更新日:2024/04/23
この記事のまとめ
IT業界で活躍するエンジニアの一職種がセールスエンジニアです。セールスエンジニアへの転職を考えているものの、仕事がきついと聞いてためらっている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、セールスエンジニアの主な仕事内容と仕事がきついといわれている理由を紹介します。
セールスエンジニアの仕事内容とやりがい、必要なスキルについて正しく理解することで、自分に合った仕事であるか判断しやすくなります。転職後のミスマッチを防ぐためにも、転職活動をスタートする前に確認しておきましょう。
目次
セールスエンジニアはエンジニア職(技術職)のひとつですが、営業職に近いフィールドで働くのが特徴的な職種です。主な仕事内容は以下のとおりです。
セールスエンジニアのメインの仕事は、製品の技術的な面に関して営業スタッフをサポートすることです。そのため開発に携わる一般的なエンジニアとは異なり、製品の提案や説明などの仕事を担当する割合が大きいのが特徴といえます。
なぜセールスエンジニアの仕事はきついといわれることがあるかを詳しく見ていきましょう。開発を担当するエンジニアと比較した場合、セールスエンジニアの仕事がきつくなりやすい主な理由は以下の6つです。
向き不向きにも関係する部分でもあるため、セールスエンジニアへの転職を検討しているのであれば、この機会にひととおり確認しておくことをおすすめします。
開発を担当するエンジニアはプログラミングやIT全般に関する知識をはじめとして、開発に必要なスキルが求められます。セールスエンジニアも同様ですが、それに加えて営業職のスキルを求められる点が特徴です。
営業スタッフに同伴して商品をクライアントに説明するケースも多く、十分なコミュニケーションスキルや分かりやすく説明するスキル、プレゼンテーションスキルなども欠かせません。開発を担当するエンジニアに加えて、より広範なスキルを習得する必要があります。
求められるスキルが多いことが理由で、セールスエンジニアとして働くのがきついと感じる方もいるでしょう。
システムエンジニアやプログラマーといった開発スタッフとは異なり、営業に近いフィールドで働くセールスエンジニアには売り上げ目標を課せられる場合があります。セールスエンジニアの商品提案や説明が売り上げに影響するケースもあるためです。
一般のエンジニアとは異なり、売り上げ目標の達成を求められる環境で働かなければならないことをきついと感じる方もいます。
案件を受注してシステムの開発プロジェクトがスタートすると、セールスエンジニアは開発チームとクライアントとの間の橋渡し役を担うケースが一般的です。開発状況によっては、開発チームとクライアントとの間で板挟みになることもあります。開発中に不具合が発生して仕様の変更が必要になったときや、技術上の限界によって要望されていた機能を実装できないときが代表的な例です。
上記のように何らかの調整が必要になったときは、高い交渉スキルが求められます。調整の難しさから、セールスエンジニアの仕事がきついといわれることがあります。
システムを開発している間は、担当しているプロジェクトの進行状況を管理するのもセールスエンジニアの役割です。期日までに完成するように進行状況を管理・調整したり、予想外のトラブルに対応したりする必要もあります。
不具合が発生して納期の調整が必要になったときや仕様変更で工数が増えた場合など、必要に応じて営業とともにクライアントへ交渉するのもセールスエンジニアの仕事です。こちらも一般的なエンジニアの仕事とは異なる部分で、開発に注力していたエンジニアにとってはきついと感じやすい部分といえるでしょう。
担当しているシステムやソフトウェアが完成し、納品したらセールスエンジニアの仕事が終わりというわけではありません。納品後に発生した不具合に対応したり、必要なメンテナンスを実施したりといったアフターサポートもセールスエンジニアが担当します。
不具合の修正やメンテナンスの実施、アップデートプログラムの作成を担当するのは別のエンジニアであっても、仕様の策定や原因の切り分けを担当するのはセールスエンジニアです。
適切なアフターサポートの提供はユーザーの満足度にも直結するため、この分野でもセールスエンジニアの存在が欠かせません。納品後のサポートを長期的に提供することをきついと感じるケースもあります。
IT技術は日々進歩しているため、常に学習し続けて最新の情報を知っておく必要があります。最新技術を活用してユーザーのニーズを満たす商品を提案するには、技術に関する深い知識が欠かせません。そのため、セールスエンジニアには、学び続ける姿勢が求められます。
学習に終わりはなく、勉強がきついと感じる方もいるでしょう。ただし、継続的な学習が必要であるという点は、開発に携わるほかのエンジニアと共通する部分です。
セールスエンジニアにはきつい部分があるのは事実ですが、やりがいも多い仕事です。ここでは、セールスエンジニアとして働くうえでやりがいにつながりやすい要素を3つ紹介します。
以下のポイントが自分にとって魅力と感じるのであれば、この機会にセールスエンジニアへの転職を検討してもよいでしょう。
営業に近いフィールドで働くという性質上、成果(売り上げ)が報酬に反映されやすい環境であることが一般的です。ユーザーに自社製品の魅力を分かりやすくアピールして売り上げにつなげられれば、給与アップに期待できるでしょう。
開発を担当するエンジニアは自分の努力が報酬アップに直結しないケースがあることを考えると、成果を出せば報酬に反映される環境は魅力的といえます。成果をきちんと評価してほしいと思っている方におすすめです。
