更新日:2024/04/05
この記事のまとめ
最終面接で聞かれることがある「逆質問」は、知りたい情報を得ることはもちろん、自身の熱意やその企業への興味関心を伝えられるチャンスでもあります。しかし逆質問の内容が的外れであったり、逆質問はなしと回答したりしては、かえって印象を悪くしてしまうかもしれません。
そこで今回は高評価を得やすい逆質問の作り方について、ポイントをまとめました。逆質問の例文もご紹介します。具体的な質問の作り方を押さえ、転職成功率を高めましょう。
目次
一次、二次面接では、面接官は採用担当者や直接現場で働く方、あるいはそのマネージャーです。面接の目的は、応募者をふるいにかけて、次の段階に進める人材を選ぶことにあります。ですから、個別のスキルやビジネスマナーなど、現場で活かすことのできる基本的な能力が重点的に見られているのです。
対して、最終面接では社長や役員、人事責任者などが面接官となります。企業の経営を担う立場から、応募者が入社後、その企業と将来的にいっしょに進んでいけるかといった点を見ているといえるでしょう。
人間性や個性、その企業や事業全体への関心の高さといった総合的な見地から、企業の方針や将来的なビジョンに合った人材であるかを判断されますので、それを示せるような逆質問を準備しておくべきです。
では、一次、二次面接での逆質問と、最終面接の逆質問では、どのような違いがあるでしょうか。
一次、二次面接における逆質問で見られるのは、基礎的な質問力、コミュニケーション能力があるか、十分な企業理解をした上で逆質問をしているかどうかです。その企業における業務上の、具体的な質問を準備するのが望ましいといえます。
それでは、最終面接での逆質問はどうでしょうか。一次、二次面接のような実務レベルの逆質問ではなく、社長や役員でなければ答えられないようなことを聞くべきです。
経営戦略や企業理念など、どれだけ企業側の姿勢を知りたいと思っているのかが伝わる逆質問をしましょう。
「最後に聞きたいことはありませんか?」と面接官に逆質問を促されたときに、「特にありません」と答えてはいけません。その企業に対して興味がない、あるいは、他にもっと強く入社希望している企業があるのではなどと思われかねないからです。
最終面接の逆質問は、応募者にとっては、自己PRの最後の機会です。的確な逆質問を返すことができれば、自分をしっかりアピールすることが可能です。また、実際に働き始めたときに、適宜、その場に合ったコミュニケーションができるという印象を与えることができるかもしれません。
最終面接で逆質問をするとき、気を付けたいポイントがあります。些細なことですが、心掛けることでより良い印象を与えられるでしょう。
最終面接の逆質問では、その企業の現在の状況や、企業としての将来的なビジョンに踏み込んで尋ねることになります。場合によっては、面接官が答えにくい質問もあるかもしれません。 そこで、質問をする前に、「さしつかえない範囲でお願いします」と、一言添えるといいでしょう。相手への配慮を忘れない人であると好印象を与えられます。
逆質問をした際、メモをしたい場合は、必ず「メモをとらせていただいてもよろしいでしょうか」と、確認をしましょう。許可を得た上で、メモをしながら熱心に相手の話を聞くことで、熱意を伝えられるかもしれません。
ただし、メモすることに夢中になって、相手の顔を見ていない、メモすることで時間を大幅に取ってしまうようでは逆効果です。あくまでも、メモをするのは最小限にとどめ、面接官との対話に集中してください。
続いて、最終面接で逆質問をするために、準備しておきたい4つのポイントをご紹介します。
応募者自身が、逆質問をする目的はいったい何でしょうか。
その企業でどれだけ働きたいかという熱意・意欲のアピールや、長所・スキルを伝えることはもちろんですが、自分がその企業に入社した場合、十分に力を発揮できるかどうかを伝えるためにも逆質問は大切です。
社長や役員に直接質問ができるまたとない機会ですので、そのチャンスを活かせるよう、自分の知りたいことなども逆質問に含めるといいでしょう。
企業側は、自社を理解した上で、入社を希望する人材に来てほしいと思っているわけですから、その企業についてしっかり知っておくのは当然のことです。
企業のウェブサイトや社長のブログなどは、面接の直前にもチェックしておきましょう。すでに、企業情報は収集しているとは思いますが、ウェブサイトやSNSで最新の情報を得て、表に出ている情報よりもさらに踏み込んだ質問をすれば、企業への深い興味を持っているという印象を与えることができます。
最近は、逆質問に時間を割く企業も増えてきています。「他に質問はありますか?」と尋ねられたときに慌てないよう、質問は最低3~4個用意しておくと安心です。
逆質問をした後、質問で返されたときにどう答えるか、想定しておくことも大切です。
そのためにも、逆質問の意図や、なぜそれを聞きたいのかを自分の中で明確にしておくことが大切です。
一貫した考えを持っていれば、聞き返されたときの答えを用意しやすくなります。
もちろん、質問を全て想定することはできませんが、準備をしておくことで落ち着いて最終面接に臨むことができます。
