「大丈夫です」という言葉は、敬語表現にはあたらないとされています。また、肯定にも否定にも取れる曖昧な表現です。そのため、「大丈夫です」を敬語で言い換える場合は、自分の意志を正確に伝えられる表現を選ばなければなりません。
本記事では、「大丈夫です」の意味を解説した上で、ビジネスシーンなどで使える「大丈夫です」の言い換え方法を紹介します。
【関連記事】「【面接で使う敬語一覧】間違えやすい5つのフレーズと印象アップのポイント」
【関連記事】「【正しいビジネス敬語の使い方】間違いやすい言い回しや実例を紹介」
【関連記事】「「仕事が合わない」と感じるのはなぜ?理由・対処法・転職活動のコツを解説」
「もしかしたら仕事頑張りすぎ!? 」... そんな方へ
\無料・登録不要/
『仕事どうする!? 診断』を受ける >
1. 「大丈夫です」は敬語として使える?
日常生活において、「大丈夫です」はよく使用される言葉です。「です」とついていますので丁寧な言い方ではありますが、敬語表現ではないとされています。また、ビジネスシーンなどフォーマルな場面で使うには、曖昧で正確性に欠ける表現です。
敬語で「大丈夫です」と言いたいときには、こちらの意図がより明確に伝わる表現を使う必要があるでしょう。ここでは、まず「大丈夫です」の意味について解説します。
1.1. 「大丈夫」の本来の意味
「大丈夫」は本来、「しっかりしていて危なげのないさま」「間違いがなく確かなさま」という意味を持つ言葉です。
「安心できる」「心配がない」というニュアンスを含んでおり、「あの人に任せておけば大丈夫」「時間はたっぶりあるから大丈夫」のような使い方は、本来の意味に即した使い方だと言えるでしょう。
しかし、以下で紹介するように、この意味が拡大して現代ではさまざまな意味で「大丈夫です」が使われるようになっています。
1.2. 「大丈夫です」には主に3つの意味がある
現代の会話の中で「大丈夫です」を使う場合、使う場面により大きく分けて以下の3つの意味を持ちます。
①肯定的な意味
相手の提案を承諾したり、依頼を受け入れたりする際には、肯定的な意味で使用されます。例えば、「この計画でいいですか?」と問われた際、問題ない場合は「大丈夫です」と返答します。
②否定的な意味
誘いを断りたいときや、欲しくないものを勧められたときは、否定的な意味で使用されます。例えば、「〇〇の会があるのですが出席しませんか?」と誘われた際、「出席しません」と言うのは角が立つため、「私は大丈夫です」と返答して断りの意思を示します。
③気遣いを示す意味
相手に過度な心配を掛けないようにするため、気遣いを示す意味で使用されることもあります。例えば、相手がミスをして謝罪をしてきた場合、「大丈夫ですよ」と返答すれば相手を安心させられます。相手が自分の体調を気遣って声掛けしてくれた際も同様です。
【関連記事】「【例文】ビジネスメールの基本!書き方や返信の仕方を解説」
【関連記事】「転職のタイミングは何月がベスト?年齢・状況別の見極めポイントも解説」
「一人で転職活動をするのは不安...」という方は、無料で相談できる転職エージェント『マイナビエージェント』にご相談ください。
2. 「大丈夫です」を敬語に言い換えると?
