食事のマナーが悪いと、仕事の能力まで疑われてしまうこともあります。取引先や上司との会食だけでなく、社会人になるとパーティーや結婚披露宴に呼ばれることも増えます。過度な緊張をせずにすむよう、最低限、知っておきたい食事(洋食、中華)のマナーをご紹介します。前回の「和食編」とあわせて、少し気が張る会食時に気をつけたいマナーを確認しましょう。
食事中の10のマナーQ&A<洋食編>
Q.1ずらりと並んだナイフやフォーク、外側から使っていくのは知っているけど、間違えて使ってしまったときはどうしたらいい?
A.間違えて使った場合や、使ってよかったのか心配な場合は、食べ終えたお皿を下げにきたお店の人に「こちらを使ってしまったのですが......」などと一言伝えると、不足した代わりのナイフやフォークを持ってきてくれます。
Q.2食事の途中や食べ終わったとき、ナイフとフォークはどうする?
A.食事の途中は、ナイフとフォークをお皿の上に八の字に広げて置きます。(ナイフは刃を内側に、フォークは下に向ける)食べ終わったときはナイフとフォークを2本そろえてお皿の上、右斜め下に置きます。(ナイフは刃を内側に、フォークは上を向ける)
Q.3手を使っていい場合もある?フィンガーボールってどう使う?
A.エビやカニなど甲殻類の殻付き料理や、殻付きのカキ、骨が付いた肉など、ナイフとフォークで食べづらい場合は手を使っても構いません。汚れた指先だけをフィンガーボールで洗い、膝の上のナフキンで拭きましょう。
Q.4ナフキンはどう使う?中座するときはどこに置く?
A.半分に折り、折り目を自分のほうに向けて膝の上に置きます。中座するときは軽くたたんで椅子の上に置きます。食事が終わってお店を出るときはテーブルの上に置きますが、このときもきれいにたたまなくて構いません。
Q.5ワインを注いでもらうとき、グラスは持ったほうがいい?
A.お店の人に注いでもらう場合は、一切グラスには手を触れません。また、目の前のグラスが空になったときは、黙って軽く手を上げるか、空のグラスを軽く持ち上げてお店の人を呼びましょう。「すみませ~ん!」などと大きな声でお店の人を呼ぶのはNGです。
Q.6お皿に残ったソースはパンですくって食べてもいい?
A.こちらは見解が分かれるところです。「残したくないほどおいしい意思表示」と受け取る人もいれば、「品がない」と受け取る人もいます。パンではなく、その料理の食材でソースもきれいに食べるのが無難でしょう。
Q.7食べ終わったお皿が邪魔なとき、重ねてもいい?
A.重ねてはいけません。お皿に傷がついたり、破損したりする可能性もあります。邪魔な場合はお店の人に下げてもらうようお願いしましょう。
Q.8バッグはどこに置く?
A.女性用の小さな物であれば、椅子の背もたれと背中の間に置きます。大きな場合はサービスの邪魔にならない右側の足元に置くか、クロークなどで預かってもらいましょう。
食事中の10のマナーQ&A<中華料理編>
Q.1円卓の上の回転テーブルを回す方向は決まっているの?
A.時計回りに回します。他の人が取り分けていないか確認して、ゆっくり回しましょう。一回転して全員が取り分けた後、残りの料理を取りたい場合も時計回りに回しましょう。
Q.2取り分け用小皿は何枚使ってもいいの?
A.小皿は料理ごとに1枚ずつ取り換えます。使い終わったお皿は邪魔にならないところに置きますが、回転テーブルの上には共有するもの(調味料や大皿料理)以外は乗せないよう気をつけましょう。ちなみに、お皿を重ねるのは洋食と同じくNGです。
まとめ
洋食・中華、いずれの食事においても、一番大切なことは同じテーブルを囲む"相手を不快にさせないこと"。食事中の振る舞いには、その人の品性が表れるものです。自信をもって、落ち着いて振る舞えるよう、基本的なマナーを理解しておきましょう。