企業の採用活動が活発になる時期や求職者の数が少ない時期など、転職におすすめのタイミングはいくつかあります。転職を少しでも有利に進めるには、転職市場の動きを理解したうえで適切な時期を選ぶことが重要です。

この記事では、転職におすすめの時期とその理由について解説します。状況やキャリアによって転職に最適な時期は変わるため、自分に合ったタイミングを見極めましょう。

転職のおすすめ時期とその理由

転職の最適なタイミングは、自分の状況や志望する業界・企業によって異なります。ここでは、転職におすすめの時期とその理由について解説します。転職を成功させるには、自分にとって最適なタイミングを見極めることが重要です。

【1月～3月】転職市場が活発化して求人数が多い

1月～3月は多くの企業が求人募集に力を入れるため、1年の中でも転職市場が特に活発となる時期です。なぜなら、12月に退職した従業員や3月末に退職予定の従業員の補充を目的とした採用が増えるためです。

また、企業によってはこの時期に第二新卒採用を行うことがあります。そのため、求人の選択肢が豊富となり、自分に合った企業を見つけやすい時期といえるでしょう。多くの求人を比較しながら選びたい人、幅広い選択肢から転職先を検討したい人には、1月～3月の転職がおすすめです。

【7月～9月】即戦力を補充する企業が多い

7月～9月も、転職市場が活発になりやすい時期です。その理由は、組織の再編や新プロジェクトの立ち上げを行う企業が多いためです。そのため、企業は即戦力として活躍できる人材を求める傾向にあります。

転職市場が活発になるため、一定のスキルや経験を持つ方にとってはチャンスが広がる時期といえるでしょう。特にキャリアアップや年収アップを目指している方におすすめの時期です。

【4月～5月・12月】ライバルが少ない

4月～5月や12月は、転職市場において比較的ライバルが少ない時期です。多くの企業が新年度の体制を整えたり、年末年始の繁忙期を迎えたりするため、採用活動が一時的に落ち着きを見せます。

しかし、この状況を逆手に取ることで、転職活動を有利に進められるでしょう。求人数とともに応募者も減るため、ライバルが比較的少なくなります。

また、企業も慌ただしさから解放され、じっくりと候補者と向き合う余裕が生まれます。そのため、自身の強みや志望動機を十分に伝える絶好の機会となるでしょう。

ただし、この時期の転職活動は選考プロセスが長期化する可能性があります。連絡や面接日程の調整には余裕を持って臨むことが大切です。

【4月～6月・10月～12月】ボーナスを受け取ってから退職できる

ボーナスを受け取ってから転職を考える場合、4月～6月と10月～12月が最適な時期です。多くの企業では6月と12月にボーナスが支給されるため、その時期に合わせて転職活動をスタートするのが効果的です。

退職の意思を伝えるのは、ボーナス支給後が望ましいでしょう。在職期間は業務を遂行してスムーズに引き継ぎをするために、引き継ぎ期間をしっかりと設けることも大切です。

転職先に入社する時期は、内定承諾から1ヵ月～2ヵ月後が一般的です。そのため、入社時期は8月や2月になるケースが多いでしょう。この時期は新年度や下半期の開始時期と重なるため、新しい環境になじみやすいメリットがあります。

【5月、8月、12月】在職中でも長期休暇を活用できる

5月・8月・12月には長期休暇があるため、その期間を活用した転職活動もおすすめです。これらの期間は、現職を続けながらでも転職準備に集中できる貴重な機会です。

まとまった時間を利用して、キャリアプランを見直したり、興味のある業界や企業について徹底的に企業研究したりできるでしょう。転職サイトへの登録や応募書類の作成など、時間のかかる作業にもじっくり取り組めます。

ただし、長期休暇期間中は企業の採用活動も停滞する傾向があります。休暇明けから求人への応募や面接を開始できるよう、計画を立てておきましょう。

• 関連記事
• 転職活動の期間はどれくらい？転職までの流れや必要な準備を解説！

【年代別】転職のおすすめ時期

転職活動を始める最適なタイミングは、年代によっても変わります。ここでは、20代と30代のそれぞれにおすすめの転職時期と理由を解説します。年代ごとの特徴を理解しておくと、より戦略的にキャリアを築けるでしょう。

【20代】第二新卒求人が出やすい1月～3月

20代は、転職市場でも需要が高く、異業種・異職種へのキャリアチェンジもしやすい年代です。企業は20代の転職者に対して、スキルや経験だけでなく、将来性や成長意欲も重視しています。

中でも、1月～3月は求人数が多く選択肢が豊富になるため、比較検討しやすいのが特徴です。第二新卒向けの求人も増加するため、第二新卒に該当する人（おおむね最終学歴卒業後3年以内）にとっても転職しやすい時期といえるでしょう。

【30代以降】スキルや経験を活かせる求人が出たとき

30代以降の転職者に対して、企業は即戦力として活躍してもらうことを期待しています。そのため、基本的にはスキルや経験を活かせるポジションを選ぶ必要があり、20代と比べて異業種・異職種への転職は難易度が高めです。

