職場では上司への報告・連絡・相談の場面が多く、メールは欠かせないツールの一つです。ただし、目上の人に送るメールでは言葉遣いや書き方のマナーなど、いくつかの注意点があります。
本記事では、上司宛てのメールを作成するときに気をつけるべきポイントや、シチュエーション別の例文を紹介します。失礼のないメールを送り、上司から評価される部下を目指しましょう。
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1. 上司へのメールの重要性
職場では、上司への連絡手段としてメールを使用する場面が多くあります。電話やチャットなどのツールがある中で、なぜメールが使用されているのでしょうか。
1.1. メールは上司に「報連相」する上で最適のツールである
上司への「報連相(報告・連絡・相談)」を行うにあたって、メールは情報を正確に伝え、記録として残せる点でとても便利なツールです。
また、上司が外出中や会議中でも、タイミングを気にせず伝えられるのも大きなメリットと言えます。
さらに、文章にすることで要点が整理され、伝え漏れも防げます。口頭と併用しながら適切にメールを活用することで、より確実な「報連相」が実現できます。
1.2. 上司に対するていねいな対応がビジネスの土台になる
組織は顧客(相手)がいてこそ成り立つものであり、その顧客の期待に応え、価値を提供し続けることが組織の存在意義と言えます。
職場において上司は最も身近で重要な存在であり、上司に対するていねいな対応は「ビジネスの土台」となり、顧客対応をする上でも生きてきます。
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2. 上司宛てのメールを作成するときの5つのポイント
ここでは、上司宛のメールを作成する際に気を付けておくべきポイントを紹介します。
ポイント1. メールで伝えるべきか口頭で伝えるべきかを判断する
メールは直接顔を合わせずに、必要事項を伝えることができるというメリットがあります。しかし、ビジネスの場は人と人との実際のコミュニケーションが重要になる場面も多いものです。
例えば、文字で表現しづらい細かなニュアンスなどを伝えたいときは、メールよりも口頭で説明したほうが、明確な意思疎通ができる場合もあります。そのため、上司にメールを送るときは、メールで十分に伝わる事柄なのかということをしっかりと判断しましょう。
また、毎日多くのメールが行き交う職場では、返事を後回しにされたり、他のメールに埋もれたりしてしまう場合もあり得ます。
そういう状況になったときは、タイミングを見て上司に、メールを確認してくれたかどうか口頭で尋ねることも必要です。
ポイント2. 件名で重要度や大体の内容がわかるようにする
適切な件名を入れることで、書いてある内容や優先度の高さなどを把握しやすくなり、その後に続くメールの本文も読みやすくなります。
また、内容の重要度がわかる件名にしておけば、上司の目に付きやすく、他のメールに埋もれてしまう可能性を下げることもできます。
【例】
- 【重要】A社打ち合わせ日時変更
- 「○○会議について」連絡事項です
- 【ご報告】Bプロジェクトの進捗状況について
ポイント3. 個人宛か複数人宛てを敬称で使い分ける
1人や2人といった個人宛にメールを送る場合は、「●●部長」「〇〇課長 △△係長」など、名前+役職名を記載するのが一般的です。
一方、3人以上の複数人宛てに送る際は「各位」を使用します。「各位」には「皆様」といった意味があり、上司だけでなく取引先へのメールや社内向けの連絡など多くの場面で使用できます。
ビジネスメールを送る際のマナーとして、敬称の使い分けも覚えておきましょう。
関連記事【例文付き】「各位」の意味と正しい使い方とは?社内・社外向け利用シーンや注意点を解説
ポイント4. 内容文はシンプルでわかりやすく
ビジネスの場でのメールは、なるべく簡潔にまとめましょう。最初に結論から述べたり、用件を箇条書きにしたりすると、相手へ伝わりやすい文章になります。
また、どのような流れの文章を書くべきか迷ったときには、PREP法を用いるとよいでしょう。
PREP法とは、「要点・結論を示す」→「理由を述べる」→「理由に対する事例・具体例を挙げる」→「要点・結論で締める」という文章構成スタイルのことです。
このような文章スタイルでメールを送ると、シンプルで読みやすく、説得力のある内容になります。
ポイント5. 正しい敬語を使う
ビジネスに関するメールは、敬語の使い方が重要になります。自分では正しい敬語だと思っている表現が、実は間違った言い回しの可能性もあるため注意が必要です。
メールでよく使う間違いやすい敬語を紹介します。
〇お疲れさまです/×ご苦労さまです
「ご苦労さまです」という言葉は、一般的に目上の人から目下の人へ使う表現です。そのため、上司(目上)に使うのは避けるべきでしょう。
〇承知しました、かしこまりました/×了解しました
「了解しました」という言葉は、「物事を理解しました」という意味であり、相手を尊敬する気持ちは込められていません。同僚や目下の人へ使う言葉ですので、上司には失礼になります。
〇拝見しました/×確認しました
「確認しました」という言葉は、「見ました」という意味になります。相手を敬っていない表現に当たりますので、上司に使うのは避けた方がいいでしょう。
〇申し訳ありません/×すみません
「すみません」という言葉は、口語表現になります。そのため、目上の人に使うのは失礼となります。
関連記事【正しいビジネス敬語の使い方】間違いやすい言い回しや実例を紹介
