更新日:2024/11/29
この記事のまとめ
「出産」は、人生における重要なライフイベントのひとつです。出産後も働き続ける場合は、子育てと仕事を両立できる環境を構築する必要があります。そのため、「転職はしたい。けど出産も考えている」といった場合、出産前と出産後のどちらのタイミングで転職するか悩むこともあるでしょう。
そこでこの記事では、出産前と出産後のそれぞれのタイミングで転職するメリット・デメリットを紹介します。転職のタイミングについて悩む女性の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
いずれ出産したいと考えている場合、「子育てを踏まえて働きやすい職場に転職しておいたほうがよいのでは」「実際に子育てをしてみないと分からないことも多いから、転職は出産後に検討したほうがよいかもしれない」など、転職のタイミングで悩むこともあるでしょう。ここでは、厚生労働省のデータを踏まえながら転職のタイミングについて解説します。
厚生労働省が公表している「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会 報告書 参考資料集」によると、約7割の女性が第1子出産後も同じ職場で継続的に働き、約3割の女性は出産を機に退職しているということです。なお、雇用形態別の就業継続率は以下のとおりです。
参照:今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会|厚生労働省
妊娠・出産をする場合、会社勤務の女性は産休を取る必要があります。そのため「転職直後に出産すると迷惑がかかるのでは」といった心配をする方もいるでしょう。しかし、妊娠のタイミングはコントロールできるものではなく、いつそのときが訪れるのかは誰にも予想できません。予想外のタイミングで妊娠するケースは十分あり得ることから、会社の事情は特に気にする必要はないといえるでしょう。
また、「子育てがしやすい職場へ早めに転職しておこう」と思っても、「やはりキャリアを優先したい」といったように考え方や事情が変わるケースも少なくありません。転職のタイミングに正解はないため、出産前・出産後に転職するメリット・デメリットを踏まえたうえで、いま自分が優先したいことを大事にするとよいでしょう。
一般的に、転職は年齢を重ねるほど難しくなります。特に未経験の業界・職種への転職は、年齢が若いほうが有利です。いずれ転職を考えているのであれば、出産前に転職しておくのもよいでしょう。ここでは、出産前に転職するメリットを紹介します。
幅広い選択肢から転職先を選べるのは、出産前に転職するメリットです。出産後に転職する場合、子育てとの両立を考慮する必要があることから、ある程度転職先選びに制限が生まれます。たとえば、「保育園から近い職場」「できる限り体に負担がかからない仕事」などです。しかし転職を優先する場合は、仕事内容や場所に制限されず、興味のある仕事に挑戦できます。
出産前に転職して数年間仕事に専念すれば、ある程度仕事に慣れた状態で、かつ上司や同僚とも信頼関係を築いてから産休・育休に入れます。信頼関係を築いていれば仕事にも復帰しやすくなるため、安心して子育てに専念できるでしょう。出産予定がまだ先であれば、早めに転職して仕事に慣れておくのも手です。
「子育てよりも仕事を優先したい」場合は、出産前の転職がおすすめです。しかし入社直後は育休制度が活用できない可能性があるため、出産前に転職するかどうか一度踏みとどまって検討することが大切です。また、転職によって働き方や生活スタイルが変化することで、「出産」が先延ばしになるケースもあるでしょう。ここでは、出産前に転職するデメリットについて詳しく説明します。
育児休業(育休)は働く方全員が取得できます。しかし、育休の取得条件は会社の規定によって異なります。入社直後には育休を取得できないケースも多いため、転職直後に出産を考えている場合は注意が必要です。転職直後に出産する可能性がある場合は、求人を探す際に育休制度について確認しておくとよいでしょう。
転職直後は、新しい仕事や職場環境に慣れるのに時間がかかる場合があります。また、転職してから「やはり仕事を優先したい」と考え方が変わることもあるでしょう。そのため、出産前に転職することで「妊娠・出産」というライフイベントが予定よりも先延ばしになる可能性があります。出産前に転職をする場合は、パートナーと行き違いが生じないように話し合っておくことが大事です。
