不動産金融とは?業界の特徴や転職で求められるスキルを紹介|求人・転職エージェント

更新日:2021/12/16

金融業界

不動産金融とは?業界の特徴や転職で求められるスキルを紹介

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この記事のまとめ

  • 不動産金融業界とは不動産分野と金融分野を融合した業界のこと。
  • 不動産金融業界の市場規模は拡大傾向にある。
  • 不動産金融業界にはアレンジャー・銀行・機関投資家・プロパティマネージャーなどの職種がある。

不動産証券化や不動産投資のように不動産と金融を組み合わせたビジネスが不動産金融です。不動産証券化市場の拡大や海外の不動産投資に注目が集まっていることから、不動産金融業界では人材ニーズが高まっています。「不動産金融ってどのような仕事?」「将来性は?」と業界の特徴や将来性について気になる方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、不動産金融業界について解説します。必要なスキルや資格が分かれば、転職する際にも役立つでしょう。

目次

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不動産金融とはどのような業界なのか

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不動産投資や不動産証券化は不動産金融のひとつです。企業のリストラや不景気が続く中、リスクが少なく安定した収益を得られやすい不動産金融に注目が集まっています。ここでは、不動産金融業界の特徴や不動産証券化の仕組みについて解説します。

不動産金融業界の特徴

不動産金融業界とは不動産分野と金融分野を融合した業界です。資産価値のある土地やビルを有価証券に替えて資金を調達する「不動産証券化」やローン返済において責任範囲を限定できる「ノンリコースローン」、インカムゲインやキャピタルゲインで利益を得る「不動産投資」があります。

安定して収益を得やすい不動産金融は、機関投資家だけでなく富裕層や個人投資家も注目しているビジネスです。

不動産を証券化する流れ

不動産金融ビジネスの目的は不動産を証券化することです。不動産を証券化する際には、アレンジャー・銀行・機関投資家といった職種がそれぞれに役割を持って関わります。具体的な流れは以下のとおりです。

  1. アレンジャーによるファンドの立案
  2. 機関投資家や銀行によるファイナンス
  3. デューデリジェンス会社による物件の精査
  4. 信託銀行による不動産信託の設定
  5. アセットマネジメント会社による投資の実行
  6. アセットマネジメント会社による運用、プロパティマネジメント会社による物件管理

不動産金融業界の今後や将来性は?

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不動産金融業界は紆余曲折ありましたが、市場規模は拡大傾向にあります。REITの登場や海外不動産の活発化により、個人投資家も市場に参入するようになったためです。ここでは、不動産金融業界の現状や将来性について詳しく解説します。

不動産証券化市場が拡大している

「資産の流動化に関する法律」「投資信託及び投資法人に関する法律」といった法律の改正やREIT(不動産投資信託)の上場により、2000年代初頭には不動産証券化市場が拡大しました。その結果、不動産取引の流動性が飛躍的に高まり、機関投資家だけでなく個人投資家も市場に参入するようになります。

特に不動産と金融を融合させた商品であるREITの存在が大きく、2001年に上場して以降、不動産金融業界は大きく発展しました。

オルタナティブアセットとしての期待が高い

株式や債券といった伝統的な資産運用だけではなく、オルタナティブアセットとしての不動産に対する期待度が高まっています。

オルタナティブ投資は、市場が低迷していても空売りやオプション取引で「絶対収益」を得やすいため、長期的な資産運用を考えている方や絶対的なリターンを狙っている方に向いている投資です。また、リスク分散には市場変動の大きい株式や債券だけでなく、比較的市場変動の少ない不動産も有効といわれています。

減損会計の導入による影響がある

2006年3月に減損会計が完全導入されることで、バブル時に割高な価格で抱え込んだ不動産を切り離す需要が高まりました。

市場の著しい下落によって不動産評価が下がり収益性が見込めなくなると、企業は不動産を切り離し、帳簿価額を減額する会計処理をします。これを減損会計と呼び、会計処理の受け皿となる不動産金融のニーズはますます高まるでしょう。