3. 上司へのメールに使えるフレーズ
ここからは、書き出しや締めくくり文に加えて、メールを送るシチュエーションごとの書き方のポイントをフレーズ例とともに紹介します。
3.1. 書き出し
上司へメールを送るときは、最初に目に入る言葉である書き出しが重要となります。まずは、上司の名前を書き、「お疲れ様です」という挨拶から始めるのが基本です。
その次に要件を書くことで理解しやすい文章になりますが、謝罪や依頼のメールの場合は、要件を唐突に書くと、不快に感じられる場合があるので注意しましょう。
謝罪や依頼など、相手に何かを受け入れてもらうためには、突然本題から入るより、言いたいことを小分けにして伝える方が効果的です。人は、最初に大きな物事よりも、小さな物事を示された方が承認しやすいといわれています。
一方、お礼のメールの場合は、挨拶の後に要件に入っても問題はありません。また、どのようなメールでも、相手に歩み寄るような書き出しを忘れないようにすることが大切です。
【例文】
「●●さん お疲れ様です、△△(自分の名前)です。先日は●●●で△△△していただき、ありがとうございました。」
「お疲れ様です。△△(自分の名前)です。この度は、●●の件の返信が遅れまして、申し訳ございません。今後は、早急な連絡を心がけさせていただきます。ところで、●●の△△△についてですが~」
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3.2. 依頼・確認に対する返信をするとき
上司からの依頼や確認のメールに返信するときは、まずその内容を承知したということを伝えましょう。
人は自分の送ったメールの内容を、相手が理解してくれたかどうかが気になるものです。そのため、結論から先に述べ、不明点がある場合は、その後に付け加えるのが賢明です。
【例文】
「●●の件、承知致しました。本日中に対応します。1つ確認させていただいてよろしいでしょうか?」
「メールを拝見させていただきました。●●の件は、△△△で承知いたしました。恐縮ですが、○○と▲▲についても、確認させていただいてよろしいでしょうか?」
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3.3. お礼・感謝を伝えたいとき
お礼や感謝をビジネスの場で伝えることは、気恥ずかしさがあるかもしれません。しかし、感謝の気持ちを素直に伝えれば、相手の心も豊かになるでしょう。
人は、お礼や感謝というプラスのメッセージを与えられると、他の人にも優しい感情を返したくなるといわれています。そのため、両者にとって幸せな気持ちになることができます。
このようなコミュニケーションが潤滑油となって、人間関係もより良くなるでしょう。
【例文】
「早い時間にも関わらず、早急にご対応いただき感謝いたします。」
「この度は、早々に△△△をお送りいただき、ありがとうございます。●●さんのお心遣いに大変感謝いたしております。」
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3.4. 謝罪・お詫びをしたいとき
自分の過ちを認めることは勇気がいるものです。ときには、言い訳をし、そこから逃れたいこともあるでしょう。
しかし、自分に悪い点があったときは、素直に謝罪やお詫びをする方が、相手の心には響きます。
そのときは、ただ謝罪の言葉をつづるのではなく、今後過ちを犯さないためにはどのようなことを心がけ、どういった対策を行うのかも一緒に記載することが大切です。
【例文】
「●●の件は誠に申し訳ございませんでした。自分の至らなさを痛感し、深く反省いたしました。」
「●●の開始時期が遅れまして、誠に申し訳ございません。私の進捗管理に不備がありましたことを心より反省し、今後は△△△を意識しながら仕事に取り組んで参ります。」
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3.5. お願い・依頼をしたいとき
お願いや依頼のメールを送る際には、丁寧な姿勢で書くことが必要です。また、相手は忙しい中でこちらのお願いや依頼を受けてくれることになりますので、そのことに関する感謝や謝罪の気持ちを込めましょう。
また、お願いや依頼には、納期などが関わってくることも多いため、期日を忘れずに伝えることが大切です。
【例文】
「誠に勝手なお願いですが~いただけますでしょうか?」
「お忙しいところ恐縮ですが、●日までにご連絡いただけますと幸いです。」
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3.6. 進捗状況など現況を報告したいとき
ビジネスにおいて、上司から依頼された業務の進捗状況などを報告することは大切なことです。その際には、余計な情報を入れずに、現在関わっている仕事をいつまでに終わらせられるかということを報告しましょう。
このような進捗状況などを適宜報告することで、上司も部下の仕事がどこまで進んでいるのかを把握しやすくなります。また、きちんと報告ができる部下は、それだけ仕事へも熱心に取り組んでいると、上司から評価されやすくなるというメリットがあります。
なお、報告メールに上司から返信が来た場合は、それに対しても感謝のメールを返信することが有効です。上司と何度もメールをやり取りすることで、ザイオンス効果も期待できます。
ザイオンス効果とは、接触回数が多ければ多いほど、相手に対して好感を抱きやすくなるという作用のことをいいます。
【例文】
