「了解しました」は正しい敬語?「承知いたしました」との違いとは

ビジネススキル・マナー

「了解しました」は、ビジネスシーンにおいて上司などからの指示があった場合に使用するイメージがありますが、敬語として正しいのでしょうか。使い方を間違えると失礼な印象を持たれてしまいます。
この記事では、「了解しました」の正しい使い方について、意味や間違った使い方、「承知いたしました」との違い、「了解しました」に代わる言い換えの表現などを紹介します。

【関連記事】「【正しいビジネス敬語の使い方】間違いやすい言い回しや実例を紹介」

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1 「了解しました」は正しい表現?

「わかりました」の丁寧語として使用される「了解しました」は、そもそも敬語として正しい表現なのでしょうか?ここでは、意味や上司への使い方などを解説します。

1.1 「了解しました」の意味とは

「了解」という言葉には、「事情を納得する」「理解する」などの意味があります。「了解しました」は、「了解」の過去形である「了解した」の丁寧語です。「了解した」よりも丁寧な言い方として使用します。

1.2 「了解しました」は謙譲語ではなく丁寧語

「了解しました」は謙譲語であると誤解されがちですが、謙譲語では「了解いたしました」となるため、「了解しました」は丁寧語に属します。なお、尊敬語では相手目線に立つため「ご了解くださいました」となります。

1.3 「了解しました」を上司に使うのはNG

「了解しました」をビジネスシーンで使用するのはおすすめしません。「了解しました」は同僚や年下に対する言葉です。取引先や上司などの目上の人に対して「了解しました」を使用すると、「失礼な人」という印象を持たれてしまいます。使い所には注意しましょう。

1.4 「了解いたしました」なら上司にも使える?

謙譲語である「了解いたしました」は「了解しました」よりも丁寧な印象がありますが、上司や目上の人に使用してもいいのでしょうか。そもそも「する」の謙譲語が「いたす」なので、敬語として目上の人に使用するのは間違いではありません。

しかし、「了解しました」が目上の人には失礼な言い方、というのが広く認知されていることで、「了解いたしました」も失礼と感じてしまう人が多いようです

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2 目上の人には「承知いたしました」を使う

「了解いたしました」が失礼な言い方ではないにしろ、人によっては気分を害しかねません。上司や目上の人には、「承知いたしました」を使用するのが無難です。

2.1 「承知いたしました」の意味とは

「承知」という言葉には、「依頼・要求などを聞き入れること」「事情などを知ること、わかっていること」などの意味があります。これに謙譲語の「いたす」と、丁寧語の「ました」が加わることでとても丁寧な表現となり、上司や目上の人に使用できます

【関連記事】「「承知いたしました」は正しい使い方?例文や言い換え方法を解説!」

2.2 「了解しました」と「承知いたしました」の違い

「了解しました」も「承知いたしました」も、どちらも「わかった」という意味です。「了解」は「理解する、納得する」という意味合いであり、「承知」は「知る、承る」の意味合いであるため、「承知」の方が相手の意見を受け入れる謙譲的な表現となります。

そのため、目上の人や上司に対しては、「あなたの意見を承りました」という意味の「承知いたしました」の方が好印象を与えるでしょう。

2.3 「承知いたしました」を同僚や目下の人に使うのはNG

前述の通り、「承知いたしました」はとても丁寧な謙譲表現であるため、同僚や目下の人に対しては使用しません。丁寧な印象にはなりますが、対等な関係性を築く上ではかなり他人行儀な表現です。

この場合、「了解しました」「了解です」などの方が一般的であり、カジュアルな印象になります。

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3 「了解しました」と「承知いたしました」の使い方

ここでは、「了解しました」と「承知いたしました」の具体的な使い方について、例文を交えて紹介します。

3.1 「了解しました」の使い方:同僚・目下の人へのメール例文

同僚や目下の人に送る、「了解しました」を使用したメールの例文は以下の通りです。

「〇〇の件ついて了解しました。具体的なことについてはまた相談させてください。」
「今日の会議は15時ですね。了解しました。」
了解しました。ではそのスケジュール通りに進めましょう。」

