更新日:2025/05/09
この記事のまとめ
転職して9月に入社することには、新しい職場に馴染みやすい、ライバルが比較的少ないなど、ほかの時期にはないさまざまなメリットがあります。一方で、研修の有無や評価の対象期間などいくつか注意しなければならない点もあるため、長所と短所の両方を理解して検討することが大切です。
本記事では転職で9月入社するメリット・デメリットと、9月入社を目指すときのスケジュール、転職を成功させるためのポイントについて分かりやすく解説します。
目次
新卒の一般的な入社時期は4月ですが、あえてその時期を避け、9月に転職・入社することには複数のメリットがあります。入社後のメリットだけでなく、入社前にもいくつかの利点があるため、転職の時期を迷っている人は9月入社も検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは9月に転職するメリットを5つご紹介します。
多くの企業では、4月頃のほか、10月頃にも人事異動が行われます。この時期は、組織再編に向けて既存の社員の配置転換を図るとともに、新しい社員を入れて体制の強化を目指すところが多く、10月の前月に当たる9月は中途採用の数も増える傾向にあります。
同じタイミングで採用される人が多いほど、同期という仲間が増えるため、新しい職場で心細い思いをする心配がなくなるでしょう。また、新体制が始まっただけの頃は既存の社員同士の関係もまだ構築されていない状態なため、中途入社でも新しい環境に入っていきやすい利点があります。
ほとんどの企業では、6月~7月頃に夏のボーナスが支給されます。9月入社なら、夏のボーナスをもらった後に退職の意思を伝え、残り1カ月~2カ月間で仕事の引き継ぎを行うスケジュールを立てることが可能です。
ボーナスを受け取る前に退職の意思を伝えると減額されるリスクがありますが、9月入社ならボーナス支給後でもスケジュールに余裕があるため、満額支給されるところが大きなメリットです。ただし、多くの企業ではボーナスの査定期間を6カ月と設定しているため、9月に入社した場合、新たな職場からボーナスをもらえるのは来年の夏以降となる点に注意しましょう。
前述のとおり、企業の人事異動は10月に行われることが多いため、組織再編に合わせて10月入社を目指す人は少なくありません。10月よりも1カ月早い9月入社なら、10月入社よりも比較的選考時のライバルが少ないため、採用倍率が高いタイミングで転職活動を行えます。
もちろん、企業側は10月の組織再編を目指して、9月にも求人の募集をかけるため、まったくライバルがいないわけではありませんが、求職者が集中しやすい4月や10月よりは有利な状況で活動を進めやすいでしょう。
9月入社の転職活動をいつ始めるかは人によって異なりますが、4月末~5月初旬のゴールデンウイークを活用すれば、じっくり時間をかけて自身の強みやスキルの棚卸しを行えます。転職する人の多くは3カ月未満で転職活動を終えているため、仮に4月に活動を開始した場合、7月までに転職を決められる可能性が高くなります。
すると、夏季休暇に入る前に転職活動を終了できるため、新しい職場に入るまで、思う存分夏休みを堪能できるでしょう。
企業の中には、新入社員向けのフォローアップ研修や、既存社員向けのスキルアップ研修を行っているところもあります。これらの研修は下期に入る前、上期の終わりに当たる9月に実施されるケースが多いようです。9月に入社すれば、このような研修に参加できるため、必要な知識やスキルを習得してから新しい期を迎えられます。
ただ、研修の有無や時期は企業によって異なるため、入社してすぐのスキル習得を目指すのなら、秋研修を実施しているかどうか入社前に確認しておきましょう。
転職で9月入社することには多くのメリットがある反面、9月入社ならではの注意点も存在します。よい面だけ見て9月入社を決めると後悔しかねないため、デメリットやリスクもきちんと把握しておきましょう。
ここでは転職で9月入社する場合に想定されるデメリットを3つご紹介します。
