更新日:2024/07/08
この記事のまとめ
転職について考えたとき、自分の市場価値が気になる方も多いのではないでしょうか。転職をスムーズに進めるためには、自分の市場価値を把握しておく必要があります。市場価値を把握していないと、転職活動において大幅なタイムロスを招く恐れがあるからです。
そこでこの記事では、「市場価値とは何か」について解説します。市場価値を構成している要素や自分の市場価値を把握する方法、また市場価値の高め方についても見ていきましょう。
目次
転職活動でよく耳にする「自分の市場価値」という言葉。「市場」とは何を指すのか、何が「自分の価値」になるのか、分からない方もいるのではないでしょうか。そこでまずは、自分の市場価値の意味について解説します。市場価値の把握は、転職をスムーズに進めるための手助けにもなるでしょう。企業選定に迷っている方は、ぜひチェックしてみてください。
転職市場の中で、自分にどれだけの価値があるのかを判断する基準を「市場価値」と呼びます。市場価値は企業側から見た基準であり、保有スキルや能力など、転職者自身の今後の可能性に応じて変化するものです。
市場価値が高いことは、企業側からの需要が高いと変換できます。企業が必要とするスキルを保有している人材が少なければ、そのスキルを保有している人材の市場価値は高いと判断できるわけです。つまり、市場価値は「企業が必要としている人材」と「転職を考えている人材」のバランスで判断できます。
自分がどの業界や職種に属するかによっても、市場価値は変化します。どの業界が自分に適しているかを知るためには、まず自分のスキルや経験を棚卸しする必要があるでしょう。
また、時代によってもスキルや経験の価値は変化します。たとえば、「複雑なコミュニケーションで営業を行う」「独創的な作品を生み出す」といったロボットにはできない作業スキルを持つ人材は、IT化が進む現代においては需要の高い人材になり得るわけです。
市場価値は基本的に、「スキル」「経験」「実績」「専門性」の4つの要素から成り立っています。ここでは、それぞれの要素のどの部分が市場価値の基準となるのかについて、詳しく見ていきましょう。自分の市場価値を上げたいと考えている方も、ぜひチェックしてみてください。
「ファイナンシャルプランナー」「宅地建物取引士」「日商簿記検定」など、専門性を有していると証明できる資格は、市場価値を判断する要素のひとつです。所有する資格の難易度が高いほど、資格保持者も少なくなるため、必然的に市場価値も高まります。
また、ビジネスにおいては「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」「課題解決スキル」などが評価されます。これらを身につけておくと、自分の市場価値を高められるでしょう。
どのような規模の会社でどのような作業を行ったのか、担当したポジションや実績など、これまでの仕事の経験も自分の市場価値を決める要素のひとつです。実際に「経歴を教えてください」「実績はありますか」などの質問は、面接においてよく聞かれる内容といえます。
企業側は、応募者から自慢話を聞き出したいわけではありません。もちろん誇れる経験があればアピールポイントとして有効ですが、課題解決に取り組む姿勢や改善のための行動など、失敗からの「学び」も経験としてひとつの価値になるでしょう。
成し遂げた任務や企業へ貢献した実績は、価値のある人材だというアピールにつながります。企業へ自分の価値を証明できれば、現職よりもよい条件を示してもらえるかもしれません。
実績を積むのは簡単ではありませんが、好条件での転職を考えている場合には、いまから目標を立ててみるのもおすすめです。「月単位」での目標を毎月達成できれば、次第に自分の「自信」へとつながるでしょう。
市場価値は需要と供給のバランスで決まるため、専門的な知識やスキルを有していると、その領域での需要が高まります。つまり、専門性も市場価値を判断する重要な要素といえるでしょう。専門性を基準に自分の市場価値を判断する場合、社外でも通用する知識やスキルを保有しているかがポイントです。
専門的なスキルがさまざまな領域で通用すれば、それだけ需要が高まり、自分の市場価値も高まります。「マネジメント」「マーケティング」などがその一例です。
転職活動をする際に、企業選定のひとつの基準となるのが、自分の市場価値です。市場価値を知っておくと、キャリアプランを立てやすいだけでなく、転職活動を効率よく進められます。ここでは、市場価値を把握する3つのメリットをご紹介するので、自分の市場価値について考えてみてください。
市場価値を知ることで、自分の足りない要素を把握し、これからどの部分を磨けばよいのかを判断できます。そのため、自分の市場価値を「知っている」と「知らない」では、前者のほうがキャリアアップにつながりやすいです。
たとえ社内で素晴らしい評価を得ていたとしても、社外では通用しないケースもあります。その逆もあり得るでしょう。転職を考えはじめたら、社内評価がすべてと思わず、市場価値にも目を向けると新たな発見があるかもしれません。
「入社してからの年数が浅い」または「転職経験が少ない」といった方の中には、自分のキャリアについて深く考えたことがない方もいるのではないでしょうか。転職経験がないと、転職後の自分の姿を想像しにくいかもしれません。そこで役立つのが、市場価値の把握です。
自分の市場価値を知ることは、「可能性」を知ることでもあります。市場価値を把握すると、現時点で需要のある企業や現在の適正年収を判断できるので、キャリアプランの構築にもつながるといえるでしょう。