上述した通り「大丈夫です」は複数の意味で使われるので、敬語に言い換える際にはそのときの発言の意図に合わせて明確な表現を選ぶことが重要です。ここでは、意味別に敬語への言い換え表現を紹介します。
2.1. 承諾するとき
提案や依頼を承諾するときの敬語には、以下のようなものがあります。
- 問題ありません
- 問題ございません
- 異存はございません
- 承知いたしました
- かしこまりました
内容に問題ないことを示したり、承知したことがわかる表現を使用したりすると、提案した相手も安心できます。
【関連記事】「「承知いたしました」の使い方を紹介!正しい意味やメール例文も」
2.2. 可能だと伝えるとき
肯定的な意味の1つとして、「可能である」「できる」の意図で「大丈夫です」を使うこともあります。敬語に言い換える場合は、以下のような表現になります。
- 可能です
- 可能でございます
- ~いたします
- ~いただけます
「可能」を使うときは、「参加可能です」「対応可能でございます」など、何が可能かを付け加えるとさらに明確になるでしょう。また、こちらができる場合は「〜いたします」、相手ができる場合は「〜いただけます」なども使えます。
2.3. 断るとき
誘いや勧めを断るときの敬語には、以下のようなものがあります。
- 必要ありません
- 必要ございません
- 遠慮します
- 対応いたしかねます
- 見送らせていただきます
断るときは失礼にあたらないようにと、つい遠まわしな言い方をしがちですが、誤解を生まないようにわかりやすく断りの意思を伝えることが大切です。少し強い言葉だと感じる場合は、「たいへん申し訳ありませんが」などの前置きをするといいでしょう。
2.4. 相手を気遣うとき
謝罪や心配をされた際、気にしないように伝えるときの敬語には、以下のようなものがあります。
- お気になさらないでください
- 何も問題ございません
「気にしないで」という表現は、「関わらないで欲しい」というニュアンスで捉えられることもあります。冷たく突き放した印象を持たれないために、「お気遣いに感謝申し上げます。どうぞお気になさらないでください。」など、お礼の一言を添えるといいでしょう。
【関連記事】「【例文付き】月ごとの時候の挨拶・結びの挨拶一覧!注意点やコツも解説」
【離職中の方限定】今すぐ転職したい!最短で転職するための「無料個別相談会」
【在宅勤務可の求人はこちら】
3. 「大丈夫です」を敬語で言い換える際の例文
ここからは具体的な例文を挙げて、「大丈夫です」を敬語に言い換える際の使用方法を紹介します。ビジネスシーンでの会話やメールにおいてよくある場面別に見ていきましょう。
3.1. 取引先からの提案を受け入れる場合
取引先から仕事の提案を受けれる場合の言い換えには、以下のようなものがあります。
- いただいた内容で問題ありません。
- 〇〇さんの見解に異存はございません。
- ご提案の件、承知いたしました。
3.2. 日程の調整で出席可能なことを伝える場合
会議や打ち合わせの日程調整の際は、出席可能か不可能かを明確に示しましょう。具体例は以下の通りです。
- 〇日であれば出席可能です。
- そちらの日程で問題ございません。
3.3. 誘いや提案を断りたい場合
上司からの誘いや取引先からの提案を断るのは、なかなか難しいことです。しかし、誤解を生まないために、謝罪の言葉を添えてしっかり意思表示をしましょう。
- 申し訳ございませんが、今回は見送らせていただきます。
- お気持ちはたいへん嬉しいのですが、今回は遠慮しておきます。
3.4. 体調を気遣ってもらった場合
体調を崩した際に気遣いの言葉をもらったら、「大丈夫です」という言葉とともに、感謝の気持ちや具体的な症状を伝えると、より丁寧な印象を与えられます。
- お気遣いに感謝いたします。どうぞお気になさらないでください。
- おかげさまで熱もすっかり下がりました。どうぞお気になさらないでください。
3.5. 謝罪された場合
相手のミスにより謝罪を受けた場合、相手を安心させる言葉を掛けてあげれば、今後の関係もより良好なものになるでしょう。
- こちらも確認不足があり申し訳ございません。どうぞお気になさらないでください。
- 弊社としてはこのままでも全く問題ございません。
【関連記事】「"転職活動に役立つメールの書き方"おすすめ記事6選! 活動フェーズごとに紹介」
【関連記事】「面接結果が遅いと不採用?来ない場合の対処法について解説します」
履歴書・職務経歴書などの書類作成は
キャリアアドバイザーがサポートします
マイナビエージェントについて詳しく知る >
4. 「大丈夫です」を言い換える際の注意点
「大丈夫です」にはさまざまなニュアンスがあり、それに伴って敬語への言い換え方も多くの種類があります。「大丈夫です」の敬語を使う際は以下の点に注意しましょう。
4.1. 曖昧な表現だと誤解を招く恐れがある
「大丈夫です」を曖昧な表現で言い換えると、誤解される恐れがあります。例えば、「自分は断ったつもりでいたのに、上司には承諾したと思われていた」など、意思とは真逆の解釈をされてしまうこともあります。
ビジネスシーンでは大きな損害に繋がる可能性もあるため、曖昧な表現は避けて確実に意思を伝えることが重要です。
4.2. 「結構です」を使う際は要注意
「結構です」は「結構」に助動詞の「です」を付けた丁寧語です。「大丈夫です」の言い換えとして使用できますが、尊敬や謙譲の意味は含まれていないため、目上の方にそのまま使うのはやや失礼な印象です。
使用する際は、「お気遣いありがとうございます」「残念ですが」といった一言を添えるといいでしょう。
また、「結構です」も「大丈夫です」同様、肯定と否定二つのニュアンスを含んでいます。そのため、こちらの意図と異なる意味で解釈されないように、しっかり意思が伝わっていることを確認する必要があります。
4.3. 「構いません」も同様に注意する
「構いません」も「大丈夫です」の言い換えとなりうる表現ですが、「結構です」と同様に注意が必要です。
「大丈夫です」よりもやや堅い印象の言葉ですが、この場合の「構う」には「気にする」「問題があると感じる」といった意味があり、それを否定して相手に対して許可をするニュアンスがあります。
そのため、上司など目上の人や顧客に対して使うと、失礼にあたる可能性が高いです。使う場合には、同等の立場の人か、部下など目下の人に限りましょう。
【関連記事】「転職での年収アップの相場は?交渉のポイントや年収アップしやすい人の特徴を解説」
【関連記事】「転職前にボーナス(賞与)をもらうには?退職のタイミングやスケジュール」
【テーマ別】平均年収ランキング
5. 「大丈夫です」を英語で表現するには?
