更新日:2025/02/17
この記事のまとめ
最終面接で成功を掴む鍵は質問力にあるかもしれません。採用担当者への逆質問は単なる情報収集ではなく、熱意や適性をアピールする絶好の機会です。
しかし、どのような質問をすればよいか、どのタイミングで質問したらよいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。本記事では、転職成功率を高める逆質問のテクニックと採用担当者の心をつかむ質問例を紹介します。
目次
一次、二次面接で面接を担当するのは採用担当者や現場のマネージャーです。たくさんの応募者の中から次の選考に進める人材を選ぶのが目的で、経験やスキル、基本的なビジネスマナーといった現場で活かせる能力を中心に見極めます。
一方、最終面接の面接官は社長や経営層です。企業の経営を担う立場の視点で、応募者が自社と一緒に歩める人材かどうかといった点を見ます。
企業や事業への興味・関心の高さはもちろん、人間性や個性を含む総合的な見地で企業の方針や将来的なビジョンに合致した人材か判断されるため、その点をアピールできる逆質問の準備が必要です。
一次、二次面接の逆質問では、質問力と併せて、コミュニケーション能力や企業理解の有無が見られます。したがって、応募先企業の業務に関する具体的な質問を準備するのが望ましいでしょう。
最終面接の逆質問は一次、二次面接で質問するような実務に関する内容ではなく、社長や経営層でなければ答えられない踏み込んだ内容を聞く必要があります。たとえば、経営戦略や企業理念など、企業の姿勢を知りたいという熱意が伝わる逆質問です。
「最後に聞きたいことはありませんか」と面接官に逆質問を促されたとき、「特にありません」と答えるのは避けたほうがよいでしょう。その企業に対して興味がない、あるいは、ほかにもっと強く入社を希望している企業があるのではないかと思われかねないためです。
最終面接の逆質問は、応募者にとって自己PRの最後の機会です。的確な逆質問ができれば、自分をしっかりアピールできます。実際に働き始めても、その場に合ったコミュニケーションができるという印象を与えられるでしょう。
最終面接で逆質問をするとき、気を付けたいポイントがいくつかあります。細かい内容ですが、心掛けることでよりよい印象を与えられるでしょう。ここでは、最終面接の逆質問で注意したほうがよいポイントを2つ紹介します。
最終面接の逆質問では企業の現在の状況や将来的なビジョンについて踏み込んで尋ねます。中には、面接官が答えづらい質問もあるでしょう。そのため、質問する前に「差し支えない範囲でお願いします」と一言添えるのがおすすめです。相手に配慮できる人物であるというよい印象を持ってもらえます。
逆質問をした際、メモを取りたい場合はかならず「メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか」と確認しましょう。許可を得たうえでメモを取りながら熱心に相手の話を聞くことで、熱意が伝わります。
ただし、メモを取ることに夢中になって、相手の顔を見ていなかったり時間を大幅にかけたりするのは逆効果です。メモは最小限にとどめ、面接官との対話に集中しましょう。
転職成功につながる効果的な逆質問をするには、入念な準備が必要です。ここでは、最終面接で逆質問をするために、準備しておきたい4つのポイントを紹介します。紹介する内容を参考に、しっかりと準備を進めましょう。
応募者自身が逆質問をする目的は何か考えましょう。その企業でどれだけ働きたいかという熱意や意欲のアピールはもちろん、自分が入社したら十分に力を発揮できるかどうかを伝えるためにも逆質問は大切です。
社長や役員に直接質問ができるまたとないチャンスを活かせるよう、自分の知りたいことも逆質問に含めるとよいでしょう。
企業は自社を理解したうえで入社を希望する人材に来てほしいと考えています。したがって、その企業についてしっかり調べて知ることが大切です。
企業のWebサイトや社長のブログは面接の直前にもチェックしましょう。すでに企業情報は収集していても、WebサイトやSNSで最新の情報を得て踏み込んだ質問をすれば、企業に深い興味を持っているという印象を与えられます。
最近は逆質問に時間を割く企業が増えています。「ほかに質問はありますか」と尋ねられたときに慌てないように、質問は最低3個~4個用意しておくと安心です。
逆質問に質問で返されたときの対応をシミュレーションすることも大切です。そのためには、自分が考えた逆質問の狙いや尋ねる理由を明確にしましょう。逆質問で知りたい内容をはっきりさせることで、聞き返されても焦らずに対応できます。
