更新日:2022/09/05
この記事のまとめ
「社内SEから転職したい」という人も多いのではないでしょうか。社内SEから転職する場合は、辞めたい理由を明確にし、これまでの経験が活かせる転職先を選ぶことが大切です。
そこでこの記事では、社内SEを辞めたい理由と転職したほうがよいケースについて解説します。またおすすめの転職先についても紹介しているため、転職先で悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
目次
転職活動を始める前に、「なぜその企業を辞めたいのか」を考えましょう。退職理由を明確にすれば、志望動機の作成や面接時に活かせます。転職理由は人それぞれですが、ここでは社内SEを辞めたいと感じる理由を5つ紹介します。自分がなぜ辞めたいのかがはっきりしていない人は、ここで紹介する5つの理由に当てはまっていないかを確認するとよいでしょう。
社内SEは自社システムの開発・運用・保守以外にも、IT関連のヘルプデスク業務も担当します。場合によっては「パソコンの調子が悪いから見てほしい」「WordやExcelの使い方を教えてほしい」などの理由で呼び出されることもあります。
便利屋扱いされることに対してストレスを抱える人も少なくありません。ネットワークシステムや電子機器に詳しくない人に対して分かりやすく説明する大変さもあります。
システム障害をはじめとするトラブル対応により、休日も出勤しなくてはいけないことがあります。また勤め先によっては、サポートデスクとして夜間にも問い合わせ対応を求められるケースも少なくありません。残業や休日出勤の多さがストレスにつながり、辞めたいと感じる人もいます。
社内SEが開発・導入するシステムの利用者は同じ会社で働く社員です。ユーザーとの距離感が近い分、直接感謝の言葉を掛けられる点にやりがいを見いだせますが、一方で社員からの苦情がダイレクトに届くため、精神的なダメージを受けやすいデメリットもあります。クレーム対応が続く中で心身の不調をきたしてしまうことも、退職を考える理由のひとつです。
社内SEは一般的なSEと比べると、スキルアップしにくいのがデメリットです。一般的なSEはさまざまなクライアントから仕事を受け、システム開発・設計に注力できます。一方の社内SEは、システムの開発を外部ベンダーに発注することが多く、自身でプログラミングをする機会はそれほど多くありません。
またヘルプデスクやインフラ整備など業務内容は多岐にわたるため、エンジニアとして技術を追求するのは難しいでしょう。
社内SEは、企業の事業活動が円滑に進むようサポートする裏方的な役割を担います。営業や販売といった目に見える利益を生む仕事ではないため、高い評価を受けにくい職種といえます。
また、社内にITに精通している人がいない場合は、たとえ良質なシステムを開発しても「何がよいのかが分からない」といった具合に自身の仕事内容が認められないことも少なくありません。
社内SEの仕事に不満があって転職をしたいと考えているものの、いまの職場を辞めるべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。ここでは、社内SEから転職したほうがよいケースを2つ紹介します。2つの事例のどちらかに当てはまる人は、前向きに転職を検討するとよいでしょう。
さまざまなクライアントから仕事を受けてシステムの開発や設計に携われる一般的なSEに対して、社内SEのメイン業務は自社のシステム管理です。自らプログラミングをする機会も少なくなり、SEとしての知識・技術面での向上は難しいといわざるを得ません。SEとしてのスキル向上を目指すのであれば、社内SEからSIerへ転職したほうがよいでしょう。
社内SEに限らず、職場環境が悪い場合は転職を検討することをおすすめします。とくにハラスメントが横行している、給与や待遇が悪いといった場合は、転職することで環境が大きく改善される可能性があります。社内SEとして仕事を続けたい場合は同業他社への転職を検討するとよいでしょう。
転職では基本的に即戦力の人材が求められます。そのため、社内SEとして働いた経験や技術が活かせる転職先を選ぶことで、転職成功の確率は上がるでしょう。ここでは、社内SEの経験が活かせる転職先を5つ紹介します。
Webエンジニアは、Web上のアプリケーションやシステムの設計・開発に携わる仕事です。システムの企画からデザイン、SEO、Webマーケティングといった幅広い業務を担当します。予算や規模もコンパクトで、納期スケジュールも短い点が特徴です。
PHPやJava、PythonといったWeb系のプログラミング言語のほか、データベースに関する知識も求められます。これまで社内SEとして培ってきたスキルが活かせるでしょう。
SIerとは、システムの開発・設計を請け負うIT企業のことです。業務システムや基幹システムの設計・開発、アプリケーション開発、組み込みシステム開発など業務内容は多岐にわたります。クライアントの要望や案件によって求められる知識・技術はさまざまですが、社内SEとして身につけてきたシステムの企画・開発スキルなどが活かせます。
また、複数のSIerが連携してひとつのプロジェクトを行うケースも少なくありません。SIerはコンサル系や外資系など企業によって種類や特徴が異なるため、自身が携わりたいシステムによって転職先を選ぶとよいでしょう。
