他の季語】
息白し、火事、風邪、吸入器、咳、手足荒る、日向ぼこ、水洟(みずばな)、湯気立、湯ざめ
行事 寒参、冬安居、夜神楽
動物 【虫に関わる季語】
ざざ虫、冬の虻、冬の蚊、冬の蝶、冬の蚤、冬の蠅、冬の蜂、冬の虫

【鳥に関わる季語】

凍鶴、浮寝鳥、海雀、鴛鴦、鳰、竈猫、鴨、寒苦鳥、笹鳴、鷹、田鳧、狸、だぼ鱚、鱈、鱈場蟹、千鳥、鶴、隼、梟、冬鴎、冬鷺、冬の鶯、冬の雁、冬の鳥、冬の鵙、冬雲雀、水鳥、鷦鷯(みそさざい)、木菟(みみずく)、都鳥、鷲、眼抜

【魚・貝に関わる季語】
甘鯛、あら、鮟鱇、いさざ、金糸魚、海豚、杜父魚、旗魚、方頭魚、寒鰡、牡蠣、金目鯛、氷下魚、鮫、助宗鱈、ずわい蟹、たいらぎ、通し鮎、鍋破、海鼠、鰰、氷魚、ひめぢ、鮃、河豚、舞鯛、鰤、ほうぼう、鮪、まながつお

【その他の季語】
あなぐま、鼬、兎、狼、狐、鯨、熊、羚羊(かもしか)、貂(てん)、冬眠、冬の鹿、むささび
植物 【花、野草、木に関わる季語】
青木の実、落葉、カトレア、枯葦、枯茨、枯木、枯菊、枯草、枯桑、枯忍、枯歯朶、枯芝、枯芒、枯蔦、枯蔓、枯葉、枯萩、枯芭蕉、枯蓮、枯芙蓉、枯真菰、枯葎、枯柳、枯山吹、千両、寒菊、寒忍、寒菅、寒芒、寒芹、寒牡丹、木守、朽葉、木の葉、霜枯、名の木枯る、名の草枯る、南天の実、鼠黐の実、裸木、冬柏、冬枯、冬木、冬木の桜、冬木立、冬珊瑚、冬山椒、冬薔薇、冬蔦、冬の草、冬芽、松藻、万両、龍の玉、侘助、冬桜、深山樒、藪柑子

【果物、野菜に関わる季語】

蕪、榎茸、セロリ、大根、滑子、人参、葱、白菜、冬苺、冬菜、冬林檎、冬蕨、ブロッコリ、椪柑(ぽんかん)、蜜柑、室咲、芽キャベツ


2.2 冬全般で使える代表的な季語と意味

上記の中で、代表的な季語の意味を紹介します。

冱つ(いつ) 寒さでものが凍ること
冬ざれ 草木が枯れ果てて、景色が荒んだように見えるさま
ならひ 東日本の太平洋側で冬に吹く風
しずり 木の枝に積もった雪が重みで垂れ落ちる様子
くだら野 草木が枯れ朽ちた野原


2.3 冬全般の季語を使った有名俳句

冬全般の季語が使われている有名な俳句を紹介します。

  • 石枯れて水しぼめるや冬もなし(松尾芭蕉)
  • ほのゆるる閨のとばりは隙間風(杉田久女)
  • 静かなるかしの木はらや冬の月(与謝蕪村)