この年代では、特定の時期にこだわるよりも、定期的に求人情報をチェックして自分のスキルを活かせる求人が出たタイミングを逃さないことが大切です。求人が多い時期だからといって自分に合う企業が見つかるとは限りません。自分のキャリアに合った募集が出たタイミングですぐに動けるよう準備しておきましょう。

転職のおすすめ時期は人によって異なる

転職を考えるきっかけは人それぞれです。そのため、最適な転職のタイミングも一人ひとり異なります。ここでは、転職を検討したほうがよい代表的なタイミングを紹介します。もし自分が以下のいずれかに当てはまる場合は、いまのうちに転職を考えてみるのがおすすめです。

現職のミスマッチに気づいたとき

「想定していた業務とまったく違う仕事しか任せてもらえない」「やりたいことに挑戦できる環境がない」など、現職とのミスマッチを感じたら、できるだけ早めに転職を検討するのがおすすめです。とくに20代の場合は早いほどポテンシャルを評価してもらいやすく、有利に進められる傾向にあるためです。

ただし、転職先を選ぶ際は業界や企業のリサーチを行い、自分がやりたい仕事に挑戦できる環境かどうかを確認することが必須です。下調べを怠ると、再びミスマッチに悩む結果になりかねません。

キャリアプランが明確に決まったとき

「将来やりたいこと」や「実現したいキャリアプラン」がはっきりと定まったときも、転職を考えるよいタイミングです。

まずは、いまの職場でそのキャリアプランを実現できるかどうかを考えてみましょう。もし現職では目標を達成するのが難しい場合や、転職によってキャリアの可能性が広がると判断できる場合は、転職を検討することをおすすめします。その際は、自分のキャリアプランを実現できる環境や成長のチャンスがある企業を選ぶことが重要です。

精神的・身体的な負担が大きいと感じたとき

長時間労働やハラスメントなどで心身への負担が大きく、働き続けるのが難しいと感じたときは、転職を検討する大切なタイミングです。無理を続けてしまうと、精神的・身体的な不調を抱える原因になりかねません。最悪の場合、転職活動を始める気力さえ失ってしまうこともあります。

転職先を選ぶ際は、ワークライフバランスを保ちやすい環境が整っているかを重視しましょう。ただし、それだけでなく、自分がやりたいことに取り組めるか、長く働ける環境かも合わせて確認することが大切です。これにより、再びミスマッチに悩むリスクを減らせます。

ライフステージが変化するとき

30歳や35歳といった節目の年齢を迎えたとき、結婚や出産などで家族が増えたときなど、ライフステージが変化するタイミングは転職を考えるよいきっかけになります。将来の働き方やキャリアをあらためて見直すのに適した時期です。

この時期になると、いまの会社で働き続けた場合の将来像がある程度見えてくることも多いでしょう。自分や家族の将来を見据えたときに、現職でキャリアを築き続けたほうがよいか、それとも転職したほうがよりよい選択肢があるのかをじっくり判断してみることをおすすめします。

転職するのにあまりおすすめでない時期

転職には適したタイミングがある一方で、できれば避けたほうがよい時期もあります。ここでは、避けたほうがよい時期の例として、繁忙期・重要プロジェクトの進行中・転職直後の3つを紹介します。

繁忙期

現職の繁忙期は業務量が増え、転職活動に割ける時間がほとんどなくなるためおすすめできません。キャリアの棚卸しや業界・企業研究の時間が取れないと、十分な準備ができず、転職後にミスマッチを起こしてしまうリスクが高まります。

そのため、繁忙期は無理に転職活動を進めず、まずは現職の業務に集中して乗り切ることが大切です。 繁忙期が落ち着けば時間的な余裕が生まれ、じっくりと自己分析や情報収集を行いながら転職活動を進めやすくなるでしょう。

重要なプロジェクトの進行中

自分が関わっている重要なプロジェクトが進行中のタイミングも、転職にはあまり向いていません。プロジェクト中は繁忙期と同じく業務量が増えやすく、転職活動に必要な時間を確保しづらくなります。

また、プロジェクトを最後までやり遂げれば、実績として転職時にアピールできる大きな材料になります。特別な事情がない限りは、まずプロジェクトを完遂してから、落ち着いた状態で転職活動を始めるほうが得策です。

前回の転職直後

前回の転職からあまり時間がたっていないうちに再び転職するのは、短期離職と見なされて不利になる可能性があるため注意が必要です。企業は短期間で辞めた経験がある応募者に対して、「またすぐに退職するのではないか」と不安を抱きやすいからです。

そのため、いまの転職が本当に必要かを冷静に考えてみましょう。急ぐ理由がない場合は、まず一定期間経験を積んで実績を作ってから転職するほうが、キャリアの安定性を示せて有利に進められます。

業界別・職種別の転職活動のポイント

転職活動を成功させるには、業界や職種ごとの特性を理解し、適切な戦略を立てることが重要です。ここでは、各業界の採用傾向や管理職・専門職への転職のポイントと対策について解説します。これらの情報を参考に、自身のキャリアプランに合わせて効果的な転職活動を展開しましょう。

業界別の採用傾向

業界別の採用傾向は、転職活動の成功に大きく影響します。代表的な業界とその業界で需要のある人材は以下のとおりです。

業界 求める人材の傾向 金融業界 FintechやESG投資などの分野で専門知識を持つ人材 自動車業界 DX推進や電動化に対応できる人材 製造業界 半導体市場が回復したため、IT系エンジニアとして活躍できる人材 Webサービス業界 生成AIを活用した事業展開が進んだことから、AI関連の知識や経験を持つ人材 エネルギー業界 脱炭素化の流れを受け、再生可能エネルギーや水素関連の分野で事業企画やプロジェクトマネジメントできる人材

また、各業界共通して、IT関連のスキルや事業推進力を持つ人材の需要が高まっています。

管理職・専門職に転職する際の戦略

管理職や専門職への転職は、キャリアアップの大きな機会です。管理職を目指す場合、これまでに培ったテクニカルスキルとそれに基づいたマネジメントスキルをアピールしましょう。たとえば、チーム全体の生産性向上やプロジェクト成功に貢献した経験は大きな強みです。

専門職を目指す場合、高度な専門知識や技術力が武器になります。最新技術やニッチな分野における深い知識・経験をアピールし、困難な技術的問題を解決した実績を強調しましょう。

転職において自己分析は不可欠です。テクニカルスキルとヒューマンスキルのどちらに強みがあるか分析し、将来のキャリアプランを明確にすることが成功の鍵となります。得意分野によっては専門職から管理職、またはその逆のキャリアチェンジを検討できるでしょう。

両方の経験・スキルを持つ「ハイブリッド人材」の需要も高まっています。自分の強みや価値観に合った選択をして、転職後も常に学び続ける姿勢を持ちましょう。

自分に適した時期に転職するために意識したいポイント

転職を成功させるには、自分に適したタイミングを見極めることが大切です。そのためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

ここでは、キャリアプランを実現できる転職先を見つけ、失敗のリスクを減らすために意識したい3つのポイントを紹介します。これらを理解しておくと、自分にとって最適な転職時期を判断しやすくなるでしょう。

日頃から転職市場の様子を確認する

求人は増加する時期とそうでない時期がありますが、自分に合った求人情報がいつ出るかは分かりません。そのため、転職を考え始めたら、日頃から求人情報を確認しておくことが大切です。

まずは、自分の転職の方向性を決め、目指す業界や職種をある程度明確にしておきましょう。そのうえで、転職先に求める条件を言語化しておくと、求人を探す際の判断軸になり、理想の求人が出たときに素早く応募できます。

早めに準備をスタートする

理想の求人を見つけたときにすぐ応募できるよう、早めに準備を進めておくことも大切です。具体的には、次のようなステップから着手するとスムーズです。

• 自分のキャリアを振り返り、スキルや経験を整理・可視化する
• アピールできる強みや成果をまとめる
• 履歴書・職務経歴書に記載する内容を整理しておく

こうした準備を早めに整えておくことで、求人が出てから慌てずスムーズに応募できるようになります。 まずは取り組みやすい部分から少しずつ着手するとよいでしょう。

早めに転職エージェントに相談する

ひとりで転職活動を進めるのが難しいと感じるなら、できるだけ早い段階で転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントに相談すれば、キャリアの棚卸しや転職の方向性整理、希望を実現できる求人の紹介、選考対策など幅広いサポートを受けられます。

また、本当に転職が最適な選択肢かを判断するためのアドバイスももらえるでしょう。ひとりで悩み続けるよりも、プロのサポートを受けることでスムーズに転職活動を進められる可能性が高まります。

• 関連記事
• 転職エージェントの登録時期はいつがベスト？転職を有利に進める選び方とは

転職時期に悩んだらマイナビエージェントにご相談を！

「転職したいけれど、いつ動いたらよいかが分からない」と悩んでいる方は、ぜひマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントには、年代や業界ごとの転職事情に精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、あなたの転職目的を実現できるようにサポートします。

キャリアの振り返りや強みの整理、履歴書・職務経歴書のブラッシュアップ、求人紹介、選考対策まで、転職活動をトータルで支援するため、ひとりで動くよりも効率的かつ有利に転職を進められます。

また、IT業界やメーカーなど、特定の業界に特化したサポートも充実しているため、自分のキャリアに合ったアドバイスを受けやすい点も魅力です。

まとめ

転職におすすめの時期には、求人数が増える1月～3月、落ち着いて転職活動に取り組みやすい4月～6月などがあります。ただし、最適な転職タイミングは人それぞれの状況によって異なるため、自分に合った時期を選ぶことが大切です。

より有利に転職活動を進めたいのであれば、早い段階でマイナビエージェントにご相談ください。マイナビエージェントには経験が豊富なキャリアアドバイザーが在籍しており、一人ひとりの悩みや目的をヒアリングしたうえで、最適なサポートを提供します。