【上司からの依頼に対して確認】
承知いたしました。現在の業務の進捗状況をご報告いたします。
【上司からの返信に対して】
ご返信ありがとうございます。引き続き、進捗状況を報告させていただきますので、よろしくお願い致します。
3.7. 欠勤や遅刻の連絡をしたいとき
近年は欠勤や遅刻の連絡を、電話ではなくメールで行う会社も増えています。もしメール連絡が許可されている場合は、必ず始業前に送るようにしましょう。
その際は、欠勤や遅刻の理由・期間・時間などを明確に記載して、仕事の代行者や緊急の連絡方法についても触れておくと安心です。
【例文】
「昨夜より発熱と頭痛が続いておりますため、本日は欠勤させていただきます。」
「現在、〇〇線で遅延が発生しており、1時間ほど出社が遅れる見込みです。」
「●●に仕事のフォローアップを依頼済みです。」
「緊急の場合、以下の電話にご連絡いただければできる限り対応いたします。」
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3.8. 締めくくり文
上司へわかりやすく丁寧なメールを送ったとしても、最後の締めくくりの文章が抜けていたり、中途半端な書き方をしたりしていたら、せっかくの意思疎通が台無しになってしまいます。
メールは書き出しと要件だけではなく、しっかりと丁寧に締めくくることが大切です。
【例文】
「大変お手数ですが、どうぞよろしくお願いいたします。」
「今後とも、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。」
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4. 【シチュエーション別】上司へのメール例文
ここからは、実際のメール文面の例を紹介していきます。これらの例文を参考に好印象なメールを作成しましょう。
4.1. 報告メールの例文
進捗報告などの報告を行うメールでは、余計な情報は省いてシンプルな内容にするのがポイントです。箇条書きなどを効果的に用いましょう。
■件名
【ご報告】●●社様案件の進捗について
■本文
△△部●●さん
お疲れ様です。△△(自分の名前)です。
●●社様の案件ですが、△月△日の商談において
以下の内容で●●を発注したいとの申し出がありました。
・取引先名:●●社
・内容:●●
・納品時期:●●年●月
こちらの希望をもとに見積書を作成し、
さらに商談を進めていく予定です。
また進捗がありましたらご連絡差し上げます。
ご確認よろしくお願いいたします。
4.2. 依頼メールの例文
依頼メールでは、依頼する内容や重要度が一目でわかるよう、件名や本文を工夫しましょう。
■件名
●●社様 打ち合わせ日程のご確認
■本文
●●さん
お疲れ様です。△△(自分の名前)です。
●●社様との打ち合わせの件につきまして、
下記日程が候補となりますがご都合はいかがでしょうか。
①△月△日(△)●時~
➁△月△日(△)●時~
③△月△日(△)●時~
会議室の予約が必要となりますので、
今週中にお返事いただければと存じます。
なお、上記日程でご都合が悪い場合、
希望日時をお聞かせいただけますと幸いです。
お忙しいところお手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
4.3. お礼メールの例文
お礼メールでは、上司がしてくれた具体的な内容と、それによってどのような結果が得られたのかを添えて、感謝の気持ちをつづりましょう。
■件名
株式会社△△様 商談ご同行のお礼
■本文
●●部長
お疲れ様です。営業部の△△(自分の名前)です。
●月●日の株式会社△△様の商談において、
ご同行とお力添えをいただき誠にありがとうございました。
●●部長にサポートしていただいたおかげで商談が円滑に進み、
先方からもぜひ前向きに検討したいとのお返事を頂戴しております。
引き続きの商談も、今回ご同行いただいた経験を活かして
取り組んでまいります。
今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。
4.4. 謝罪メールの例文
謝罪メールは、まず迅速に送ることが大切です。感情的な表現は避け、経緯・謝罪・今後の対応策を簡潔かつていねいにまとめましょう。
■件名
資料提出遅延のお詫び
■本文
●●課長
お疲れ様です。△△(自分の名前)です。
本日提出予定の○○資料が、私の確認不足により遅れてしまい、大変ご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございません。
先ほど修正版を添付いたしましたので、ご確認いただけますと幸いです。
以後、このようなことがないよう、今後は必ず二重確認を徹底いたします。
取り急ぎメールにてお詫び申し上げます。
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5. その他メールの書き方
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6. まとめ
上司宛てのメールを送る際は、気をつけるべきことがたくさんあります。メールはコミュニケーションの1つですので、上司との関係を良好なものとしていくためにも重要です。
デキる部下として評価されるためには、基本的なポイントを抑えつつ、状況に応じたメールを作成しましょう。
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