更新日:2022/06/29
この記事のまとめ
クラウドサービスの普及に伴い、SaaS製品への関心が集まっています。中には業界の将来性に期待してSaaS企業の営業職に転職したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、SaaS営業に転職するときに役立つ資格を紹介します。営業職は資格が必須とされる職種ではありませんが、資格を取得すれば自身のスキルを客観的にアピールでき、転職を有利に進められるでしょう。
目次
SaaS営業への転職時に必須となる資格はありません。しかし、IT系の資格や語学関係の資格などを取得しておくと顧客からの信頼が得られるため、転職活動の際にも高評価につながりやすいでしょう。しかしいったいどの資格を取得すればよいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。そこで、ここではSaaS営業へ転職するのに役立つ資格を8つ紹介します。
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基本情報技術者試験(FE)は、ITエンジニアを目指す際に取得しておきたい資格です。営業職がこの資格を取得していれば、ICT技術に関する基礎的な知識・スキルを有することを証明でき、顧客に安心感を与えられるでしょう。
ただし、基本情報技術者試験はあくまでも基礎レベルの知識・スキルを問うものです。顧客からより高いレベルの信頼を得たいと考えている場合は上位資格へのステップアップを検討しましょう。
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応用情報技術者試験(AP)は基本情報技術者試験(FE)の上位資格です。システムを開発・設計するのに必要な具体的な技術についても試験内容に含まれているため、取得するにはより高度な知識・スキルが求められます。
応用情報技術者試験に合格すれば自社で開発しているSaaS製品の技術的な側面を理解しやすくなり、顧客に技術面の説明をする際に役立つでしょう。将来的にエンジニアへのステップアップを検討している方にもおすすめです。
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ITパスポート試験はIT全般に関する基礎的な知識・スキルを問う試験です。IT業界関係者のみを対象とした試験ではなく、現代社会で働くすべての方を対象にしています。
ITパスポート試験はあくまでも基礎的な知識・スキルを問うものであり、これだけでは顧客に安心感を与えるには不十分といえるでしょう。ITパスポート試験に合格したら、より高度な知識・スキルが求められる試験にステップアップするのがおすすめです。
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TOEICは日常生活やビジネスで必要な英語力を測定する試験です。SaaS営業として海外案件にも携わりたい、もしくは外資系SaaS企業で働きたいと考えている場合は特に重要で、レベルBに相当する730以上のスコアを目指して学習するとよいでしょう。
企業によっては採用・昇進の条件としてTOEICで一定スコアの獲得を求めているケースもあります。グローバル化が進んだことにより海外進出する企業が増えており、今後も英語スキルが必要とされる機会は増えるでしょう。
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FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定では、資産運用や税金、事業承継、相続などに関する知識が問われます。営業として顧客と接する中で、資金関連の悩みを抱えている顧客に対応するケースもあるでしょう。
そのようなときにFP技能検定を通して培った知識が役立ちます。試験は1級~3級の3段階に分かれており、顧客からの信頼を得ることを目的としているなら2級以上を取得するのがおすすめです。
MBA(Master of Business Administration)は、一般的な資格のように試験に合格することで付与されるものではありません。社会人を対象としたビジネススクールや、大学院で修士課程・専門職学位課程を修了した際に付与される学位です。
MBAを取得するための学習では、経営の4要素(人・物・金・情報)のうち人・物・金の3要素について詳しく学びます。学習を通してマネジメントスキルを高められるメリットがあるため、将来的に営業から経営層へのステップアップを目指している方にもおすすめです。
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販売士は、リテールマーケティングや経営に関する知識・スキルを有することを証明する資格です。営業職として働くうえで高く評価される資格ではありませんが、学習を通して習得した知識は営業現場で活用できます。
顧客に適切な商品を紹介し、契約につなげるにはマーケティングに関する知識が不可欠です。1級~3級の3段階に分かれているため、下位から取得して順次ステップアップしていくとよいでしょう。
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消費生活アドバイザーは消費者問題に関する知識を活用し、消費者と企業・行政機関間のやりとりをサポートする役割を果たします。資格を取得すれば、消費者の声をヒアリングして正しく理解し、的確に伝えるスキルを身につけられます。
消費者の声から直接的・間接的なニーズを把握し、適切な商品を紹介することは営業として成果を上げるうえで欠かせません。こちらも直接高く評価される資格ではありませんが、取得しておくと実務に活かせるでしょう。
SaaS営業として活躍するには、資格取得だけではなく必要な経験を積み重ねてスキルを習得することも大切です。ここからは、SaaS営業の現場で活かせる4つのスキルを紹介します。
