「受け取った」ことを意味する「拝受」は、ビジネスシーンでよく使用される言葉です。しかし、プライベートで使用することは少ないため、言葉の意味や正しい使い方をしっかり把握していない方が多いかもしれません。
拝受はへりくだった表現である謙譲語で、相手に敬意を示すことができます。本記事では「拝受」の意味や実際の使い方、言い換え表現などについて詳しく解説します。
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1. 「拝受」とは
ビジネスシーンなどにおいて、何かを受け取ったときに使用するのが「拝受」という言葉です。ここではまず、「拝受」の意味と使用シーンについて解説します。似た意味を持つ「受領」との違いも確認しておきましょう。
1.1. 「拝受」の読み方と意味
「拝受」は「はいじゅ」と読みます。「拝」は「おがむ、おじぎをする、敬意を表する」という意味があることから、「拝受」は「受け取る」をへりくだって表した謙譲表現です。
1.2. 「拝受」を使うシーン
先述の通り「拝受」は謙譲表現であり、自分がへりくだることで相手に敬意を示します。そのため、取引先や上司など目上の人に対して使用します。
取引先からのメールや荷物を受け取ったとき、上司から重要な書類を渡されたときなど、目上の人から何かを受け取ったときに使用すると、相手に丁寧な印象を与えられます。
1.3. 「受領」との違いは?
ビジネスシーンで何かを受け取った際、「受領」という言葉もよく使われます。「領」には「重要なもの」という意味があり、「受領」は「お金や物品を受け取った」という意味です。
「拝受」が相手を敬う敬語表現であるのに対して、「受領」には敬語的要素はありません。そのため、同僚や部下が相手であれば「受領しました」が適しています。目上の人に使う場合は、「拝受しました」もしくは謙譲語の「いたす」を加えた「受領いたしました」を使用しましょう。
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2. 「拝受」を使用した例文
ここでは、シーン別に「拝受」を使用した例文を紹介します。「拝受」はメールや荷物を受け取ったとき、受け取ったことのお礼を伝えたいときなどに適しています。
2.1. メールを受け取ったことを伝えるとき
取引先や上司からビジネスメールが送られてきた際、「確かに受け取って内容を確認しました」という意味を込めて「拝受」を使用します。
- メールを拝受しました。お忙しい中ありがとうございました。
- メールを拝受しました。画像も添付していただきありがとうございました。
2.2. 資料や荷物を受け取ったことを伝えるとき
資料や荷物を受け取った際も「拝受」を使用することで、相手への敬意の気持ちを示すことができます。
- ○○様より会議の資料を拝受しました。次回までに準備を進めます。
- 先程サンプルを拝受しました。早々にご対応いただきありがとうございました。
2.3. 取り急ぎ、受け取ったことを伝えたいとき
詳しい内容は後で連絡するとして、取り急ぎ受け取ったことを相手に伝えたいときも、「拝受」を使用すれば丁寧な印象になります。
- まずは拝受の御礼までにご連絡申し上げます。
- 資料は無事到着しております。お忙しいところありがとうございました。まずは拝受のご連絡のみにて失礼いたします。
2.4. 「ご査収ください」に対して返信するとき
後述しますが、相手に受け取ってほしいことを丁寧にお願いする際には「ご査収ください」という言葉を使います。「ご査収ください」として送られてきたメールに返信する際も、「拝受」を使って応えます。
- 見積書について、確かに拝受いたしました。
- 提案書を拝受いたしました。内容を確認し、改めてご連絡いたします。
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3. 「拝受」を使用する際の注意ポイント
会話やメールで「拝受」を使用する際は、マナー違反とならないよう以下の点に注意しましょう。
3.1. 上司や目上の人に対してのみ使用する
「拝受」は相手を敬う敬語表現であり、かなり丁寧な言い回しと言えます。そのため、立場が近い先輩や同僚、部下に対して使用するのは不適切です。「拝受」は自分より立場が上の上司や取引先に対してのみ使用しましょう。
目下の人に受けとったことを伝えたい場合、「受領しました」や「受け取りました」「確かに受け取りました」などを使います。
3.2. 「拝受いたしました」は二重敬語とされることもある
「拝受しました」という言葉を、さらに謙譲表現にした「拝受いたしました」という言い方は、二重敬語にあたるのではないかという懸念があります。
二重敬語とは、「ご利用になられる」など二つの敬語を重複して使用することで、言葉としては不適切な表現です。
確かに敬語表現である「拝受」と、「しました」の謙譲語である「いたしました」を組み合わせた「拝受いたしました」は二重敬語であると言えます。
しかし、実社会では頻繁に使用されている表現でもあり、近年は違和感を感じる人も少ないことから、必ずしも間違いとは言い切れません。とはいえ、誤用と思われるのが心配という方は、「拝受しました」を使用するのが賢明です。
3.3. 「ご拝受ください」は誤った使い方
