「わかりました」は敬語?正しい使い方やビジネスシーンでの言い換え方

ビジネススキル・マナー

「わかりました」は、物事に対して理解したことを表す敬語です。しかし「正しい敬語なのかな?」「ビジネスシーンではどのように言い換えたらいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、「わかりました」が持つ意味や、ビジネスシーンでの言い換え表現、間違えやすい敬語について解説します。

ビジネスシーンでのコミュニケーションで困ることのないようにしっかりと押さえておきましょう。

【関連記事】「【正しいビジネス敬語の使い方】間違いやすい言い回しや実例を紹介」

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1.「わかりました」は敬語?

「わかりました」は、「わかる」という動詞に丁寧語の「〜ます」を過去形にして、組みあわせた敬語です。

敬語のなかでも、相手を高めて敬意を表す「尊敬語」や、自分をへりくだって相手を敬う「謙譲語」とは異なり、言葉を丁寧にした表現である「丁寧語」にあたります。

丁寧語は、尊敬語や謙譲語ほど相手への敬意を大きく表せないため、ビジネスシーンでは「わかりました」の使用は避けることが多いです。

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【関連記事】「ビジネスメールの送り方について--シーン別の基本の書き方や例文も紹介」

2.「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の意味を理解しておこう

「敬語」は、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つに分類されており、それぞれの意味や、使い分けを理解しておくことが大切です。

敬語 役割
尊敬語 相手を高めて敬意を表す いらっしゃる・おっしゃる・なさる
謙譲語 自分をへりくだって敬意を表す 伺う・申す・参る・拝見する
丁寧語 丁寧な言葉で相手に敬意を表す です・ます・ございます

「わかりました」は、丁寧な言葉で相手に敬意を表す「丁寧語」にあたります。

なお、「尊敬語」と「謙譲語」は、敬意の度合いが高いため、ビジネスシーンやフォーマルなシーンで活用されることが多いです。

ビジネスで使う敬語を実例つきで下記記事にまとめていますので、より深く敬語について理解したい方は、チェックしてみてください。

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【関連記事】「ビジネスで使う敬語まとめ【若手が覚えておきたい実例つき】」

3.「わかりました」はビジネスシーンで使用しても良い?

前述でも説明したとおり、ビジネスシーンで「わかりました」を使用することは避ける場合が多いです。その理由としては、下記の3点が挙げられます。

● ほかの敬語(尊敬語・謙譲語)に比べて敬意の度合いが低いため
● 幼い印象を与えるため
● 複数の意味合いを持ち、依頼を引き受けてくれたのかどうか分かりづらいため

相手との関係性によっては不快感を与えてしまう可能性があるため、ビジネスシーンでの使用には気をつけましょう。

また、「わかりました」によく似た敬語に「了解しました」「了承しました」という表現もあります。

この表現は、立場が上の人が下の人へ使う際には問題ないものの、立場が下の人が目上の方に使う言葉としてはふさわしくないため注意が必要です。

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【関連記事】「【文例集付き】ビジネスで使えるお礼メールのマナーや書き方を紹介」

4.「わかりました」の言い換え

上司や取引先など目上の方に対して「わかりました」という言葉を使用するのはふさわしくない表現だと解説しました。しかし、どのように伝えると、失礼にあたらないのか迷う人も多いでしょう。

ここでは、目上の方にも使える「わかりました」の言い換え表現と、その使用例をご紹介します。

4.1.承知しました・承知いたしました

「承知しました」「承知いたしました」は、目上の方に対して使える表現です。

「承知」は、要求の本質を理解した上で、相手の意向や依頼を引き受けるという意味を持ちます。そのため聞き手側も安心感を得て、仕事を任せることができるでしょう。

なお、「承知いたしました」は、「承知する」の謙譲語表現ですので「承知しました」より丁寧な印象を与えます。ただ「承知しました」でも失礼にはあたらないので、使用しても問題はないです。
上司には「承知しました」、取引先には「承知いたしました」などと使い分けると良いかもしれません。

例文)

● ○○について承知いたしました。
● キャンセルとのこと、承知いたしました。

4.2.かしこまりました

「かしこまりました」は、上司や取引先など目上の方に対して使える表現です。

動詞の「かしこまる」と丁寧語である「ます」を過去形にして組み合わせた言葉になります。依頼や指示に対して承諾するときに適したフレーズです。

「かしこまる」は、「謹んで引き受ける」という意味合いを持つため、相手への高い敬意を表すことができます。

例文)

