更新日:2024/04/25
この記事のまとめ
30代の転職では、応募先企業から高いスキルや知識が求められることも少なくありません。少しでも選考を有利に進めるためには資格の取得は有効なのか、どのような資格を取得すればよいのかなどとお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、30代の転職に資格は必要かどうかを解説します。資格を取得するメリットや業界別のおすすめの資格も紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
30代の転職には、資格が必ずしも必要というわけではありません。まず押さえておきたいのは、30代の転職者に対して企業の採用担当者が主に求めるのは「何ができるのか」というスキルです。たとえば、マネジメントスキルやマーケティングスキル、英語力、問題解決力などが挙げられます。こうしたスキルは、保有している資格よりも重視される傾向があります。
とはいえ、選考時のアピール材料を増やしたり、自身の市場価値を高めたりするために資格を取得するのは有効です。少しでも転職を有利に進めたいなら、資格の取得を検討するとよいでしょう。
資格取得には時間も労力もかかることから、モチベーションが上がらない方も多いのではないでしょうか。ここでは、資格取得によって得られるメリットを4つ紹介します。無理に資格を取る必要はないため、メリットを把握したうえで検討してみてください。
「業務独占資格」とは、有資格者以外の取り扱いが禁止されている業務を独占的に行える国家資格です。具体的には「行政書士」「司法書士」「看護師」などの資格が挙げられ、いずれも専門性が高い点が特徴です。
難度が高い資格ばかりで取得するのは容易ではありませんが、独占業務が行えるようになると高収入を目指せます。総務省のサイトで業務独占資格の一覧が見られるため、ぜひ確認してみてください。
国家資格には、業務独占資格以外にも「名称独占資格」や「設置義務資格」があります。
名称独占資格と設置義務資格の共通点は、資格取得によって応募できる求人の幅が広がることです。自身の市場価値を高め、転職を有利に進めたい方におすすめの資格といえます。
30代の転職では即戦力が求められる傾向にあります。そのため、未経験の業種へ転職する場合は経験者に比べてアピールできる実績や経験が少なく、採用を勝ち取るのは簡単ではありません。しかし資格を取得すると、その分野における一定の知識やスキルを身につけていることを証明できます。
たとえば、自動車業界から金融業界に転職する場合、お金に関する資格である「ファイナンシャル・プランナー」を取得すれば、異業種への転職でも選考を有利に進められるでしょう。
難度の低い資格試験であっても、合格するためには計画的に勉強を進める必要があり、時間や労力がかかります。資格取得に向けた努力や熱意は採用担当者へのアピール材料としても使え、選考で有利になる場合があります。勉強中の資格も履歴書に記載できるため、転職活動をしながら資格取得を目指すのもおすすめです。
資格は短期間に何個も取れるものではありません。転職活動の期間中に取得を目指すのであれば、数ある資格の中から厳選する必要があります。ここでは、どのように資格を選べばよいか悩んでいる方へ向けて、資格の選び方を紹介します。
転職先に関係のない資格を取得しても、選考で有利にはなりません。極端な例ですが、自動車業界への転職に介護関連の資格をアピールするのは的外れといえます。ほかにも、ITエンジニアへの転職でプログラミング言語関連の資格を取得するにしても、転職先で使用しない言語の資格であれば効果的なアピールにはつながりません。
転職を有利に進めるために資格を取得するのであれば、志望先企業で役立つ資格を選ぶのが賢明です。もしくは、TOEICやMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)など、さまざまな分野で活かせる資格を取得するのもよいでしょう。
履歴書には勉強中の資格も記載できますが、取得してから転職活動を始めたい方もいるでしょう。その場合は、取得しやすい資格を選ぶことが大切です。資格取得にかかる期間が長いと、いつまでも転職活動が始められません。
そのためまずは、資格試験の出題範囲や難度を踏まえて取得にかかる日数を計算してみましょう。また、資格によっては年に数回しか試験が開催されていない場合もあるため、試験日も忘れずに確認することが重要です。
難度が高い資格を取得すると専門的なスキルを習得していることや入社にかける熱意をよりアピールでき、選考で有利になる可能性があります。とはいえ取得が難しすぎる資格を選ぶと、途中で挫折してしまうケースもあるでしょう。資格によっては、3級、2級、1級などとレベルが分かれていることがあります。自分のレベルに合わせ、段階的に資格の取得を目指すことを検討しましょう。
資格の選び方が分かっても、実際にどのような資格を取ればよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ここでは、業種別に役立つ資格を紹介します。自身の転職先に合わせて、以下の資格取得を視野に入れてみてください。
医療・介護系の資格には、医療事務に関する資格や介護福祉士実務者研修などがあります。
医療事務は、病院の受付で診療報酬(医療費)の計算や、保険適用の事務処理などをする仕事です。医療事務に関する資格には、複数の民間検定や民間資格があり、難度もそれぞれで変わってきます。基本的に、より難度の高い資格を保有しているほうが高い評価を受けやすくなります。
とはいっても、医療事務に関する資格は超難関というわけではありません。大部分の資格は医療現場で働いた経験が不要で、誰でも受験可能です。
介護福祉士実務者研修は、かつての「ホームヘルパー1級」の後継資格に位置づけられている資格です。研修をとおして介護の実務を身につけつつ、介護にまつわるシステムなどに関する知識やスキルを学んでいきます。
介護の国家資格である「介護福祉士」の受験資格に、介護福祉士実務者研修に加えて、3年以上の実務経験があります。そのため、将来的に介護福祉士を目指したい方も、介護福祉士実務者研修の取得を目指すのがおすすめです。
