更新日:2022/04/11
ホテル業界というと、ゲストをもてなすサービス業のイメージが強いもの。しかし、他の業界と同じく、ホテル業界にも営業という仕事が存在します。
ホテル業界で働く営業職は実際にどのような仕事を行っているのでしょうか。その仕事の内容や必要な資格、将来性などについて見ていきましょう。
目次
ホテルの営業職の仕事は、お客様がホテルに足を運んでいただくきっかけを作ることです。ホテル内でお客様と接することはほとんどありませんが、ホテル経営において欠かせない仕事のひとつなのです。
それでは、ホテルの営業職の仕事の特徴を見ていきましょう。
ホテルの営業職の主なお客様は旅行代理店となり、ほとんどが法人営業です。外国人旅行客や家族旅行をターゲットとした宿泊プランの売り込みや価格交渉などが日常業務となります。
また、企業の入社式や新年会などのイベントも大きな売上となるため、さまざまな業界の企業を回り、ニーズに合ったプランを提案するなどの業務もあります。
他業界の営業職と同じく外回りが多い仕事ですが、ホテルの規模によっては宿泊プランやイベントプランを構築する企画営業を担う部署が独立していることもあります。この場合は、マーケティングに加えて各部署と連携しながら企画を練る、社内での仕事が多くなります。
ホテルが提供している宿泊サービスの他、宴会やブライダルをはじめとする各種イベントを利用して、ホテルを使っていただくきっかけを作ることも営業職の仕事です。
ホテルにとって売上の柱となるイベントでは、企画立案やお客様とのやりとりにおいても、女性の視点や感性が役に立つことがあります。そのため、女性にとっても働きがいのある仕事といえるでしょう。
ホテルの営業職につくために必要となる資格はありませんが、ホテル業界の動向や業務を学ぶことができる「ホテル実務技能認定」や「ホテルビジネス実務検定」という資格があります。必須ではありませんが、取得しておくと就職時に有利になることもあるでしょう。
また、他業界での営業経験は、ホテル業界でも役立ちます。お客様である旅行代理店からの転職も、相手の事情をよく知っているという点で有利となります。
他にも、ホテルによっては、英語力が必要になる場合もあります。現在では外国人観光客の需要が高まっていることもあり、海外からの問い合わせなどに対応できるレベルの英語力があると優遇されることもあるでしょう。
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外資系のホテルや国内一流クラスのホテルは別として、一般的にこの業界の給料は低く、平均年収は300万円から400万円前後といわれています。しかし、社会保険はもちろん、各種手当や社員寮、退職金制度など、手厚い待遇が用意されていることが多いようです。
いずれにしても、ホテルによってかなり差がありますので、事前にしっかりリサーチしておきましょう。
多くの業界と同様に、営業は企業の花形でもある部署ですから、ホテルによっては出世コースにのれる可能性が高いといえます。また、営業スキルはどの業界でも活かすことができますので、他業種への転職の際にも役立つでしょう。
ホテルの営業職につくための、決まったコースはありませんが、大きく分けて2通りの方法があります。
新卒の場合、ホテルスクールや外国語学院などの観光や経営に関する学校で知識を身に付けてホテル業界を目指すというのが一般的です。
入社時に営業職を希望していても、最初から営業になれるとは限らず、宴会部や宿泊部などの現場に配属されることもあります。しかし、そうした現場でのサービスを知っておくことは、営業職としても大きな武器になります。
ホテルの営業職は、他業界から転職してくる人も少なくありません。中でも、広告代理店や旅行代理店などでの経験で身に付けた知識や営業ノウハウは、大いに活かすことができるでしょう。
求人情報を見てみると、営業経験者を希望する企業が目立ちますが、決して必須ではありません。営業職は本人の人柄ややる気が評価されることも多いので、未経験だからといってあきらめず、積極的にアプローチしてみましょう。
日本の主要なホテルは、宿泊料金の売上は全体の3割程度で、宴会やレストランの売上が多くを占めるといわれています。それだけに、魅力的なブライダルプランや大企業の会議、セミナー、商品発表会などのイベントを受注する営業職は、ホテルにとって生命線ともいえる存在です。
自分の働きひとつでホテルの売上に貢献することができますので、やりがいもあります。他社との競争を勝ち抜いて受注を決めるのは簡単なことではありませんが、営業職は自分の力を試すことができる、絶好の仕事といえるのではないでしょうか。
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