質問をすべて想定するのは困難です。しかし、最低限の準備をすることで、落ち着いて最終面接に臨めるでしょう。
最終面接は一次、二次とは面接官や質問の内容が異なるため、逆質問の内容も大切です。いままでとは違った視点で逆質問を考えましょう。ここでは、逆質問の内容を考える際に覚えておきたい3つのポイントを紹介します。
入社後、自分のスキルはどのように活かせるかなど、「自分が入社したら」という前提で逆質問をすれば、面接官に熱意が伝わるでしょう。また、面接官にもあなたが自分の会社で働いている姿をイメージしてもらいやすくなります。
応募先企業の業界をリサーチして疑問に感じたことを逆質問にすれば、研究熱心な姿勢が伝わり、評価されるでしょう。たとえば、企業の事業計画や今後の展望に関する質問です。会社の経営方針や理念に言及したうえで質問することで、企業研究を徹底したことが伝わるでしょう。
応募先企業の事業について「自分はこのように考えますが、それについて考えを聞かせてほしい」といった企業研究の際に生じた仮説を含む質問は、志望度の高さや論理的思考力のアピールにつながります。
業界が抱える課題や今後求められるものについて自分の意見を述べたうえで、「御社が今後より力を入れたいと考えていることは何ですか」と質問するとよいでしょう。
入念な準備はしたものの、具体的な逆質問の内容に悩む方もいるでしょう。ここでは、最終面接で「最後に何か質問はありますか」と聞かれたときのおすすめの逆質問例を紹介します。面接官に好印象を与えるために、参考にしてみてください。
【逆質問例】
・御社では、◯◯事業に現在力を入れておりますが、今後、伸ばしていこうとお考えの事業はありますか
・御社がここまで成長された一番の要因は何だとお考えか、差し支えなければお聞かせください
・御社の理念には〇〇とありますが、この理念を感じるエピソードを教えていただけますか
・○○事業について□□という目標が掲げられていますが、具体的にどのような取り組みをされているか、差し支えない範囲でお聞かせください
・御社の理念は○○ですが、この理念を反映するために今後注力しようとお考えのサービスはありますか
・〇〇事業部の売り上げが前年と比べて大きく伸びていますが、どのような施策を打ちましたか
・御社は中途採用を3年前から始めたとのことですが、中途入社の社員に期待することは何ですか
・御社ではM&Aが活発に行われていますが、新規事業ではなくM&Aを多くする理由を教えていただけますでしょうか
・御社の営業利益を見たところ、投資フェーズから収益フェーズに移ったように感じますが、働くうえでの変化は何かありますか
・今後の事業展開に何か変化はあるでしょうか
・中期経営計画の御社の売上高の成長曲線を見たところ、来年度から成長速度を上げる必要があると書かれていました。具体的にどのようにして成長速度を上げようとお考えですか
・〇〇事業部では設備投資が盛んに行われていますが、設備の更新と経営課題を解決のどちらの意味合いが強いですか
・御社のサービスは競合他社に比べて〇〇の点が優位であると考えますが、ほかにはどのような優位性があるか聞かせていただきたいです
・御社は広告費に多額の投資をしているとお聞きしています。BtoB企業の御社にとってどのような狙いがありますか
・御社の経営戦略の〇〇の点について私はこう考えますが、実際に働くうえでどのように意識すればよいでしょうか
・10年後、御社はどのようになっていると思いますか
・御社が海外進出すると伺いましたが、どのような国への進出を検討されているか差し支えなければ教えていただきたいです
・競合に勝つためには、どのような施策が必要と考えていますか
・御社の事業の中で、今後業界で欠かせない立ち位置になるために発展すべきことは何だと考えますか
・直近の実績を拝見すると、御社では既存事業の拡大が活発に行われていますが、新規事業ではなく既存事業に注力する理由を教えていただけますか
・中期経営計画によると、来年から新しい事業に参入されるそうですが、その立ち上げ場所に〇〇(国名)を選ばれた理由は何でしょうか
・御社の企業理念を一番体現している事業を教えてください
<解説>
企業の成り立ちや今後の事業方針や成長の過程を聞くことで、その企業への興味・関心が強いことをアピールできます。
【逆質問例】
・御社で仕事をするうえで、最も大切にされていることは何ですか
・活躍されている先輩方が、共通して持っている考え方はありますか
・御社で活躍する社員にはどのような特徴がありますか
・御社で活躍している社員に対して、何を大切にして働いてほしいとお考えですか