転職活動を効率よく進められるのも、自分の市場価値を知っておくメリットです。自分を評価する基準がないと、「採用されそうな企業はどこなのか」「どのくらいの年収が適正なのか」という部分が見えません。需要がない企業を狙って応募し続けたり、適正年収と程遠い金額で年収交渉をしてしまったりすれば、大幅なタイムロスを招きます。
市場価値を把握しているとそのような事態を回避できるほか、「いまは現職で実績を積んだほうがよさそうだ」など、転職のタイミングを測る判断もできるようになるでしょう。
自分の市場価値を把握するためには、社内の評価だけではなく、社外の評価を意識する必要があります。ここでは、市場価値を知るための具体的な方法をご紹介します。現在の業界や職種以外の新たな価値を発見できたというケースもあるので、視野を広げて自分の市場価値をチェックしてみましょう。
適正年収を知ると、自分の市場価値も見えてきます。適正年収とは、経験やスキル、知識や実績を総合的に判断したうえで計算される年収のことです。
適正年収を自分で調べる簡単な方法として、「同職種」と「同年代」の平均年収をチェックする方法が挙げられます。適正年収が平均年収より低いのであれば、転職による年収アップを図れるかもしれません。
自分の市場価値を知る方法のひとつに、転職に関するサービスを利用する方法があります。最近は多くの転職サイトがWeb上で年収チェックや市場価値を把握できるサービスを提供しています。簡単な質問に答えるだけで大体の目安が分かるので、チェックしてみるとよいかもしれません。そのほかにも、転職サイトに登録して、どのような企業からスカウトが来るかを確認する方法もあります。
また、転職エージェントを活用すれば、転職市場に精通したキャリアアドバイザーが正確な市場価値を示してくれます。市場価値を上げるための方法も助言してもらえるため、キャリアについて考えたい方は転職エージェントの利用がおすすめです。
SNSを活用しても、市場価値を判断できるケースがあります。SNSで仕事についての内容を投稿すると、興味を持った人々や企業からの反応があるかもしれません。実際に、趣味についてSNSで投稿したのをきっかけに、趣味が仕事になった方もいます。
自分では「普通」だと思っていた部分が、周囲には魅力的に映るかもしれません。SNSで市場価値を把握したいのであれば、仕事関連または趣味に関する投稿をしてみるのもひとつの手です。
ここからは、市場価値を高めるポイントについて、20代と30代にわけて解説します。年代によって転職活動のポイントが異なるように、市場価値の高め方も20代と30代では変わってきます。ただし、年代を問わず市場価値を高める方法もあるので、それについても見ていきましょう。
20代の場合は、30代や40代と比較して経験面が劣るのは仕方ありません。社会人経験が浅いわけですから、今後どのような経験を積めるかを左右する時期だと考え、いまは能力を磨きましょう。この時期にスキルや知識を習得してある程度の実績を積めば、重要なポジションを獲得できたり、貴重なプロジェクトに携われたりする可能性が高まります。
今後、希少性を高めて市場価値を上げたいのであれば、どのような経験をしたかは重要です。能力の差は埋められても、貴重な経験は簡単には体験できないからです。そのため20代は、経験を積むためのスキルアップ期間だと考えましょう。
社会人としての期間が長くなってくると、裁量の大きな仕事を担当できるようになる方も多いのではないでしょうか。この時期にどのような経験を積んだかによって、自分の市場価値は大きく変化します。そのため、「人を動かす」「お金を動かす」「事業拡大に貢献する」など、自ら考えて変化を起こすことを意識してみましょう。
必ずしも大成功を収める必要はありません。企業に変化をもたらした経験は、それだけで価値のあるアピールポイントになり得ます。
年代を問わず市場価値を高める方法として、希少性を高める方法が挙げられます。いわゆる、「希少人材」を目指す方法です。有している知識にもよりますが、単に専門的な知識があるだけでは、希少人材とはいえません。「複数の領域に関しての専門知識を持つ人材」「レアな経験を積んでいる人材」が希少人材と呼ばれるケースの一例です。希少人材になれれば、分野によっては、高収入を手にできる可能性が高まります。
特別な経験やスキルがないという場合には、現職での経験をほかの領域に広げるのもひとつの手です。また、海外での労働経験がある方や、語学が堪能な方も希少人材になり得ます。
自分の需要を把握する方法はいくつもありますが、より正確な価値を知りたいのであれば、実際に転職活動を開始してみるのもひとつの方法です。転職活動を始めると、必然的に企業側から自分のスキルや経験を評価されます。さまざまな企業の採用担当者と直接対話ができる環境は、自分の市場価値を知るチャンスです。
転職エージェントのように、無料で転職をサポートしてくれるサービスを利用すると、スムーズに転職活動が進み「リアルな市場価値」を把握しやすくなります。転職エージェントは一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーがついたうえで転職活動をサポートしてくれるため、好条件で働ける企業と出会えるかもしれません。
自分の市場価値を知ることは、転職を成功させるための第一歩です。自分の市場価値は「自分のスキルや経験にどのくらいの需要があるか」を示すものなので、キャリアプランを構築する際にも役立ちます。
市場価値は、主に「スキル」「経験」「実績」「専門性」の要素で構成されますが、挑む業界や職種が変われば市場価値も変化します。そのため、どの業界でスキルや経験が活かしやすいのかを把握しておくことも大切といえるでしょう。
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