体調不良でも「テレワーク」「在宅勤務」の場合は働きやすいとの声

体調不良でも「テレワーク」「在宅勤務」の場合は働きやすいとの声

株式会社ツムラが2021年に行った体調に関する調査結果によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛による運動不足や対面でのコミュニケーション自粛による孤独感の高まりなどから、身体面だけでなく精神面での不調を訴える人が、特に女性で増えたという結果が出ました。同調査をもとに、コロナ禍が体調に及ぼした影響について見ていきます。

(※仕事辞めたい、会社がつらい...悩んでいる方は『仕事どうする!? 診断』の診断結果もご参考にしてください)

【関連記事】「【仕事休みたい】会社を休む理由で気を付けたいポイントや伝え方を例文付きで紹介」

同調査の名称は、「なんとなく不調に関する実態調査」で2回目。20代~40代の男女1,800人を対象に行われました。

1.コロナ禍生活2年目において、6割が心身の不調を実感

同調査では、新型コロナウイルス感染症拡大から2年たち、第5波のピークに比べ感染者数が低下した2021年12月に、2021年の体調について聞きました。

まず、身体面・精神面での不調について聞くと、「不調を感じた」のは60.1%で、前回の調査結果である、同年に「不調を感じた」57.2%と比較して、より多くなっています。

男性52.3%より女性67.8%が不調を感じやすく、特に20代女性は74.3%と約4人に3人が不調を訴えています[図1-1]。

post646_img1.jpg

(【画像出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

【関連記事】「【仕事辞めたい疲れた...】辞めたいのは仕事? 会社? 客観的に分析する方法」

自分にあった働き方を見つけよう!「テレワーク/リモートワーク(制度あり)」求人一覧を見る。

2.不調症状の1位、男性は「目の疲れ」・女性は「疲れ・だるさ」

不調を感じた症状は、「目の疲れ」72.1%「疲れ・だるさ」70.6%「肩こり」64.4%「イライラ感」59.1%「寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠」52.6%、の順となりました[図1-2]。

前回調査と比べると、いずれの症状もスコアが高くなっており、さまざまな症状で不調を感じる人が増加しました。また、上位4症状は変わりませんが、「寝つきにくい」は前回調査の9位(39.8%)から5位に浮上しています。

2021年に増加した不調症状には、「冷え」36.7%→50.7%「寝つきにくい」39.8%→52.6%「不安感」38.8%→49.6%「疲れ・だるさ」60.1%→70.6%、などが挙げられます[図2]。

post646_img2.jpg

(【画像出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

【関連記事】「【仕事が限界】ストレスが限界に達したときのサインと対処法」

3.コロナ禍生活2年目において、女性の5人に4人が「なんとなく不調」感じる

次に、現在の心身の健康に対する不安を聞きました。全体の61.6%が「健康に不安を感じる」と答え、前回調査と比べ男女とも(男性50.3%→53.7%女性65.1%→69.4%)健康不安を感じる割合が高くなりました[図3]。

また、日常生活の中で心身の調子がなんとなく悪いと感じる「なんとなく不調※」について聞くと、全体の77.1%がなんとなく不調を感じており、前回調査よりも7.6%増えています。男性も女性も増加しており、女性では83.3%が、なんとなく不調を経験しています[図4]。

(※ツムラが定義する「なんとなく不調」とは、自覚しながらもつい我慢しがちな症状や、調子が悪いものの病名の診断がつかない症状の総称)

post646_img3.jpg

(【画像出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

【関連記事】「【仕事限界サイン】見逃しがちな原因と気づいたら無視しないほうがいい理由」

4.2021年に増えた、寝つきにくい・目覚めが悪いなどの「睡眠」不調

なんとなく不調を感じると答えた人[図4]に、具体的な症状を聞くと、「疲れ・だるさ」54.3%「目の疲れ」48.0%「肩こり」47.9%「頭痛」45.9%、などが多く、2020年と比べていずれも高くなっています。「疲れ・だるさ」(44.5%→54.3%)に次いで、寝つきにくい・目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠(30.5%→37.0%)といった睡眠に関する不調症状を感じる人が増えています[図5-1][図5-2]。

post646_img4.jpg

(【画像出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

【関連記事】「【仕事が憂鬱】放置したらダメ! 憂鬱になる原因を見極め、気分転換する方法」

5.2022年も6割が心身の不調を予想--不調TOP3は「目の疲れ」「疲れ・だるさ」「肩こり」

次に、2022年の心身の不調について予想してもらいました。

まず、2022年に心身の不調を感じそうかと聞くと、全体の60.6%が不調を予想し、前回調査と変わらず、2022年も不調傾向が続く見込みです。男性53.2%より女性68.0%の方が不調予想が高く、20代女性は前回の62.3%から73.0%へと10.7%も不調予想が上昇しています[図8-1]。

post646_img5.jpg

(【画像出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

2022年に不調を感じそうな症状は、「目の疲れ」67.6%「疲れ・だるさ」65.6%「肩こり」61.9%「イライラ感」55.3%「寝つきにくい」 53.3%「頭痛」53.0%、の順となりました。

6.男性は「睡眠」と「腰痛」、女性は「イライラ感」と「頭痛」に高い警戒感

男女とも「目の疲れ」「疲れ・だるさ」「肩こり」が不調TOP3と予想されていますが、男性は「睡眠」や「腰痛」女性は「イライラ感」や「頭痛」が、2022年に特に増える不調症状となりそうです[図8-2]。

また、前回調査と比べると目覚めが悪い・眠りが浅い・不眠などの「睡眠」(40.8%→53.3%)の不調を予想する人が多くなっています[図8-3]。「コロナ禍生活3年目も心身の不調を感じる方の割合は継続しそうです」(ツムラ)。

post646_img6.jpg

(【画像出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

7.テレワークは、体調不良の日の選択肢の一つに

テレワーク経験者に、以前と同じ出社・出勤になる場合の意見を聞きました。

まず、出社・出勤の場合、体調不良の日の働き方が楽になるか、苦労しそうかと聞くと、「楽になりそう」26.7%<「苦労しそう」41.7%、となり、出社・出勤は体調不良の日の仕事には向かないと捉えられています。

しかし、既に出社・出勤する人では「苦労しそう」31.2%が下がり、「どちらともいえない」40.0%が高くなっています。

男女別で見ると、テレワーク中の女性は出社・出勤を「苦労しそう」56.8%と心配する割合が最も高くなっています[図12-1]。「体調不良を感じやすい人は、テレワークを望んでいる傾向であることが分かりました」(ツムラ)。

post646_img7.jpg

(【画像出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

【関連記事】「【会社への不満】テレワーク実施企業への不満は約12%少ないことが判明」

出社・出勤の場合、心身の不調については、「改善する」29.4%、「悪化する」28.1%と大差ない結果になりました。現在、 テレワーク中の人もそうでない人と比較しても、大きな差はありません。

しかし、男女で比較すると、男性は「改善する」の意見が多いのに対し、女性は「悪化する」の意見が多くなっています。

「テレワークか出社・出勤かではなく、どちらも自由に選択できる、柔軟な働き方が望まれているようです」(ツムラ)。

同社では、「心身の不調を我慢して出勤していたワークスタイルが、テレワークか出社・出勤かを選ぶことで無理せず働けるようになる。そんな我慢に代わる選択肢が、アフターコロナの働き方改革の焦点になるのかもしれません」としています。

次に、テレワークをしたことがない902人を含む、有職者1,671人を対象に、テレワーク勤務と健康について聞きました。

テレワークは、自分の身体的・精神的な不調を一緒に働いている人に気付いてもらえるかどうかと聞くと、「気付いてもらえる」24.3%<「気付いてもらえない」41.5%、となり、気付いてもらえないと感じる人が多くなっています[図13-1]。

また、自分の身体的・精神的な不調を一緒に働いている人に相談しやすいかと聞くと、「相談しやすい」29.6%<「相談しにくい」39.8%、となり、テレワークは不調を相談しにくいと感じる人が多いようです[図13-2]。

post646_img8.jpg

post646_img9.jpg

(【画像出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

一方で、「不調の日でも働きやすい」(51.2%)「不調の日にも休みやすい」(41.0%)「育児・介護・看護と両立した働き方がしやすい」(40.5%)、などはテレワーク勤務のメリットとして認知されています。

ツムラは、「テレワークでは職場の仲間に気遣ってもらうことは難しいが、自分自身で健康管理しつつうまく調整することで、体調に合わせた働き方ができるというメリットもあるようです」としています。

(※図13‐1~図13‐2については、以下を表しています)

  • 「テレワークあり」:現時点でテレワーク継続中の方
  • 「テレワークなし」:現時点でテレワークから出社・出勤へ戻った方
  • 「テレワーク経験あり」:現時点の働き方に関係なく、テレワークを経験した方
  • 「テレワーク経験なし」:テレワークを経験していない方

(【記事出典】ツムラプレスリリース「第2回 なんとなく不調に関する実態調査」)

この記事をシェアしよう!