「わかりました」は、物事に対して理解したことを表す敬語です。しかし「正しい敬語なのかな?」「ビジネスシーンにはふさわしくないのでは?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
より丁寧な表現としては、「承知しました」「かしこまりました」といった言葉を使うことができます。ビジネスシーンでは「わかりました」を避けてこのような言葉を使うことも多いです。
本記事では、「わかりました」が持つ意味や、ビジネスシーンでの言い換え表現、間違えやすい敬語について解説します。
【関連記事】「【面接で使う敬語一覧】間違えやすい5つのフレーズと印象アップのポイント」
【関連記事】「【正しいビジネス敬語の使い方】間違いやすい言い回しや実例を紹介」
【関連記事】「「仕事が合わない」と感じるのはなぜ?理由・対処法・転職活動のコツを解説」
「もしかしたら仕事頑張りすぎ!? 」... そんな方へ
\無料・登録不要/
『仕事どうする!? 診断』を受ける >
1. 「わかりました」は敬語?
「わかりました」は、「わかる」という動詞に丁寧語の「〜ます」を過去形にして、組みあわせた敬語です。
敬語のなかでも、言葉を丁寧にした表現である「丁寧語」にあたり、相手を高めて敬意を表す「尊敬語」や、自分をへりくだって相手を敬う「謙譲語」とは異なります。
そのため相手を敬う意は尊敬語ほど強くはありませんが、ものごとを丁寧に表現することができる言葉です。
【関連記事】「【例文】ビジネスメールの基本!書き方や返信の仕方を解説」
【関連記事】「【例文あり】面接日程メールの返信マナー|調整が必要な場合の書き方も解説」
「一人で転職活動をするのは不安...」という方は、無料で相談できる転職エージェント『マイナビエージェント』にご相談ください。
2.「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の意味を理解しておこう
「敬語」は、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つに分類されており、それぞれの意味や、使い分け方について理解しておくことが大切です。
種類 | 役割 | 例 |
---|---|---|
尊敬語 | 相手を高めて敬意を表す | いらっしゃる・おっしゃる・なさる |
謙譲語 | 自分をへりくだって敬意を表す | 伺う・申す・参る・拝見する |
丁寧語 | 丁寧な言葉で相手に敬意を表す | です・ます・ございます |
「わかりました」は、上述したように丁寧な言葉で相手に敬意を表す「丁寧語」にあたります。
なお、「尊敬語」と「謙譲語」は、敬意の度合いが高いため、ビジネスシーンやフォーマルなシーンで活用されることが多いです。
【関連記事】「【職務経歴書】短期離職の書き方|退職理由の伝え方や例文も紹介」
【離職中の方限定】今すぐ転職したい!最短で転職するための「無料個別相談会」
【在宅勤務可の求人はこちら】
3.「わかりました」はビジネスシーンで使用しても良い?
ビジネスシーンでは、「わかりました」を使用することは避ける場合が多いです。その理由としては、下記の3点が挙げられます。
● ほかの敬語(尊敬語・謙譲語)に比べて敬意の度合いが低いため
● 幼い印象を与えるため
● 複数の意味合いを持ち、依頼を引き受けてくれたのかどうか分かりづらいため
相手との関係性によっては不快感を与えてしまう可能性があるため、対面や電話、メールやチャットでも、「わかりました」「分かりました」の使用には気をつけましょう。
【関連記事】「【例文】ビジネスシーン別お礼メールの書き方や使えるフレーズ集を紹介
【関連記事】「面接の基本マナーとは?事前準備からの流れ&ポイントとNG行動を解説」
【離職中の方限定】今すぐ転職したい!最短で転職するための「無料個別相談会」
【年収500万円以上の求人はこちら】
4.「わかりました」の言い換え
上司や取引先など目上の方に対して「わかりました」という言葉を使用するのはふさわしくないことが多いと解説しましたが、どのように伝えれば失礼にあたらないのか迷う人も多いでしょう。
ここでは、目上の方にも使える「わかりました」の言い換え表現と、その使用例をご紹介します。
4.1.承知しました・承知いたしました
「承知しました」「承知いたしました」は、目上の方に対して使える表現です。
「承知」は、要求の本質を理解した上で、相手の意向や依頼を引き受けるという意味を持ちます。そのため聞き手側も安心感を持って仕事を任せることができるでしょう。
なお、「承知いたしました」は、「承知する」の謙譲語表現ですので「承知しました」より丁寧な印象を与えます。ただ「承知しました」でも失礼にはあたらないので、使用しても問題はないです。
上司には「承知しました」、取引先には「承知いたしました」などと使い分けると良いかもしれません。
例文)
● ○○について承知いたしました。
● キャンセルとのこと、承知いたしました。
4.2.かしこまりました
「かしこまりました」は、上司や取引先など目上の方に対して使える表現です。
動詞の「かしこまる」と丁寧語である「ます」を過去形にして組み合わせた言葉になります。依頼や指示に対して承諾するときに適したフレーズです。
「かしこまる」は、「謹んで引き受ける」という意味合いを持つため、相手への高い敬意を表すことができます。
例文)
● ○○の件、かしこまりました。
● かしこまりました。すぐに対応いたします。
4.3.承りました
「承りました」は、謹んで聞く・謹んで引き受けるという意味合いを持つ表現です。「受ける・聞く・伝え聞く・引き受ける」という意味の謙譲語に、丁寧語の「ます」を過去形にして組み合わせた言葉になります。
おもに、取引先からの要求を受け入れた際に使用することが多いです。また、社内で顧客の話をする際にも用いられるフレーズです。
例文)
● ご注文を承りました。
● ○○様のご要望を確かに承りました。
● ○○様から承ったのですが、~~(社内で取引先の話をする場合など)
【関連記事】「【例文集】ビジネスメールの締めの言葉はどう書く?シーン別、季節別の例文を紹介!
