更新日:2024/01/19
この記事のまとめ
キャリアアップやスキルアップを目指し、新天地を探すITエンジニアは多く存在します。その際に、自分に合っている業種や職種がどのようなものか分からず、先に進めないということもあるでしょう。
IT人材を求める企業が増える近年、ITエンジニアに適した業種・職種は多く、需要も増加傾向です。この記事では、ITエンジニアが転職先を決める際のポイント、転職時の注意点を紹介します。
目次
ITエンジニアに限らず、転職先として選ぶ職場はいままで培ってきた経験を生かせる同じ職種や業種が主流でした。しかし、近年はこの傾向が大きく変化し、現在は異業種や異職種への転職が増加傾向にあります。近年に見られる転職先の傾向について詳しくみていきましょう。
近年で最も多いのは、異業種や異職種への転職です。ITエンジニアは物事をロジカルに考える力が強みですが、この思考は別の仕事でも役立ちます。
たとえば、最適な営業方法を企画し、遂行するまで計画や管理をしながら営業をサポートする営業企画のような仕事です。このような仕事では、ロジカル思考は大きな武器になります。
近年はDXを目指す企業が増加しており、IT業界以外の企業でもIT人材を確保する動きが盛んです。メーカーや情報通信業、金融業、保険業といった他業種に転職しても、ITエンジニアとして働く道はあるでしょう。
また、ITエンジニアは「ものづくりのプロ」です。異業種へ転職することで、持ち前の能力のほか企画や顧客対応、社内の関係各所との連携といった総合力も身につくでしょう。
同業種・同職種への転職は、異業種・異職種、異業種・同職種に次いで3番目に多いパターンです。ITエンジニアの仕事はWeb系・システムエンジニア(SE)・プログラマー・ゲームエンジニアと幅広く、役割が変わってもものづくりの経験を生かせます。働く環境を変えて技術を磨き、エンジニアとして活躍の場を広げられる転職手段です。
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キャリアアップやスキルアップを目指し転職活動をする場合、どのような基準で転職先を選べばよいでしょうか。転職への思いや理由は人それぞれですが、転職理由や決め手には傾向があります。ここでは、ITエンジニアが転職をするときの決め手となる条件をみていきましょう。
エンジニアは、基本的に労働集約型の働き方です。これまではプロジュエクトによっては残業や休日出勤が多い傾向がありましたが、近年は働き方改革の後押しもあり、長時間労働の抑止に努める会社が増えています。
しかし、すべての企業がそうとは限りません。長時間労働だけでなく、「正当な評価がされない」「納得のいく収入が支払われない」という不満もあるでしょう。給与や休暇、残業といった勤務体系に不満があって転職を検討する場合、収入や待遇に納得ができるかどうかを重視する必要があります。
ITエンジニアの転職理由として最も多いのは、自身のキャリアアップのためです。日頃の業務で「自身が持っている能力を生かせない」「キャリアプランを見出せない」といった理由から転職に踏み切っています。
技術職は刷新の連続です。自身のスキルを生かし、さらに自己成長できる場であるかどうかは、ITエンジニアにとって転職先を決める大切なポイントのひとつです。
将来を見据え、ステップアップを図ることは大切です。ただし、業務内容や待遇だけで転職先を決めると失敗につながる恐れがあります。自身に合った転職先を選ぶには、自己分析や企業研究が必要です。ここでは、ITエンジニアが転職先選びで失敗するケースを3つ紹介します。
転職したいという気持ちが先走り、自己分析ができていない場合、志望先の企業に対して明確なアピールができません。
転職理由をはっきりさせるほか、自分は何ができて何ができないのか、スキルの棚卸しをしましょう。そうすることで、自身のスキルや魅力を正確に理解できます。志望動機や面接でしっかりと伝えることで、期待と好感を持ってもらえるでしょう。
志望する転職先がどのような会社なのか、事前に研究しましょう。特に、企業理念を知ることが大切です。併せて、転職先の提供サービスや業務内容など、企業の全体像を掴んでおきましょう。
これらは面接官から問われやすい内容です。その場しのぎの言葉で対応しても、研究不足であることが企業に伝わり、よい印象を与えるのは難しいでしょう。また、採用されたとしても、入社後に「イメージと違った」と後悔するかもしれません。
転職活動の際に、理想を高く持つのは悪いことではありません。しかし、理想が高すぎた結果、転職先が見つからなかったり決められなかったりするようであれば本末転倒です。
転職先に求める条件には優先順位をつけ、妥協点も決めておきましょう。自身が求めるものや譲れないものを明確にすることで、納得いく転職先を見つけられます。
ITエンジニアとは情報関連に特化した技術者の総称です。Webエンジニアやシステムエンジニアといったさまざまな職種があり、業務で使用するスキルも異なります。
これまでの経験を生かせる企業を探すのか、新たな分野に挑戦するのか迷うこともあるでしょう。ここでは、ネクストキャリアとして代表的な同業種の転職先の特徴や注意点を紹介します。
Web系エンジニアは、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアを内包した呼称です。
フロントエンドはHTML・CSS・JavaScript・Photoshop・Illustrator・XD、バックエンドはLinuxやApacheといったプログラム言語を使用したサーバー構築やDBの作成、PHPやRubyを使用したシステム設計を主としています。
注意点として挙げられるのは、両方任される会社やプロジェクトがあることです。Web系を選ぶ場合、募集要項や業務内容をしっかりと確認しましょう。
