更新日:2024/04/15
この記事のまとめ
これから面接を控えている方の中には、「敬語」に対する不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。面接では敬語を使うのが基本であるため、正しい使い方を覚えておく必要があります。
そこでこの記事では、敬語の種類や面接でよく使うフレーズについて解説します。印象アップのコツもお伝えしますので、面接での言葉遣いに不安がある方は、ぜひご参考ください。
目次
敬語はビジネスマナーのひとつです。企業との面接の場でももちろん敬語を使います。もし、敬語を使わずに面接官と会話した場合、社会人としてのマナーが身についていない人と判断されてしまうことも。
社会人マナーのない応募者を積極的に採用したい企業は少ないでしょう。採用担当者は「敬語を正しく使えるかどうか」にも注目しています。
一言で敬語といってもその種類は3つあり、それぞれ状況に応じて使い分ける必要があります。これらを間違えて使用すると、不自然な受け答えになるので注意しましょう。ここでは、3つの敬語の使い方について解説します。
尊敬語は、相手を立てる状況で使う敬語です。目の前の相手だけでなく、相手の家族や知り合いについて話すときにも使います。また、人だけに使うものではなく、行動や状況に対しても使われる敬語です。たとえば、動詞に「れる」や「られる」をつけたり、動詞の前に「お」や「ご」をつけたりするのも尊敬語のひとつです。
謙譲語とは、自分の行動や状況などを控えめに伝え、相手に敬いの気持ちを表現する敬語です。たとえば、「お届けする」「いただく」などが謙譲語にあたります。謙譲語は自分の行動や状況だけでなく、自分の身内がした行動や状況に対しても使われる敬語です。「父が参ります」「妹が伺います」などが身内の状況を伝える謙譲語の一例です。
丁寧な表現や上品な表現をするときに使うのが丁寧語です。「ます」「です」「ございます」などが丁寧語の一例として挙げられ、目の前の相手へはもちろん、目の前に相手がいなくても使える敬語です。相手の立場に関係なく使用できるため、面接などのビジネスシーンや、年上の方と話すときに使っても問題はありません。
ここでは、面接でよく使う敬語を種類別にまとめました。よく使う表現の中には間違いやすい敬語もあるため、面接で使うことがないよう事前に確認しておきましょう。敬語を使うのが苦手と感じている方もぜひ参考にしてみてください。
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そのほか、面接でよく使う表現には以下のようなものがあります。
丁寧な表現をする場合には、ぜひ上記を参考にしてみてください。社長面接など社長の呼び方について迷う方もいるかもしれませんが、「〇〇様」「社長の〇〇様」が正しい表現なので覚えておきましょう。「社長様」と呼びたくなるかもしれませんが、社長に様はつけません。
面接では自分や家族について話す場面もあるでしょう。その際、自分や家族のことをどのように敬語で表現すればよいのか、迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。ここでは、自分や家族についての呼称表現をご紹介します。
面接では自分について話す機会が多い傾向にありますが、その際に、好印象を与える呼び方として「わたし」「わたくし」などが挙げられます。面接だけでなく、ビジネスシーンでは「わたし」や「わたくし」といった表現を使います。使い分けに迷った場合には、「わたくし」のほうが相手に丁寧な印象を与えると覚えておきましょう。
普段、自分のことを「僕」「俺」「自分」「うち」などと呼んでいる方もいるかもしれませが、このようなカジュアルな呼び方は面接では避けたほうがよいでしょう。
面接の場では自分の家族について話すこともあるかもしれません。たとえば配偶者について話す場合は「夫」「妻」という表現を用います。あるいは「主人」「家内」でも問題ありません。
普段は「旦那」「嫁」という表現を使っている方も、面接の場では「夫」「妻」と呼ぶようにしましょう。また、自分のお父さんやお母さんについては「父」「母」と表現します。
面接などのビジネスシーンにおいては、相手の家族について話すことも想定できます。相手の家族については、自分の家族について話す場合と表現が異なります。相手の夫であれば「ご主人」「旦那様」、相手の妻を指すときには「奥様」「夫人」「奥方」という表現を使うようにしましょう。