海外投資の広がりを見せている

欧米や日本で活発化していた不動産投資が、近年はマレーシアやフィリピンといったアジア地域でも注目されるようになりました。その要因として、アジア地域の不動産はほかの地域と比べて価格が安いことが挙げられます。

また、人口やGDP成長率も増加しており、エリア全体での発展率が高いことも要因のひとつです。グローバル市場におけるアジア地域の上昇によって、不動産金融市場の将来性にも期待できるでしょう。

【分野別】不動産金融の業務内容と必要スキル

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不動産金融業界にはアレンジャー・銀行・機関投資家・プロパティマネージャーといったさまざまな職種があり、役割や業務内容が異なります。ここでは、不動産金融業界の職種ごとに業務内容を紹介します。求められる経験やスキルが分かれば、どの職種が自分に合っているか検討する際に役立つでしょう。

アレンジャー

不動産を証券化する際には、不動産を所有するオリジネーターや金融機関、投資家が関わります。アレンジャーの役割は各段階で実務を担当する参加者の間を取り持ち、調整することです。

さらに、証券化実行への働きかけ、運用管理戦略や実施施策の策定、最終的な決済の見届けといった幅広い業務に関与します。それぞれのプレーヤーの利害の調整が重要視されるため、不動産や金融の知識だけでなく、法務や税務の知識も必要です。

不動産鑑定士や不動産コンサルティング技能士の資格保有者、不動産取得や不動産の証券化の業務に携わった経験のある方が求められます。

アセットマネージャー

アセットマネージャー(AM)は、資産や財産を意味する「アセット(asset)」と管理や運用をする者を意味する「マネージャー(manager)」という言葉が表すとおり、投資家の資産管理を代行する仕事です。不動産金融においては、資産運営戦略の策定や実行、プロパティマネジメント会社の選定や管理、ファンドの決算といった業務を担当します。

金融や経理のスキルが求められるため、簿記2級以上の資格や不動産鑑定士、証券アナリストの資格があるとよいでしょう。不動産証券化協会認定マスターの資格を取得すれば、不動産証券化の専門家としてアピールできます。

銀行・機関投資家

不動産証券化における銀行や機関投資家の役割は、ファイナンス(資金調達)です。金融機関との交渉やノンリコースローンの調達・審査、不稼動債権投資や事業再生を目的とした不動産への投資、不動産証券化や不動産組成といったファイナンス業務、融資先や出資先の開拓営業と業務は多岐にわたります。

不動産に関する幅広い知識が求められるため、不動産鑑定士や不動産コンサルティング技能士の資格を取得していると歓迎されるでしょう。ほかにも、金融機関での不動産担保融資の営業経験や不動産証券化のアレンジ業務経験があると有利です。

プロパティマネージャー

プロパティマネージャー(PM)の仕事は、物件管理やテナント管理、レポーティングといった不動産に関する資産管理業務です。アセットマネジメント会社や投資用不動産の管理者から委託され、不動産投資信託の組み入れ、利回りを考慮した修繕計画やハードウェア施策の立案、有料テナントの開発を担当します。

不動産の知識や営業力が求められるため、不動産会社での資産運用の業務経験、不動産の売買および仲介業務経験、建築会社での設計や企画業務の経験があると転職で有利でしょう。必須となる資格はありませんが、宅地建物取引士の資格があると不動産知識の証明になります。

デューデリジェンス

デューデリジェンスとは「適正な=Due」と「Diligence=精査」を合わせた言葉で、企業や投資先の価値を調査することです。不動産証券化においては、不動産が投資先として適切な金融商品かどうか、物件の詳細や投資価値を精査します。「不動産の生み出すキャッシュフローに影響がないか」「土壌汚染がないか」といった点も評価の対象です。

不動産デューデリジェンスは法的側面・物理的側面・経済的側面の3つの角度から調査と評価をするため、法的関係は法律事務所、価値評価は不動産鑑定士が担います。不動産に対してさまざまな角度から調査・評価をするため、不動産鑑定士の資格を取得するとよいでしょう。

不動産金融業界の年収は?

