更新日:2025/01/17
この記事のまとめ
「職務経歴書の特記事項って空欄のままで大丈夫?」
「特記事項にどのようなことを書けば良いのか知りたい」
など、職務経歴書の特記事項欄の書き方について、疑問を抱いている方もいらっしゃると思います。職務経歴書の特記事項は、あらかじめ企業に伝えるべき内容を端的に記す項目で、空欄や「特になし」の記述は避けるのが無難です。
そこで今回は、職務経歴書の特記事項の書き方や例文、おさえたいポイント、特記事項の活用方法などを解説します。いままで職務経歴書の特記事項について疑問を抱いていた方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
職務経歴書に職歴やスキルはしっかり書けても、特記事項についてはどのような項目なのか分からない方もいると思います。しかし、何のために設けられた項目なのかを把握できていれば、書く内容の見当をつけられます。
ここでは職務経歴書と履歴書の特記事項について、それぞれ概要をご紹介します。
職務経歴書の特記事項欄には、「事前に企業へと伝える必要がある大事なことや希望」を書きます。ただし、職歴や保有資格など、ほかの欄に記入した内容をくり返すことは避けましょう。
一般的には、連絡可能な時間帯が限られている場合にはその旨を記入したり、ブランクの長さや転職回数の長さなど不利になる情報に関する補足を記入したりします。なお、職務経歴書の特記事項は必須項目ではありません。特記事項がない場合には、項目自体が設けられていないフォーマットを利用するのもひとつの方法です。
職務経歴書の全般的な書き方については、以下の記事で解説しています。
履歴書の場合もまた職務経歴書と同様に、特記事項欄には特筆したいことを書きます。しかし職務経歴書とは異なり、履歴書においてはフォーマットに特記事項欄が組み込まれていることがほとんどのため、記入はほぼ必須です。
また、履歴書は職務経歴書に比べてフォーマットが定型的であり、特記事項を記入できる範囲が限られています。職務経歴書の特記事項欄よりも簡潔に記入する必要があるでしょう。
履歴書の全般的な書き方については、以下の記事で解説しています。
ここでは、職務経歴書に書く特記事項の内容として適した例文をご紹介します。特に書くことがないという方でも、これらの例を見れば、空欄を埋めるヒントが得られるでしょう。
なお、特記事項欄は端的で分かりやすくあることが求められます。自己PR文のようにオリジナリティを求められる箇所でもないため、定型文を記載しても問題ありません。
【例文】
入社可能日:〇年〇月〇日(在職中のため)
すぐの入社が難しい場合には、特記事項で入社可能日を伝えましょう。また、すぐの入社が難しい理由も明記する必要があります。書き方は例文のようにまとめるほか、「在職中のため、入社可能日は〇年〇月〇日です」というように文章化しても構いません。分かりやすくまとめることを意識しましょう。
【例文】
連絡可能時間:平日〇時~〇時、土日祝〇時~〇時
在職中のため、ご連絡にご対応できない時間がございます。恐れ入りますが、上記時間帯にご連絡いただくか、メッセージを残していただければ折り返し電話いたします。
採用担当者とのやりとりを円滑に進めやすくするためにも、連絡可能な時間帯が限られている場合には、特記事項で時間帯や理由を伝えましょう。
【例文】
〇〇の持病があります。月に一度の通院ほか、薬の服用により業務に支障はありません。
持病や障がいがある場合には、特記事項であらかじめ伝えておくことをおすすめします。事前に情報を共有することで、万が一の場合に素早く対処するためです。なお、一時的な体調不良や過去の既往歴については伝えなくても構いません。現時点で通院が必要なものがあれば伝えるのがベターです。
【例文】
これまで夫の転勤に伴い、3度の転職を繰り返してきました。しかし、今年度から夫は単身赴任となり、現在は子どもも手がかからなくなったため、長く働ける勤務先を探しております。
【例文】
これまで3回の転職を経験しましたが、1回目の転職では〇〇の経験から〇〇を学び、2回目は〇〇、3回目は〇〇でした。それらの経験を基に、今後は〇〇といったキャリアパスを描いています。