相手に受け取りを依頼する際、「ご拝受ください」と言うのは誤りです。そもそも「拝受」は自分をへりくだって表す謙譲語なので、主語は自分や身内であり、相手の行為に対しては使用できません。
この場合は、「お受け取りください」「お受け取り願います」といった言葉を使用しましょう。
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4. 「拝受」の言い換え表現・類語
目上の人から何かを受け取る際の表現としては、「拝受」のほかにもさまざまなものがあります。ここでは、「拝受」の類語と使用例をいくつか紹介します。
4.1. 「頂戴」
「頂戴(ちょうだい)」はメールや荷物だけでなく、意見・心遣い・時間など形のないものを受け取った際にも使用できる言葉です。
- たくさんのご意見を頂戴しました。
- 過分なお心遣いを頂戴し、深く感謝いたします。
4.2. 「拝領」
「領」には「重要なもの」という意味があり、「拝領(はいりょう)」は「目上の人から重要なものを受け取る」という意味です。古い表現かつ、堅苦しい印象の言葉なので、使用頻度は高くありません。
- 本日記念品を拝領しました。
- 〇〇さんより拝領したものです。
4.3. 「いただく」
「いただく」は「もらう」の謙譲語で、日常生活でも頻繁に使用されます。「拝受」よりもフランクな印象ですが、目上の人に対して使用しても問題ありません。
- 〇〇さんからお土産をいただきました。
- 本日お電話をいただきました。
4.4. 「賜る」
「賜る(たまわる)」も「もらう」の謙譲語であり、目上の人に対して使う言葉です。ものだけでなく、意見や気持ちを受け取った際にも使用できます。
- 〇〇さんより貴重なご意見を賜りました。
- 平素は格別のご高配を賜り、厚く感謝申し上げます。
4.5. 「査収」
「査収(さしゅう)」には「大切なものを調査して受け取る」という意味があるため、相手に「受け取って中身をよく確認してください。」という気持ちを伝えられます。相手に受け取りを促す際、「ご査収ください」といった形で使用します。
- 案内を送付いたしましたので、ご査収のほどよろしくお願いいたします。
- 資料を同封いたしますので、ご査収くださいませ。
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5. 「拝受しました」を英語で言うときは?
ビジネスにおいて海外の取引先や同僚の外国人などと、英語でやりとりしなければならない場面もあるでしょう。「拝受しました」ということを英語で伝えたいときは、以下のような表現が使えます。
- I acknowledge receipt of ~
- I have received ~
- It has been received.
「acknowledge」には「認める」「承認する」のほかに「受け取ったことを知らせる」「感謝する」といった意味もあり、ビジネスシーンでも丁寧な表現として使われます。
「I have received〜」は最も一般的な表現で、シーンを問わず幅広く使えます。「Thank you for your letter/email.」といった言葉を前に付け加えるとより丁寧な印象になります。
よりフォーマルで堅い表現としては、「It has been received」もあります。特にビジネス文書や公式な通知で使用されることが多く、「It has been received and will be processed shortly.」のようにシステム上の通知などにも使われます。
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6. 「拝受しました」のメールには返信すべき?
自分から何かを送付し「拝受しました」というお礼のメールが来た場合、返信した方がいいのか、それとも何もせずやり取りを終わらせていいのか、迷う方もいるかもしれません。
一般的には、「お忙しい中ご連絡をいただきありがとうございました。」など、感謝の気持ちを返信しておくと、より丁寧な印象になります。
- ご連絡いただきありがとうございます。ご不明点などありましたらお気軽にご連絡ください。
- ご丁寧にありがとうございます。当日お会いできるのを楽しみにしております。
ただし必須ではないため、相手との関係性によっては返信しなくても問題ありません。何度もやり取りすることを煩わしいと感じる方もいるので、相手によって臨機応変に対応しましょう。
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7. 「拝受」と同様に間違いやすい言葉
「拝受」の他に、ビジネスシーンで間違いやすい言葉について以下の記事でご紹介していますので、併せてご覧ください。
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8. まとめ
「拝受」は「受け取った」ことを示す謙譲表現です。プライベートではあまり使用されませんが、ビジネスシーンにおいて活用すれば、「丁寧でマナーのしっかりした人」という印象を与えられます。
ただし、使用する際は相手や使い方に注意しなければなりません。同じような意味を持つ類語もいくつかあるので、適切な言葉を使い分けることが大切です。
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