不動産金融業界の年収は職種によりますが、比較的高い傾向があります。マイナビエージェントの調査では、不動産を運営・管理するプロパティマネージャーの場合、平均年収は450万円です。20代は371万円ですが、30代は518万円と大きな年収アップが見込める点も魅力といえるでしょう。

中でも、外資系運用会社や大手独立系運用会社は年収レンジが年功序列ではなくパフォーマンス重視の場合が多いため、年収はより高い傾向があります。若手でも実力次第で年収アップが期待できるでしょう。

不動産金融への転職に役立つ資格

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不動産金融業界にはさまざまな職種がありますが、基本的にどの職種も不動産と金融に関する知識が求められます。知識を証明する資格を取得することで、転職活動も有利になるでしょう。ここでは、不動産金融業界への転職に役立つ資格を5つ紹介します。

簿記検定

日商簿記検定は日本商工会議所が主催する検定試験です。初級・3級・2級・1級に分かれていますが、一般的に転職でアピールできるのは2級以上といわれています。経理や会計の知識が必要なアセットマネージャーや銀行への転職で有利になるでしょう。

財務諸表が読めるようになったり金融関連情報の収集や分析ができるようになったりと、金融業界ではとても役に立つ資格です。

不動産鑑定士

不動産鑑定士は国土交通省が認定する国家資格です。不動産のエキスパートとして、適正な地価を鑑定や不動産を有効活用するためのコンサルティング業務ができるようになります。アレンジャー・デューデリジェンス・アセットマネージャーといった幅広い職種で生かせる資格です。

弁護士や公認会計士と並ぶ3大国家資格のひとつといわれており、独立開業を目指している方にもおすすめです。受験資格はありませんが、国家資格だけあり難易度は高い傾向があります。

宅地建物取引士

宅地建物取引士は国土交通省が認定する国家資格で、不動産関連の知識や法律の基礎が出題範囲です。不動産取引法務の専門家として、宅地や建物の売買取引に対して購入者の利益保護や円滑な取引のための重要事項を説明できるようになります。

不動産業界でも重要な資格のひとつですが、銀行やアセットマネージャーのような金融業界においても欠かせません。不動産の正しい知識や鑑定力が必要とされる不動産を担保とする融資業務でも専門性が生かせます。

ビル経営管理士

ビル経営管理士は、ビル経営に関する企画や立案、賃貸営業といったビル経営管理に必要な知識が求められます。日本ビルヂング経営センターが主催する公的資格で、不動産業においても重要性の高い資格です。

不動産投資理論、デューデリジェンス、金融市場の動向に関する知識や分析、資産管理といった不動産と金融の両方に関する知識が学べます。マーケット分析力が必要なアセットマネージャーやアレンジャーへの転職で有利でしょう。

不動産コンサルティング技能士

不動産流通推進センターが主催する試験で、不動産コンサルティング業務に関する知識や能力を証明できる資格です。試験に合格し、不動産業に関わる実務経験が5年以上あれば「公認 不動産コンサルティングマスター」の認定証が発行されます。

金融商品取引法における「不動産関連特定投資運用業」に必要な人的要因を満たせる資格で、建築や金融、税制を幅広く学べるため、アレンジャー業務で生かせるでしょう。受験資格や実務経験さえクリアすれば、比較的合格率は高く、取得しやすい資格です。

まとめ

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不動産金融業界は、不動産の証券化や不動産投資といった不動産と金融を合わせた商品を取り扱う業界です。海外の不動産に注目が集まり、不動産証券化市場が拡大していることから、今後も発展していく業界といえるでしょう。不動産鑑定士や宅地建物取引士といった資格を保有していれば、転職でも有利です。

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