更新日:2023/05/15
インフラエンジニアは、ネットワークの設計・構築・保守を担う「ネットワークエンジニア」と、サーバーの設計・構築・管理運営を担う「サーバーエンジニア」の特徴を併せ持つ、IT業界の縁の下の力持ちにあたる職種です。
ただし、同じインフラエンジニアでも、大手元請け企業と中小下請け企業のエンジニアでは、まったく違う仕事をしているといっても過言ではありません。
ここでは、そんなインフラエンジニアの仕事内容やキャリアの積み方について、企業の規模や性格ごとの実情を踏まえてご紹介します。
目次
インフラエンジニアの仕事は、名前のとおり「通信インフラシステム全体を整えること」です。
詳しくは、以下の5つのパートで分類できます。
一方、IT業界全体は、顧客から直接プロジェクトを受託する大手元請け企業から、下請けを担当する多くの中小企業へと仕事が流れていく分業制になっており、その流れのどこに位置するかによって担当する仕事のパートが決まっていきます。
インフラエンジニアの主要な勤め先には、大手SIer、中小SIer、一般企業のIT部門の3種類がありますが、それぞれの分業体制上のポジションと、そこで働くインフラエンジニアの実際の仕事内容はおよそ次のようにまとめられます。
顧客の要望に合わせてシステムを構築・運営する企業をSIerといいますが、すべてのSIerが直接顧客から注文を受けているわけではありません。
実際のところ、顧客から直接プロジェクトを受託しているのは、ひと握りの大手SIerと、独自の強みを持った一部の中小SIerだけで、多くの中小SIerは大手の下請けとしてプロジェクトに携わっています。
その中で、直接プロジェクトを受託する大手SIerは、開発工程の最も上流にいる存在といえます。
大手SIerのインフラエンジニアの仕事は、プロジェクトの頭の部分にあたる要件定義から設計までであり、実際に現場でシステムの構築を行うことは、ほぼありません。
プロジェクトマネジメントがメインなので、エンジニアにも、個々の技術より対人折衝能力や調整力、コミュニケーション能力が求められます。
中小SIerは、顧客から直接プロジェクトを受託せず、大手から流れてくる案件に参加することが多くなります。
このような場合、中規模SIerは設計、構築、テスト、小規模SIerは運用保守というように、業務が分担されていることがほとんどです。
ですから、企業に所属するインフラエンジニアの仕事も、所属企業によってその分担の範囲に限られてしまいます。
また、中小SIerの中には、大手SIerと同様、顧客から直接受託しているところがあります。
この場合、どの段階まで携わるのかは会社によって異なりますが、要件定義から設計、構築、テスト、運用保守まで、すべて行う会社も珍しくありません。
そのような会社ではインフラエンジニアの仕事も多岐にわたるため、様々な経験を積むことができます。
SIer以外に、一般企業のIT部門やシステム部門で働くインフラエンジニアもいます。
主な業務は社内システムの運用ですが、規模が小さい会社の場合は、ウェブサイトの管理からセキュリティ対策、ビッグデータの活用、パソコンの設定まで、社内のIT関連業務全般を任されることもあります。
新しいシステム構築などの場合は、外部のSIerに依頼する場合がほとんどなので、みずからシステムを設計・構築することはほとんどありません。
インフラエンジニアとしてキャリアを積む方法は、まず運用保守として経験を積み、スキルが高まったところで構築、設計・要件定義ができるポジションに移動していくという、インフラエンジニアの仕事のすべてを経験しながらステップアップしていくのが王道です。
この王道を歩むとすれば、中小SIerで経験を積み、自社案件を扱う中小SIerや大手SIerへの転職を目指していくのが現実的です。
また、この王道から考えると、一般企業のIT部門への転職は脇道にあたりますが、一企業のIT関係のすべてを自分で管理できるといった、王道であるSIer勤務では味わえないやりがいを感じることができます。
ここまでご紹介したとおり、インフラエンジニアの場合、会社が受けている案件で仕事内容が決まるだけに、転職先選びは慎重に行う必要があります。
転職エージェントもうまく使って、会社の扱っている案件をしっかり把握した上で応募してみてください。
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