ワークライフバランスの意味は?企業の施策事例も合わせてご紹介

ワークライフバランスの意味は?企業の施策事例も合わせてご紹介

近年、働き方のあり方についてさまざまな見直しや改革が推し進められている中、多くの企業で力を入れ始めているのが「ワークライフバランス」の実現です。あなたも、転職活動を進める中で何度かこの言葉を目にしたことがあるのではないでしょうか。

ここでは、ワークライフバランスの定義やメリット、企業での施策事例などを紹介していきます。

1.ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは、仕事とそれ以外の生活とのバランスが心地良く保てている状態を示します。

仕事への取り組み方や日常生活のリズムは、年齢や立場、状況、ライフステージによって刻々と変化していくものです。ワークライフバランスは、その変化に適応するために働き方を見直すための取り組みです。

1.1.正式名称は「ワークライフバランス」

インターネットで「ワークライフバランス」と検索してみると「ライフワークバランス」と表記するサイトも少なからずヒットしますが、正式名称は「ワークライフバランス」となります。

1.2.仕事と生活を調和させることが目的

ワークライフバランスは、仕事と生活の調和を目的とする考え方です。ワークライフバランスが整えば、仕事か生活かの二者択一に迫られることはなくなります。相反する両者でありながら、それぞれの存在があるからこそ生まれる好循環を実現するのがワークライフバランスです。

1.3.ワークライフインテグレーションとの違い

ワークライフバランスに似た考え方として「ワークライフインテグレーション」という言葉があります。

ワークライフインテグレーションとは、仕事も生活も豊かな人生を構成するために重要な要素であるという考えのもと、両者の垣根をなくし、仕事と生活の統合(インテグレーション)を目指そうという取り組みです。

ワークライフバランスは別々の要素である仕事と生活をうまく両立し心地良いバランスの維持を目指すものですが、ワークライフインテグレーションは仕事や生活、その他すべての要素を一括りに捉えることで、仕事や生活など個々の要素に依存することなく、人生全体の満足度や幸福度の底上げを目指します。

2.日本でワークライフバランスが重要視されるようになった理由

ワークライフバランスの発祥は1980年代のアメリカだと言われています。この時代のアメリカでは、女性の社会進出など人々の労働に対する意識に変化が生じ、仕事と家庭の両立が大きな課題となっていました。そこで、優秀な女性たちが安心して働ける環境を整える取り組みが多くの企業でスタートしました。それがワークライフバランスの始まりです。

このワークライフバランスが日本に広まり重要視されるようになった理由として、以下の2つが挙げられます。

2.1.労働力人口の減少対策や生産性向上につながる

現代の日本は少子高齢化が社会問題となり、労働人口の減少が深刻になってきています。そのため企業は、人材の流出を食い止め、優秀な人物に長く働き続けてもらうための環境作りに取り組む必要があります。

日本の労働生産性は 、時間あたりの労働生産性・1人あたりの労働生産性ともに、OECD加盟36ヵ国のうち21位となっており、アメリカの6割強の水準・イギリスやカナダを少し下回った水準となっています。また、主要先進7ヵ国中では1970年以降最下位という状況が続いています。これらのデータから見ても、安定的な労働力の確保と生産性向上は急務と言えるでしょう。

2.2.コロナウイルス感染拡大による影響

2020年以降の新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、今まで当たり前に根付いていた働き方の概念が覆され、あらためて働き方の見直しを図る必要性が出てきました。代表されるのが、導入企業が急増した「テレワーク」です。コロナ禍前まではテレワーク導入に消極的だった、あるいは導入を検討すらしていなかった企業でも積極的な導入が図られました。

ネガティブな要因であったとはいえ、今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、場所や方法、時間など、従来の働き方を大きく見直すきっかけとなりました。これを機に、ワークライフバランスを重視した働き方はさらに広まっていくものと思われます。

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3.ワークライフバランスが実現した際に得られるメリット

ワークライフバランスの実現に成功すると、以下のようなメリットが得られます。

3.1.社員のモチベーションアップ

ワークライフバランスが整うことで、社員はより生き生きと充実した毎日を過ごせるようになり、仕事におけるモチベーションもアップします。生産性や顧客満足度の向上など、あらゆる相乗効果も期待でき、企業側から見ても大きなメリットとなります。

3.2.業務効率化による生産性の向上

充実した休暇を過ごし心身ともにリフレッシュすることで、仕事に対する意欲が高まり、業務効率が改善されます。業務の効率化により生産性向上も期待でき、自社や社会に対するさらなる価値提供や、自身の評価アップにもつながります。