仕事よりも子育てを優先したい場合、出産後の転職のほうが適している可能性があります。なぜなら、実際に子育てを経験してから職場を選べるためです。また、子育ての経験を選考時に自分の強みとしてアピールできる場合もあります。ここでは、出産後に転職するメリットを2つ紹介します。
実際に子育てをしてみないと、適した勤務時間や通勤時間、必要な給与などが分からない場合があります。そのため、出産前に転職すると「働き方を変えたい」と思ったときに再び転職活動が必要になる可能性も少なくありません。しかし出産後の転職であれば、現在の子育て環境を踏まえたうえで自分に合った求人を探せます。
「子どもがいると転職で不利になるのでは」と心配をする方もいるでしょう。基本的に、子どもが原因で不採用になることはありません。また、「子育て経験のある女性の意見を取り入れたい」企業も存在するため、出産後のほうが転職を有利に進められることもあります。
加えて子育てを通じて得られる「段取り力」「決断力」「忍耐力」などは、仕事でも十分活かせるスキルといえます。
仕事よりも子育てを優先するのであれば、出産後に転職したほうがワークライフバランスを実現しやすいといえます。ただし、出産後の転職によって苦労することがあるのも事実です。ここでは、出産後に転職するデメリットについて解説します。
育児をしながらの転職活動は簡単ではありません。転職活動には自己分析や求人探し、企業研究、応募書類の作成、面接対策などやることが多くあります。しかし育児に追われていると転職活動に時間が割けないうえに、体力的にも疲れてしまう可能性があります。育児と並行して転職活動をする場合、家族からサポートを受けたり転職エージェントを利用したりするのがおすすめです。
無事に転職できても、育児と慣れない仕事の両立が難しいと感じる可能性があります。特に未経験の業種に転職した場合は、さまざまな仕事を新たに覚える必要があります。仕事から帰れば育児も待っており、心身が休めないと感じる人もいるでしょう。育児と仕事を両立させるためには、パートナーや親戚を頼ることも大切です。
幼い子どもは体調を崩しやすく、場合によっては会社を休む日が多くなる可能性があります。また、保育園に預けても急な発熱で呼び出され、出勤してもすぐに早退せざるを得なくなることもあるでしょう。保育園の呼び出しに対しては、夫婦のどちらが対応するか話し合うか、病児保育に登録するなど対策を考えておくことが大切です。
出産前と出産後の転職にはそれぞれメリット・デメリットがあることから、いつ転職すればよいか悩む方も多くいるでしょう。ここでは、転職のタイミングで悩む場合の対処法を紹介します。転職活動におけるポイントにも触れているため、一度目をとおしてみてください。
まず、転職したい理由が明確でなければ転職を急ぐ必要はありません。転職理由が明確でないまま転職しても、入社後のミスマッチが発生してしまうリスクが高くなります。
「子育てと両立するためにリモートワークが可能な仕事がしたい」「子どもと過ごす時間を確保したいため、自宅から近い場所で勤務したい」など、明確な理由が定まってから転職活動を始めるとよいでしょう。
キャリアプランを見直すことで、「転職を優先するか」「子育てを優先するか」の方向性が定まりやすくなります。キャリアプランとは、将来の仕事や働き方の理想を実現するために立てる計画のことです。5年後、10年後、20年後に自分がどうなっていたいのかを考えてみてください。
キャリアプランが定まると、理想のキャリア実現に向けて「いま自分が何をしたらよいのか」が明確になります。またキャリアに一貫性が生まれやすく、転職を繰り返すことも防止できます。
転職すれば、ライフスタイルが大きく変わる場合があります。転職はひとりの問題ではないため、家族・パートナーとしっかり話し合って決めることが大切です。自分が出産前に転職したいと思っても、家族・パートナーは別の考え方やビジョンを持っている場合があります。子どもや将来のことについて話し合った結果、「転職しない」という答えにたどり着く可能性も少なくありません。
仕事と子育てを両立するために転職したいのであれば、現職で働き方を変えることも検討してみてください。時短勤務やフレックスタイム制度を利用できないか、リモートワークが可能かなど、現職の上司や人事に相談してみるとよいでしょう。また「営業から事務へ異動する」といったように、部署を変えることで子育てと両立できる場合もあります。
転職のタイミングについて考えがまとまらない場合は、転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーに相談してみるのも手です。キャリアアドバイザーは転職市場の最新情報や、育児支援が整った職場について豊富な知識を有しています。
