【例文付き】10月の時候の挨拶を月内全般・上旬・中旬・下旬の別に紹介

【例文付き】10月の時候の挨拶を月内全般・上旬・中旬・下旬の別に紹介

取引先などの関係者に手紙などを送る際には、季節に合わせた時候の挨拶を添えるのが一般的です。そこで今回は、秋の気配を本格的に感じるようになる10月に使える時候の挨拶をご紹介します。時候の挨拶がどのようなものなのか、今回の内容を覚えておくことで他の季節にも対応できるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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1.時候の挨拶とは?

手紙を書く際、「拝啓」「謹啓」といった言葉の後に続くのが「時候の挨拶」です。季節や気候に関わるキーワードを用いて、相手の体調を気遣ったり活躍を願ったりします。

10月はより一層秋の色合いが濃くなる季節であり、「秋」や「紅葉」を意味する時候の挨拶がよく使われます。このように、時候の挨拶は四季の特徴がはっきりしている、日本ならではの風習と言えます。

1.1.気遣いが伝わる

時候の挨拶を添えることで、相手に気遣いが伝わります。前置きなくいきなり本題に入ると、やや唐突な感じがしますが、季節に応じた時候の挨拶を挟むことで、より丁寧で品のある印象を与えられます。

特に、取引先や目上の方への手紙では、時候の挨拶を添えるのがマナーです。10月は気温の変化による体調を気遣ったり、木々が色づく様子を描写したりするのが一般的です。

1.2.メールやLINEでは必要?

近年、メールやLINEで挨拶を済ませることが多くなってきました。基本的に、メールやLINEで挨拶文を送る場合、時候の挨拶は必要ありません。時短を目的としたツールでは、できるだけ簡潔に文章をやりとりすることが求められるからです。

ただし、「いつもお世話になっております」「平素、〇〇が大変お世話になっております」といった挨拶は必ず記載するようにしましょう。

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2.挨拶状の構成と送るタイミング

挨拶状には、頭語や時候の挨拶のほかにも記載すべき項目があります。また、挨拶状を出すタイミングにも注意が必要です。

2.1.挨拶状の基本構成

挨拶状に必要な項目は、頭語、時候の挨拶(書き出し)、本文、時候の挨拶(結び)、結語、後付の6項目です。送る相手は誰か、手紙か葉書かなどで多少違いはありますが、基本的にはこの6項目で構成します。

①頭語:「拝啓」「拝呈」「謹啓」「謹白」など、文頭に記載する言葉

②時候の挨拶(書き出し):季節や気候にあわせた言葉に、相手の健康や繁栄を祝う言葉を続ける

③本文 :「さて」「このたびは」という言葉のあとに、伝えたい内容を記載する

④時候の挨拶(結び):再度季節の話題を引用して、健康を気遣ったり繁栄を祈ったりする1文を添える

⑤結語:「敬具」「敬白」「謹言」など、頭語と対になっている言葉で結ぶ

⑥後付 :必要に応じて、日付・差出人名・宛名を記載する自由に記述してください

2.2.挨拶状を出すタイミング

「贈答品をいただいた」「イベントに招待していただいた」など、相手にお礼を伝えなければならない場合は、できるだけ早くお礼状を出す必要があります。具体的には約3日以内を目安にしてください。

また、転居や役員交代の挨拶は1ヶ月以内がマナーです。転勤は急な場合を除き、約1ヶ月前に出すようにしましょう。

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3.時候の挨拶は漢語調と和語調を使い分けよう

時候の挨拶には「漢語調」と「和語調」があります。漢語調は格式あるかしこまった言い回しが特徴で、主にビジネスシーンで使用されます。一方、和語調は親しみあるやわらかい表現で、カジュアルな場面で使える挨拶です。

●漢語調:短い言葉で簡潔に季節や気候を表す。格調高く儀礼的な表現のため、ビジネスシーンで使われることが多い。「〇〇の候」「〇〇の折」と記載する。

●和語調:わかりやすく身近な言葉で季節や気候を表す。友人や家族への手紙で使われることが多い。特に決まった言い回しはなく、自由に表現できる。

4.10月の漢語調の書き出し

まずは、ビジネスシーンで使用できる漢語調の書き出しを紹介します。10月全般で使用できるものから、季節の変わり目である10月上旬、肌寒くなってくる10月下旬まで、それぞれの時期に使える時候の挨拶をピックアップしました。