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなど、企業のITシステムを構築する職種です。業務領域によって「ネットワークエンジニア」「サーバーエンジニア」「セキュリティエンジニア」といった種類に分けられます。社内SEとして積み重ねてきたシステムの設計・運用・保守の経験などが役立つでしょう。
インフラエンジニアは社会全体やユーザーの生活に関わる仕事であるため、設計ミスやトラブルがないよう、慎重に業務を進めなくてはいけません。細かいところまで注意深く作業ができる人に向いています。
機械学習エンジニアは、AI(人工知能)における機械学習の開発・実装に特化した職種です。AIがデータを学習し、解析や評価ができるようプログラミングをします。機械学習は医療や金融、サービスなどさまざまな業界で用いられており、需要は年々増加傾向にあります。
AIの技術は発展途上であり、トレンドの変化も激しいため、最新の知識・技術が必要で転職は簡単ではありません。とはいえ、社内SEとして開発経験があれば、機械学習エンジニアへのキャリアチェンジも可能です。
スキルに自信があればフリーランスのエンジニアになるのもよいでしょう。フリーランスであれば働き方は自由であり、企業に勤めるよりも年収が上がる可能性もあります。しかし、自ら仕事を獲得しなければならず、お金の流れも管理しなくてはいけないため簡単ではありません。ある程度キャリアや実績を積んでから検討することをおすすめします。
社内SEの知識・経験を活かしつつ「エンジニア以外の仕事がしたい」という人もいるでしょう。その場合は、社内SEと関連性の高いITやWeb関連の仕事に転職するのがおすすめです。ここでは、エンジニア以外でおすすめの転職先を7つ紹介します。
ITコンサルタントは、ITを用いてクライアント企業の課題を解決する仕事です。企業が抱えている悩みや経営戦略をヒアリングしてIT戦略を立案し、システムの開発や運用をサポートします。SEと違ってシステム開発の実務を担うわけではありません。
クライアント企業にシステムの提案をし、承認されればSEに開発を依頼します。ITコンサルタントになるには、ITの専門的な知識に加え、クライアント企業の課題を聞き出すコミュニケーションスキルも必要です。
ITに関する知見を活かして、パソコンスクールや企業、自治体などにおけるIT講師へ転職する道もあります。社内SEはITの知識がない人に対して分かりやすく説明する業務に慣れているため、人に教えるITスクールの講師は向いている職業といえるでしょう。
幅広い年代の人と関わる仕事のため、社内SEとは違ったやりがいもあります。人と関わるのが好き、教えるのが好きな人はぜひ検討してみてください。
IT営業は、システム開発やWeb制作といったITに関するサービスや製品を販売する仕事です。営業職では、顧客のニーズを引き出すヒアリングスキル、そして自社製品やサービスの魅力を提案するスキルが欠かせません。
社内SEとして他部署や外部ベンダーとの調整で培ったコミュニケーションスキルは、IT営業でも活かせるでしょう。営業職は未経験者でも採用している傾向にあるため、転職もしやすいといえます。
WebサイトやWeb広告、SNSなどを駆使し、集客や売上の向上を図るのがWebマーケターの仕事です。社内SEの業務とは大きく異なりますが、Webに関する知識やITリテラシーはWebマーケターの業務でも活かせます。
Webマーケターへの転職を成功させるために、資格を取得するのもおすすめです。マーケティング・ビジネス検定やネットマーケティング検定、ウェブ解析士といった資格を取得して知識をアピールするのもよいでしょう。
Webデザイナーは、Webサイトのデザインを手掛ける仕事です。クライアントの要望に応じてWebサイトの構成やレイアウトを決めてデザインを作ります。
Webデザイナーになるために必須の資格はありませんが、デザイン作成時にはAdobe IllustratorやAdobe Photoshopなどのグラフィックソフトを用いるため、使い方を覚えておくとよいでしょう。
Web制作の現場において、Webサイトの企画から制作、運営にいたるまでのプロジェクトを指揮・管理するのがWebディレクターの仕事です。クライアントの要望をヒアリングし、企画提案や予算管理、スケジュール管理など幅広く行います。
WebディレクターはWeb制作における知識をはじめとし、ディレクションスキルやコミュニケーションスキルが欠かせません。求められるスキルが幅広いため、未経験から転職するのは難しいといえますが、プログラミング経験があれば転職しやすいでしょう。
データサイエンティストは、膨大なデータから必要な情報を抽出するプロフェッショナルです。データの分析・解析結果を活用し、ビジネスの課題解決や意思決定をサポートします。
データサイエンティストには、基礎数学や機械学習技法、統計学といったさまざまな知識・スキルが求められます。とはいえ、ITやプログラミングの知識・経験があれば、難易度は高いものの転職は可能です。
社内SEから転職する際は、まず転職理由を明確にしましょう。そして、社内SEとして働いて得た知識・経験が活かせる転職先を探してみてください。また、エンジニア以外でもITやWeb関連など、転職先は多数あります。将来を見据え、広い視野を持って転職先を検討するとよいでしょう。
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