3.3.家庭の事情に左右されずに働ける

積極的にワークライフバランスを推進することで、社員は家庭の事情に左右されず長く働き続けることができます。例えば、従来では結婚や妊娠、出産を機にキャリアを諦めざるを得なかった女性も多くいましたが、ワークライフバランスの実現によりキャリアの構築もプライベートの充実も諦めることなく、両立することが可能となります。

4.ワークライフバランス実現のための具体的な取り組み

ワークライフバランスを実現するために、会社にどのような取り組みを求める必要があるのでしょうか? ここでは3つのポイントを紹介していきます。

4.1.年次有給休暇や育児休暇取得の促進

ワークライフバランスの実現には、適切な休暇の確保が大前提となります。そのためには、企業が年次有給休暇の取得率向上や育児休暇の取得促進に取り組む必要があります。

政府では、「休み方改革」として以下の施策への取り組みを企業に推進しています。

・プラスワン休暇

元々ある休日(土日祝日)の前後に有給休暇を取得し、連続休暇を創出

・ 仕事休もっ化計画

属人的な業務を見直し各々が休暇を取りやすい環境を整備

計画的付与制度による有給休暇の取得を推進

4.2.労働時間の見直し

長時間労働の是正も、ワークライフバランスを実現するにあたり欠かせないポイントです。慢性的な長時間労働は心身の健康状態に悪影響を及ぼし、作業効率や生産性を低下させます。ワークライフバランスの実現には時間外労働の見直しがもちろん必要ですが、短時間勤務や、労働時間を各々が決められるフレックスタイム制度による働き方も効果的です。

4.3.労働環境の多様化

前述の通り、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークが急速に拡大しました。テレワークで在宅勤務が可能となれば、社員は家族の事情や自分の生活を大切にしながら今まで通り働き続けることができます。

また、日常を離れ観光地やリゾート地で休暇を楽しみながら働く「ワーケーション 」という取り組みも政府が推進しています。企業側の都合で社員を拘束するのではなく、社員にとって心地良い労働環境の構築こそが、ワークライフバランスの実現に欠かせない要素といえます。

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5.ワークライフバランスを実現させるための施策事例

ここからは、実際にワークライフバランスの施策を行っている企業を紹介していきます。転職活動の際の企業選びの参考に、さまざまな施策の形を知っておきましょう。

5.1.株式会社木元省美堂

株式会社木元省美堂では、社長自ら取引先を訪問しノー残業デーへの理解を得たり、社員の意見を調査し新たな制度を構築するために定期的な社員面談を実施したりするなど、社長を筆頭に社員が長く働き続けられる職場改革が行われています。

また、いつでも勤怠状況を参照できるクラウド勤怠システムの導入や、段階的なフレックス制度の導入などにも取り組んでいます。

5.2.ジョブサポートパワー株式会社

ジョブサポートパワー株式会社では、家族の介護や転勤にも対応できるようテレワーク制度を整備し、社員が各々の生活を大切にしながら働き続けられる環境を提供しています。また、音声アプリやグループチャットを活用することで業務効率化を実現したり、管理職13名中6名に女性を登用し、女性の活躍を推進したりするなどの改革を行っています。

5.3.株式会社DACホールディングス

株式会社DACホールディングスでは、さまざまな制度を整えることにより、変化するライフステージに適応しながら働ける風土作りに取り組んでいます。例えば、育児休暇からの復職を支援する「慣らし復帰制度」や、子供の保育園費用を月5万円まで補助する「保育費支援制度」の制定、年2回の長期休暇前に実施する「仕事と介護の両立支援セミナー」などが挙げられます。

5.4.株式会社ブレイクスルー・ネットワーク

株式会社ブレイクスルー・ネットワークでは、社長自らが取引先へ育児休暇の理解を求めて納期調整を実施したり、在宅勤務のトライアル運用や自社独自の休暇制度の導入に取り組んだりするなどして、男性従業員の長期育児休暇取得を実現しています。

5.5.特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクール

特定非営利活動法人放課後NPOアフタースクールでは、子供との同伴出勤を認め、育児中の従業員が仕事と家庭を両立し長く働き続けられる環境を整備しています。また、8時間から7時間45分への所定労働時間の短縮、1日5時間の勤務で所定労働時間勤務として認める「プレミアムデー」の導入、エリア毎の「お互い様ミーティング」の実施で休暇希望を共有することによる休暇取得の推進などにも取り組んでいます。

6.まとめ

現代の企業にとって、ワークライフバランスへの取り組みは欠かせないものになっています。今回紹介した内容はあくまでも一部であり、それぞれの企業がさまざまな取り組みを通して社員のワークライフバランスの実現を図っています。

転職を検討されている方は、この機会に、自分が理想とする仕事の形、生活の形を見つめ直し、理想のライフスタイルを実現できる企業であるかどうかも基準の一つとしながら、転職活動を行っていくことをおすすめします。

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