新入社員研修で学んだはずの「名刺交換」ですが、いつしか自己流・会社流になり、悪気なく相手に失礼なことをしてしまっているかもしれません。怖いのは、それを誰も指摘してくれないことです。
本記事では、名刺の同時交換がNGなのか、また基本的な名刺交換のルールについても詳しく解説します。名刺交換のマナーを不安に感じる方は、今一度基本に立ち返るとともに、NGな名刺交換をしていないかセルフチェックしてみましょう。
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1.名刺交換を同時に行うのはNG?
「同時交換」とは、お互いに名乗った後自分の名刺を右手に持ち、相手の左手の名刺入れに向かって"同時に"交換して、受け取ったらすぐに両手に持ち替える方法です。
特に相手が目上の方の場合、「同時交換は失礼にあたるのでは?」と感じるかもしれませんが、最近の名刺交換の主流は「同時交換」であり、マナー的には問題ありません。相手が名刺をスタンバイしていたら、「同時交換」で行いましょう。
なお同時交換の際、名刺入れは「受け盆」と心得て左手にキープしておくのがおすすめです。
2.名刺交換の目的は?
そもそも、初めてお会いする方となぜ「名刺交換」をするのでしょうか。その目的は主に下記の3つです。自己紹介と連絡先の交換はもちろん、実は、あなたのビジネスマナーが試される場でもあるのです。
【1】自己紹介
【2】連絡先を知らせる
【3】ビジネスマナーができているかの判定
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3.名刺交換の基本的なマナー
名刺交換にはいくつかの細かいマナーが存在します。日本独自のルールも多く、「時代錯誤」「くだらない」という声があるのも事実です。しかし、名刺交換は日本のビジネスシーンに定着している文化であり、もしも基本的なマナーが守れていないと、相手はあなたに対して「この人は仕事ができない人なのかな」という印象を持つかもしれません。
以下に、どちらが先に渡すのかなど基本的なマナーをまとめたので、確認してみましょう。
【1】目下から目上の人に渡す
【2】テーブル越しには行わない
【3】立って行う
【4】渡す際は名刺入れの上で浮かせた状態で、両手で渡す
【5】社名と名前を名乗りながら渡す
【6】受け取る際は隅を持ち、胸より下に下げない
【7】受け取る際は相手の名前を読み上げて確認する
【8】「頂戴します」「申し遅れました(相手から先に渡された場合)」などのセリフを添える
【9】名刺を受け取った後は名刺入れの上に置いて、商談中はテーブル上(自分から見て左側)に出しておく
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4.複数人で名刺交換をする際のマナー
名刺交換は1対1で行うこともあれば、1対2、3対3など複数人で行うこともあります。ここでは、そういったケースでのマナーを紹介します。
4-1.こちらが一人で、相手が複数人いる場合
訪問者であるこちらが一人で、複数人の相手と名刺交換をする場合は、役職の高い人から順番に交換していくのが基本です。その際は、スムーズに交換できるよう、人数分の名刺をあらかじめ準備しておきましょう。
また、商談中は相手の名刺を名刺入れの上に置きテーブルの上に出しておくのがマナーですが、名刺入れの上には1枚しか名刺を置けません。そのため、一番役職の高い人の名刺を名刺入れの上に置き、そのほかの名刺はわかりやすく席にあわせて並べておくと良いでしょう。
4-2.こちらも相手も複数人いる場合
2対3、3対3など、こちらも相手も複数人いる場合は、役職順に上司から先に名刺交換を始めます。このとき、上司が全ての相手と名刺交換を終えるまでは、何もせず待つのがマナーです。役職順に一人ずつ名刺交換を終えて商談に移る際は、上述したように最も役職の高い人の名刺を名刺入れの上に置き、そのほかの名刺はテーブルの上に並べておきます。
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5.名刺交換前の準備も大切
スムーズに名刺交換ができるように、名刺交換前に準備をしておくことも大切です。名刺入れは内ポケットやカバンの取り出しやすい場所に入れておきましょう。男性であればスーツの内ポケット、女性であればカバンに入れるのが良いとされています。また、ズボンのポケットに入れるのはマナー違反とされるため避けるのが賢明です。
複数人に渡す際は、1枚ずつ取り出しているともたついてしまうので、あらかじめ人数分、もしくは少し多めに名刺を用意しておきましょう。
6.名刺交換で好印象を与えるコツ
名刺交換で好印象を与えるコツを3つご紹介します。
また、これらに限らず、これまで出会った方で好印象を受けた方の名刺交換を思い出して参考にするのも良いでしょう。
