コロナで業績悪化! 転職理由になる!?-面接や応募書類での伝え方

コロナで業績悪化! 転職理由になる!?-面接や応募書類での伝え方

新型コロナウイルスの感染拡大は、多くの人の予想を超えた多大な影響を世界に及ぼしているのはご存知の通りかと思います。

日本もその例外ではなく、感染の原因となる人と人との接触を少なくする目的で、飲食店への時短要請が出るなど、幅広い業界、業種で売り上げが減少しています。

今回は、新型コロナウイルスによって、勤務する企業や店舗の業績が悪化し、転職を考えている方々に、コロナ禍による業績悪化を理由にした転職は可能なのか、その場合応募先の企業に転職理由をどのように伝えればよいかについて述べていきたいと思います。

1.コロナ禍の中、会社の業績悪化に不安を抱く人が増加

新型コロナウイルスは、人々の健康や生命を脅かすのみならず、人々の行動を制限し、消費活動を減退させることによって、経済活動を停滞させ、数多くの業界、業種の売上を減少させています。

そのことによって、自分が働く会社の業績が悪化し、将来に不安を抱くようになった方々も数多くいらっしゃると思います。

しかも2021年1月7日、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県の一都三県を対象に、2回目の緊急事態宣言が発出され、その他の府県でも 発出が検討されるなど、業績悪化が一時的なものではなく、長期にわたるのではないかと不安を抱いている人も多いかと思います。

1.1.コロナで業績が悪化し、倒産する企業が高止まり

実際、東京商工リサーチが2021年1月7日に発表した『「新型コロナウイルス」関連破たん【1月7日16:00 現在】』によると、2021月1月7日16時時点の「新型コロナ」関連の経営破たんは、全国で合計860件(倒産792件、弁護士一任・準備中68件)に達しています。

東京商工リサーチによると、「月別では、103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが、9月は100件で3カ月ぶりに前月を上回り、以降11月まで3カ月連続で100件を上回った。12月も100件は下回ったものの、96件と依然として高止まりで推移。1月は7日時点で17件が判明した。」といい、昨年秋以降、月を追うごとに経営が悪化し、破綻する企業が増えている状況がうかがえます。

さらに、「なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産は累計43件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計903件となった。」(同社)とし、経営悪化に陥る中小企業が日増しに多くなっている状況を指摘しています。

実際には、これより多くの企業や店舗が事実上の倒産に追い込まれている可能性も高く、事態は予断を許さない状況にあるといえるでしょう。

1.2.業績悪化で潜在的な転職希望者が増加している可能性

そんな中、モノやサービスが売れなくなったことから、各企業で余剰人員が発生し、潜在的な失業者が増えていると推測されます。

仕事は単に生活費を稼ぐためのものではなく、個人個人のアイデンティティのよりどころとなるものですから、給料が保障されていたとしても、休業で自分が担当する業務が減るのは辛いことです。

そこで転職を考える人が増えるのは、自然な事かもしれません。

コロナ禍の中でも「第二新卒」を歓迎している企業も。
興味がある方は、こちらから企業一覧をチェックを。

2.コロナ禍の中、転職活動はすべき?

では、コロナ禍でダメージを受けた企業に在職している場合、転職すべきなのでしょうか。

ここで考えるべきなのは、「今は業績は悪いけれども、中長期的に見て回復する余地があるのか」という点です。

これは、業界、業種によって大きく異なりますので、以下で概況を見ていきます。

2.1.業種によってダメージの程度が違う

東京商工リサーチが6月4日に発表した「2020年上半期(1-6月)上場企業「早期・希望退職」実施状況」によると、 2020年上半期(1-6月)に早期・希望退職者募集を実施した上場企業は41社(延べ43社)で、41社のうち、新型コロナウイルス感染拡大の影響をあげ、早期・希望退職者を募集や実施した企業は、小売や旅行関連などで8社にのぼったということです。

小売や旅行関連は、外国人の入国制限による訪日外国人の減少の影響を受けています。さらに、旅行関連消費の減退の影響を受ける航空業界や観光業界、外出自粛の影響を受けている外食産業やエンターテインメント業界、アパレル業界なども大きな影響を受けています。

2.2.企業業績の改善傾向も変化の可能性

また、日本銀行は2020年12月14日、四半期ごとに実施している企業短期経済観測調査(日銀短観)の12月調査の結果を発表しました。これによると、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス10と、前回9月調査から改善し、先行きについてもマイナス8と改善を見込んでいたのに対し、大企業・非製造業はマイナス6と小幅な悪化が予想されていました。ただし、これはいわゆるコロナウイルス感染拡大の「第三波」が昨年12月に顕在化する前の数字であり、現在は予断を許さない状況であるといえます。

(出典:日本銀行「2020年12月企業短期経済観測調査」(日銀短観))

上記を考えると、転職時期について先延ばしにしても、状況が好転する見込みが必ずしもあるわけではないということが分かります。

2.3.雇用情勢の改善傾向も変化か

また、企業業績の悪化に伴い、雇用統計上でも新型コロナウイルス感染拡大の影響は顕在化しています。

総務省が2020年12月25日に発表した2020年11月の労働力調査(速報)の結果によると、11月の完全失業率(季節調整値)は前月比で0.2ポイント低下し2.9%となりましたが、緊急事態宣言で飲食業への時短要請がなされた今、今後の先行きは見通せない状況です。

(出典:総務省「労働力調査(基本集計) 2020年(令和2年)11月分結果」)

完全失業者数(原数値)は前年同月比44万人増の195万人、さらに厚生労働省が同日発表した、2020年11月の一般職業紹介状況によると、11月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.06倍となりました。

(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年11月分)」)

ただ、上記はコロナウイルス感染拡大の「第三波」が顕在化する前のデータであり、今後の状況は予断を許さないといえるでしょう。

2.4.コロナ渦の中の転職トレンド

こうした状況を踏まえ、コロナ渦の中の転職トレンドを見ていきます。

前述した12月の日銀短観によると、大企業の業況判断指数(DI)について、業種別では、「宿泊・飲食サービス」がマイナス66、「自動車」がマイナス13、「鉄鋼」がマイナス25となりました。

(出典:日本銀行「2020年12月企業短期経済観測調査」(日銀短観))

「宿泊・飲食サービス」は訪日外国人減少、外出自粛の影響を最も受けており、宿泊・飲食サービス業界への転職は難しくなっています。

一方、「情報サービス」はプラス23、「通信」はプラス29と、プラスの状況となっています。プラスが維持できているのはテレワークの普及で情報通信環境を整備する企業や個人が増えているという背景などがあるとみられ、これらの業界は最近までの高い採用意欲が続いていることが予測されます。

また、「小売」はプラス23と前回より改善しています。

さらにどの業界にも共通しているトレンドとして、未経験者の採用が抑制されていることも挙げられます。コロナ禍の中、どの企業も人材育成を行う余裕はなくなっているとみられ、即戦力となる経験者採用の比重が高まっています。

従って、IT・通信に関わるスキルや経験を持つ人は転職活動を行っても問題はなく、待遇や業務内容が今の会社より良ければ、むしろ積極的に転職活動をすべきかもしれません。

一方、経験したことがない業界への転職を希望する場合は、休業期間などを利用して資格を取得するなど、自ら積極的にスキルを上げていく意欲がある方は転職活動をし、そうした意欲がなかなか持てないという方は、未経験職種への転職は避けたほうがいいといえます。

3.「コロナで業績悪化」は転職理由になるか

このように、新型コロナウイルスの感染拡大は、企業や社会に大きな影響を与え、その影響が転職市場にまで及んでいることが分かります。

では、「コロナで会社の業績が悪化」もしくは、「コロナで将来の業績悪化が不安」は、転職する理由として妥当なものなのでしょうか。

3.1.採用担当者が転職理由を聞く目的

ここで考えてほしいのは、企業側からの視点です。

企業が新しい人を採用しようとするのは、自社の売上拡大と利益向上が目的です。

そのために、採用担当者は応募書類や面接で、以下の3点を重要視します。

(1)「スキル・経験・人脈」

(2)「志望動機」

(3)「転職理由」

このうち、採用担当者が最も重視するのは、(1)の「スキル・経験・人脈」といえるでしょう。これは、入社志望者が入社後に自社の利益に具体的にどう貢献できるかに最も直接的に関わってくる要素だからです。

その次に重要なのは、(2)の「志望動機」です。入社希望者が自社にどう貢献するつもりなのか、自分のスキルや経験・人脈をどう生かすつもりなのかを確認し、本当にそれが実現できるかを吟味する必要があるからです。

この二つの次に来るのが、(3)の「転職理由」となります。なぜ転職するに至ったのかを聞き、それが「スキル・経験・人脈」や「志望動機」にどうかかわっているかを確認するのです。

3.2.「業績悪化」を言いすぎるべきではない理由

このように、企業側にとって、「転職理由」は、「スキル・経験・人脈」や「志望動機」に比べて、重要度がそこまで高くないことが分かります。

従って、「コロナで会社の業績が悪化」もしくは、「コロナで将来の業績悪化が不安」というのは、入社志望者の応募の妥当性を確認することはできても、企業側にとってそのほかの要素が十分なものでないと、採用までには至らないのです。