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3 初冬(11月頃)に使える冬の季語

11月7日頃~12月6日頃の「初冬」に使える冬の季語を紹介します。初冬の季語には、初雪や初霜に関する言葉に加えて、七五三などの行事もあります。

3.1 初冬に使える季語一覧

初冬に使える季語には以下のようなものがあります。

時候 神無月、小春、十一月、小雪、冬浅し、冬めく、水始めて氷る、立冬、冬の日
天文 神渡し、凩、時雨、初時雨、初霜、初冬、初雪、冬凪、星の入東風
地理 初氷
生活 浅漬、亥の子、射場始、馬下げる、案山子揚、風除、蕪引、蕪菁干す、刈上餅、雁木、北窓塞ぐ、口切、車蔵ふ、楮蒸す、木の葉髪、蒟蒻掘る、敷松葉、霜除、棕櫚剥ぐ、生姜掘る、蕎麦刈、大根引、大根干す、沢庵漬、塗炉縁、蓮根掘る、初猟、冬構、冬の更衣、べつたら市、干菜吊る、麦蒔、目貼、炉炭を進る、炉開
行事 厳島鎮座祭、恵比寿講、納の庚申、御火焚、元の節、神在祭、神送、髪置、神の旅、神の留守、神迎、神等去出神事、感謝祭、九州場所、勤労感謝の日、熊手、七五三、十夜、聖ザビエル祭、松明あかし、亜浪忌、一葉忌、一蝶忌、一碧楼忌、空也忌、契冲忌、宗鑑忌、徂徠忌、達磨忌、東叡山開山忌、東福寺開山忌、土芳忌、豊国忌、波郷忌、芭蕉忌、三島忌、頼朝忌、来山忌、羅山忌、嵐雪忌、浪化忌
動物 落鱸、熊穴に入る、柳葉魚、蟷螂枯る、初鱈、冬の蝗、綿虫
植物 銀杏落葉、帰り花、柿落葉、寒葵、寒竹の子、寒蘭、山茶花、茶の花、石蕗の花、柊の花、枇杷の花、冬葵、冬紅葉、朴落葉、麦の芽、紅葉散る、八手の花


3.2 初冬使える代表的な季語と意味

上記の中で、代表的な季語の意味を紹介します。

冬浅し 冬に入ったばかりで、まだそれほど寒くない様子
神渡し 陰暦十月の頃に吹く西風のことで、神々を送るために吹く風という意味がある
冬凪 波が立っていない冬の穏やかな海
口切 新茶を入れて封をしておいた壺の口を、茶事で開けること
帰り花 初冬の小春日和に思いがけず2,3輪返り咲く花


3.3 初冬の季語を使った有名俳句

初冬の季語が使われている有名な俳句を紹介します。

  • 牛部屋に蚊の声闇き残暑かな(松尾芭蕉)
  • 天の川のもとに天智天皇と虚子と(高浜虚子)
  • 送り火や今に我等もあの通り(小林一茶)


3.4 初冬の季語を使った時候の挨拶

手紙の書き出しで使用できる、初冬の季語を使った時候の挨拶を紹介します。

  • 立冬の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のことと心よりお喜び申し上げます。
  • 日脚もめっきり短くなり、冬の到来を実感する今日この頃、皆さまいかがお過ごしですか。
  • 暦は立冬を過ぎましたが、おだやかな小春日和が続いております。

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4 仲冬(12月頃)に使える冬の季語

12月7日頃~1月4日頃の「仲冬」に使える冬の季語を紹介します。仲冬の季語には、雪に関する言葉が揃っています。なお、暮の季語は後の項目で別途紹介しています。

4.1 仲冬に使える季語一覧

仲冬に使える季語には以下のようなものがあります。

時候 一陽の嘉節、霜月、十二月、朔旦冬至、大雪、仲冬、冬至、宮線を添ふ
天文 御講凪、冬日和
生活 藺植う、えり簀編む、帯解、顔見世、甘蔗刈、社会鍋、除雪車、冬至粥、流黐、年貢納、墓囲ふ、羽子板市、冬休、鰤網、藪巻、雪囲、雪下し、柚子湯
行事 鉢叩、花祭、日蔭の蔓、鞴(ふいご)祭、報恩講、宗像祭、山の神祭、小忌衣、神楽、春日若宮御祭、義士会、クリスマス、五節の舞、後日の能、暦の奏、里神楽、子祭、聖胎祭、青邨忌、一茶忌、永観忌、青畝忌、石鼎忌、漱石忌、近松忌、鎮魂祭、貞德忌、寅彦忌、野坡忌、横光忌、良弁忌
動物 落鱚、霜月鰈、初鰤
植物 甘蔗の花、クリスマスローズ、蝦蛄葉仙人掌、冬至梅、ポインセチア


4.2 仲冬使える代表的な季語と意味

上記の中で、代表的な季語の意味を紹介します。

冬日和 厳寒の中の、良く晴れた穏やかで過ごしやすい日
流黐(ながしもち) 鴨を捕獲するためにモチの木から獲れるモチを川に流すこと
墓囲ふ 雪や風から守るために墓を藁などで囲うこと
藪巻(やぶまき) 樹木を雪害から守るために縄などで巻くこと
冬至梅 冬至の頃から咲き始める種類の梅