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ITコンサルタントは、ITの知識や技術を駆使し、クライアントが抱えている課題を解決に導く仕事です。クライアントと打ち合わせをし、その結果をPMやSEに共有してプロジェクトを進行管理します。
ITコンサルタントとSEは似た要素がありますが、SEの仕事はシステムを開発することです。クライアントの課題を解決するという目指すゴールはITコンサルタントと同じですが、業務内容が異なるため注意しましょう。
セールスエンジニアは、技術的な知見を持つ営業職を指します。仕事内容は、営業担当のサポートやクライアントへのシステム導入時・導入後のサポートです。営業担当とともにクライアントとの打ち合わせに参加することもあります。エンジニアと呼称されますが、基本的に開発業務はしません。
技術的なサポートやコミュニケーションを担うため、専門性の高い知識以外にも、自社とクライアントとの関係性を築くスキルが求められます。
社内SEは、自社システムの構築や運用保守を担当する職種です。社内システムの使い方やサポートを担うこともあります。業務効率改善のために提言するといったかたちで自社の経営に関わることが可能で、やりがいを感じられる職種です。
ただし、直接営利につながる仕事ではないため、年収はそれほど高くありません。企業によっては社内SEの人員が1人しかいないということもあり、トラブルは自力で問題解決をしなければならないこともあるでしょう。
個人事業主として活動する選択肢もあります。フリーランスのメリットは、案件を取捨選択し、すべて自身のコントロールで運営できることです。また、利益はすべて収入となるため、年収が会社員時代を大きく上回ることもあるでしょう。
ただし、自由である反面、案件数が変動することで収入が不安定になる場合もあります。また、1人で運営することから仲間から賞賛されたり頼りにされたりする機会が少なく、モチベーションの管理は会社員時代以上に必要です。
近年は社内の情報を整理するためにマクロを書いたりシステム導入の際サーバーに触ったりと、さまざまな業種でITリテラシーが求められます。そのため、スキルを身につけたITエンジニアは多くの業種で活躍できるでしょう。ここでは、ITエンジニアの転職に向いている異業種を3つ紹介します。
事務職は経理や法務と多岐にわたりますが、一貫しているのは社員をサポートする役割であることです。ITの知識があることで、業務の効率化を図れます。たとえば、Excelのマクロで業務効率化ツールを作成するといった業務は、ITエンジニアのスキルが生かせます。IT関連の業務に対して敷居の高さを感じにくいでしょう。
これまでの経験や知識を生かし活躍することで、社員から感謝されるなど直接フィードバックされることもあり、やりがいを感じやすい職種です。
営業職は、ITエンジニアからのジョブチェンジで人気の職種です。製品やサービスを売り込む際にエンジニア目線の明確な受け答えができるため、商談の説得力につながります。
技術的な知見があることで取り扱う製品やサービスに対する理解が早く、クライアントへのフィードバックや提案にも役立つでしょう。キャリアアップや年収アップを目指している場合におすすめの職業です。
地方自治体や警察には情報システム専門の部門が設けられている場合があり、地方公務員も選択肢のひとつです。近年は民間企業出身の人材を歓迎しており、年齢制限も緩和されています。
ただし、公務員試験に合格する必要があり、民間企業への転職と比べるとハードルが高く感じるでしょう。採用条件が明確に決まっている場合が多いため、自分が当てはまるかを事前に確認しましょう。
どのような業種・職種に就くにしてもITエンジニアの経験やスキルを生かせますが、それには転職の成功が第一です。転職を成功させるには具体的に何をすべきなのか、押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
IT業界は慢性的に人材不足です。平成28年の経済産業省の試算では、2030年には最大79万人の人材が不足すると発表されています。
現在、IT関連の求人は潤沢です。しかし、転職には適したタイミングがあります。一般的に、求人が増えるタイミングは2月〜3月の年末度、9月〜10月の半期末です。条件に合う求人を見逃さないためにも、常に情報収集をしましょう。
「収入や待遇に不満がある」「自分のスキルを伸ばしたい」といった転職の理由を明確にしましょう。転職するにあたり、どのような目標やビジョンを持っているかは、今後の働き方にもつながります。また、企業も意欲のある人材だと好感を持つでしょう。
転職理由を明確にすることで、転職先に失敗しないだけでなく、企業に魅力的なアピールができます。
転職を成功させるには情報収集が不可欠です。希望する企業の理念やサービス内容を理解し、自分に合った会社なのか分析しましょう。
事前に情報収集をすることで、自分自身の言葉に真実味が増し、面接官へのアピールにもつながります。よい印象を与えられるように、徹底的に情報収集しましょう。
自力で企業を探して応募することは、時間も労力もかかります。複数応募するとなると、非効率だと感じることもあるでしょう。また、好感を持ってもらえる面接での受け答えや志望動機に悩んでいる方もいるかもしれません。
転職活動をする際は、転職エージェントを利用するのも有効な手段です。エージェントから客観的な意見を聞けて、自己スキルの相場を知るきっかけにもなります。
ITエンジニアの転職先は、志望する業種・職種によって異なります。転職を成功させたいのであれば、志望先企業の理解に加え、自己スキルや労働環境といった条件を明確にして転職先を選びましょう。
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