【例文付き】「各位」の意味と正しい使い方は?利用シーンや注意点を解説

ビジネススキル・マナー

「各位」とは、「皆様」「皆様方」といった意味で、その一人一人を敬う表現です。一般的には、3人以上の人を対象にした文書やメールなどで用います。

しかし、実際にどのようなシーンで使うべきか、目上の人に使ってもいいのか、「様」や「殿」はつけた方がいいのかなど、使い方に悩んでしまう人も多いのではないでしょうか?本記事では、「各位」の意味と正しい使い方について解説します。

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1. 「各位」の意味とは

「各位(かくい)」とは「皆様(みなさま)」「皆様方(みなさまがた)」といった意味のある言葉で、大勢の人を対象にしながらも、その一人一人を敬っている表現になります。

「各」という漢字には「おのおの、めいめい、ひとつひとつの」という意味があり、「位」は「人に対する敬語」です。

2. 「各位」の利用シーン

本来であれば、「○○様 □□様 △△様・・・」と書くべきところ、全ての方の名前を記載するのが困難な場合には「各位」を使用します。

「皆様」よりもさらに丁寧な表現であるため、特にビジネスシーンにおいて多く使われ、多くの人に宛てたメールや案内状、お知らせのための文書などの冒頭の宛名、または文中の敬称としてよく見られます。

2.1. 2人までは個人名、3人からは「各位」が一般的

「各位」には「皆様」という意味があり、相手が大勢のときに使用する言葉です。一般的には、相手が2人までそれぞれの名前で ●●様 〇〇様 と表記し、3人以上の場合は「各位」を使用することが多いです。

2.2. 社内・社外・目上の人にも使用できる

「各位」は、目上の人や社内の人に使っても失礼にはあたりません。「各位」はその言葉自体が敬称となっているので相手の立場を気にすることなく使用することができます。

しかし実際には、各位のみでは素っ気ない感じがする場合もあります。例えば、部長や課長を含めた部署のメンバー全員にメールを送る際などは、下記のように記載するのもおすすめです。

【例文】

  • ○○部長
  • ○○課長
  • 各位

「各位」を使用することは間違いではないのですが、目上の人に使うのが気になるという場合は、このような相手を配慮した書き方をしてみましょう。

3. 「各位」を使う際の注意点

「各位」 はよく使われる表現ですが、使い方を間違えやすい言葉でもあります。誤った使い方をしないように、あらためて間違えやすいポイントをチェックしておきましょう。

3.1. 組織・団体・個人宛には使用しない

「各位」を組織や団体宛てに用いるのは不適切です。また、複数人を対象とした表現であるため、個人に対しても使用しません。

組織や団体の場合は「株式会社〇〇 御中」「〇〇会 御中」といった形で「御中」を使用し、個人の場合は「〇〇様」「〇〇株式会社 〇〇ご担当者様」といった形で「様」を使用するのが一般的です。

個人に対しては、相手やシーンによって「様」以外にも「殿」や「先生」を使うこともあります。

3.2. 封筒・はがきの宛名には使わない

「各位」は文書の冒頭や文中に用いる言葉であるため、封筒やはがきの宛名としては使いません。封筒やはがきでは上記でも紹介した「様」や「御中」を使用しましょう。

返信用の封筒やはがきでも同様で、あらかじめ書かれている「行」「宛」「係」を二重線で消し、その横に下記のように敬称を書き加えます。

  • 「行」「宛」→「様」あるいは「御中」
  • 「係」→「御中」

3.3. 「様」「殿」などと組み合わせない

「各位」のみではなく相手の属性を表す言葉を付け足すことがありますが、その際に「〇〇各位様」「〇〇様各位」「〇〇各位殿」など、「各位」とほかの敬称を組み合わせるのは二重敬語という誤った使い方です。

