更新日:2022/04/11
ここ数年、業務の効率化によって一人ひとりの成果を最大化し、少ない労力で大きな利益を上げる「生産性の向上」が企業の課題となっています。それを受け、従来の精神論的な営業手法ではなく適切なマネジメントによる効果的な営業手法が広まってきました。
とはいえ、営業マネジメントとは具体的にどのような考え方を指しているのかよくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、営業マネジメントの役割やポイントについて詳しく解説します。
目次
英単語のマネジメント(management)には「管理」や「経営」といった意味がありますが、現代においては組織の人員管理や運営を担う意味でよく使われます。
マネジメントという言葉の定義に大きな影響を与えたピーター・ファーディナンド・ドラッカーは、マネジメントを「組織が成果を出せるようにするための道具や仕組み」と定義しています。
ドラッガーの定義を踏まえると、営業マネジメントは「営業部門が営業活動において成果を出せるように道具や仕組みを整備すること」であるといえるでしょう。
つまり営業マネジメントは、個々の営業マンの能力を最大限に発揮させて売上を確保し、自社の利益を最大化するための環境を整備する役割を持っていることになります。
営業マネジメントを行うことによるメリットとしては次の3つが挙げられます。
営業マネジメントによって管理者と営業マンの双方が調整にかかる工数を削減することで、一人ひとりが自分の仕事に集中できるようになります。それぞれが最大の能力を発揮できるようになり、空いた時間でスキルアップを目指すことがきるようになります。
営業マンが成果を出しやすい環境を整え、一人ひとりの成果を高めることで、組織全体の成果の向上が図れます。成果の向上は企業の利益に直結するものであり、持続的な経営のために欠かすことはできません。
よりよい環境で業務に臨めるようになると、一人ひとりのモチベーションが向上して前向きに営業活動に取り組めるようになります。また、成果を高めるためにどのような行動すればよいのかを考える主体性が高まり、組織全体が活性化します。
営業マネジメントを行う際には、次の4つのポイントを意識することが大切です。イメージだけで指示・監督するのではなく、具体的な指標に基づいたマネジメントをおこないましょう。
いくら成果を高めようと思っても、目標がなければどこを目指せばよいのかわかりません。メンバーそれぞれが達成すべき目標を設定し綿密に管理することが一人ひとりの成長につながります。
営業活動においてどのような行動を取っているのかを記録し、その行動を一定周期で振り返って分析します。順調に目標を達成できているのであれば成功の要因はどこにあるのか、目標に到達できていないのであれば何が達成を妨げているのかを分析し、そのうえで改善のヒントを提案すれば、メンバーは成長のきっかけをつかむことができます。
社内にはさまざまな案件がありますが、すべての案件が成約に結びつくとは限りません。中には受注の可能性が低いものもあるため、あらかじめ案件を精査して注力するものを見定めるのも重要な業務の一つです。
各案件がどの程度進捗しているのかを定期的に確かめたり、受注に至るまでのプロセスを管理したりするのもマネジメントの役割です。
組織に所属しているメンバーのモチベーションをできるだけ高い状態で維持することは成果に直結します。個々の営業の状態に目を向け、モチベーションが低下していないか、低下しているようであれば何か困っていることはないかヒアリングしてみるなどの対策を早めに取ることが大切です。
さまざまな個性を持つ営業を束ね導くリーダーシップなど、営業マネジメントには多くのスキルが求められます。特に次の4つのスキルは、日々の業務をスムーズに進行するために非常に重要です。
組織がどのような状態にあるのかを把握・分析し自社にとっての課題を明確にするスキルは、営業マネジメントにとって必要不可欠です。また、視野を広く持って全体を見渡し細かい部分にまで目を向ける観察力も必要とされるスキルの一つです。
時には営業方針を定める役割も担う営業マネジメントには、周りを率先して引っ張っていく行動力や決断力が求められます。毅然とした態度で施策の必要性を説明し、「この人が言うのなら実践してみよう」と思わせるようなリーダーシップを持った方が営業マネジメントに適しています。
組織の目標を達成するために部門全体でどのような行動を取らなければならないのかを理解できる人、またそれを具体的な行動に落とし込めるスキルを持っている人は、営業マネジメントとしての素養を持っています。
会社の最終目標は売上を確保して利益を上げることであり、その目標は各営業部門に振り分けられます。そのため、まずは組織の目標をしっかりと理解し、そのうえで部門の目標を設定することが重要です。
根性論で営業方針を定めても効率的な営業活動にはつながりません。売上目標を効率よく達成するためには、論理的思考をもとに客観的な視点で全体を見通すスキルが必要となります。データをもとに効果的なアプローチを考えたり、営業一人ひとりの個性に合ったやり方を提示したりするためのロジカルな思考力が求められます。
本記事では、営業マネジメントの役割や仕事において押さえておきたいポイントについてお伝えしました。
営業マネジメントに重要なのは、物事を常に俯瞰的に見つめて課題を整理し、成果を上げられるための仕組みを整えるスキルです。ツールの整備や営業一人ひとりのコンディションの管理など、あらゆる方面から営業活動をサポートし、気持ちよく働ける環境づくりができれば、きっと優秀な営業マネージャーとして評価されるはずです。
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