・御社の強みである◯◯を継続するために、何を意識して業務に取り組むべきでしょうか
・御社の業界や市場の変化に対応するため、自己成長をどのように促したいかお聞かせください
・前職では顧客の要望を聞くためにコミュニケーションを重視して働いていました。御社では何を大切にすればよいでしょうか
・御社に貢献するためには、どのようなスキルや知識を身につけるとよいですか
・御社で仕事を始める前に、勉強しておいたほうがよいことを教えてください
・これまでの面接で、御社が求める人物像は3つあると伺いましたが、採用の中で一番重視しているのはどれですか
・御社で働くうえで最も意識すべきポイントをお聞かせください
・理念を体現するために、社員にはどのような働き方や行動を求めますか
・御社の主力事業は〇〇ですが、活躍している社員に共通する能力や姿勢は何ですか
・仕事の成果はどのような観点で評価されることが多いでしょうか
<解説>
最終面接の逆質問は、その企業が自分に本当に合っているのかを見極めるチャンスでもあります。入社後に自分が働いているイメージができるような質問を準備しましょう。
【逆質問例】
・入社させていただいたら、御社では◯◯の仕事にも挑戦したいと考えておりますが、成果次第で可能でしょうか
・私は◯◯部門への配属を希望していますが、部署の人数や平均年齢、役割分担を教えていただけますか
・◯◯部署内にメンター制度などはありますか
・御社に入社した際は全力で仕事に取り組みたいと考えておりますが、どのような能力が求められますか
・御社に入社したら〇〇事業で働きたいと考えていますが、可能でしょうか
・私自身、経営者を目指したいと考えていますが、社長になるために必要なスキルは何だと思いますか
・営業部に配属されたら、どのような仕事を任せていただけますか
・いままで手掛けたWebデザインを紹介しましたが、何かフィードバックがあればお聞かせください
・経理の仕事に興味があり、半年ほど簿記の習得に取り組んでいます。御社で活かすことはできますか
・日常業務の中で海外企業と英語でメールのやり取りをしていますが、御社で海外勤務の可能性はあるでしょうか
・社内ベンチャーでリーダーの経験があります。御社でも新規事業を提案できる制度はありますか
・社員が部署を超えて交流できる機会はありますか
・他社と共同で、ひとつのプロジェクトに取り組むことはよくありますか
・御社では社員同士の垣根が低く部署交流が多いと伺いましたが、いち早く職場になじむためにはどのような心積もりをしておけばよいでしょうか
・コロナ禍で御社の働き方は何か変わりましたか
・現在はリモートワークが中心と聞いていますが、今後の情勢次第で変化はありますか
・〇〇プロジェクトに参加するには、どのようなキャリアアップが必要でしょうか
・私は最年少役員に就くことを目標として活躍したいと考えています。そのためには、どのようなキャリアパスが必要でしょうか
・私は英語力を活かして将来的に海外の〇〇事業部で働きたいと考えていますが、実際に中途で入社された方から〇〇事業部に配属された方はいますか
<解説>
応募先企業で挑戦したいことを伝えたうえで、成果によっては可能かどうかを質問してみましょう。面接官に会社の売り上げに貢献する意欲があることが伝わります。
希望部署や配属先の部署について、具体的な質問をするのもおすすめです。部署の人数や平均年齢、役割分担について尋ねれば、その部署に入りたいという熱意や業務に対する興味、意欲が伝わるでしょう。同時に、入社後に活躍する姿をイメージしてもらえます。
【逆質問例】
・◯◯様から見た、御社で働くうえで気を付けるべきポイントを教えていただけますでしょうか
・御社で働く中で、◯◯様が最もやりがいを感じた瞬間について教えていただけますか
・経営者から見た御社の魅力は何だとお考えですか
・〇〇様が入社してから現在までの間で最も楽しかったことは何ですか
・経営するうえで最もピンチだと感じたときはどのようなときですか。また、どのように乗り越えましたか
・初めて御社に入社したときはどのような目標を掲げていましたか
・人生の分岐点はどこだったと思われますか
・3年後はどのようになっていたいですか
・目標としている経営者を教えてください
・会社は社長にとって何ですか
・□□様が書かれた本を読ませていただきました。〇〇の点で心を打たれましたが、どのような気持ちで実行されたのかお聞かせ願いたいです
・日ごろから〇〇様はSNSで発信をされていますが、どのような思いで発信していますか
・経営層になってから考え方が変わったことはありますか
・○○様にとって会社はどのような存在ですか