会社の上司や取引先など目上の方への文書やメールでは、丁寧さを強調しようとついやりがちなことですが、十分注意するようにしましょう。

NGOK
関係者各位様 関係者各位
担当者様各位 担当者各位
取引先各位殿 取引先各位

・「お客様各位」は例外として使用して良い

「お客様」にも「様」が付いているため、本来であれば二重敬語を避けて「お客各位」となるのですが、この言い方では違和感を覚えることから「お客様各位」が一般的になっています。

もしも二重敬語が気になるようであれば「お得意先各位」「ご利用者各位」「ご契約者各位」などと言い換えることもできます。

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4. 「各位」を使用したビジネス文書・メールの例文

ここでは、実際にビジネス文書やビジネスメールでどのように「各位」を使用するのか、例文を挙げて解説します。

4.1. 社内に向けての「各位」例文

まずは社内向けの文書やメールでの「各位」の例文を紹介します。冒頭だけでなく、文中に用いることもあります。

【例文1】
従業員各位

日頃より業務にご尽力いただき、誠にありがとうございます。新入社員の歓迎会について、以下のとおりご案内いたします。~~~

【例文2】
〇〇部各位

いつもお疲れ様です。〇月〇日〇時より定例会議の開催を予定しております。~~~
〇〇部の皆様におかれましては~~

【例文3】
関係者各位

お疲れ様です。〇〇プロジェクトの進捗について~~~
関係者各位のご協力、誠に感謝申し上げます。~~~

【例文4】
管理職各位

お疲れ様です。総務部よりお知らせです。
この度、管理職を対象とした~~~

【例文5】
〇〇取締役
〇〇専務
社員各位

お世話になっております。先日お知らせした〇〇について~~~

なお、文書で作成する場合は、ビジネス文書の定型に従って以下のような書き方をするのが一般的です。

〇年〇月〇日

〇〇各位

株式会社〇〇
〇〇部 〇〇

〇〇〇(タイトル)

~~~(本文)

以上

4.2. 社外に向けての「各位」例文

次に、顧客や取引先に向けた社外文書やメールでの「各位」の例文を紹介します。特に本文では、社内向けよりも丁寧な表現を心がけると良いでしょう。

【例文1】
株主各位

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。~~~

【例文2】
お客様各位

平素は弊社の製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。~~~
~~~お客様各位のご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

【例文3】
協力会社各位

平素より大変お世話になっております。~~~
~~~つきましては、各位のご参加・ご支援を伏して懇願申し上げます。

【例文4】
お取引先各位

平素より大変お世話になっております。~~~
~~~今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

【例文5】
〇〇関係者各位

いつもご協力いただき、誠にありがとうございます。~~~

文書にする場合は、以下のように「拝啓」「敬具」を使ってより丁寧な形式にすることが多いでしょう。

〇年〇月〇日

〇〇各位

株式会社〇〇

〇〇〇(タイトル)

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
~~~(本文)

敬具

5. 英語で「各位」はどう書く?

英語で「各位」を表現する場合、一般的には「To whom it may concern」が使用されます。これは、特定の宛先を持たない場合や、読む人物が不特定の場合に使われます。

【例文】

To whom it may concern, I am writing to inquire about the status of my application.
(各位、私の申し込み状況について問い合わせさせていただきます。)

そのほか、Dear Customer(お客様へ)、Dear Employees(従業員へ)、Dear All(グループの全員へ)といった表記もよく使用されます。

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6. 「各位」と同様に間違いやすい言葉

「各位」の他に、メールや手紙で間違いやすい言葉について以下の記事でご紹介していますので、併せてご覧ください。

「各位」は大勢に向けてお知らせしたいことがある場合に便利な宛名です。相手を敬う表現であるため、上司や取引先などにも使えます。

しかし、使い方を間違えやすい表現でもあるため、正しく使えるように意味をしっかりと理解しておく必要があります。本記事で解説した内容を参考に、相手やシーンによって適切な宛名を使用しましょう。

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