【関連記事】「転職での年収アップの相場は?交渉のポイントや年収アップしやすい人の特徴を解説」
【テーマ別】平均年収ランキング
【年収600万円以上の求人はこちら】
5. 「わかりました」を使っても良いシーン
「わかりました」はビジネスシーンでは避けられることが多い表現ですが、場合によっては使って良い場面もあります。例えば、以下のような場合です。
● 親しい先輩と話すとき
● 同期など年次の近い人と話すとき
● 後輩と話すとき
また、目上の人であっても、学校の先生に対して子どもが使う場合には使っても問題ないとされています。
相手との関係性や職場の雰囲気によっては、アルバイト先の店長や先輩に対して「わかりました」と言っても違和感がないこともあるでしょう。
【関連記事】「転職のタイミングは何月がベスト?年齢・状況別の見極めポイントも解説」
【関連記事】「転職前にボーナス(賞与)をもらうには?退職のタイミングやスケジュール」
6. 「了解しました」「了承しました」は使える?
「わかりました」によく似た意味の敬語に「了解しました」「了承しました」という表現もあります。「了解」は理解して納得すること、「了承」は納得して受け入れる(承認する)ことを指します。
これらも丁寧語ではあるものの、一般的には「わかりました」と同じようにビジネスシーンで目上の人に対して使うべきではないとされています。「了解」「了承」の意味から考えても、「了解」はほぼ同等、「了承」はやや上から目線のニュアンスを感じてしまう人もいるでしょう。
立場が上の人が下の人へ、また同等程度の立場の人やカジュアルな関係性の人へ使うには問題ないものの、立場が下の人が目上の方に使う言葉としてはふさわしくないことが多いため注意が必要です。
【関連記事】「職務経歴書はExcel(エクセル)で書く! 書くべき内容とテンプレートを紹介」
7. 「わかりました」「了解しました」の英語表現
海外と取引がある場合や同僚に外国人がいる場合は英語でやりとりすることもあるでしょう。英語で「わかった」「理解した」と伝えたい場合、どのような言葉が使えるのでしょうか。
- I understand.(理解しました)
- Certainly.(承知しました)
- I see.(なるほど/わかりました)
- Of course.(もちろんです/かしこまりました)
- Absolutely.(かしこまりました/確かに承りました)
- We have approved your request.(ご依頼を承りました)
- I acknowledge the schedule.(スケジュールについて了解しました)
- I'm on it.(すぐに対応します)
- Sure.(もちろんです/了解です)
- OK.(わかった/わかりました)
- All right.(了解/了解です)
- I got it.(わかった/了解)
かしこまった場面では、「Certainly」や「Of course」などがシンプルな表現としてよく使われます。カジュアルな場面では「OK」「All right」「I got it」などを使うのが良いでしょう。
なお、上記では簡単な日本語訳も添えましたが、英語のニュアンスをしっかり理解したうえで使うことが大切です。
【関連記事】「転職先の選び方のポイントは?自分の希望する条件を叶えるためにやるべきことを解説します」
【IT・Web職種への転職をご希望の方はこちら】
8. その他の間違いやすい敬語3選
敬語は、相手への敬意を表現できるメリットがある一方で、使い方を間違えてしまうと失礼にあたるので注意が必要です。
ここでは、間違いやすい敬語を3つ厳選してご紹介します。円滑なコミュニケーションを図るために、「わかりました」と併せて意味と使い方を正しく理解しておきましょう。
8.1. 「すいません」「すみません」
「すみません」は「すまない」の丁寧語です。「すいません」は「すみません」よりも発音しやすいことから、話し言葉として生まれました。
「すいません」と「すみません」は、相手への敬意が伝わりにくく、どちらもビジネスシーンではふさわしくない表現です。
上司や取引先に謝罪する際には、「申し訳ございません」などの丁寧な言葉を使用しましょう。
「すいません」「すみません」の使い方については下記記事で詳しく解説しています。
【関連記事】「「すいません」と「すみません」の正しい使い方-ビジネス活用例や注意点」