また夫婦を指すときには「ご夫婦」「お二方」と呼びます。相手の父母も、「お父様」「お母様」「ご両親」などと表現すると失礼がありません。自分の娘や息子はそのまま「娘」「息子」と伝えて構いませんが、相手の娘や息子を指す場合には「お嬢様」「ご子息」などと表現します。
面接で応募先の企業について話す場合には「御社」と表現します。「こちらの企業では」などの表現をしがちですが、これは正しい敬語ではないため注意しましょう。
なお、話す場合は「御社」ですが、履歴書やメールでのやりとりなどには「貴社」を使います。面接官は「弊社」や「自社」と表現するため、つられないようにしましょう。
ここでは、面接前に確認しておきたいフレーズを5つご紹介します。自分では敬語だと思って使っていた表現に「敬意が含まれていなかった」というケースもあるため、間違えた敬語で受け答えしないようチェックしておきましょう。
【OK例】
この方法でよろしいでしょうか。
【NG例】
この方法で結構でしょうか。
この方法でよろしかったでしょうか。
〈解説〉
「よろしいでしょうか」は間違えやすいフレーズです。面接でも面接官へ質問したり、何かをお願いしたりと、これで合っているのかと確認する意味でよく使われます。話し言葉の「結構でしょうか」や、日本語として不自然な「よろしかったでしょうか」などを使わないように注意しましょう。
【OK例】
何かあればおっしゃってください。
【NG例】
何かあれば申してください。
〈解説〉
「おっしゃってください」は、「言ってください」という意味の尊敬語です。相手の行動に対する敬語であるため、謙譲語である「申してください」という表現はNGにあたります。たとえば、面接で面接官の言葉が聞き取れなかった場合には「もう一度おっしゃっていただけますか」と表現します。
【OK例】
先日の件について、お聞きになりましたか。
【NG例】
先日の件について、うかがっていますか。
〈解説〉
「お聞きになりましたか」は「聞く」の尊敬語です。NG例の「うかがう」も正しいように感じるかもしれませんが、これは謙譲語にあたるため相手を敬う意味にはなりません。面接だけでなくビジネスシーンでもよく使うため、間違えて覚えないように注意しましょう。
【OK例】
かしこまりました。
【NG例】
了解しました。
承知いたしました。
〈解説〉
間違いやすい敬語としてよく挙げられるのが、相手から何かをお願いされた際に使用する「了解しました」「承知いたしました」という表現です。これは上司が部下などに使う言葉であり、敬語ではありません。間違えて使うと失礼にあたりますので注意しましょう。
【OK例】
申し訳ございません。
【NG例】
ごめんなさい。
すみません。
〈解説〉
ビジネスシーンにおいて、自分が何かを間違えたり、ミスしてしまったりする場面もあるでしょう。その際に使うのが「申し訳ございません」という表現です。「ごめんなさい」や「すみません」は敬意のある言葉ではないため、面接などのビジネスシーンでは使わないようにしましょう。
自分では敬語を使っているつもりでも、相手にとっては失礼な言い方になっているケースもあります。失礼な言い方で面接を終えた場合、たとえ面接の内容自体はよかったとしても、印象が悪くなる恐れがあります。ここでは、イメージダウンにつながる表現を3つご紹介します。
面接官に何かを質問し、納得のいく返答をもらえた際に「なるほど」と言ってしまう方も多いのではないでしょうか。実は、「なるほど」や「確かに」という言葉は失礼な表現にあたります。「なるほど」という言葉には、自分が相手を評価したうえで同意するという意味合いがあるからです。
相手への同意を示す際には「おっしゃるとおりです」という表現を使いましょう。そのほかにも、「そうですね」などと返事をしても構いません。
たとえば「このままでよいですか」「変更したほうがよいですか」と聞かれたときに、「大丈夫です」と答えてしまう方は多いのではないでしょうか。
面接で「大丈夫です」という表現を使うと、面接官はYESなのかNOなのかがよく分かりません。「このままでよいですか」と聞かれた場合であれば、「はい、このままで問題ありません」と答えるようにしましょう。反対に、何かを断る場合には「結構です」という表現を使います。
上司や面接官に対し、「参考になります」と答えた経験がある方もいるのではないでしょうか。一見すると丁寧な言葉のように聞こえますが、この言葉には「あなたの考えを判断材料の一部にします」という意味が含まれます。
そのため、面接官や上司に対して使う表現とはいえません。「参考になった」という気持ちを伝えたいのであれば、「勉強になりました」「役に立ちました」などと表現しましょう。
面接では、面接官が聞き取りやすいように話すことが大切です。そのため、面接官が不快に感じる表現や、聞き取りにくいと感じる表現は避けましょう。また、抽象的な言葉を多用すると、内容が伝わりにくくなるので注意が必要です。ここからは、面接で敬語を使う際のポイントを3つご紹介します。
面接で会話する際の基本として、語尾には「です」「ます」を用いると覚えておきましょう。「です」や「ます」を会話で使うときには、言い方にも注意します。たとえば、「そうっす」「あざっす」などの友達と話しているような言い方は面接の場ではふさわしくないため避けましょう。
また、「わたくしは~」「〇〇が~」などのように語尾や助詞を伸ばすのも、イメージダウンにつながることがあるため気をつけましょう。無意識に印象が悪くなる話し方をしていないか、面接前にチェックしておくことをおすすめします。
フィラーワードとは、発言の間に挟む「え~」「その~」などの言葉を指します。フィラーワードを多用すると、相手が聞きにくさを感じます。また、「考えがまとまっていない」「自分に自信がないのでは」などと思われることもあるので注意が必要です。
フィラーワードが癖になっている方は、面接時に使わないよう意識しましょう。
抽象的な表現も、面接の場では使わないほうがよいでしょう。マナー違反というわけではありませんが、抽象的な言葉を多く用いると「内容が分かりにくい」と思われるかもしれません。
たとえば「そのときは、この〇〇がこの場所で......」と話すと、「そのとき」とはいつなのか、「この〇〇」とは何なのかを聞き手である面接官が想像しなければなりません。面接では、面接官が分かりやすいように話すことも大切。具体的な単語を用いましょう。
面接で敬語を意識するのは大切ですが、不自然な敬語や二重敬語にならないように注意しましょう。一方、二重敬語であっても例外として問題ない場合もあります。ここでは、二重敬語の例や使用しても問題ないケースについてご紹介します。
二重敬語とは、敬語を複数使用することを指します。二重敬語を使うと、面接官に「不自然な表現」と思われるかもしれません。例を挙げると、「先ほど〇〇さんがお話になられました」という表現は二重敬語です。
この場合、「お話になる」という表現は尊敬語であるため、「なられる」を使う必要はありません。そのほか、「ご確認されてください」なども二重敬語にあたるので注意しましょう。
二重敬語には例外もあります。二重敬語でも、一般的な表現として使用されている言葉は、面接で使っても問題ないでしょう。
たとえば、「お召し上がりになる」「拝見いたす」「お見えになる」などは例外です。「お召し上がりになる」の場合には、「召し上がる」と「お+になる」の2つの敬語を用いていますが、聞いていて違和感はないでしょう。面接で使用しても面接官が不自然だと感じないため、状況に応じて使っても構いません。
面接では敬語が基本です。そのため、正しい敬語が使えていれば、言葉遣いが原因で印象を悪くすることはないでしょう。正しい敬語に加えて、さらにクッション言葉を使用できれば、印象アップにつながります。
クッション言葉とは、相手を気遣う言葉を指します。「恐れ入りますが」「失礼ですが」「よろしければ」などが、クッション言葉の一例です。
普段敬語を使い慣れていない場合、面接での敬語に難しさを感じる方もいるのではないでしょうか。また、間違えた敬語を使うと印象ダウンにもつながるため、敬語の使い方に不安を抱える方も多いようです。
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敬語はビジネスマナーのひとつであるため、面接時に違和感なく使えると、マナーが身についていると評価されます。
敬語には「謙譲語」「尊敬語」「丁寧語」などの種類があり、状況に応じて使い分ける必要があります。また、不自然な表現である二重敬語や、敬語のように聞こえるが実は失礼にあたる言葉など、敬語を使うシーンでは留意したい点が複数あります。
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