個々の希望やキャリアプランを踏まえて、どのタイミングで転職したほうがよいのか、適切なアドバイスを受けられます。また転職を決断する場合は、キャリアアドバイザーが転職活動を一からサポートしてくれる点もメリットです。
出産予定があり、これから転職を考えている場合は慎重に職場を選びましょう。世の中には多くの求人がありますが、仕事と子育てとの両立が難しい職場を選んでしまうと、再び転職が必要になる可能性があります。とはいえどういった職場を選べばよいか、悩む女性の方も多くいるでしょう。
ここでは、子育てしやすい職場の特徴を5つピックアップして紹介します。下記に当てはまる求人を見つけた場合は、前向きに応募を検討してみてください。
女性が多く活躍している職場は、出産を経験している人が多い可能性があります。そういった職場では出産・育児への理解が得られやすく、サポートも受けやすいといえます。また出産を経験している女性社員から、仕事と子育ての両立に関するアドバイスを得られることもあるでしょう。
時短勤務やフレックスタイム制度、リモートワークといった柔軟な働き方が可能な職場は育児との両立がしやすいといえます。たとえば時短勤務やフレックスタイム制度があれば、子どもの保育園の送り迎えに合わせて勤務時間を調整可能です。また、リモートワークが可能であれば時間を有効活用できるため、家事も進みやすくなります。
子どもがいると、有給を取得したいと思うことが増える可能性があります。たとえば「子どもが熱を出した」「家族で旅行に行きたい」「運動会に参加したい」などです。有給休暇は労働者に与えられた権利ですが、取得しにくいと感じる会社があるのも事実です。
しかし有給取得率が高い会社を選べば、前向きな気持ちで休みを取れるでしょう。求人情報やホームページなどに有給取得率を記載している会社であれば、休みが取りやすい可能性が高いといえます。
保育園(幼稚園)の送り迎えをする場合、勤務場所もしっかりと検討する必要があります。育児と仕事の両立を成功させるには、時間の使い方が重要です。通勤時間を少しでも短縮させたいのなら、職場が自宅や保育園から近い場所を選ぶとよいでしょう。また、子どもの発熱で保育園から呼び出しがあった際にも職場が近いとすぐに対応できます。
「えるぼし認定」は女性の活躍を推進している企業、「くるみん認定」は子育てサポートが優良な企業であることを厚生労働大臣が認定する制度です。えるぼし認定には「女性社員の割合が業界の平均値を超えていること」「残業時間・休日出勤が45時間以内」などの認定基準があります。
一方で、くるみん認定の認定基準は「女性従業員の育児休業取得率が一定数値以上であること」「フレックスタイム制・変形労働時間制を活用している」などです。仕事と育児の両立を考えて転職するのであれば、「えるぼし認定」「くるみん認定」を取得している企業を選ぶのも手です。
参照:「えるぼし」・「くるみん」認定取得を目指しましょう|厚生労働省福岡労働局
「子育て支援が充実している会社に転職したい」「いま転職したほうがよいのかアドバイスがほしい」など、転職に関してお悩みの方はぜひマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントには、女性の転職事情に精通したキャリアアドバイザーが在籍しています。あなたのキャリアプランや希望を丁寧にヒアリングし、適切なアドバイスが可能です。
転職を決断される場合には、あなたのスキルや経験が活かせる求人を紹介します。転職活動に慣れていない場合でも、応募書類の作成や面接対策のアドバイス、条件交渉の代行など幅広くサポートしますのでご安心ください。
出産前と出産後の転職には、それぞれメリット・デメリットがあります。子育てを優先するのか、キャリアを優先するのかなどを慎重に考え、いつ転職のタイミングを検討するとよいでしょう。また、妊娠のタイミングはコントロールできない点にも留意が必要です。
どうしても転職のタイミングで悩む場合は、転職エージェントへの相談を検討してみてください。マイナビエージェントには、経験豊富なキャリアアドバイザーが在籍しています。転職に関するご相談であれば何でも受けつけておりますので、お気軽にお問い合わせください。
女性
手に職をつけたい女性向けの職種15選を紹介!転職のコツとキャリアの方向性
女性
30代女性の転職先としておすすめの職種は?成功のコツと必要なスキルも紹介
女性
既婚女性が転職を成功させるには?自己分析や面接のポイントを紹介