介護福祉士実務者研修の資格取得のためには、スクーリングや通信講座などで20科目(450時間)の受講が必要です。「介護職員初任者研修」を修了していれば、共通科目(130時間)の受講が免除されるという制度もあります。介護福祉士実務者研修を受けることで、より現場で役立つスキルと知識が身につき、介護系の転職にも大いに役立つでしょう。
コンサルティング関連の資格には、中小企業診断士や社会保険労務士などがあります。
中小企業診断士は、経営コンサルタントの業務に関する国家資格です。会計や財務状況、組織形態、マーケティングといった多角的な視点から経営分析を行い、課題や問題点を洗い出し、ソリューションを提案できることを証明します。
中小企業診断士になるためには、まず「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」などの7科目からなる1次試験を合格する必要があります。その後、指定機関が実施する養成課程を修了するか、2次試験(筆記試験・口述試験)の合格を経て、実務補修の修了もしくは診断実務に従事すれば、中小企業診断士として登録できます。
社会保険労務士(社労士)の仕事は、企業の労務管理や社会保険に関するコンサルティングです。また、給与計算や退職金、企業年金の各制度を構築したり、労働社会保険諸法令・関係法令に基づいた申請書、帳簿書類の作成、提出代行なども担当したりします。
社労士は国家資格ですが、勤め先は一般企業であることが多い特徴があります。しかし、キャリアアップとともに顧問企業を持てるようになれば、将来的には独立して年収アップも目指せるでしょう。
金融系の資格には、ファイナンシャル・プランナー関連の資格や日商簿記検定などがあります。
ファイナンシャル・プランナーは、個人の収入や家族構成、資産などの情報から、住居の購入や老後の生活といったライフプランに必要な資金計画の提案をしていきます。
ファイナンシャル・プランナーの主な資格には、「ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)」「AFP認定者」「CFP認定者」の3つがあります。FP技能士3級であれば、独学や通信教育でも取得を目指せるでしょう。AFP認定者になるためには、FP技能士2級を取得し、AFP認定研修を修了する必要があります。
AFP資格の上位資格であるCFP認定者の資格を取るためには、AFP認定者の資格を持っていて、CFP資格審査試験に合格してCFPエントリー研修を修了し、かつ一定の実務経験が必要です。まずはFP技能士3級を取得し、徐々にキャリアアップを目指すことをおすすめします。
日商簿記検定は、日本商工会議所が実施する会計実務に関する検定試験です。1級~3級、簿記初級、原価計算初級といった種類があり、その中でも2級は多くの企業から評価される資格といわれています。2級を取得すれば、会計や数字に強い人という印象を持ってもらえます。30代で働きながらの資格取得を目指すとなると、独学と通信講座を併用するのがおすすめです。
不動産系の資格には、宅地建物取引士などがあります。
不動産関連企業の転職には、国家資格の「宅地建物取引士(宅建)」を持っていると大きな武器となります。宅建は、不動産の売買や賃貸の仲介業務の仕事で必要不可欠ともいえる資格です。
高額な金額が動く不動産契約では、トラブル回避のためにも重要事項の説明、重要事項説明書や契約書類の記名・押印といった手続きは宅地建物取引士でないとできないようになっています。 宅建は国家資格の中でも比較的取りやすい資格といわれているため、きちんと対策を練って勉強すればスムーズに取得できるでしょう。
企業によっては、英語力を証明する必要があります。英語関連の民間資格にはさまざまなものがありますが、転職に役立つ、またはビジネスで需要の高い資格となると限られてきます。まず、転職やビジネスで総合的に有効な資格としては、一般的な知名度も高い「実用英語技能検定(英検)」や「TOEIC」「国際連合公用語英語検定試験(国連英検)」「ケンブリッジ英語検定」があります。
また、ビジネス英語に特化した「日商ビジネス英語検定」もアピールにつながるでしょう。反対に、留学で評価されやすい「TOEFL」や「IELTS」は転職やビジネスの場では評価を受けにくいため注意しましょう。
IT系の資格といっても、プログラミング言語関連の資格やセキュリティー関連の資格、ネットワーク関連の資格など種類は数多くあります。自分が志望する企業や職種と関連性のある資格を調べて取得するのが第一ですが、どのような資格を取ればよいか分からない場合はIT業界全般で活かせる資格を取得しましょう。
IT業界で広く役立つ資格は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催している「基本情報技術者試験(FE)」と「応用情報技術者試験(AP)」です。どちらも経済産業省が認定している国家試験で、IT業界においては定番の資格といえます。試験勉強を通じて「ITに関する幅広い知識」と「経営・マネジメントスキル」を身につけられます。
30代の転職者に対して企業が求めているのは「即戦力として活躍できるかどうか」です。そのため転職を成功させるには、転職先の選び方を工夫したり、選考対策を徹底したりする必要があります。しかし転職経験が少ない方の場合、転職先の選び方や選考対策で悩んでしまうことがあるでしょう。そういった方におすすめしたいのは、転職を無料でサポートしてくれる転職エージェントの利用です。
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30代の選考ではそれまでのキャリアで培ったスキルや経験が重視されるため、資格がなければ転職できないわけではありません。とはいえ、資格を取得すれば専門性や熱意をアピールでき、採用を有利に進められます。特に未経験の業種にチャレンジしたい方は、ぜひ関連資格を取得してみてください。
マイナビエージェントでは、応募書類の添削および面接対策を通じて自己PRのブラッシュアップが可能です。アピールしたいスキルや、資格についてのアドバイスも行います。転職に不安のある方や、資格を取得するか悩んでいる方はお気軽にご相談ください。
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