8.2. 「なるほどです」
「なるほどです」は、ビジネスシーンでは避けた方がよい言葉です。「なるほど」という言葉は、相手への評価を含んでいるため、見下している印象を与えてしまいます。
「なるほど」というのは、感心している様子を表すときにも使用されます。感心は尊敬とは違い、上司が部下に対して抱く感情に近いため、目上の方には使用しない方がよいでしょう。
また、「なるほど」に丁寧語である「です」を組み合わせても敬語にはなりません。「なるほどです」ではなく、「仰る通りです」「勉強になります」「承知いたしました」などに言い換えると良いでしょう。
8.3. 「よろしかったでしょうか」
「よろしかったでしょうか」は、「よろしい」を「よろしかった」と過去形にした表現のためシチュエーションによっては相応しくない場合があります。
現在の確認事項を相手に質問する際には、「よろしいでしょうか」「構いませんか」「いかがでしょうか」などを使いましょう。
ただし、過去の事柄に対して確認する際には、「よろしかったでしょうか」という問いかけで間違いありません。
例えば、「本日は11時〜ご面談いただけるとのことでよろしかったでしょうか」など、相手がすでに承知している事柄であれば、正しい問いかけだといえます。
その他のビジネス用語について下記にまとめていますので、ぜひご覧ください。
【関連記事】「【ビジネス用語一覧】厳選110選|基本をマスターするための例文も紹介」
9. ビジネスシーンで役立つ!気をつけたい言葉遣い
上記で解説した他に、ビジネスシーンで気をつけたい言葉遣いについて以下の記事でご紹介していますので、併せてご覧ください。
【関連記事】「【例文付き】「ご査収ください」の意味と正しい使い方--類語や言い換え方も解説」
【関連記事】「【例文付き】「各位」の意味と正しい使い方とは?社内・社外向け利用シーンや注意点を解説」
【関連記事】「「取り急ぎ」の意味とは?メールで使う際の3つの注意点・言い換えを例文で解説」
【関連記事】「【例文つき】「ご教示」の意味とは?「ご教授」との違いや使い方も解説」
【関連記事】「【例文付き】「齟齬(そご)」の意味と使い方、"相違"との違いとは?」
【関連記事】「【貴社と御社】メール・履歴書ではどちらを使う? 使い分け方を解説」
【関連記事】「「御中」の正しい使い方は? 「行」の消し方や「様」「各位」との違いも解説」
【関連記事】「「すいません」と「すみません」の正しい使い方-ビジネス活用例や注意点」
【関連記事】「【例文付き】「ご自愛ください」の意味は?シーン別の使い方と注意点を解説」
【関連記事】「「承知いたしました」の使い方を紹介!正しい意味やメール例文も」
【関連記事】「「了解しました」は上司に失礼?正しい使い方や言い換え表現を紹介!」
【関連記事】「「僭越ながら」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方や類語を紹介」
【関連記事】「「拝受」の意味とは?ビジネスメールの例文や言い換え表現を解説」
【関連記事】「「大丈夫です」を敬語で言い換えるには?目上の人にも使えるビジネスメールの例文も紹介!」
【関連記事】「「当社」と「弊社」の違いは?正しい使い方とメールの例文を紹介」
【関連記事】「「させていただく」を正しく使うには?二重敬語や言い換えについて解説」
【関連記事】「「ご容赦ください」の意味は?正しい使い方や言い換え方法を解説」
【関連記事】「とんでもございません」を目上や上司に使うには?例文や言い換えも解説」
履歴書・職務経歴書などの書類作成は
キャリアアドバイザーがサポートします
マイナビエージェントについて詳しく知る >
【マイナビエージェントのご利用方法はこちら】
10. まとめ
「わかりました」は、「わかる」という動詞に丁寧語である「〜ます」を組み合わせた敬語です。
しかし相手への敬意を表す度合いは低いため、ビジネスシーンでは、「承知いたしました」「かしこまりました」「承りました」の方が相応しい表現としてよく使われます。
言葉の持つ意味合いを正しく理解して、シチュエーションに応じて使い分けることが大切です。ビジネス用語の意味や使い方を学び、「丁寧な言葉遣いができるビジネスパーソン」を目指しましょう。
\面接対策も/
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける