メールを返信する際、引用機能(インライン)を活用すると相手が内容を正確に理解しやすくなります。ただし、引用のマナーを誤るとトラブルを招くこともあるため、全文・部分引用の使い分けや引用符の付け方を正しく理解することが重要です。
本記事は、全文引用・部分引用の2つの引用の詳細と、それぞれのメリット・デメリット、注意点、使用例などを解説します。
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1. メールの引用返信とは?
メールにおける「引用返信(インライン)」とは、相手のメールの一部または全文を引用し、その内容に直接返答を書き加えて返信する方法です。
返信時に自動で引用が適用される設定になっていることもありますが、どのような場面で活用すればいいのでしょうか。また、引用部分を削除して返信するのは、ビジネスマナーとして問題ないのでしょうか。
ここでは、メール返信時における引用の必要性やマナーについて解説します。
1.1. 引用のやり方はツールで変わる
引用の使い方は、使用するメールソフトによって異なります。返信ボタンを押すと初期設定で引用形式が適用される場合もあれば、別途引用ボタンを押すケースもあります。
また、多くのメールソフトでは、引用部分の文頭に引用符(不等号)の「>」や「>>」などが追加されることが多いです。
1.2. 引用は状況によって使い分ける
メールの引用は全てのメールに活用するのではなく、必要に応じて使い分ける必要があります。
例えば、自社製品に対する問い合わせのメールの場合は、どの内容に対する返信なのかを明確化するためにも、引用を活用することが望ましいです。
一方、簡素な情報をまとめただけのメールや、会話形式でやりとりが続いているメールの場合は、引用の必要性は低いでしょう。
かえって冗長的なメールになりやすいため、不要な引用部分を消して返信するほうがスッキリとした印象になります。
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2. メールの引用返信は2種類ある
メールの引用返信は、全文引用と部分引用の2種類があります。それぞれを使い分けると、より相手に伝わりやすいメールが作成できます。
2.1. 全文引用
全文引用とは、一通のメール全文を引用して返信する方法で、自分の返信メールだけで話の流れが理解できるメリットがあります。
通常、過去のメールを確認するには別途受信メールを開く必要がありますが、全文引用することで、受信者はそのメール画面だけで状況を把握できます。また、途中から宛先に追加された人にとっても、全文引用は便利です。
ただし、全文引用はメールが長くなりやすいというデメリットがあります。相手から受信したメールを丸々引用し、その上で自分の返信を記載すると、場合によってはかなりボリュームのある文章になることもあります。
そのため、全文返信は多用せず、必要な場面を見極めて使用しましょう。
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2.2. 部分引用
部分引用とは、必要な箇所のみ抜粋して引用する方法で、必要な部分だけを抜き出すことで簡潔でわかりやすい返信メールが作成できるメリットがあります。
部分引用する際には、誤解のないよう「以下、引用(インライン)にて失礼いたします。」という一文を添えておくと相手に親切でしょう。例えば、相手からの質問文のみを引用し、その直下に回答を記載すると、一目で内容を把握しやすくなります。
ただし、引用の仕方によっては必要な部分が抜け落ち、話の前後関係がずれて誤解を招く場合もあります。
そのため、部分引用する際は話の流れがわかるよう工夫することが重要です。
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3. 引用を使用する際のマナーや注意点
メールの引用返信をおこなう際は、守るべきマナーや注意点があります。誤解を防ぐためにも、以下の点に注意しましょう。
3.1. 相手の文章は残す
引用返信を活用する際は、相手の文章を削除せず、そのまま使用するのが基本です。文章に手を加えるのはマナー違反とされ、相手に不信感を与えるおそれがあります。
また、相手の文章を削除してしまうと、やり取りの内容に齟齬が生じる可能性もあるため、引用する際は原文のままコピーして使いましょう。
3.2. 引用符(不等号)をつけてわかりやすく
メールの引用返信をおこなう際は、文頭に引用符(不等号「>」や「>>」など)を追記し、引用部分が一目でわかるようにします。
特に部分引用の場合は、自分で必要な箇所をコピー&ペーストする形となるため、文頭への挿入を忘れずにおこないましょう。
3.3. 「Re」は必ず残す
返信の際に件名の頭に自動的に追加される「Re」は、そのまま残して返信します。「Re」があることで、受け手が「自分のメールへの返信だ」とすぐに判断できます。
ただし、メールソフトやその設定によっては、やりとりが続くと「Re」の数が増えてしまい、肝心のタイトル部分が埋もれてしまいます。あまりにも長くなるようであれば、意味が伝わる範囲で「Re」をいくつか削除しましょう。
3.4. 件名は一言追加ならOK
前述のとおり、件名と「Re」はそのまま残して返信するのがマナーですが、内容によっては件名の冒頭や一部に一言添える程度であれば問題ないとされています。例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 「Re: ◯◯の件」→「【共有】Re: ◯◯の件」
- 「Re: ◯◯の件」→「Re: ◯◯の件(再確認)」
このように返信の意図や優先度を軽く示すことで、相手にも内容が伝わりやすくなります。ただし、元の件名の意味が変わらない範囲にとどめましょう。
3.5. 「Cc」「Bcc」メールでの返信の場合
受信したメールの宛先に、「Cc」や「Bcc」が記載されている場合があります。
Ccとは「カーボンコピー」の略であり、自分以外にもCcにある宛先の人たちにもメールが送信されています。
一方、Bccとは「ブラインドカーボンコピー」の略で、複数の宛先に一斉送信されますが、受信者側からは他の宛先が見えず、誰に送信されているかわからない仕様のことです。
こういった「Cc」や「Bcc」があるメールに返信する場合は、Ccに含まれる人は外さずに返信し、Bccは一斉送信のケースが多いため基本的に返信する必要はありません。むしろBccメールに返信するのはマナー違反となるため、注意しましょう。
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4. メールの引用返信の具体例
ここでは、全文引用と部分引用それぞれの使用例を紹介します。実際のメール返信の際の参考にしてください。
4.1. 全文引用の例
全文引用の例文は以下のとおりです。引用箇所には変更を加えず、そのままの内容を引用し、文頭に引用符(不等号「>」)を付けることで、どの部分が引用なのかを明確にしましょう。
○○株式会社
○○ ○○様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の田中でございます。
次回の定例ミーティングのご案内をいただき、誠にありがとうございました。
いただいた日程・場所で問題ございません。
こちらもいただいた内容について確認を取り、当日回答できればと存じます。
では、引き続き何卒よろしくお願いいたします。
2022年□月□日(火) 11:52 ○○ ○○<○○@○○>
(以下、元メッセージ引用)
>△△株式会社
>△△ △△様
>お世話になっております。
>〇〇株式会社の高橋です。
>次回定例ミーティングに関しまして、以下の日程・場所でいかがでしょうか。
>開催場所:〇〇
>開催日時
>□月□日 (月)13:00~16:00
>難しい場合、再度調整させていただきますので、可能な日程をお伺いできますと幸いです。
>ご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします。
4.2. 部分引用の例
部分引用の例文は以下のとおりです。必要な箇所だけを抜粋し、全文引用と同様に引用符を使用します。相手の意図が変わらないよう、文脈を損なわないように注意し、相手の意図が変わらない範囲で引用しましょう。
○○株式会社
○○ ○○様
いつもお世話になっております。
株式会社○○の前田でございます。
先日いただいた確認事項に関して、以下インラインにて失礼いたします。
>先日お送りしたサンプル品に関して、改良点はございますでしょうか。
こちら昨日確認し、いくつかご相談したい点がございます。
できれば直接お伝えしたいので、来週のお打ち合わせの際に少々お時間を頂戴できれば幸いです。
>次回の打ち合わせは、貴社東京支店での実施でよろしいでしょうか。
はい、弊社東京支店で問題ございません。
ご足労をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
以上、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
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5. まとめ
メールを返信する際は、引用(インライン)を活用することで、読みやすく内容を把握しやすいビジネスメールが作成できます。
その際は、内容によって全文引用と部分引用を適切に使い分け、相手の文章をそのまま残し、不等号を付けて引用部分を明確にするなど、誤解を防ぐ工夫が求められます。
互いの表情や声がわからないテキストでのやりとりだからこそ、読み手の視点に立った丁寧なメール作成を心がけましょう。
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