転職回数が多い場合、企業は早期退職リスクを懸念します。その懸念を払拭するために特記事項を活用しましょう。どうしても転職しなくてはいけない事情があった場合は、転職理由や退職理由を記入します。そうでない場合には、明確なキャリアパスを基に転職を考えていることが伝えられるように記入しましょう。
【例文】
ブランク期間が3年間ありますが、これは母の介護に専念するためでした。このたび施設への入所が決まったため、復帰が可能となりました。
【例文】
〇年〇月~〇年〇月までの期間は、海外留学および勉学に従事しておりました。
働いていなかったブランク期間が長い場合には、その理由を特記事項に記入するとよいでしょう。採用担当者が納得できる内容であれば、悪印象を持たれるリスクを回避できます。
【例文】
選考時に確認していた数値を上回るノルマの必達を求められ、長時間労働により体調を崩してしまったため、やむを得ず短期間での離職となりました。
「自社で採用してもすぐに退職してしまうのでは」という採用担当者の懸念を払拭するために、特記事項に退職の理由を端的に記入しましょう。しかし、たとえ企業側の都合だとしても、ネガティブな言い回しをすると採用担当者に悪印象を与える恐れがあるため記載する際には注意が必要です。
【例文】
現在は〇県在住ですが、採用が決まった場合には、通勤可能圏内に転居いたします。
通勤距離が長いと交通費が高くつくほか、終電の時間を気にして残業を頼みにくいといった事情から、選考において不利になる恐れがあります。採用後に転居予定がある場合には、その旨を特記事項に記入しましょう。すでに引っ越し準備が進んでいる場合には、転居日や地名、通勤時間など、具体的に記載するのがおすすめです。
【例文】
子供が中学校を卒業するまでの5年後までは、単身赴任を含め転勤が難しい状況です。
応募した業務に転居を伴う転勤の可能性があり、転勤が困難な場合は、特記事項でその旨を申告しておきましょう。期間が限定的な場合はそれもあわせて記入しておくと、企業側も採否の検討をしやすくなります。
【例文】
現在、簿記2級の資格勉強をしており、半年後に受験を予定しています。
【例文】
公認心理師の資格試験に合格しました。現在は登録申請中で、来週中には正式に認められることになります。
応募職種に関連する資格を勉強している場合は、選考で有利になる可能性が高まります。「取得していなければ意味がないのでは」と思うかもしれませんが、勉強中であっても熱意や貢献のアピールにつながるため、特記事項への記入がおすすめです。なお、すでに合格発表が済んでいるものの正式な証明書の受け取りがまだの場合、また登録申請が必要な資格の場合は、その旨を記入するとよいでしょう。
【例文】
営業企画部を希望いたします。
企業によっては、一度の採用活動で複数の職種を募集していたり、本人の適性を見てから各部署へ振り分けたりするケースがあります。そのため、希望がある場合はあらかじめ特記事項に記入しておきましょう。記入したからといって必ずしも希望どおりに配属されるとは限りませんが、自らの希望や熱意を採用担当者に知ってもらうことが重要です。
【例文】
病気療養中の家族がいるため、テレワークによる勤務を希望いたします。
【例文】
子供の保育園送迎の都合により、向こう2年間は時短勤務を希望いたします。
応募先企業がテレワークや時短勤務に対応している場合は、特記事項で希望の意思と理由を伝えておきましょう。期間が決まっている場合はその旨をあわせて伝えると、長く働きたい意思表示にもつながります。ただ、「通勤が面倒だから」といったような独りよがりな理由は、マイナスな評価につながるため避けるようにしましょうす。
【例文】
大学2年生のときに父親が病気を患ったため、家業を支えるために退学を決断いたしました。
応募条件に学歴が定められていたり、物事の継続性を重視していたりする企業の場合、中途退学をネガティブな要素に捉えられてしまう場合があります。ただ、客観的に納得できる理由があれば評価が変わる可能性があるので、特記事項に差し支えない範囲で記入しましょう。
