【図解】上座・下座とは?席次の基本と決め方をシーン別に解説

ビジネススキル・マナー

目上の人やお客さまとの打ち合わせ、食事の時に上座・下座が分からず困った経験はありませんか?上座・下座はポイントをおさえればスムーズに案内ができるようになります。会議室や居酒屋、タクシーといったシーンでの上座・下座についてわかりやすく解説します。

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1.上座・下座とは

席順は席に座る順番のことで席次ともいいます。席順には「上座」「下座」があり、役職や立場によってどの席に着くべきかが決まっています。特にビジネスシーンでは、最低限のマナーとして覚えておく必要があります。

1.1.上座・下座の読み方と意味

一般的な読み方は「かみざ」「しもざ」ですが、「じょうざ」「げざ」でも間違いではありません。

「上座」は、目上の人やお客さまなどが座る席のことで、「下座」は、上座に座る人をおもてなしする人が座る席です。面接の際は、一般的に面接官が上座、応募者が下座に座ります。

1.2.上座・下座の由来

上座・下座の由来にはさまざまな説があります。

例えば、入口から入ってきた敵から自軍の大将を守るため、入口から一番遠い奥の席に座らせた説や、位の高い人をもてなすために作られた、通常の床より一段高い床の間が上座となった説などが有名です。

現在では、上司や取引先への敬意やおもてなしの心を表すために「上座」「下座」が使われており、日本独自の文化といえます。

和室や洋室、会議室、車内といったさまざまな場所で「上座」「下座」が適用されますので、どの場面でも対応できるようにビジネスマナーとして身につけておきましょう。

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2.上座・下座が大切な理由

では、なぜ「上座」「下座」が大切なのでしょうか。前述したように、これは日本独自の文化です。このようなマナーが重要とされるのは、日本人的な精神の表れと言えるでしょう。

2.1.日本の企業風土

上座・下座というルールは、実は日本の企業社会の在り方とも深くかかわっています。

企業は利益を追求するための組織であり、これまでの日本の企業は、縦の上下関係を基本とした組織作りで経済成長を遂げてきた歴史があります。

現在、そうした古い組織作りが生産性向上の障害になっているといわれる事も多くなりましたが、依然として日本の企業組織では、目上の人や顧客に対しての礼節に厳しく、そうしたマナーが求められているのが実態です。

もし、そうしたマナーを身に付けていなければ、上司や先輩、お客さまに「失礼だ」と受け取られ、その後の人間関係や取引に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。

逆に言えば、こうしたマナーを身に付けていると、「できる人」という高評価を得られる可能性もあります。

ビジネスシーンだけではなく日常生活でも必要になることがあるマナーなので、「相手を敬う行動の1つ」として、正しい知識を身に付けておきましょう。
(※企業組織では、上司へのメールも大切です。以下の記事も参考にしてください)

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2.2.席決めに迷わないというメリットも

上座・下座が日本の企業社会で重要視されていると言っても、近年ではそういった慣習が時代遅れだとか、くだらないとする意見も少なくありません。確かに、そういったルールにこだわらなくても良いのでは、と感じるシーンもあるでしょう。

しかし、席決めを行わなければならない時に何のルールもない自由な状態だと、どう決めて良いかわからず逆に困ってしまうケースもあるかもしれません。

上座・下座のルールを覚えたり、いちいち気を遣ったりするのが面倒だ、と思っている人も多いようですが、こうしたルールがあることでその場にいるメンバー全員が迷わずに着席できるというメリットもあるのです。

3.上座・下座の基本

まず、上座・下座の基本から説明します。座る順番に加えて、洋室と和室ではそれぞれどの位置に座るべきかを確認しておきましょう。

3.1.上座に座る順番について

上座に座る順番について判断する時は下記の順で見ていきます。

  • ①役職
  • ②社歴
  • ③年齢

一番に考慮すべきなのは役職です。同じ役職の場合は社歴を見ます。役職も社歴も同じ場合は年齢で判断します。どこに誰が座るべきか混乱しないためにも、まずはこの基本のルールを頭に入れておきましょう。

3.2.上座・下座の基本は出入口から遠い席が上座

基本的には出入口から最も遠い席が「上座」出入口に最も近い席が「下座」となります。

目上の人やお客さまには「奥の席にどうぞ」と声をかけ「上座」を案内し、自分は「下座」に座ります。ただし、後述しますが、使用する部屋が洋室なのか和室なのかによって「上座」に位置が変わってきます。

なお、自分が招待された側であった場合は、相手に勧められた席に座るようにします。勧められた席が「上座」だからといって遠慮してしまうと失礼にあたる場合もありますので注意しましょう。

3.3.【上座・下座の基本①】洋室の場合

応接室など洋室の基本的な席順は、入口から一番遠い席が「上座」、そこからイラストのように順番に座っていき、入口に一番近い席が「下座」になります。

3.4.【上座・下座の基本②】和室の場合

和室の基本的な席順は、床の間の前が「上座」となり1番目、2番目が床脇の前、入口に一番近い席が「下座」になります。床の間がない場合は、洋室の基本と同じく入口から一番遠い席が「上座」になります。

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4.会議室での上座・下座

会議室の場合、机の配置や議長席がどこなのかによって「上座」「下座」が異なってきます。なお、一般的に議長席は入口から遠く、全体を見渡せる真正面の場所に設置されます。

4.1.机の配置が「ロの字型」の場合

議長席の両側のうち、入口から遠い席が「上座」になるので1番目、その向かい側が2番目、1番目の席の隣が3番目、その向かい側が4番目、以降5、6という順番になります。

4.2.机の配置が「コの字型」の場合

入口から見て、入口から遠い議長席の右側が「上座」になるので1番目、議長席の左側が2番目、1番目の席の右側が3番目、2番目の左側が4番目、以降交互に5、6、7、8という順番になります。

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5.食事の席での上座・下座

レストランや居酒屋など、食事や飲み会の席ではテーブル席、座敷、円卓によって上座・下座が変わってきます。新人や年齢が低い人、幹事は下座に座り、トイレの案内や遅れてきた人のお迎え、上司やお客さまの飲み物がなくなっていないか、料理は足りているか等配慮しつつ、声掛けや追加注文を率先して行いましょう。

5.1.テーブル席の場合

洋室の基本的な席順に沿った座り方をしましょう。入口から遠い席が「上座」になりますので奥から順に座っていきます。入口に最も近い席が「下座」になります。

5.2.座敷席の場合

和室の基本的な席順に沿った座り方をしましょう。床の間がある場合は床の間の前が「上座」です。床の間がない場合は入口から最も遠い席が「上座」になります。

5.3.円卓の場合

円卓の場合も入口から遠い席が「上座」となり1番目、入口から見て「上座」の右側が2番目、「上座」の左側が3番目、以降交互に4、5、6、7、8と入口に向かって「下座」になっていきます。

なお、中華料理の円卓は、回転するタイプのテーブルである可能性が高いでしょう。その場合、料理も上座の人から順番にとります。

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6.タクシーでの上座・下座

タクシーの場合、運転席の後ろが「上座」助手席が「下座」になります。後部座席に3人座る場合は真ん中の席が「下座」です。「下座」に座った人は目的地やルート等を運転手に伝える役割があります。

また、お酒の席の後の場合、タクシーの中に忘れ物をしてしまうことも考えられますので、乗ったタクシーの会社名やナンバーを控えておくとよいでしょう。

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7.エレベーターでの上座・下座

1人ひとりが席に座る部屋やタクシー以外に、エレベーターでも席次が適用されます。

エレベーターでは、個室と同じく入口から遠い席が「上座」、入口に近い席が「下座」となりますが、入口が正面にあるエレベーターでは入口から向かって左奥が「上座」、その隣が2番目となり、操作盤の前が「下座」です。

操作盤が左右両方にある場合も、左奥が上座、その前が下座となります。下座の人は上座の目の前に立つことになりますが、できるだけ背中を壁に向け、上座の人にお尻を向けないようにすると失礼がありません。

下座につく人は操作盤のボタンを押す役割があるため、降りる際は最後に降りるようにしましょう。

乗る時も目上の人やお客さまを優先するのが一般的ですが、エレベーターに人が乗っていない場合は下座につく人が先に乗り、「開く」ボタンを押しながら招き入れるのも良いとされています。

ただし、エレベーターが混みあっていることも考えられますので、以上の原則は頭に入れながらも状況に応じて柔軟に対応しましょう。

8.WEB会議での上座・下座

最近は「Zoom」や「Skype」といったツールで、WEB会議を行う会社が増えています。

しかし、WEB会議では「上座」「下座」という概念はありません。なぜならWEB会議では、入室のタイミングによって参加者が自動表示されることが多いからです。

「上座」「下座」はありませんが、会議に参加したり退出したりする際は通常の会議と同様に、「お疲れ様です」「失礼いたします」といった声がけを忘れないようにしましょう。

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9.まとめ

いかがでしたか?日本では、上座・下座の知識は社会人としてのマナーと捉えられています。覚えておくと目上の人や顧客をスムーズに案内することができます。いざという時の為にもしっかり身につけておきましょう。

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