かつてと比べると、いわゆる取引先を「接待」する機会は減りました。とはいえ、取引先の方や上司と一緒に食事をする機会というのは意外とあるものです。しかし、新入社員や若手社員の場合、会食の際にどのように振る舞えば良いのかわからないこともあるでしょう。そこで今回は、ビジネス会食の際に気をつけたい基本的なマナーについて、わかりやすくご紹介していきます。
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1.ビジネス会食で気をつけたいマナーとは?
ビジネスシーンでは、会食や接待といった取引先や上司などと食事をする機会も多々あります。会食とは「人が集まって食事をすること」で、ビジネス会食は食事を通して仕事関係の人と親睦を深める目的で行われます。取引先を食事や娯楽に招待する「接待」とほぼ同じ意味で使われることも多いですが、会食はもてなす側ともてなされる側がはっきりとしていない食事の場も含まれます。
ただし、取引先との会食や上司との会食ではそれ相応の振る舞いが求められます。服装や席次、食事中のマナーなど、ビジネスシーンに相応しい会食マナーを身に付けて、お互いに気持ちよく食事を楽しめるようにしましょう。
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2.何を着ていけば良い?服装のマナー
ビジネス会食時の服装は、場の雰囲気や相手の立場に応じて柔軟に対応するべきですが、ビジネスの場ですので基本的にはスーツを着用しましょう。上品な落ち着いた色合いのスーツや、女性の場合は落ち着いた雰囲気のワンピースでも良いでしょう。座ると裾が上がることを考慮して、スカート丈は膝下くらいの気持ち長めのものを選びます。
事前にお店が分かっている場合はあらかじめ調べておき、ドレスコードや雰囲気を確認しておくと良いでしょう。特に高級レストランや料亭ではフォーマルな服装が求められます。いずれにせよ、華美にならないよう全体的に控えめな装いを意識することが大切です。アクセサリーも小ぶりでシンプルなものを選びましょう。
また、身だしなみの一環として注意しておきたいこととして、香水が挙げられます。普段から香水を愛用している人もいるかと思いますが、食事の場では料理の良い香りや味を妨げてしまう可能性があります。そのため、会食の際は香水はつけない方が良いでしょう。香りつきの制汗スプレーや香りの強い柔軟剤の使用も同様です。
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3.どこに座る? 席次のマナー
ビジネスシーンにおいては、誰がどこに座るかという「席次」に上司や部下といった上下関係がはっきり表れます。これは飲食店においても同じで、基本的には入口から遠い席が上座、近い席が下座です。ただし、窓の風景や絵画が見える席を上座とする例外もあります。
■テーブル席
■床の間のある和室の席
床の間の前が上座です。机が床の間と並行の場合は中央に最も職位の高い人にかけていただきましょう。
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4.食事中の10のマナーQ&A
Q.1食事中の姿勢で気をつけることは?
A.背筋を伸ばして座りましょう。テーブルの上に両手を出し、(あるいは両手をしまい)片手だけをテーブルに出すことは避けます。ひじをつくのも厳禁です。座席がイスの場合は、脚を組まないよう気をつけましょう。
Q.2正式な場での乾杯は?
A.カチンとグラスを合わせず、目の高さに掲げます。ただし、場によってまわりの様子に合わせたほうがいいこともあります。
Q.3グラスの縁に口紅がついたときは?
A.人さし指と親指でぬぐい、指はナフキンで拭きます。口紅がグラスや箸先にべったりつくのは見苦しいので、食事前にあらかじめ油分をティッシュペーパーで押さえておくようにしましょう。
Q.4舟盛り(お刺身)のワサビを取り分けるときは?
A.ワサビに限らず、食べ物を取り分ける際に(使用済みの箸を)"逆さ箸"で使用するのは厳禁です。取り分け用の箸を使用するか、一声かけて、各自の箸(直箸)で自分の分を取るようにします。また、ワサビは醤油を入れた小皿で溶かさず、刺身に直接つけていただきます。
Q.5お刺身のツマは?
A.ツマは"飾り"ではありませんので、いただきましょう。取り分ける際も添えるのを忘れずに。大根には口の中をサッパリさせ、消化を促す作用もあるといわれています。
Q.6汁椀のふたが開かないときは?
A.碗を手で挟み、内側に押さえることで開けやすくなります。どうしても開かないときは、無理をして粗相をすることのないよう、お店の人にお願いしましょう。
Q.7器のふたはどうするの?
A.食べ終わった後は、元の状態に戻します。裏返して乗せると食器に傷がつく恐れがありますので、避けましょう。
Q.8器は持ち上げてもいい?
A.和食器については、主菜の載ったお皿以外、小鉢や茶碗、汁椀などは持ち上げて構いません。
Q.9中座するときのナフキンは?
A.テーブルではなく、椅子の座面に置きます。きれいに折りたたむ必要はありません。
Q.10食事の席での喫煙は?
A.基本的には避けた方がいいのですが、タイミングとしては食事が終わった(デザートが出される前)ところで中座し、喫煙コーナーへ向かいます。席に戻る際はにおいに気をつけましょう。
会食において気をつけたいマナーは、箸の使い方から食器の取り扱いまで、まだまだたくさんあります。ただ、一番大切なことは同じテーブルを囲む"相手を不快にさせないこと"です。食事中の振る舞いにはその人の品性が表れます。相手を不快にさせないように、基本的なマナーを理解しておきましょう。
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5.会食をセッティングする側が気をつけたいこと
ここまでの内容は会食に参加する全員が守るべきマナーについてでしたが、最後に会食をセッティングする側が気をつけたいことについて解説します。
1.お店選び
参加者の好みやアレルギー、お店の雰囲気や価格帯、個室の有無、アクセスなどを考慮して選びます。予約の際は人数や予算、利用目的などを伝えて店舗側と相談すると良いでしょう。可能であれば、インターネット上の情報だけでなく実際に足を運んで確認しておくと安心です。
2.役割分担
ビジネス会食の場合、ホスト側はチームで動くと効果的です。手土産を用意する人、食べ物・飲み物をオーダーする人、会計をする人など事前に役割分担をしておくことで、当日スムーズに対応できます。
3.入店時の対応
約束の時間の10〜20分前くらいには到着しておくようにしましょう。お店のスタッフと当日の内容を改めて確認するとともに、トイレや喫煙スペースの場所も確認しておくと良いです。個室、もしくはお店の前で相手を待ちましょう。
4.食事中の気配り
・グラスのお酒が残り少なくなってきたら声をかけてお酌をしたり注文したりする
・度数の高いお酒を飲むときはお冷も一緒に頼む
・油分の多い料理の際は食べ終わるタイミングで追加のおしぼりとお箸をお願いする
・食事のペースが落ちてきたら人数分のお茶を頼んで一息つけるようにする
このような細かな気配りを忘れないようにしましょう。
5.帰宅方法の確認
会食が終わる前に、相手に帰宅方法をさりげなく聞いておきましょう。自宅の遠さや終電の時間を確認し、帰りが遅くならないようにします。タクシーが必要であれば手配し、タクシー代を渡す場合は封筒に入れて乗車時に渡します。
6.会計のしかた
会計は、相手に気付かれないように見えないところで済ましておくとスマートです。トイレに立つふりをして済ませたり、事前にお店に相談して目立たないところで会計できるようにしたりします。請求書会計にする方法もあります。
7.手土産の渡しかた
手土産は帰り際に渡します。そのお店で販売しているものを渡すか、持ち込むかの2択になりますが、後者の場合は会食中はお店に預かってもらうと良いでしょう。
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