3.3.苦境の中で最後までどう頑張ったかが重要

では、コロナ禍で会社の業績が悪化しても、それは転職理由に妥当性を与えるにすぎないものなのでしょうか。

いえ、実は、このコロナ禍の中、転職に大きなプラスを与える要素があります。

それは、「この苦しい状況の中、それを乗り越えるためにどう頑張ったか」という事です。

人間は苦しい時こそ、その人が本来持っている性質が現れます。コロナ禍の中、早々に会社を見限るよりも、この苦境に立ち向かうために、会社にどのような貢献をしたか、が重要になるのです。

それは、会社に残る場合でも、転職をする場合でも同じです。

会社に残って会社の業績が回復した場合は、この苦境を乗り切った功労者の一人として扱われ、待遇も良くなる可能性があります。

また、転職をする場合でも、早々に見切りをつけた人よりも、最後までなんとかしようとした心意気と実績が、転職希望先の採用担当者に評価される可能性が高いです。

4.「コロナで業績悪化」を転職理由にする場合の伝え方

従って、「コロナで業績悪化」を転職理由にする場合は、あまり強調しすぎないほうがいいといえるでしょう。

4.1.ポジティブな要素をメインに、プラス思考で

業績悪化を転職理由にする場合でも、「スキル・経験・人脈」をどう磨き発展させてきたか、「志望動機」で、経験やスキルをどう転職志望先の会社で行かせるか、なぜその会社を選んだかなど、応募書類や面接でポジティブな要素をメインに伝えるべきでしょう。

あくまで、「転職して応募先の会社で貢献したいこと、できること」を中心に、プラス思考で転職に臨むことがおすすめです。

4.2.「業績悪化」の内容は具体的に

また、「業績悪化」の内容は具体的に述べたほうが、転職理由としての妥当性を採用担当者に分かりやすく伝えることができます。

例えば、「給料の支給が遅延しがちになった」、「自分の得意とする担当業務が事業縮小でなくなり、配置転換された」、「サービス残業を強要されるようになった」などのように述べることが必要です。

4.3.苦境の中で頑張った成果を強調

前述したとおり、「コロナで業績悪化」を転職理由にする場合でも、苦境の中で自分が会社のために貢献しようとした、貢献できたことを強調するようにしましょう。

そうすれば、企業側から、「うちの業績も悪くなったら、すぐ辞めるのではないか」などと余計な懸念を持たれることなく、逆に、「苦しい時でも一緒に頑張れる仲間になってくれるのではないか」と期待を寄せられる可能性が高くなります。

5.「業績悪化」で退職する場合の2つのパターン

「業績悪化」で退職する場合でも、2つのパターンがあります。これは「雇用保険の基本手当」、いわゆる「失業保険」をすぐに受けられるかどうかなどにも関わってきますので、注意が必要です。

(参考:マイナビエージェント「雇用保険(失業保険)の仕組みはどうなっている?」)

5.1.「自己都合」で退職

会社の業績が悪化し、将来の見通しがたたず、今後会社の業績の回復が見込めない場合などに、「自己都合」で退職するケースです。

急な倒産による失業などを避けられるというメリットもありますが、失業保険の給付を受けるまでに、準備期間が生じる点が大きなデメリットといえます。

生活費などがまかなえるだけの蓄えがあれば問題ないかもしれませんが、そうでない場合は、生活がいきなり成り立たなくなってしまう可能性があります。

5.2.「会社都合」で退職

会社が倒産するなどして退職した場合は、「会社都合」での退職ということになります。「自己都合」での退職とは異なり、失業保険の給付をすぐに受けることができるのがメリットです。

ただ、倒産した会社から給与や退職金などが払われないままになるリスクもあり、最後の最後まで頑張る、ことのリスクはあります。

6.まとめ

在職している会社が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で業績が悪化したとしても、まだ自分にはやれることがあり、そこで頑張ることが後々にプラスになる事も多いように思えます。

しかしながら、今回の景気悪化は中長期化する可能性もあり、ギリギリまで頑張っても事態は好転しない可能性もあります。

もしご自分なりに頑張ったけれども、長い目でいても業績悪化は避けられない、そんな場合は転職エージェントの利用をおすすめします。

就活サイトでも利用した人が多いマイナビの運営する「マイナビエージェント」なら、業績悪化で転職を考えるようになった事情も踏まえ、的確なアドバイスをするアドバイザーが応募書類の書き方から面接対策まで、あなたの転職活動をサポートします。

やまない雨はありません。ぜひこの苦境を逆にチャンスとして、乗り越えましょう。