続いては、逆質問の内容を考える際に覚えておきたい3つのポイントをご紹介します。
もし、自分が入社したらどのようにスキルを活かせるのかなど、「自分が入社したら」という前提の質問であれば、面接官に熱意を伝えることができるでしょう。
また、面接官に、あなたが自分の会社で働いている姿をイメージしてもらえます。
企業のビジネスモデルや今後の展望に関することなど、応募先企業の業界をよくリサーチした上で疑問に思ったことを質問すれば、研究熱心な姿勢が伝わり、評価される可能性が高いです。
企業研究したことを伝えたいときは、会社のビジョンや方向性に言及した上で質問しましょう。
応募企業の事業内容について、「自分はこう考えるが、それについてどう思うか」など、企業を研究した上での「仮説」を持たせた質問は、志望度の高さや論理的な思考能力のアピールにつながります。
業界の抱える課題や今後求められるものについて自分の意見を述べた上で、「御社が今後より力を入れるべきと考えていることは何ですか?」という風に質問するといいでしょう。
最終面接で「最後に何か質問は?」と聞かれたときの、正しい回答例をご紹介します。面接官の好印象となるような逆質問ができるように、参考にしてください。
御社では、◯◯事業に現在力を入れておりますが、今後、伸ばしていこうとお考えの事業はありますか?御社がここまで成長された一番の要因は何だとお考えであるか、差し支えなければお聞かせください。
<解説>
企業の成り立ちや今後の事業方針や成長の過程を聞くことで、その企業への興味・関心が強いことをアピールすることができます。
御社で仕事をする上で、最も大切にされていることは何ですか?活躍されている先輩方が、共通して持っている考え方はありますか?
<解説>
最終面接の逆質問は、その企業が自分に本当に合っているのかを見極めるチャンスでもあります。入社後に自分が働いているイメージができるような質問を準備しましょう。
入社させていただいたら、御社では◯◯の仕事にも挑戦したいと考えておりますが、成果次第で可能でしょうか?
<解説>
応募先企業で挑戦したいことを伝えた上で、成果によっては可能かどうかを質問してみましょう。面接官には、会社の売上などに貢献する意欲があることが伝わります。
私は◯◯部門への配属を希望していますが、部署の人数や平均年齢、役割分担を教えていただけますか?◯◯部署内にメンター制度などはあるのでしょうか?
<解説>
希望部署や配属先の部署について、具体的な質問をするのもおすすめです。部署の人数や平均年齢、役割分担、ミーティングの頻度などを聞けば、面接官にその部署に入りたいという熱意や業務に対する興味、意欲を伝えることができるでしょう。同時に、あなたが入社後に活躍する、具体的なイメージを抱いてもらえる可能性があります。
◯◯様から見た、御社で働く上で気を付けるべきポイントを教えていただけますでしょうか?御社で働く中で◯◯様が最もやりがいを感じた瞬間について、教えていただけますでしょうか?
<解説>
面接官個人に質問をした場合、面接官は自ら考え、回答を探すことになるため、印象に残る場合があります。ただし、面接官によっては個人的に尋ねられることを好まない場合があるので、面接官の人柄を観察した上で、掴みどころがあると判断した場合のみにしましょう。
続いては、評価が下がってしまうリスクがある、NGな回答例をご紹介します。
入社後に部署移動はできますか?
<解説>
「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンは避けるべきでしょう。理由は、逆質問の後、話が展開していかないからです。意欲が感じられない、企業に対する興味が薄いと判断されてしまいます。
御社のライバル企業となるのは●●社だと検討をつけておりますが、●●社についてどのように思いますか?●●社の◯◯(商品名)と比べると、御社の△△(商品名)の□□の部分がウィークポイントだと思うのですが、どのようにお考えでしょうか?
<解説>
ライバルである同業他社名を出したり、具体的な商品名を出したりすることは控えるのがビジネスマナーといえます。ライバル社と応募先企業を比較して、応募先企業の弱点を指摘することもNGです。
御社の強みや弱みを教えてください。主力商品やサービスは何ですか?
<解説>
とりあえずどんなサービスを展開しているのか確認しておくといった典型的な質問は無礼にあたり、応募先企業への興味関心が薄いと思われてしまいます。面接の場でなくても、企業のウェブサイトなどを見ればわかる内容を質問するのもNGです。事前にしっかりと企業研究をして、面接官からではなくては回答をもらえない質問を用意しましょう。
最終面接の逆質問は、最後のアピールの場であるとともに、その企業が自分にとってこれから働いていくのにふさわしいかを見極める機会でもあります。あらゆるパターンを想定して準備しておくといいでしょう。
「この逆質問をしても大丈夫だろうか」と、不安に思うこともあるかもしれません。そんなときは、マイナビエージェントへご相談ください。豊富な知識を持つキャリアアドバイザーが、転職全般を見据えてアドバイスいたします。
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