4.3 仲冬の季語を使った有名俳句

仲冬の季語が使われている有名な俳句を紹介します。

  • 十二月上野の北は静かなリ(正岡子規)
  • 風雲の少しく遊ぶ冬至かな(石田波郷)
  • 飛びたつは夕山鳥かゆきおろし(加舎白雄)


4.4 仲冬の季語を使った時候の挨拶

手紙の書き出しで使用できる、仲冬の季語を使った時候の挨拶を紹介します。

  • 大雪の候、貴社におかれましてはいよいよご清栄の段慶祝の至りに存じます。
  • 冬至を迎え、寒さもますます強まってまいりました。
  • クリスマスのイルミネーションが、美しく街を彩っております。

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5 晩冬(1月頃)に使える冬の季語

1月5日頃~2月3日頃の「晩冬」に使える冬の季語を紹介します。晩冬は文字通り冬の終わりにあたる季節のため、寒さに関する言葉に加えて、春を待ちわびる表現も多くなっています。

5.1 晩冬に使える季語一覧

晩冬に使える季語には以下のようなものがあります。

時候 一月、寒土用、寒の入、寒の内、寒波、厳寒、三寒四温、しばれる、小寒、節季、節分、大寒、大呂、年内立春、春近し、春隣、春待つ、晩冬、日脚伸ぶ、冬尽く、冬深し
天文 雨氷、風花、寒月、寒の雨、寒晴、しまき、樹氷、節東風、ダイヤモンドダスト、吹雪、冬三日月、霧氷、雪、雪時雨、雪女郎、雪晴、八日吹
地理 凍滝、御神渡、寒の水、氷、氷橋、氷柱、波の花、氷海、氷湖
生活 皸、霰餅、悴む、粥施行、寒灸、寒稽古、寒肥、寒声、寒復習、寒晒、寒施行、寒卵、寒厨、寒中水泳、寒造、寒搗、寒釣、寒天製す、寒乗、寒糊、寒弾、寒紅、寒見舞、寒餅、葛晒し、氷餅作る、事納、蒟蒻氷らす、採氷、砕氷船、凍豆腐造る、霜焼、新海苔、すが漏り、相撲寒取、雪上車、橇、探梅、追儺、凍傷、春支度、柊挿す、避寒、胼、蒲団、吹雪倒れ、豆撒、丸太曳、水餅、鬼餅、厄払、八目鰻取る、雪遊、雪兎、雪掻、雪棹、雪達磨、雪吊、雪踏、雪見、雪見舞、雪眼、雪眼鏡、雪焼
行事 役行者忌、御潔め祭、鬼走、寒垢離、元三会、寒念仏、黒川能、公現祭、五条天神参、聖家族祭、世節分詣、西本願寺報恩講、御髪上、明恵忌、茗荷祭、和布刈神事、夕霧忌、義仲忌、義政忌、乙字忌、鬼房忌、覚如忌、関西震災忌、才麿忌、実朝忌、草城忌、大徳寺開山忌、団水忌、久女忌、蕪村忌、碧梧桐忌、遍照忌
動物 凍蝶、潤目鰯、寒烏賊、寒鴉、寒鯉、寒蜆、寒雀、寒鯛、寒鮠、寒鮒、白鳥、むつ、八目鰻
植物 寒独活、寒木瓜、水仙、早梅、花野菜、葉牡丹、冬菫、冬椿、冬の梅、冬萌、雪折、臘梅


5.2 晩冬使える代表的な季語と意味

上記の中で、代表的な季語の意味を紹介します。

寒の入 1月6日頃の、一年のうちで最も寒さが厳しい時期に入る日のこと
冬尽く 厳しく長い冬がようやく終わりを迎えるという意味
八日吹 陰暦の12月8日に吹く強風
波の花 冬の高波が岩礁に打ちつけられて泡立ち花のように見るさま
寒造(かんづくり) 寒中の水を使用してお酒を作ること