職務経歴書において特に重要なのは、職歴や培った経験、スキルです。とはいえ、特記事項の記入をいい加減に済ませては、減点対象となる恐れもあります。ここで特記事項を書く際のポイントを押さえ、職務経歴書の完成度をさらに高めましょう。
職務経歴書の特記事項に書くことが特にない場合でも、空欄は避けましょう。記入漏れの疑いや、悪い印象を持たれる恐れがあります。
どうしても書くことが思いつかなかった場合は「特になし」ではなく、「貴社の規定に従います」と記入するなどして空欄を埋めるようにしましょう。
特記事項はなるべく簡潔にまとめましょう。あまり長文だと要点が掴みづらくなることから、話をまとめるのが苦手な人物だと評価されかねません。要点を絞るほか、必要に応じて箇条書きや「:(コロン)」を使うなどして、視覚的にも見やすくまとめるのがポイントです。
どうしても冗長になってしまう場合には、伝えるのに適している欄がほかにないかを検討してみましょう。
入社日や連絡時間帯などの希望条件を特記事項として記入する場合には、なるべく謙虚な伝え方を意識しましょう。たとえば希望があまりに多すぎたり、勤務地や配属先が限定的すぎたりしては、扱いにくい人材だと評価され、選考に響きかねません。
「在職中だからこの日からしか働けない」「この時間しか電話に出られない」など、どうしてもそうでなくてはいけない希望だけを伝えるのに留めるのが無難です。
職務経歴書の特記事項欄を自己PRとして使うのはよいですが、あくまでも簡潔にまとめることが大切です。冗長なアピール文では、かえって悪い印象を持たれてしまう可能性もあります。
特記事項欄で自己PRをするのであれば、できる限り1文にまとめるのがベターでしょう。特記事項欄では採用担当者に興味を持ってもらえる程度のアピールに留めておいて、詳細については、面接時に詳しく説明するのがおすすめです。
「休日出勤はしたくないです」や「残業はしたくないです」といったような、自己中心的な希望は印象を損ねます。素直な気持ちであったとしても、職務経歴書の特記事項欄に記入をするのは避けましょう。
もし企業側に自分の要望・希望を伝えたい場合は、特記事項の書き方と例文で紹介した様に、理由を添えて記載してみると良いでしょう。
また、中には具体的な自己PRをしようとして「採用後はこういった仕事がしたい」と特記事項欄に記入する方もいますが、これもあまり望ましくありません。希望する職種や部署を記載するのは問題ありませんが、今後どういうことがしたく何をやっていきたいのかといったような具体的な内容は、視野の狭さや扱いにくさを懸念される恐れがありますので、特記事項欄に記載しないように注意しましょう。
職務経歴書に書くような希望がない場合には、特記事項欄に自己PRを記入する方法もあります。ただし、職務経歴書には別途自己PR欄があるため、そちらとの差別化を計らなくてはいけません。
主なアピールポイントは自己PR欄に記入し、書ききれなかった内容を特記事項欄に記入するのがおすすめです。たとえば、留学経験やボランティア経験など、仕事外でのアピールポイントを特記事項にまとめるのもよいでしょう。
特記事項をはじめ、職務経歴書の書き方に悩んだときにはマイナビエージェントにお任せください。マイナビエージェントでは、ご希望の転職先探しをお手伝いするだけでなく、応募書類の添削に関する相談にもお応えしています。
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職務経歴書の特記事項には、企業の採用担当者に知っておいて欲しいこと、伝えるべきことを簡潔に記載しましょう。特記事項の書き方ひとつで、人柄や仕事に対する熱意、責任感などがアピールでき、採用担当者にポジティブな印象を与えられます。「たかが特記事項」と安易に考えず、書く内容や文脈はしっかり検討しましょう。
特記事項を含め、職務経歴書の書き方に悩んでいる方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。プロの客観的な視点を取り入れることで、より魅力的な職務経歴書が完成します。
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