4.1.10月全般に使える時候の挨拶

以下の2つは、10月全般に使える主な時候の挨拶です。

●清秋(せいしゅう)の候
空気が清らかに澄んだ秋を意味する「清秋」は、暑さが完全に収まり爽やかな風が吹く10月に適した時候の挨拶です。

●秋冷(しゅうれい)の候
「秋冷」は秋になりひんやりとした冷気を感じるという意味です。10月は暦上、秋も終わりに近づく季節のため、上旬から下旬まで使用できます。

<例文>

拝啓 清秋の候、貴殿におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

  さて・・・・・・【本文】

  秋冷の折、風邪など召されませぬようくれぐれもご自愛ください。

                                      敬具

4.2.10月上旬の書き出し

以下の3つは、10月上旬に使える主な時候の挨拶です。

●秋晴(しゅうせい)の候
爽やかな晴れの日が続く秋という意味の「秋晴」は、9月下旬から10月中旬頃まで使用できます。発展や活躍を祝う、前向きな文章との相性がいい時候の挨拶です。

●秋麗(しゅうれい)の候
「秋麗」も晴れ晴れとした気持ちのいい秋の日を意味します。10月上旬から11月上旬まで比較的長く使用できます。

●寒露(かんろ)の候
10月8日〜10月22日頃を「寒露」といいます。朝夕はより一層ひんやりして、露が冷たくなるという意味があるため、体調を気遣う言葉を続けるといいでしょう。

<例文>

拝啓 秋晴の候、貴社におかれましては、ますますご発展の段、心からお慶び申し上げます。

  さて・・・・・・【本文】

  実りの秋、貴社の更なるご繁栄をお祈り申し上げます。

                                      敬具

4.3.10月下旬の書き出し

以下の3つは、10月下旬に使える主な時候の挨拶です。

●秋寒(しゅうかん)の候
季節が進み、寒くなり始めたという意味の「秋寒」は、10月中旬〜11月7日頃(立冬)まで使用できる時候の挨拶です。

●深秋(しんしゅう)の候
こちらも秋の深まりを意味する挨拶です。徐々に冬が近づいてきたことを告げる、10月23日以降〜11月7日頃までの霜降(そうこう)の期間に使用するのが一般的です。

●紅葉(こうよう)の候
その名の通り、紅葉の時期に使用できる挨拶です。10月中旬から11月上旬が適しているとされますが、紅葉の時期は地域によって異なるため、送り先の状況を見ながら判断しましょう。

<例文>

拝啓 秋寒の候、皆様におかれましては、一段とご壮健のこととお慶び申し上げます。

  さて・・・・・・【本文】

  秋冷が加わります折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。

                                   敬具

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5.10月の和語調の書き出し

次に、プライベートや親しい間柄の方への手紙に使用する和語調の書き出しをご紹介します。深まる秋を感じさせるような、10月らしい季節の言葉を選びましょう。

5.1.10月上旬の書き出し

和語調における10月上旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

●晴れやかな秋空が広がる季節となりました
●稲田は黄金に輝き、実りの秋を迎えております
●朝夕の風に、秋の到来を実感する今日この頃
●天高く馬肥ゆる秋たけなわの季節となりました

<例文>

拝啓 晴れやかな秋空が広がる季節となりました。皆様におかれましては、ますますのご活躍、何よりと存じます。

 さて・・・・・・【本文】

  お体にご留意されて、実りの秋を存分にご満喫ください。

                                  敬具

5.2.10月中旬の書き出し

和語調における10月中旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

●街路樹も日ごとに色づきを増しており、深まる秋を感じます
●涼やかな風が吹き、秋空にはいわし雲が浮かぶ季節となりました
●北からは紅葉の便りが届く季節となりました
●吹く風に金木犀の香りを感じる今日この頃