5.3 晩冬の季語を使った有名俳句

晩冬の季語が使われている有名な俳句を紹介します。

  • 小説を草して独り春を待つ(正岡子規)
  • 節分やざくざくとふむ夜の雪(原石鼎)
  • 火のけなき家つんとして冬椿(小林一茶)


5.4 晩冬の季語を使った時候の挨拶

手紙の書き出しで使用できる、晩冬の季語を使った時候の挨拶を紹介します。

  • 厳寒の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 松の内のにぎわいも過ぎ、正月気分も抜けるころとなりました。
  • 大寒を迎え、寒さが厳しさを増しております。

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6 暮・新年に使える冬の季語

暮(12月後半~年末)と新年(元旦~1月前半)に使える主な季語を紹介します。行事や食べ物など、年末年始特有の言葉が多く揃っています。

暮に使える季語 大晦日、数へ日、師走、年の暮、行く年、名残の空、岡見、賀状書く、門松立つ、衣配、御用納、終相場、注連飾る、注連作、正月事始、煤払、歳暮節季候、年越、年取、年の市、年忘、年賀状、年末賞与、掃納、餅、除夜の鐘、年越詣
新年に使える季語 元日、小正月、旧年、去年、去年今年、今年、三が日、正月、新年、初春、春永、松の内、睦月、宵の年、初茜、初明り、初霞、初空、初凪、初晴、初日、初星、春の初風、初景色、初富士、鏡開、鏡餅、門松、かまくら、新年会、成人の日、初詣、伊勢海老、初声、福寿草


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7 冬の季語に関するQ&A

俳句や手紙で冬の季語を使用するにあたって、よくある質問を紹介します。季語についての基本から、人気の美しい季語まで解説するので、ぜひ参考にご覧ください。

7.1 そもそも季語は誰が決めている?

現在、非常に多くの季語があり、各出版社から発売されている「歳時記」にまとめられています。季語として認められた上で歳時記に掲載されるには、基本的に以下3つの条件が必要とされています。

  1. その言葉を使った名句があること
  2. その名句が社会的に広く認知されていること
  3. 多くの人がその言葉を季語として使用していること

これらの条件が全て満たされると、季語に認定される可能性が出てくるのです。このことから、季語は誰か特定の人が決めるものではなく、ある程度の時間をかけて、その時代に生きる人々が生み出すものと言えます。

7.2 春夏秋冬はどこで区切る?

俳句の世界では二十四節気の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」を境に、四季を区分しています。そのため、2~4月頃は春、5~7月頃は夏、8~10月頃は秋、11~1月頃は冬とするのが基本です。

7.3 美しい冬の季語といえば?

美しい冬の季語にはさまざまなものがあります。例えば、凛とした冷たさを感じさせる季語や、雪の中の静けさを表した季語などが人気です。美しい冬の季語を使用することで、大人のかっこいい俳句を詠むこともできます。以下に、冬の美しい季語をいくつか紹介します。

  • 冴ゆ
  • 冬の露
  • 冬銀河
  • 冬北斗
  • 冬凪
  • 小雪
  • 帰り花
  • 冬紅葉
  • 春隣
  • 寒月
  • 樹氷
  • 冬萌
  • 冬椿

7.4 冬の季語と間違えやすい季語は?

季節のずれや漢字の表記から、季節を間違えやすい季語は多くあります。例えば、「堅雪」「淡雪」「雪崩」「雪の果」は一見すると冬の季語に思えますが、実際は全て春の季語です。

反対に、「小春」「春永」「春の初風」「七五三」「木の葉」は春や秋の季語に思えますが、実際は全て冬の季語です。このように、混同しやすい季語は多いので、使用する際は注意しましょう。

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8 まとめ

木枯らしが吹く11月、急な冷え込みを感じる12月、雪のたよりも多くなる1月という3ヶ月間を、俳句の世界では冬としています。寒さや冷たさ、雪に関する言葉が多く、1月の季語では春を待ちわびる表現も登場します。また、暮と新年の季語もあるため、冬の季語は非常にバラエティ豊かです。

冬の季語は俳句作りに加えて、お歳暮の挨拶状や寒中見舞いを書く際に添える時候の挨拶でも活用できます。ぜひ、本記事を参考にして、冬の美しい季語を趣味や日常生活で役立ててください。

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