6-1.手元ではなく相手を見て、笑顔で対応する
初対面では、お互いに緊張している状態であり、相手の人柄を推し量ろうとしている状態とも言えます。笑顔で対応することは相手に安心感を与え、その後のコミュニケーションをスムーズに進められる可能性が高まります。
6-2.指や爪の手入れをしておく
名刺交換の際は、見ようとしていなくても相手の手元が目に入ってしまうものです。指先の清潔感は自己管理能力の高さを示すことにも繋がります。逆に、手元が「不潔」だと感じられてしまうと、その後の付き合いにも悪影響が出る可能性があるため注意が必要です。同様に、名刺入れも見られていると思った方が良いでしょう。そのため、名刺入れにも気を使うことでさらに良い印象を与えられます。
6-3.相手の名刺から得られる情報を元に会話を展開する
相手の名前や役職などについて質問したり、それらに関連する話題を出したりすることで、相手は「自分に興味を持ってくれている」と感じるでしょう。
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7.名刺交換での5つのNG【商談編】
名刺交換は、来客応対や訪問先などで初めてお会いするお客様との大切なやりとりです。ここでは、名刺交換でやってはいけない5つのNG行為を紹介します。
7-1.名刺を財布や定期入れにしまう
名刺の取り扱いにおける基本中の基本、「名刺入れ」を用意しましょう。たまたま名刺入れを持っていないときは、緊急避難的に財布や定期入れにしまう方法もありますが、その際は相手と別れて見えなくなった時点で行うのがマナーです。
7-2.端が折れていたり、汚れている名刺を渡す
見た目のよくない名刺は、受け取った相手もがっかりしてしまいますし、失礼に当たります。少しでも傷んでいる名刺は破棄しましょう。
7-3.下を向いたまま、自分の名刺に目を落としながら名乗る
自分の会社名や名前は名刺を見なくても言えるはずです。顔を上げ、相手の目を見て笑顔で名乗りながら渡すのが、名刺の渡し方の基本です
7-4.受け取った名刺をすぐにしまう
名刺は、商談や面談が終わって席を立つとき、または世間話に移るときにしまいます。ただ、テーブルの上が飲み物や資料などで狭くなってきたら、汚したり落としたりしないよう早めにしまっても構いません。その際は、「失礼いたします」の一言を添えましょう。
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8.名刺交換での5つのNG【交流会編】
社会人になると、交流会や懇親会などに参加する機会もあるでしょう。ここでは、交流会などでついやってしまいがちな名刺交換での5つのNG交換をご紹介します。
8-1.名刺をきちんと見ずに、いきなり「どんなことをされているんですか?」と質問する
名刺には、その人の会社や役職など基本的な情報が書いてあります。名刺からわかることを口で質問してしまうと、相手にも「名刺に書いてあるのに...」とがっかりされてしまうかもしれません。
8-2.名刺の裏表をじっくり見るが、無言
名刺交換はコミュニケーションの始まりです。無言のままだと、相手は少しいたたまれない気持ちになりながら、「私は...」と説明することになってしまいます。
8-3.話したことをその場で受け取った名刺に書き込む
名刺はその人の「顔」や「分身」といわれています。後々の整理のために書き込みたい気持ちはわかりますが、別のメモ帳に書き込むか、名刺に書く場合は相手と離れてからにしましょう。
8-4.受け取るのみで、自分の名刺を渡さない(理由を言わない)
たまたま名刺を忘れてしまうこともあるでしょう。そんな場合は、「恐れ入りますが、名刺を切らしておりまして。次回、お目にかかる際にお渡ししてもよろしいでしょうか」などの一言がないと、相手は「なぜ、くれないの?」と不審に思ってしまいます。
8-5.話しながら、受け取った名刺を手でもてあそぶ
話しながら名刺を触り、曲げたりはじいたりしていませんか?相手にとっては気持ちの良いものではありません。名刺交換は第一印象が決まる大切な場面ですので、相手の立場に立ち、好印象を持ってもらえるような「名刺交換」を心がけましょう。
9.名刺交換のタイミングを逃してしまったら?
遅れて参加してきた人がいた場合や相手が名刺を出し忘れた場合など、名刺交換のタイミングを逃してしまったら、用件が終わったところで名刺をもらいたい旨を伝えましょう。
「恐れ入りますが、お名刺を1枚頂いてもよろしいでしょうか?」といった風に丁寧に依頼すれば、マナー違反にはなりません。名刺はビジネスを円滑にするための重要なアイテムですので、できるだけ交換するようにしましょう。
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