「夏季休暇」と「夏期休暇」どちらが正しい?有給休暇との違いも解説

「夏季休暇」と「夏期休暇」どちらが正しい?有給休暇との違いも解説

日々忙しく働くビジネスパーソンにとって、休暇はリフレッシュのための大切な時間です。特に夏の暑い時期の休暇は子どもの頃のワクワク感を思い出す瞬間も多く、楽しみにしている方も多いかも知れません。

そこで今回は、夏季休暇の定義や仕組み有給休暇との違いについて解説していきます。

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1.夏季休暇とは

夏季休暇とは夏の期間に設けられる休暇を指し、労働基準法では特別休暇(法定外休暇)に該当するものです。

そもそも、従業員が取得できる休みには、労働義務が課されていない「休日」と、本来労働義務があるものの企業が免除可能な「休暇」の2種類が存在します。

さらに休暇は以下の2種類に分類されています。

●法定休暇

法律で定められている、従業員に必ず与えなければならない休暇

例)年次有給休暇産前産後休暇など

●法定外休暇(特別休暇)

福利厚生として就業規則に定め、企業が独自に付与する休暇

例)夏季休暇リフレッシュ休暇など

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1.1.夏季休暇がない会社もある

上記のとおり夏季休暇は法定外休暇に該当する休暇のため、必ずしもすべての企業が設けているとは限りません。あくまでも企業が自社の就業規則に則り従業員に付与する休暇です。

平成31年の厚生労働省の調査では、以下のようなデータが公表されています。

  • 夏季休暇を設けている企業:42.9%
  • 休暇中の賃金を全額支給する企業:81.3%

この調査によれば、夏季休暇を設けている企業は全体の半数以下にとどまっています。

さらに、休暇中の賃金の全額支給に至っていない企業が約19%程度存在している状況です。

夏に長期休みをとって出かけたいけど夏季休暇を取得できない、または、一年を通して休みを取りづらい、という方は転職も検討してみましょう。

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1.2.夏季休暇のメリット

従業員から見た夏季休暇のメリットには以下のようなことが考えられます。

  • 疲労を回復できる
  • まとまった時間がないと取り組みにくいことにチャレンジできる
  • 旅行など遠出ができる
  • 家族や友達と過ごせる時間が増える
  • スキルアップの学びに時間を使える
  • ひとり時間を満喫して心をリフレッシュできる