さまざまな企業がITを活用していることもあり、ITの重要性は今後も高まり続けると考えられます。多くの企業は、ITを活用するにあたって専門家のサポートを必要としているのが一般的です。そのため、専門的な知見を活かしてそれぞれの企業に合った提案ができるセールスエンジニアは貴重な存在といえるでしょう。
社会におけるITの重要性が高まるほど、セールスエンジニアの需要も高くなるといえます。将来有望な職種に転職したいと考えている方にとっても、魅力的な環境です。
セールスエンジニアとして経験を積んだ先には、さまざまなキャリアパスが開かれています。具体的なキャリアパスの一例は以下のとおりです。
年収アップを目指してキャリアアップしたいと考えている方や、より挑戦的な環境で働きたいと考えている方にとって、セールスエンジニアへの転職はおすすめの選択肢といえるでしょう。
セールスエンジニアの仕事には向き不向きがあります。転職を検討している方は、自分に向いている職なのかを事前に確認しておくのがおすすめです。セールスエンジニアに向いている方の特徴を以下にまとめました。
上記の特徴に該当する方は、セールスエンジニアへの適性が高いと判断できます。仕事内容を魅力的に感じるのであれば、転職を検討してもよいでしょう。
すでにセールスエンジニアとして働いていて、仕事がきついと感じたときはどのように対処するとよいのでしょうか。効果的な対処法は、なぜセールスエンジニアの仕事がきついと感じているのかによって異なります。
以下では主な3つの対処法を紹介します。自分に適した対処法がどのようなものか確認しておきましょう。
仕事に注力してもなかなか売り上げが伸びず困っているのであれば、積極的に最新技術を提案することを意識しましょう。
多くのユーザーは、最新の技術を活用することでビジネスを拡大し、売り上げを伸ばしたいと考えています。そのため、セールスエンジニアとしてクライアントのビジネスに合った技術の活用方法を提案すれば、相手に興味を抱いてもらえ、契約獲得・売り上げアップにつなげられる可能性が高まるでしょう。
明確な目標を持って日々の仕事に取り組むのも、モチベーションを高めるうえで欠かせません。したがって、自分のキャリアプランや目標を早い段階で明確にしておくのがおすすめです。
「セールスエンジニアの経験を積んでITコンサルタントにキャリアアップしたい」「いずれはCTOを目指したい」など、5年後・10年後にどのようになっていたいかを明確にしましょう。目標が明確になればやらなければいけないことが分かり、意欲的に働けるようになります。
セールスエンジニアの仕事自体ではなく、職場環境に問題があってきついと感じているのであれば、早めに働きやすい職場に転職するのがおすすめです。
ワークライフバランスを改善しやすい職場や成果がきちんと報酬に反映される職場など、どのような環境であれば働きやすいのかは一人ひとり異なります。自分が職場に対して何を求めるのかを明確にしたうえで、転職活動に取り組みましょう。
ミスマッチを予防して転職を成功させるために、これからセールスエンジニアに転職したいと考えている方が取り組むとよいことがいくつかあります。
以下では、開発に携わっているエンジニアがセールスエンジニアに転職する場合を例にして、転職を成功に導くためにできる3つのことを紹介します。自分に合った環境でセールスエンジニアとしてのキャリアをスタートさせるためにも、事前にひととおりチェックしておきましょう。
セールスエンジニアの仕事には、企画・提案が含まれます。何らかの課題を抱えている企業を訪問し、課題を解決するためにどのようにIT技術を活用できるかを提案するのが主な仕事だからです。
そのため、開発エンジニアとして働いているうちから企画・提案スキルを磨くとよいでしょう。システムエンジニアをはじめとして上流工程を担当するエンジニアとして活躍しているのであれば、日々の業務で企画・提案を担当するケースもあります。
自分のスキルレベルを証明するために、エンジニア向け・営業向けの資格を取得したり試験に合格したりするのもひとつの方法です。転職に役立つ具体的な資格・試験には、以下のようなものがあります。
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特定の資格の取得や試験合格を目標に掲げることは、体系的に必要なスキルの習得にもつながります。まずは上記のいずれかの資格取得を具体的な目標として掲げ、学習に取り組むとよいでしょう。
転職活動をスタートする前には、キャリアの方向性を明確に定めましょう。一例として、将来的にITコンサルタントを目指す方と経営者を目指す方、セールスエンジニアのスペシャリストを目指す方では習得しなければならないスキルや転職活動の方向性が異なります。
したがって、まずは自分が長期的にどのようなキャリアを築きたいのか、そのためには何ができるのかを明確にしましょう。そのうえで転職先に求める条件を可視化し、条件を満たす企業を探すのがおすすめです。
セールスエンジニアはエンジニアと営業双方のスキルが必要とされる職で、きついと感じる部分があるのは事実です。しかし、適性がある方にとっては意欲的に働ける職種です。
これからセールスエンジニアに転職したいと考えている方は、自分に向いている職であるかをよく考えて決断することをおすすめします。自分ひとりで決断するのが難しいと感じているのであれば、早めにマイナビITエージェントにご相談ください。
マイナビITエージェントにご相談いただけば、IT業界を熟知したキャリアアドバイザーがヒアリングを通じて適性を判断し、一人ひとりに合った転職先を紹介します。
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