更新日:2024/05/28
この記事のまとめ
さまざまな商品や事業、サービスを最前線で取引する商社の仕事に魅力を感じ、挑戦してみたいと考える女性の方もいるでしょう。しかし「激務でプライベートの時間がまったくないイメージ」「子育てとの両立が難しそう」など、不安に感じる点も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、商社の仕事が向いている女性の特徴や転職する前に知っておきたい注意点などについて解説します。活躍するために必要なスキルや資格も紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
目次
商社とは、商品や事業、サービスなどの取引を仲介する企業です。主に総合商社と専門商社に分かれており、それぞれ働き方や特徴は異なります。ここでは、総合商社と専門商社の概要について詳しく解説します。自分が働きたいと考えている商社がどちらなのか、イメージしながら読み進めてみてください。
総合商社は、さまざまな事業や商品に関する取引を世界中で行っている企業のことです。自動車や食品などの生活に身近なものから、石油や航空機など規模の大きいものまで幅広い商材を一社で取り扱います。部署の数も多く、配属先によって関わる業務はさまざまです。グローバルに活躍している商社への入社に憧れる方は多く、入社難易度も高い傾向にあるとされています。
さまざまな事業や商品を扱う総合商社に対し、特定の分野に特化した商品を取り扱っている企業が専門商社です。必ずしもひとつの分野に専念している企業のみを指すわけではなく、特定の商品が全体の売り上げの半数以上を占めている場合にも「専門商社」と呼ばれるケースが多いとされています。総合商社よりも企業の規模は小さい傾向にありますが、その分野に対する高い専門性を身につけられる点が魅力です。
総合商社と専門商社のいずれも職種は大きく総合職と一般職に分けられ、担当する業務が異なります。
|
総合職のほうがプロジェクトに直接関わっている分、仕事量の負担は大きいとされています。ただし一般職でも業務内容は多岐にわたり、一般的な事務職よりも仕事量は多い傾向にあります。
商社の主な業務内容は、「トレーディング」と「事業投資」に分かれます。トレーディングは売買をサポートする仕事です。一方で事業投資は、企業に出資して事業拡大を手伝う仕事のことをいいます。ここでは、それぞれの業務についてさらに具体的に解説します。
トレーディングとは、いわゆる「卸売業」に近い業務のことです。たとえば、「A社がB社の商品を買いたい」といった場合に、その間を取り持ちスムーズに売買が成立するようサポートを行います。企業間の取引による仲介手数料が、商社の売り上げです。物理的な商品以外にも金融や保険サービスなどを扱う場合もあります。また総合商社よりも、専門商社のほうがトレーディングの事業割合は高いといえるでしょう。
商品売買の仲介を担うトレーディングに対し、企業に対して出資を行う業務を「事業投資」といいます。企業の買収や業務提携を行い、事業を拡大させることで利益を獲得する仕組みです。業務の一環として社員を投資先の企業に出向させるケースもあるため、総合職の出張や転勤は多いと考えられます。幅広い商品を扱う総合商社は、トレーディングより事業投資の割合のほうが高い傾向にあります。
商社の仕事に挑戦したいと考えている女性は、まず自分の性格や特性から適性を判断する必要があります。たとえば、商社はさまざまな人と関わりのある仕事であるため、コミュニケーション能力は必須だといえるでしょう。ここでは、商社で活躍できる女性の特徴について詳しく紹介します。
男女にかかわらず、コミュニケーション能力の高い方は商社での仕事に向いているといえます。ひとつのプロジェクトを完了させるまでの間、さまざまな職種の方と関わる機会が多いためです。主に相手のニーズをうまく聞き出すヒアリング力、気持ちよく取引を進められる会話力などが求められます。
出張や転勤の多い総合職の場合は、人間関係をうまく構築する力も大切でしょう。またチームとして動く場面も多いため、協調性も必要不可欠です。
特に総合職の場合、新しい取引を獲得しプロジェクトを進めていく業務がメインとなるため、チャレンジ精神や高い向上心が求められる仕事だといえます。出張や転勤先では、慣れない環境の中でうまくいかないことがあっても、果敢に立ち向かう意欲が必要です。
また、これまでに一度も携わったことのない業務を任されるケースも多いため、粘り強さや壁を乗り越える力も試されます。自ら考えて行動できる方は会社からも重宝され、即戦力になるのに時間はかからないでしょう。
商社での勤務は、仕事量が多いと感じる方もいます。またトラブル発生などによって、急な残業を強いられる場合もあるでしょう。海外への出張や転勤が多い方は、慣れない環境で仕事と向き合わなければなりません。このように心身ともにプレッシャーを感じるケースが多々あるため、体力やメンタルに自信がある方のほうが向いているといえます。
特に一般職の場合は事務作業が多く、細かい作業を正確にこなせる方は商社での仕事が向いているといえます。期限が迫っている書類作成などスピードを求められることもあるでしょう。
また同じ作業の繰り返しになるため、マニュアル化された業務が苦に感じない方も商社の一般職に向いているといえます。総合職の場合も自分で書類を作成したりデータを入力したりする機会があるため、ミスや漏れなく丁寧な作業を行える方に向いています。
大きなプロジェクトに関わったり海外の企業と取引したりなど、やりがいが大きいと考えられる商社の仕事ですが、女性が働く際に大変だと感じるポイントもあります。ここでは、商社で働きたい女性が知っておきたい注意点を紹介します。