● ○○の件、かしこまりました。
● かしこまりました。すぐに対応いたします。

4.3.承りました

「承りました」は、謹んで聞く・謹んで引き受けるという意味合いを持つ表現です。「受ける・聞く・伝え聞く・引き受ける」という謙譲語に、丁寧語の「ます」を過去形にして組み合わせた言葉になります。

おもに、取引先からの要求を受け入れた際に使用することが多いです。また、社内で顧客の話をする際にも用いられるフレーズです。

例文)

● ご注文を承りました。
● ○○様のご要望を確かに承りました。
● ○○様から承ったのですが、~~(社内で取引先の話をする場合など)

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【関連記事】「【保存版】ビジネスメールの結び・締め言葉の基本マナーと例文集」

5.間違いやすい敬語を把握しておくことが大事

敬語は、相手への敬意を表現できるメリットがある一方で、使い方を間違えてしまうと失礼にあたるので注意が必要です。

ここでは、間違いやすい敬語を3つ厳選してご紹介します。円滑なコミュニケーションを図るために、ビジネス用語の意味と使い方を正しく理解しておきましょう。

5.1.「すいません」「すみません」

「すみません」は「すまない」の丁寧語です。「すいません」は「すみません」よりも発音しやすいことから、話し言葉として生まれました。

「すいません」と「すみません」は、相手への敬意が伝わりにくく、どちらもビジネスシーンではふさわしくない表現です。

上司や取引先に謝罪する際には、「申し訳ございません」などの丁寧な言葉を使用しましょう。

「すいません」「すみません」の使い方については下記記事で詳しく解説しています。

【関連記事】「「すいません」と「すみません」の正しい使い方-ビジネスシーンでの適切な使い方と注意点」

5.2.「なるほどです」

「なるほどです」は、ビジネスシーンでは避けた方がよい言葉です。「なるほど」という言葉は、相手への評価を含んでいるため、見下している印象を与えてしまいます。

「なるほど」というのは、感心している様子を表すときにも使用されます。感心は、尊敬とは違い、上司が部下に対して抱く感情に近いため、目上の方には使用しない方がよいでしょう。

また、「なるほど」に丁寧語である「です」を組み合わせても敬語にはなりません。「なるほどです」ではなく、「仰る通りです」「勉強になります」「承知いたしました」などに言い換えて正しい表現を使いましょう。

5.3.「よろしかったでしょうか」

「よろしかったでしょうか」は、「よろしい」を「よろしかった」と過去形にした表現のためシチュエーションによっては相応しくない場合があります

現在の確認事項を相手に質問する際には、「よろしいでしょうか」や、「構いませんか」「いかがでしょうか」などを使いましょう。

ただし、過去の事柄に対して確認する際には、「よろしかったでしょうか」という問いかけで間違いありません。

例えば、「本日は11時〜ご面談いただけるとのことでよろしかったでしょうか」など、相手がすでに承知している事柄であれば、正しい問いかけだといえます。

その他のビジネス用語について下記にまとめていますので、ぜひご覧ください。

【ビジネス用語一覧】よく使う用語集100選|意味を例文付きで紹介

6.「わかりました」と同様に間違いやすい言葉

「わかりました」の他に、メールや手紙で間違いやすい言葉について以下の記事でご紹介していますので、併せてご覧ください。

【関連記事】「【例文付き】「ご査収ください」の意味と正しい使い方--類語や言い換え方も解説」
【関連記事】「ビジネスメール「各位」の意味と正しい使い方を例文付きで解説」
【関連記事】「メールで「取り急ぎ」を使う際の3つの注意点|言い換えを例文で解説」
【関連記事】「【例文つき】「ご教授」「ご教示」の違いは? ビジネスでの使い分け方」
【関連記事】「【例文付き】「齟齬(そご)」の意味と使い方|類語と認識齟齬を防ぐ方法も解説」
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7.まとめ

「わかりました」は、「わかる」という動詞に丁寧語である「〜ます」を組み合わせた敬語です。

しかし相手への敬意を表しにくいため、ビジネスシーンでは、「承知いたしました」「かしこまりました」「承りました」の方が相応しい表現だといえます。

言葉の持つ意味合いを正しく理解して、シチュエーションに応じて使い分けることが大切です。ビジネス用語の意味や使い方を学び、「丁寧な言葉遣いができるビジネスパーソン」を目指しましょう。

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