<例文>

拝啓 街路樹も日ごとに色づきを増しており、深まる秋を感じます。お変わりなくお過ごしでしょうか。

  さて・・・・・・【本文】

  秋たけなわの好季節に、益々のご活躍をお祈りいたしております。

                                      敬具

5.3.10月下旬の書き出し

和語調における10月下旬の時候の挨拶は、以下のように使われます。

●ひと雨ごとに秋の深まりを感じる季節
●路傍の草木も紅葉が進み、色彩豊かな表情を見せております
●日足はすっかり短くなり、秋風の冷たさを感じる季節となりました
●抜けるような青空に、美しい紅葉が映える季節となりました

<例文>

拝啓 ひと雨ごとに秋の深まりを感じる季節、皆々様にはその後もお変わりなくお過ごしのことと存じます。

  さて・・・・・・【本文】

  朝夕は冷え込む日が増えてまいります。風邪などひかれないようにお体には十分お気をつけください。

                                               敬具

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6.10月の結びの挨拶

上記の例文でも紹介したように、本文のあとには結びの挨拶を添えます。ここでは、上旬と下旬それぞれの時期に使える結びの挨拶を紹介します。

6.1.10月上旬の結び

10月上旬に使われる結びの挨拶は、以下のような文言が考えられます。

秋冷の折、ご自愛専一にてお願い申し上げます。
●秋気肌に染む時節、風邪など召されませぬよう、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております。
●秋たけなわの好季節、ますますのご健勝とご活躍のほどをお祈り申しあげます。
●実りの秋、一層のご隆盛を衷心よりお祈り申し上げます。
●秋季さわやかなよい季節になりました。ご自愛専一に、益々ご活躍ください。

6.2.10月下旬の結び

10月下旬に使われる結びの挨拶は、以下のような文言が考えられます。

●時節柄、風邪など召されませぬよう、くれぐれもご自愛ください。
●秋雨の折、体調を崩されませぬよう、御身おいといください。
●秋冷日ごとにつのる季節、ご自愛専一にてお願い申し上げます。
●灯火に親しむ季節、皆様お元気でお過ごしください。
●昼夜の寒暖差が激しい折、どうぞお健やかにお過ごし下さい。

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7.10月の挨拶文でよく用いられるキーワード

季節の行事やキーワードを知っておくと、挨拶文を書く際には大変便利です。ここでは10月によく用いられるキーワードを紹介します。

7.1.行事や暦関連のキーワード

10月の主な行事と暦関連のキーワードは以下の通りです。

10月の主な行事

スポーツの日:スポーツに親しみ、健全な身心をつちかうことを目的に制定された祝日です。日にちは10月9日頃で、以前は体育の日と呼ばれていました。
十三夜:十五夜の次に月が美しいとされており、日にちは10月27日頃です。

10月の暦関連のキーワード

寒露:10月8日〜10月23日頃を指し、昼よりも夜の方が長くなって、露が冷たく感じられる時期です。
霜降:10月24日〜11月7日頃を指し、朝夕の寒さが強くなって、そろそろ霜が降り始める時期です。

7.2.天候や風物関連のキーワード

10月の天候や風物に関連したキーワードは以下の通りです。

運動会:暑さが収まり、過ごしやすくなってきたこの時期に開催されることが多い運動競技会です。
紅葉狩り:山野に出掛けて、色づいた紅葉を鑑賞することです。
読書の秋:暑さがやわらぎ、集中して本を読むのに適した季節という意味で使われます。
稲刈り:熟した稲を刈り取る作業で、10月下旬までにはほとんどの地域で終了します。
いわし雲:小さな雲のかたまりが、魚のうろこのように見える巻積雲の一種です。秋の空によく現れます。
金木犀:9月中旬~10月下旬に開花する、爽やかな香りの花です。

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8.まとめ

10月の手紙に用いる時候の挨拶は、秋の深まりを感じさせるものが多くなっています。徐々に冷気を帯びる風や、美しく染まっていく木々の様子を引用すると、上品さと温かみを与えられます。

シーンに合わせて、漢語調と和語調を使い分けることも大切です。ただし、文例をそのまま記載するのではなく、相手の状況やその年の気候を考慮しながら、気持ちを込めた挨拶を添えるようにしましょう。

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9.他の月の時候の挨拶

10月以外の時候の挨拶は、下記の記事でご紹介しています。ぜひ参考にご覧ください。

各月の時候の挨拶
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