「大丈夫です」という気持ちを、英語ではどのように表現するのでしょうか。承諾するとき、断るときそれぞれの表現方法を紹介します。
5.1. 承諾するとき
「同意します」「問題ありません」など、相手の提案を受け入れる際の「大丈夫です」は、英語だと以下のような表現があります。
- Yes,that's fine.(はい、それで良いです)
- I agree with you.(あなたに賛同します)
- It would be no problem at all.(全て問題ありません)
- There is nothing wrong with it.(何も悪いところはありません)
5.2. 断るとき
「やめておきます」「結構です」など、提案や誘いを断る際の「大丈夫です」は、英語だと以下のような表現があります。
- I'll pass on it this time.(今回はやめておきます)
- I'll be declining this time.(今回は遠慮しておきます)
- No, I'm fine. Thank you.(いいえ、結構です。ありがとうございます)
【関連記事】「英語を使う仕事に転職したい!職種の選び⽅のコツ」
【年収500万円以上の求人はこちら】
6. 「大丈夫です」と同様に間違いやすい言葉
「大丈夫です」の他に、ビジネスシーンで間違いやすい言葉について以下の記事でご紹介していますので、併せてご覧ください。
【関連記事】「【例文付き】「ご査収ください」の意味と正しい使い方--類語や言い換え方も解説」
【関連記事】「【例文付き】「各位」の意味と正しい使い方とは?社内・社外向け利用シーンや注意点を解説」
【関連記事】「「取り急ぎ」の意味とは?メールで使う際の3つの注意点・言い換えを例文で解説」
【関連記事】「【例文つき】「ご教示」の意味とは?「ご教授」との違いや使い方も解説」
【関連記事】「【例文付き】「齟齬(そご)」の意味と使い方、"相違"との違いとは?」
【関連記事】「【貴社と御社】メール・履歴書ではどちらを使う? 使い分け方を解説」
【関連記事】「「御中」の正しい使い方は? 「行」の消し方や「様」「各位」との違いも解説」
【関連記事】「「すいません」と「すみません」の正しい使い方-ビジネス活用例や注意点」
【関連記事】「【例文付き】「ご自愛ください」の意味は?シーン別の使い方と注意点を解説」
【関連記事】「「承知いたしました」の使い方を紹介!正しい意味やメール例文も」
【関連記事】「「了解しました」は上司に失礼?正しい使い方や言い換え表現を紹介!」
【関連記事】「「僭越ながら」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方や類語を紹介」
【関連記事】「「拝受」の意味とは?ビジネスメールの例文や言い換え表現を解説」
【関連記事】「「大丈夫です」を敬語で言い換えるには?目上の人にも使えるビジネスメールの例文も紹介!」
【関連記事】「「当社」と「弊社」の違いは?正しい使い方とメールの例文を紹介」
【関連記事】「「させていただく」を正しく使うには?二重敬語や言い換えについて解説」
【関連記事】「「ご容赦ください」の意味は?正しい使い方や言い換え方法を解説」
【関連記事】「とんでもございません」を目上や上司に使うには?例文や言い換えも解説」
履歴書・職務経歴書などの書類作成は
キャリアアドバイザーがサポートします
マイナビエージェントについて詳しく知る >
7. まとめ
「大丈夫です」という言葉にはさまざまなニュアンスが含まれているため、特にビジネスシーンで使用する際は、真逆の意味に捉えられないよう注意しなければなりません。
「大丈夫です」という気持ちを敬語に言い換えるには、まず何を伝えたいのかを明確にする必要があります。相手に自分の意図がしっかり伝わる適切な敬語を使用して、円滑なコミュニケーションを図りましょう。
\面接対策も/
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける