【正しいビジネス敬語の使い方】間違いやすい言い回しや実例を紹介

ビジネススキル・マナー

ビジネスにおいて、正しい敬語を使うことは相手に対して敬意を示すうえでとても大切です。使い慣れないうちは「この使い方で合っているのか」と不安になりますが、敬語の種類や使い方のポイントを掴めば、自信が持てるようになります。

本記事では、敬語の基本や使い方について例文を交えて解説します。この機会に敬語をマスターしましょう。

【関連記事】「【ビジネス用語一覧】厳選130選|基本をマスターするための例文も紹介」

【関連記事】「敬語の種類をわかりやすく解説!尊敬語・謙譲語の使い分け方法も紹介」

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1.敬語とは

敬語は、大きく「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類に分けられます。さらに細分化すると5つに分類できますが、ここでは3種類にしぼって説明します。

※敬語の基本的な考え方や具体的な使い方を示す文化庁文化審議会の「敬語の指針」にて、2007年に敬語は「謙譲語」をⅠとⅡの2種類に分け、さらに「お茶」のように名詞に「お」や「ご」をつけて丁寧に伝える敬語を「美化語」とすると発表されました。

【出典】文化庁「敬語の指針」

1.1.敬語の種類

ここでは、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」それぞれの違いについて解説します。

丁寧語は「〜です」「〜ます」を語尾につけるのが特徴です。尊敬語と謙譲語は「誰の言動か」に焦点を当て、目上の人の言動には尊敬語を、自身の言動については謙譲語を使います。





使い方
尊敬語 主語が相手の場合に使います。
相手の言動や状態を立てて表すことで、相手への敬意を示す言い方です。
【例】「お客様がいらっしゃいます」「(顧客・上司などが)おっしゃる通りです」
謙譲語 主語が自分や自分の身内の場合は謙譲語を使います。自分(や身内)をへりくだって伝えることで、相対的に相手を立てます。
【例】「弊社の担当が参ります」「私が伺います」
丁寧語 相手や内容を問わず、丁寧な言葉遣いで相手に敬意を表します。語尾が「~です」「~ます」「~ございます」とするのが特徴です。
【例】「こちらが会議室です」「3階にございます」

1.2.敬語の一覧表

敬語は慣れないうちは使い方が難しく感じてしまうものです。下記にビジネスシーンでよく使われる敬語を一覧にしました。例を参考に活用してみましょう。

【「行く」の例】



尊敬語 (目上の人が)16時にいらっしゃいます
謙譲語 (自分が)16時に参ります
丁寧語 (自分が)16時に行きます

【ビジネス敬語一覧】





尊敬語謙譲語丁寧語
する なさる、される いたす、させていただく します
言う おっしゃる、言われる 申す、申し上げる 言います
行く いらっしゃる、おいでになる うかがう、参る 行きます
来る いらっしゃる、おいでになる、見える、お越しになる 参る、伺う 来ます
知る お知りになる、ご存じだ 存じる、存じ上げる、承知する 知っています
いる いらっしゃる、おいでになる おる います
見る ご覧になる 拝見する 見ます
聞く お聞きになる 拝聴する、うかがう 聞きます
わかる おわかりになる、ご理解いただく かしこまる、承知する わかりました
読む お読みになる 拝読する 読みます
伝える お伝えになる 申し伝える 伝えます
会う お会いになる、会われる お目にかかる 会います
考える お考えになる、ご高察なさる 拝察する、検討いたします 考えます
与える くださる、お与えになる 差し上げる あげます
受け取る お受け取りになる 賜る、頂戴する、拝受する 受け取ります
座る お掛けになる お座りする、座らせていただく 座ります
食べる 召し上がる、おあがりになる いただく、頂戴する 食べます
思う お思いになる、おぼし召す 存じる、拝察する 思います
待つ お待ちになる、お待ちくださる お待ちする 待ちます
帰る お帰りになる、帰られる おいとまする 帰ります

また尊敬語には、相手の言動だけでなく所属や所有についても敬意を示す表現があります。代表的な例を以下に紹介します。





尊敬語謙譲語丁寧語
会社 貴社(きしゃ)御社(おんしゃ) 弊社
お店 貴店(きてん) 弊店(へいてん)
銀行 貴行(きこう) 弊行(へいこう)
学校 貴校(きこう) 弊校(へいこう)
新聞 貴紙(きし) 弊紙(へいし)・小紙(しょうし)
雑誌 貴誌(きし) 弊誌(へいし)・小誌(しょうし)

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2.ビジネスシーンにおける敬語の使い方

続いて、実際の敬語の使い方を学んでいきましょう。ここでは、ビジネスシーンにおいてよく使われる敬語を例文つきで紹介します。

2.1.よく使う敬語の実例12選

【挨拶編】

いつも大変お世話になっております。○○商事のBと申します。

→「お世話様です」はくだけた表現になるため、目上の人や取引先には不向きです。

ご無沙汰しております。○○商事のBと申します。

→「しばらくぶりです」「お久しぶりです」と言いがちですが、くだけた表現なので丁寧な表現に言い換えましょう。

ご自愛くださいませ。

→「体に気をつけてくださいね」という意味ですが、「お体をご自愛くださいませ」だと「お体をお体を大事にしてくださいね」と重複してしまうので注意しましょう。

【来客編】

○○食品のA様がお見えになりました。

→「お越しになられました」は一見丁寧な表現に感じますが、二重敬語になります。

あいにくB(※自社の社員)は本日休暇を取っております。

→「本日Bはお休みをいただいております」という言い方では自分の会社を持ち上げてしまう表現です。

お掛けになってお待ちください。

→「お座りになって・・・」だと犬に対する「おすわり」を連想してしまうので、こちらの言い方をしましょう。

【会議・打ち合わせ編】

お手元の資料をご覧ください。

→「拝見してください」は謙譲語になるため、「ご覧ください」が適切です。

データを拝見致しました/しました。

→「拝見させていただきました」は過剰な敬語表現です。

○○の件についてお聞きになっていますか。

→「○○の件についてうかがっていますか」の方が丁寧に感じますが、「うかがう」は「聞く」の謙譲語になるので誤った使い方です。

その案件は私には力不足です。

→「役不足です」と言ってしまうと、「その案件は私には簡単過ぎます」という意味になってしまいます。十分な能力が備わっていませんと言いたい場合は力不足を使います。

ご不明な点はございませんでしょうか。

→「お分かりいただけましたでしょうか」では見下されていると感じる場合があります。「ご不明な点はございませんでしょうか」や「ご質問ありませんでしょうか」を使いましょう。

明日までに資料をお送り致します。

→「お送りさせていただきます」では「お送りする」、「させていただく」と過剰な表現になってしまいます。

2.2.社内と社外で使い分ける

敬語は社内と社外で使い分ける必要があります。社内・社外を問わず、上司や先輩、取引先相手など、目上の人には「尊敬語」を使い、社内の内容について社外の人に話す場合は「謙譲語」を使います。

【例】

先日いただいた資料について、上司のAが拝見したのですが

→取引先相手に上司のことを話す場合、「ご覧になった」ではなく「拝見した」としましょう。役職関係なく社内の人間は身内であるため、自社の話をする際は尊敬語ではなく、謙譲語を使用します。

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3.【例文】ビジネスメールで使う敬語表現

実際に会って話をするのとは異なり、メールは顔や表情が見えないため受け取り方によって印象が左右します。円滑に信頼関係を築くためにも、正しい敬語を使ってメールを送りましょう。

ここでは、ビジネスメールでよく使う言い回しをパターン別に紹介します。

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3.1.メールの書き出し

書き出しの挨拶の後に、会社名・部署名・氏名を名乗ります。

【初めてメールを送る場合】

  • 初めてご連絡をさせていただきます。
  • 突然のご連絡失礼いたします。

【2回目以降のメール】

  • いつも(大変)お世話になっております。
  • 平素より大変お世話になっております。

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3.2.依頼メールを送る場合

相手に依頼メールを送る機会は多いため、快く依頼を受けてもらえるように正しい表現を使いましょう。

【書類を添付する場合】

ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。

【書類を送ってもらいたい場合】

  • お送りいただければ幸いです。
  • ご送付いただけますようお願いいたします。
  • ご送付いただけますでしょうか。

【教えてもらいたい事項がある場合】

ご教示ください

【関連記事】「【例文】依頼・お願いメールの書き方!社内・社外別のポイントと注意点を解説」

3.3.結びの挨拶

用件を伝えた上で、最後に結びの挨拶を添えることで柔らかく丁寧な印象を与えられます。

  • 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
  • お忙しいところ恐縮ですが、ご確認の程よろしくお願いいたします。

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4.ビジネス敬語を正しく使うためのポイント

尊敬語・謙譲語・丁寧語の基本や使い方について解説してきましたが、ここではビジネス敬語の豆知識について紹介します。

4.1.「ご苦労様」と「お疲れ様」の使い方

ビジネスマナーにおいて、「ご苦労様」は目上の人や上司が部下をねぎらう際に使う言葉です。部下が上司に使うのは失礼にあたるため注意しましょう。

一方で、「お疲れ様」は上下関係問わず使える言葉です。迷った際は「お疲れ様です」を使うのが無難です。

ただし、相手が社外の人や取引先に対しては、「お疲れ様」は避け、別の表現を使いましょう。例えば「本日はお忙しいところありがとうございました。」「引き続き、ご指導お願い致します。」など、感謝を表す言葉が適切です。

4.2.「貴社」「御社」の使い方の違い

「貴社」と「御社」はどちらも相手の会社を指す敬語表現ですが、使う場面で明確な違いがあります。

メールなど文章で使用する場合は「貴社」を使い、電話や会議など口頭では「御社」を使います。誤って使うと違和感を与えるため、場面に応じて正しく使い分けましょう。

4.3.「とんでもございません」は使ってもいいの?

「とんでもございません」は、「とんでもない」という言葉の丁寧な表現だと思われがちですが、実際は「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」が正しい言い方です。

「とんでもない」は一つの形容詞なので、それを「とんでも」と「ない」に分け、「ない」の部分だけを「ございません」と変換するのは正しい日本語の使い方ではありません。

ただ、誤用ではあるものの、「とんでもございません」も広く使われていることから、現在では社会的に容認されるようになりました。

他にも、「とんでもない」には下記のように複数の意味があります。類語もあわせて参考にしてください。

①「思いがけないこと」という意味



とんでもない発見をした
類語 信じられない発見をした

②「あるべきではない」という意味



連絡もなく3日も休むなんてとんでもない人だ
類語 連絡もなく3日も休むなんて非常識な人だ

③「否定」の意味



とんでもない!私ではありません。
類語 滅相もない!私ではありません。

④「謙遜」の意味



とんでもございません。皆様のご協力のおかげです。
類語 身に余るお褒めの言葉をいただきありがとうございます。皆様のご協力のおかげです。

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5.注意したい敬語の使い方

敬語は正しく使えばコミュニケーションを円滑にしますが、誤った使い方をすると相手に違和感を与えてしまうこともあるため注意が必要です。ここでは、ビジネスシーンで注意したい敬語の使い方を例文を交えて解説します。

5.1.二重敬語に気をつける

二重敬語とは、一つの単語(言動など)に対して、「謙譲語+謙譲語」「尊敬語+尊敬語」といったように同じ種類の敬語を重複して使用することです。

【例】

お帰りになられる

→「帰られる」と「お〜になる」の二重敬語であり、「お帰りになる」「帰られる」が正しい表現です。

ご覧になられる

→「ご覧になる」と「〜られる」の二重敬語であり、「ご覧になる」が正しい表現です。

○○部長様

→役職は地位を表す言葉でそれだけで敬語になるため、会長・社長・部長・課長・係長といった役職に「様」をつけると二重敬語になってしまいます。「○○部長」だけで問題ありません。

二重敬語を避けるには、「お」をつけたら「れる(られる)」は使わないのがポイントです。しかし、二重敬語でも以下のように社会的に容認されているものもあります。

【容認されている二重敬語の例】

  • お召し上がりになる
  • お見えになる
  • お伺いする

5.2.間違いやすい敬語

敬語を正しく使っているつもりでも、実は誤った言い方をしていることがあります。間違いやすい敬語をまとめてみました。





間違った敬語正しい敬語
どちらさまでしょうか お名前を伺ってもよろしいですか
了解しました かしこまりました/承知しました
なるほど/なるほどですね おっしゃる通りだと思います
○○様でございますね ○○様でいらっしゃいますね
10,000円からお預かり致します 10,000円頂戴します

5.3.つい使ってしまいがちなNGの言葉使い

丁寧で一般的に広く定着している言葉使いでも、実は間違っているものがあります。ここでは、いくつか例を紹介します。

【例】

~になります

→「~になる」は物事や状態が変化するような場面で使用するのが適切です。「来月より営業時間が10時からに変更になります」などに使用し、「あちらに見えるのは〇〇になります」などは正しくありません。

~のほう

→「私のほうで対処いたします」などは言ってしまいがちですが、「私が対処いたします」とするのが適切です。

「~させていただく」の過剰使用

→「先日〇〇をさせていただいたのですが」「資料を添付させていただいております」などは、「させていただく」の過剰使用です。「先日〇〇をしたのですが」「資料を添付しております」などシンプルな敬語に直しましょう。

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6.まとめ

敬語は社会人としてしっかりと身につけておきたいマナーの一つです。最初は少し難しく感じますが、慣れてくればスムーズに使えるようになります。

そして、敬語を使う上で最も大切なことは相手を敬う気持ちです。相手への思いやりをを表現するためにも、本記事を参考にしながら少しずつ勉強を重ね、正しい敬語が使えるようにしましょう。

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