・昨年御社では大幅な資金調達を実現しましたが、〇〇様の中で、投資企業が御社へ融資を決めた理由は何だと考えていますか
・社長のルーツをHPで拝見したのですが、御社を立ち上げるきっかけとなった前職の〇〇ではどのような仕事に取り組まれていましたか。当時仕事で大切にしていた価値観も聞かせてください
・御社に入社できたら、3年後は□□のような人物になっていたいと考えています。〇〇様が入社3年目のときはどのような仕事をされていましたか
・社会人はスキル以外に人間性が大切だと感じています。人間力を鍛えるために〇〇様が心掛けていることを教えてください
・〇〇様は以前□□で働かれていたと記事で拝見しました。どうして御社を選ばれたのでしょうか
・過去の記事で、〇〇様は御社の魅力は□□であると発言していましたが、具体的にどのような点から魅力を感じましたか
<解説>
面接官個人に質問した場合、面接官は自ら考えて回答を探すため、印象に残る場合があります。ただし、面接官によっては個人的に尋ねられることを好まない方もいるため、面接官の人柄を観察したうえで可能だと判断した場合のみにしましょう。
【逆質問例】
・先ほど面接中に○○とお聞きしましたが、具体的にどのような業務内容で成果を求められるのか、詳細をお聞かせください
・先ほど話題に出た○○業務ですが、入社後の成果次第で挑戦は可能でしょうか
・先ほど○○業務についてお聞きしましたが、関連して取得したほうがよい資格はありますか
・これまでのお話やHPの情報を踏まえて、御社の〇〇事業の今後の課題は□□だと私は考えたのですが、実際に働くうえで事業の課題解決にはどのようなことが必要でしょうか
・前回の面接で〇〇様(採用担当者)より、御社では社風に合った方が多く働いていると聞きました。実際にそう感じたエピソードをお聞かせ願いたいです
事前に用意していた質問だけでなく、面接していて疑問に感じたことや詳しく聞きたいことがあれば、このタイミングで解決するとよいでしょう。面接中、面接官の話をしっかりと聞き、臨機応変に質問ができるというよい印象も与えられます。
逆質問にはさまざまなパターンがあり、入社に対する熱意や意欲をアピールできますが、あまりよくない印象を与えてしまう質問もあるため注意しましょう。続いては、評価が下がるリスクがあるNGな回答例を3つ紹介します。
【逆質問例】
入社後に部署移動はできますか
<解説>
「はい」「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンは避けたほうがよいでしょう。逆質問の後、話が展開しないためです。意欲が感じられず、企業に対する興味が薄いと判断されてしまいます。
【逆質問例】
御社のライバル企業は●●社だと検討をつけておりますが、●●社についてどのように思いますか。●●社の◯◯(商品名)と比べると、御社の△△(商品名)の□□の部分がウィークポイントだと思うのですが、どのようにお考えでしょうか
<解説>
ライバルである同業他社名や具体的な商品名を出すことは控えましょう。ライバル社と応募先企業を比較して、応募先企業の弱点を指摘することもNGです。
【逆質問例】
・御社の強みや弱みを教えてください
・主力商品やサービスは何ですか
<解説>
とりあえずどのようなサービスを展開しているか確認するといった質問は礼を欠き、応募先企業への興味関心が薄いという印象を与えます。企業のWebサイトを見れば分かる内容を質問するのもNGです。事前にしっかりと企業研究をして、社長や経営層でないと回答できない質問を用意しましょう。
最終面接の逆質問は、最後のアピールの場であるとともに、その企業が自分にとってふさわしいかを見極める機会でもあります。あらゆるパターンを想定して準備するとよいでしょう。
「この逆質問をしても大丈夫か」と不安に思うこともあるかもしれません。そのようなときは、マイナビエージェントへご相談ください。豊富な知識を持つキャリアアドバイザーが、転職全般を見据えてアドバイスします。
最終面接は一次、二次面接とは違い、企業の方針や理念、事業方針に合う人材かを見極める場です。逆質問もさらに踏み込んだ内容が求められます。企業研究を徹底したうえで、経営層しか答えられないような経営や事業に関する質問を用意するとよいでしょう。
入社への意欲や熱意が伝わる逆質問について悩んでいる方は、転職エージェントを活用するのもひとつの方法です。マイナビエージェントでは専任のキャリアアドバイザーによる面接対策にも力を入れています。転職活動をスムーズに進めたいなら、マイナビエージェントの利用をご検討ください。
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