総合職の場合、海外への出張や駐在が多い可能性があります。そのため、家庭のある女性の場合は出張・駐在期間をどのように過ごすのか検討しなければなりません。ひとりで単身赴任をするのか、家族と一緒に引っ越すのかなど生活の拠点について考える必要があります。
海外出張・駐在は短くて1ヵ月ほど、長い場合だと1年~3年ほどになるケースもあるでしょう。「どうしても商社で働きたいけれど、海外への出張や駐在は避けたい」という女性は一般職を選択し、入社前にも念のため海外出張・駐在の有無を確認しておくと安心です。
商社での仕事、特に総合職の場合は担当するプロジェクトによって出張や残業が続く場合が考えられます。体力的に負担を感じることがある点は十分理解しておく必要があるでしょう。
特に育児をしながら働く女性の場合は、仕事と家庭の両立をうまくこなすのに苦戦する可能性も考えられます。商社で働きたい場合には周りのサポートを頼ったり、残業や移動の少ない部署を選択したりといった対策を検討するとよいでしょう。
女性が商社で活躍するためには経験や実績を積み上げることも大切ですが、役立つ資格やスキルを獲得してみることもおすすめです。たとえば商社では英語力を求められるケースが多いため、TOEICでハイスコアを取っておくと転職時に有利になるだけでなく、入社後も短期間で即戦力になれる可能性が高いといえます。ここでは、商社で働く際に取得しておきたい資格をいくつか紹介します。
商社での業務は海外企業とのやりとりも多く、基本的に英語力が必須です。そのため、採用時にひとつの基準としてTOEICの点数が重視されるケースが多くあります。一般的に730点以上が最低ボーダーライン、800点あれば大きなアドバンテージにつながるでしょう。
またTOEICの点数だけを重視するのではなく、リスニング力とスピーキング力はできるだけ高めておいたほうが入社後に即戦力として活躍できる可能性が高くなります。
商社で働きたいと考えている女性の場合は、簿記(日商簿記)2級以上の資格を取得しておくとアピール材料のひとつとなります。事業投資では投資先の財務諸表を読み解き、財務状況や業績、決算内容を正確に判断する力が必要となるためです。事務作業の多い一般職を検討している方だけでなく、総合職においても数字に強いことは大きな強みとなるため、取得しておいて損のない資格だといえます。
証券アナリストとは、証券投資や企業評価の知識に優れていることを認定する資格です。資格を持っておけば企業の投資価値を正しく分析して、取引先との商談においてコンサルタントとしての役割を果たすこともできます。また資本市場や投資、金融商品の仕組みなどについて正しく幅広い知識を持っていれば、商社でのさまざまな業務において役に立つ場面は多いといえます。
ビジネス実務法務検定試験とは、ビジネスに必要な法律知識を身につけられる試験のことです。試験に合格すると、コンプライアンスなどの問題を未然に防げたり、トラブルが発生した際に法律の観点からスムーズに解決へ導いたりできる能力を客観的にアピール可能です。商社を目指す際にも役に立つ検定試験のひとつです。試験の合格が昇給や昇進の条件となる企業もあります。
商社の仕事について、「自分の性格は向いているだろうか」「やりがいに魅力を感じるため働いてみたい」と考えている女性に向けて、ここではさらによくある疑問について深掘りします。疑問や不安点を事前に解消しておくと、転職後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。
商社で働く女性の服装は、オフィスカジュアルが基本です。カジュアルすぎるジーンズやチェックシャツ、露出の多いノースリーブやミニスカート、派手なアクセサリーなどは場にそぐわないと考えられています。とはいえ、会社によって服装に関する規定は異なるため、入社前に確認してから準備すると安心でしょう。
商社は残業や出張など肉体的な負担が大きいことなどから、男性の割合が高い企業も存在します。そのため産休や育休は制度としては存在しているものの、雰囲気的に取りにくく取得率が低いケースもあるでしょう。
育児をしながら商社で働きたいと考えている方は、社員の子育て支援に積極的な企業を選択することをおすすめします。たとえばフレックスタイム制やテレワークを導入している自由度の高い企業の場合、産休や育休も取りやすい傾向にあると考えられます。
ただし、求人情報からではなかなか企業の実情は見えてきません。自分に合う企業を見つけたいなら、転職エージェントを利用して求人の紹介を受けるとよいでしょう。
商社はさまざまなプロジェクトに関わるやりがいのある仕事ですが、肉体的な負担が大きかったり出張や転勤で子育てとの両立が難しかったりなど挑戦するのをためらってしまう場合もあるでしょう。しかし、女性が働きやすい企業や部署を選択すれば商社で自分らしく活躍できます。
マイナビエージェントに相談していただければ、女性が働きやすい企業を紹介し、面接など採用選考時に役立つアドバイスもいたします。ぜひお話をお聞かせください。
商社はコミュニケーション能力や向上心が高く、メンタルに自信のある女性が向いている職種だといえます。商社で活躍するためにも、英語力だけでなく簿記や証券アナリストなどの資格取得によって幅広い知識を身につけるとよいでしょう。
また子育てと両立させたい場合には、制度やサポートが充実した企業を選択する必要があります。「自分に合う商社で働いてみたい」と考えている女性は、マイナビエージェントへご相談ください。
女性
【女性】転職のタイミングは出産前?出産後?子育てしやすい職場の特徴とは
女性
手に職をつけたい女性向けの職種15選を紹介!転職のコツとキャリアの方向性
女性
30代女性の転職先としておすすめの職種は?成功のコツと必要なスキルも紹介