ITに関する知識などSaaS営業特有のスキルもあれば、営業職全般に共通するスキルも存在します。汎用的なスキルは転職前でも習得しやすいため、普段の業務を通して培いましょう。
SaaS営業として働いていると、取引先企業の担当者や社内のエンジニアとのコミュニケーションが必要になる機会があります。大規模なプロジェクトでは多くのスタッフと協力して進めなければならないこともあるでしょう。
そのようなシーンでは、さまざまな立場や職種のスタッフを適切にマネジメントするスキルが必要です。マネジメントスキルは営業からより上位の職種にキャリアアップするときにも欠かせないため、スキルアップに励みましょう。
構築力や提案力は営業職にとって欠かせません。営業職として働いていると、ヒアリングを通じて顧客の要望や既存システムの改善点を把握し、開発にフィードバックする機会があります。そのほか、顧客の悩みを解決するために必要なシステムを提案しなければならないこともあるでしょう。
提案力を高めれば顧客のニーズにマッチしたシステムを提案でき、より信頼性が高まります。信頼性を高めるには、他人と良好な関係を構築することも大切です。ヒアリング力やトーク力などの基本的なヒューマンスキルも高めましょう。
SaaS製品について顧客に分かりやすく解説するには、ITに関する知識が求められます。顧客から機能や仕組みに関する説明を求められたときに適切に解説できれば、自社製品に対する信頼を高められ、契約につなげやすくなるでしょう。
IT業界は進化のスピードが速く、新たな技術や製品が次々に登場します。SaaS営業として長く活躍したいのであれば、常に最新のIT知識を習得する意識が不可欠です。
SaaS製品は法人向けのものが多く、法人営業の経験を活かせます。各企業が抱えている課題を知り、ICTをどのように活用すれば解決できるのかを考えなければなりません。
自社製品を魅力的に紹介するには、顧客企業側の担当者に対して効果的にプレゼンするスキルが必要です。また、SaaS営業では導入・運用プロジェクトに携わるメンバーの一員として、プロジェクト全体をサポートするスキルも求められます。法人営業ではこれらの業務に総合的に携わる機会が多いため、SaaS営業への転職後も経験を活かせるでしょう。
SaaS営業としてソフトウエアやサービスの販売に携わるうえで、覚えておきたい専門用語がいくつか存在します。ここからは、SaaS営業の現場で耳にする機会が多い専門用語の意味と重要性を解説します。
以上の4つは、いずれも収益に関係する重要な用語です。それぞれの意味を正しく理解したうえでデータ分析に取り組み、結果を実務に活かすことで収益力を高められます。
LTV(Lifetime Value)は、特定の顧客が生涯にわたって自社にもたらした価値の総量を示す数値です。売り切り型のICTツールであれば、顧客に製品を販売すればアフターサポート以外の関係は発生せず、基本的にツールの販売価格が自社にもたらした価値といえます。
しかし、SaaSツールにはサブスクリプションタイプのものも多く、そのようなICTツールは月単位や年単位で契約して利用します。このような場合、契約期間中は継続的に自社に売り上げをもたらしてくれますが、解約するとそれ以降は売り上げが発生しません。
サブスクリプションタイプのSaaSツールを主力にしている場合は、顧客満足度を高めて長期的に利用してもらえるようにすることが必要です。
ARR(Annual Recurring Revenue)は、年単位で一定金額を支払うタイプのビジネスモデルです。サブスクリプションの一種で、顧客は料金を支払っている間はそのツールを使用できます。サブスクリプションには月単位で一定金額を支払うタイプのビジネスモデルもあり、こちらはMRR(Monthly Recurring Revenue)と呼んで区別するのが一般的です。
SaaS製品には月額と年額の2プランが存在するものや、サブスクリプション型と買い切り型の両方を用意しているものがあります。自社が提供しているICTツールの特徴に応じて、顧客ニーズにマッチしたプランを提供しましょう。
CAC(Customer Acquisition Cost)とは、1契約を獲得するのにかかったコストの総量を示す数値です。SaaS製品の場合、マーケティングや営業に費やしたコスト、開発・導入にかかったコストを含みます。
契約獲得に費やしたコストの総量を獲得した契約数で割ることでCACを算出でき、売り上げなどの別の指標と比較すれば収益がどの程度なのかを把握できるため、営業活動がより効率的になります。
Churnは解約を示す用語で、サブスクリプション型のICTツールなど継続的に利用してもらうことで収益を上げるタイプのビジネスでは見逃せません。解約が増えると収益も減少するため、日々の営業活動では新規顧客を獲得することに加えて既存顧客の解約を防止することが求められます。
ヒアリングを通して不満点を聞き出し、改善につなげたり次期アップデートに反映したりすることで顧客満足度を高め、解約するユーザーを可能な限り減らす意識が重要です。
SaaS営業は、自社で開発しているSaaS製品を顧客に販売する職種です。ICTツールを取り扱うため、ITに関する知識・スキルを証明する資格を取得しておくことをおすすめします。特に転職を考えている方は資格を取得することで自身のスキルをアピールできるため、転職活動を有利に進められるでしょう。
営業職全般に通用するマネジメントスキルやコミュニケーションスキルも欠かせないため、転職前からスキルアップに励むことをおすすめします。
SaaS営業に転職したいと考えている方は、自分のスキルを発揮できる企業を探すことが大切です。活躍できる企業を探している場合はぜひ営業職に強いマイナビ営業エージェントをご活用ください。営業職への転職を全力でサポートいたします。
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