3.2「承知いたしました」の使い方:上司・目上の人へのメール例文

上司や取引先、目上の人に送る「承知いたしました」を使用したメールの例文は以下の通りです。

「ご要望の件、確かに承知いたしました。」
「資料送付の件、承知いたしました。」
承知いたしました。そのように担当の者に申し伝えます。」

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4 「了解です」「承知です」は上司に使ってもいい?

「了解です」も「了解しました」と同様に、上司に使用するのは避けた方が無難です。また、「承知です」も悪い表現ではありませんが、カジュアル感が強くなってしまうため、「承知いたしました」を使用しましょう。

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5 「了解しました」の言い換え方法

ここでは、「了解しました」に代わる言い換えの表現である、「かしこまりました」「わかりました」「了承しました」について紹介していきます。

5.1 「かしこまりました」

「かしこまる」という言葉は、身分が高い人や目上の人に対して敬意を示すことを指すため、「了解」や「承知」よりも相手を敬う意味が強くなります。「かしこまりました」は「わかりました」の謙譲語であり、「わかった」という意味ではとても丁寧な表現です。

5.2 「わかりました」

「わかる」の丁寧語であり、敬意の度合いでいえば「了解しました」と同等と捉えられます。かなりカジュアルな印象なので、同僚や目下の人、または年齢の近い先輩などに使用するのがおすすめです。

【関連記事】「「わかりました」は敬語?正しい使い方やビジネスシーンでの言い換え方」

5.3 「了承しました」

「了承」は「納得して聞き入れる」という意味があるため、「それで構わない」というニュアンスになります。そのため、「了承しました」は敬意の度合いとしては「わかりました」などと同等であり、目上の人や上司に対しては使用しない方がいいでしょう。

6 英語で「了解しました」はどう表現する?

グローバルな場面において、取引先や上司に対して英語で「了解しました」と伝える場合はどういう表現になるのでしょうか?ここでは、カジュアル・ビジネスシーンに分けて例文を紹介します。

6.1 カジュアルなシーンで使う場合

カジュアルなシーンで使用する「了解しました」には、「OK」「Sure」「All right」「I got it」「No problem」などが当てはまります。文章としては以下のように使用します。

OK, I will complete the report by tomorrow./了解しました。明日までにレポートを完成させます。」
I got it, we will update the client about the progress./わかりました。進捗状況をクライアントに報告します。」
Can you give me coffee?/コーヒーを入れてくれませんか?」「No problem./もちろんです。」

6.2 ビジネスシーンで使う場合

ビジネスシーンで使用する「了解しました」には、「Of course」「Noted」「I understand」「I'm on it」「Certainly」などが当てはまります。文章としては以下のように使用します。

Well noted with many thanks./承知いたしました、ありがとうございます。」
Could you prep for tomorrow's presentation?/明日のプレゼンテーションの準備をお願いできますか?」「Certainly./かしこまりました。」
Could you please report this situation to the IT department immediately?/この状況をIT部にすぐに報告してもらえますか?」「I'm on it./承知しました。」

7 「了解しました」と同様に間違いやすい言葉

「了解しました」の他に、メールや手紙で間違いやすい言葉について以下の記事でご紹介していますので、併せてご覧ください。

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8 まとめ

この記事では、「了解しました」の意味や使い方、英語表現について紹介しました。「わかった、了解」の丁寧語である「了解しました」には、相手を敬う意味合いは多く含まれていないため、上司や目上の人には「承知いたしました」を使用するのが無難です。

また、状況にあわせて「かしこまりました」などを使用することでより丁寧な印象になります。正しい敬語を知ることで、円滑なコミュニケーションが図れるでしょう。

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