多くの企業では新卒者が入社する4月に新入社員向けの研修を実施します。9月に入社した場合、4月入社時の研修は受けられないため、同じ年に入社した社員に比べると、知識やスキルの習得に遅れが生じる可能性があります。
ただ、前述したとおり、秋研修を実施している企業も多いため、知識やスキル不足が気になる場合は秋研修を導入している企業を選ぶというのも一つの方法です。秋研修がない場合は、独学で勉強し、遅れを取り戻す努力が必要になるでしょう。
9月入社には、転職経験者だけでなく、新卒者も少なからず募集に参加します。新卒者と既卒者を比較した場合、企業は若くて伸びしろのある新卒者を優先的に採用する傾向があるため、条件が同じなら転職経験者はやや不利になる場合があります。
そのため、転職で9月入社を目指すのなら、新卒者にはない社会人経験の豊富さや、前職で培ったスキル、実績などを積極的にアピールしていかなければなりません。社会人としての能力の高さを認めてもらえれば、今後のポテンシャルも含め、採用率アップを期待できるでしょう。
前述したとおり、多くの企業はボーナスの査定期間を6カ月に設定しています。9月に入社した場合、12月の冬のボーナス支給までには3カ月しかないため、満額支給してもらえません。ただ、入社してから3カ月の間に何らかの成果を挙げればプラスの査定となり、ボーナス支給額がアップする可能性もあります。
一方で、会社によっては在職6カ月に満たない社員にはボーナスを支給しないという規定を設けているところもあるようです。その場合、ボーナスが支給されるのは来夏以降となるため、「少額でもよいから冬のボーナスが欲しい」場合は入社前にボーナス支給の条件を確認しておきましょう。
9月入社に向けて、いつ転職活動を始めるかは個人によって異なります。ただ、転職活動は自己分析や企業研究といった下準備から、内定が決まって退職手続きを済ませるまで、ある程度の時間がかかります。スムーズな9月入社を目指すためにも、大まかな流れやスケジュールを把握しておきましょう。
転職活動は3カ月ほどかかると想定し、早ければ5月、できれば6月には活動を始めておくのがおすすめです。まずは転職の下準備として、自己分析や企業研究を行いましょう。自己分析をしっかり行うと、これまで身に付けたスキルや強みが明確になり、企業に対して何をアピールするのか、その方向性を決められます。
自己分析と並行して、企業の情報(事業規模やコンセプト、経営理念、社風など)を収集し、どの会社が自分のニーズと合致しているか、徹底的にリサーチしましょう。
志望先を絞り込んだら、企業に応募書類を送付し、書類選考を受けます。求人への応募は、候補となった複数の企業へ同時に行うのがおすすめです。採用の可否を確かめながら一社ずつ応募していると、内定をもらった会社同士を比較しにくく、「やはりあちらの企業にしておけばよかった」と後悔する可能性があるからです。
書類選考をパスしたら、面接を受けます。働きながら転職活動する場合は、面接の日程調整を怠らないようにしましょう。また、志望動機や自己PRを論理的にアピールできる練習や、想定される質問に対する回答を用意するなどの準備も整えておくことが大切です。
最終面接を受けて内定を獲得したら、企業に入社の意思を伝えます。複数の志望先から内定をもらったら、どの企業が自分のニーズを満たしているか、じっくり比較して検討しましょう。ただ、内定をもらってから回答するまでの期日には限りがあるため、志望先を決めた時点である程度優先順位を付けておき、比較検討しやすい状態にしておくとよいでしょう。
なお、入社日は内定通知へ返事をする際に指定されることが多いようです。9月から入社したい場合は、面談のときに入社日の意向を伝えておきましょう。
内定通知への返事をしたら、現在勤めている会社で退職手続きを開始します。まず退職願や退職届を提出しますが、いつまでに出すかは会社の就業規則で定められています。一般的には退職予定日の1カ月前までとされていますが、企業によってはそれより早いタイミングでの提出を求めるところもあるため、事前に就業規則を確認しましょう。
また、現在担当している仕事は退職日までに後任へ引き継がなければなりません。きちんと引き継ぎを済ませないと現在の勤め先に迷惑がかかるため、計画的に進めていくことを心掛けましょう。
9月入社を目指す転職希望者は多く、好条件の求人には応募が殺到する可能性があります。何の対策も行わずに転職活動をすると競争に負けてしまう恐れがあるため、転職活動を始める前にいくつかのコツを押さえておきましょう。
ここでは9月入社の転職を成功させるために知っておきたいコツをまとめました。
企業の説明会にはなるべく積極的に参加しましょう。説明会では会社の業務内容や特色の説明を受けるだけでなく、採用担当者と対面して質疑応答する機会を得られるため、Webサイトや企業案内のパンフレットだけでは分からないこと、疑問に感じていることを直接質問できます。
できれば興味・関心のある企業だけでなく、それ以外の企業の説明会にも参加しましょう。説明会で話を聞いているうちに興味が出てきたり、自分のニーズにマッチしていることに気付いたりする可能性もあります。
9月入社の求人は、4月と比較するとやや少ない傾向にあるため、最初から候補を絞り込んでエントリーすると内定を獲得できるチャンスが低くなる恐れがあります。そのため、9月入社を目指すのならなるべく候補となる企業の範囲を広げ、エントリー数を増やすことを意識しましょう。
もし複数から内定をもらえれば、会社同士を比較してよりよい志望先を選ぶことができ、残念ながら不採用になった場合でも「ほかにエントリーした会社のチャンスがある」と前向きになれます。
その会社で働くことに対する熱意をアピールするためには、志望動機をしっかり固めておくことが重要です。企業はできるだけ長く、意欲を持って働いてくれる人材を求めているため、「御社の経営理念に共感した」「御社の商品を長らく愛用しており、自分も開発側として顧客ニーズに応える商品を届けたいと思った」など、志望した理由をはっきり伝えられる準備を整えておきましょう。
また、9月入社の面接では、なぜ4月に応募しなかったのかを質問されることもあります。この点について曖昧な回答をすると、「どこでもよかったのでは」と見なされる恐れがあるため、4月時点と現時点でどのような心境の変化があったのか、論理的に説明できるよう準備しておきましょう。
転職の成功率を高めたいのなら、プロのサポートを受けられる転職エージェントに相談しましょう。転職エージェントを利用すると、自己分析からマッチング性の高い求人の紹介、応募書類の作成支援、面接対策、面接後のフォローに至るまで、一貫して手厚いサポートを受けられます。
特に働きながら転職を目指す場合、転職活動に費やせる時間には限りがあるため、プロの力を借りる方が短期間での転職を実現しやすくなります。
9月入社の転職は、新しい職場に馴染みやすい、ボーナスを受け取ってから転職できる、採用率が比較的高いなど、さまざまなメリットがあります。一方で、4月入社の研修を受けられない、ポテンシャルの高さを求められる、ボーナスが満額支給されないなどのデメリットもあるため注意が必要です。
もし9月入社を目指すのなら、早めに転職活動をスタートするとともに、説明会への参加や志望動機および9月入社の理由を明確にするなどの準備を徹底しておきましょう。「一人で活動するのは難しい」「時間が足りなくて企業研究や面接対策ができない」という悩みがあるのなら、マイナビエージェントにご相談ください。
求人紹介から内定後のフォローまで、経験豊富なキャリアアドバイザーがしっかりサポートいたします。9月入社の転職活動に不安のある人、プロのサポートを必要とされている人はお気軽にご相談ください。
転職全般
「仕事に向いていない」と感じたら?対応方法をわかりやすく解説
転職全般
退職届の紙は何が最適?種類やサイズの選び方を詳しく解説
転職全般
公務員の志望動機の書き方・伝え方は?ポイントや注意点を例文とともに解説!