上記のようなメリットを享受できれば、夏季休暇明けにまた気持ちを新たに仕事に打ち込めるはずです。

それにより生産性の向上も見込まれ、企業側にもプラスの効果がもたらされるはずです。プライベートを充実させるためには、夏季休暇を設けている企業がいいかもしれません。

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2回目以降の転職で気を付けるべきポイントを確認する。

2.似た言葉との違い

「夏季休暇」「夏季休業」「夏期休暇」「夏期休業」とはそれぞれ同じような言葉ですが、微妙にニュアンスが異なります。

それぞれ意味の違いを理解していないと誤解が生じる可能性があるため注意しましょう。

2.1.夏期休暇との違い

夏季休暇と意味に大きな違いはありませんが、夏期休暇のほうが期間がより長いイメージです。「夏季」を使用するのが一般的だと覚えておきましょう。

2.2.夏期休業との違い

主に企業の休業期間を指します。「夏期休業」と表記されることもありますが、こちらに関しても「夏季」の方が一般的な表記です。

3.「夏季」と「夏期」の違い

「夏季」と「夏期」との違いについて詳しく説明します。

どちらも読み方は「かき」ですが、その意味には微妙な違いがあります。

まず「夏季」ですが、「季」という漢字は春夏秋冬、それぞれの季節のことを指します。

したがって、「夏季休暇」は「暑いから休む」といった夏ならではの性質を理由に休暇を取る場合に使われます。

一方、「夏期」「期」は季節とは関係なく期間のことを指します。

「夏期休暇」は、夏だからという理由ではなく休暇を取る時期がたまたま夏というニュアンスです。

会社やお店の休業のお知らせなどで「夏季」と「夏期」、どちらを使えば良いかわからない方もいらっしゃると思います。

ニュアンスの違いなので実際にどちらの漢字も使われており、両方とも間違いではありません。

ただ、法律では学校や公務員の休業・休暇には「夏季」が採用されていることから、テレビや新聞でも「夏季」を使っていることが多いです。

迷った時は「夏季」を使用すると良いでしょう。

4.夏季休暇の長さはどれくらい

前出の厚生労働省の調査によると、夏季休暇の平均日数は4.4日間とされています。

夏季休暇の前後いずれかに法定休日や法定外休日をつなげたり、有給休暇を使用したりすれば、4日以上の連休の取得も可能です。

従来の夏季休暇はお盆にあたる8月13日~16日あたりに設けられることが主流でした。

しかし最近は、従業員の働き方やライフスタイルが多様化しているため、お盆時期に限定せず、ある一定期間の中で自由に休暇を取得するというスタイルが採用されている企業もあります。

また、人手不足という状況もあり、多くの企業は働きやすい環境作りに勤しんでいます。会社のことを気にせずに休みを取りやすくすることで、定着率アップに繋げているようです。

転職を考える際にもこのような企業を選ぶことで、プライベートを充実させやすくなるでしょう。

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4.1.欧州では長いのに日本では短いのはなぜ?

欧州は休暇が長いことで有名で、年間で4週間以上の休暇が国から保証されている国もあります。

その理由は、欧州では休暇が人生において重要な権利であると捉えられているためです。

家族と過ごしたりバカンスを楽しんだりと、労働以外の楽しみや幸せを十分に味わえる環境を実現するべく、国が法律として定めています。

日本でも働き方改革は進んでいますが、休むより働くことを良しとする国民の意識が影響しているのか、欧州のような大胆な取り組みは推進されていない状況です。

今よりもワークバランスを改善したい場合は、自分の希望に沿う企業を見つける必要があります。

まずは企業がどういった施策を行っているのかを知り、そこから自分のワークスタイルに合う企業を見つけていきましょう。不安な場合は転職エージェントにサポートしてもらうといいかもしれません。

【関連記事】「ワークライフバランスの意味は?企業の施策事例も合わせてご紹介」

4.2.学校の先生は生徒と同じくらい休める!?

小・中・高等学校などの夏季休暇は、地域によっても異なりますが、主に7月下旬~8月下旬に設けられています。

そのため、「その間は先生も休めるのでは?」と思っている方もいるかもしれません。

しかし、実際に先生に与えられている夏季休暇は5日間程度の事が多いです。生徒が休みの間でも、ほぼ通常どおりに出勤し、部活動や研修会への参加などをこなしているケースが多いです。

4.3.一般的な会社員の場合は?

一般的な会社員の場合は前出の厚生労働省の調査結果のとおり4日前後が一般的です。ただし、この数値はあくまでも平均値であるため、実際は企業ごとに確認する必要があります。

5.2023年の夏季休暇はいつ?

夏季休暇を利用して家族や友人と旅行にいきたいと考えている方は予定を合わせるためにも、夏季休暇をいつ頃取れるか気になる方は多いでしょう。

従来夏季休暇はお盆にあたる8月13日~16日あたりの3日~4日間に設けられることが主流でした。

2023年も、8月14日~8月16日の3日間を夏季休暇とする場合が多いと見込まれます。

しかし最近は、従業員の働き方やライフスタイルが多様化しているため、お盆時期に限定せず、ある一定期間の中で自由に休暇を取得するというスタイルが採用されている企業もあります。

転職時にはこのような夏季休暇の時期についても予めしっかりと確認しておきましょう。

6.夏季休暇は有給扱いになる?

冒頭で触れたように、夏季休暇は法定外休暇に該当するため、法定休暇である有給休暇と同等の扱いになることはありません。

ただし稀に、本人が夏季休暇のつもりで取得した休暇が有給休暇として処理されているケースがあるのも事実です。

理由として考えられるのは、有給休暇を消化させたいがために会社側が本人の許可なく有給休暇扱いにしているケースですが、これは法律違反です。

万が一発生した際には会社側に申し出るか、場合によっては労働基準監督署へ相談するようにしましょう。

もう一つ考えられるのは、年次有給休暇の計画的付与制度、いわゆる計画年休が適用されているケースです。

計画年休とは、5日を超える有給休暇に関して会社側が付与日を指定できる仕組みです。

あらかじめ労使協定を締結していれば計画年休の適用が可能なため、会社の判断により夏季休暇に有給休暇が当て込まれている可能性があります。

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7.夏季休暇と有給休暇を合わせてとることは可能?

夏季休暇の前後に有給休暇をつなげて長い休暇を取得することも可能ですが、働いている同僚や上司に気を遣ってしまい、取得したくてもできないという方も多いかもしれません。

しかし、有給休暇は働く人に認められた大切な権利です。なるべく早い段階から有給休暇の取得を周囲に相談するなどして、できるだけ気兼ねなく休める環境を自ら作りましょう。

また、自分が不在の間に困りごとが起こらないよう、もし困り事が起きてしまっても適切な対応を取ってもらえるよう、引き継ぎの機会を設けるようにしましょう。

8.夏季休暇のお知らせを忘れずに

夏季休暇の際は、取引先やお客様へのお知らせを忘れずにするようにしましょう。

会社全体で休暇を取る場合やお店が休業する場合「夏季休業」個人的に休暇を取る場合「夏季休暇」です。

トラブルを避けるため、10日から1週間くらい前にはメールや書面、ホームページや張り紙などで知らせるのが一般的です。

プロジェクトが進行中で休暇をまたいでしまう場合は、スケジュール調整のためにも1か月前には関係者に連絡しておいたほうが良いでしょう。

休暇の日程を正しく記載し、緊急連絡先などがある場合は漏れなく記載します。

プライベートの連絡先を緊急連絡先とする場合は、迅速な対応が難しかったり、そもそも対応ができなかったりすることもあるので注意が必要です。

その旨を理解してもらえる文面にしなければなりません。

また、本文中には、日頃お世話になっている感謝の気持ちと休暇期間中は業務ができなくなることへのお詫びを記載しましょう。

9.転職したい場合、夏季休暇中は選考がストップする?

夏季休暇中は業務をストップしたり、問い合わせなども休み明けから対応したりする企業が多いですが、9月以降の入社を目処に転職活動を行っている方にとっては、夏季休暇の時期は選考もストップしてしまうのか気になる方も多いでしょう。

転職活動をする上で、夏季休暇の時期は求人の応募は避けた方が良いのでしょうか?

9.1.まずは応募先の制度を知っておく

転職に至る理由は人それぞれにありますが、実は夏のボーナス支給以降の夏の時期に転職活動を行う人は珍しくありません。

夏のボーナスが支給された後に転職しようとする方も多く、その場合は9~10月以降の入社が目処となることから、求人の応募時期や選考時期が夏季休暇と重なることがあります。

企業によっては夏季休暇中も採用の選考を行っているところもありますが、夏季休暇以降に選考を行う企業も多いため、まずは応募する前にその企業の休暇日程をよく調べておく必要があります。

また、退職はすぐに申し出るのではなく、ある程度転職先が決まった段階で申し出るようにすると安心です。

9.2.迷ったら転職エージェントに相談してみる

初めて転職活動する場合や、希望する条件の企業が見つかるか不安な場合は、転職エージェントを活用する方法をおすすめします。

株式会社マイナビが運営する転職エージェントサービス「マイナビエージェント」では、求職者の希望を面談を通して確認することで、あなたの条件に合う企業を見つけてくれます。

転職する時期やタイミングなど、不安に感じていることも気軽に相談できるので、迷った際はこういったサービスを積極的に活用しましょう。

10.まとめ

ここでは、夏季休暇について、その概要や有給休暇との違いなどを解説しました。

夏季休暇は、数日の間仕事から離れ、体をゆっくり休めることができる貴重な機会です。

まずは自社や転職希望企業の夏季休暇の仕組みをしっかりと把握し、有効に活用できるように理解を深めておきましょう。

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